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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part158


853 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:20:16 ID:cMN
出版業者「あっ、先生はどうです?急に弟子をとって生活にも変化があったでしょうけど…お変わりないですか?」
雪の女王「変わりないよ。師として教えられることは少ない…なんて言っていたが、毎日チャールズの作品を共に考察したり細かい表現の指導なんかをしている。実に教育熱心だよ」
雪の女王「元々忙しい人だがなんとか時間をやりくりして弟子との時間を作っているようだ。だが疲れている様子はない、むしろ楽しんですらいる…作家というのはやはり変わり者が多いよ」
出版業者「ハハッ、先生は逆境慣れしてますから。多少忙しいくらいはむしろ楽しんじゃうタイプですよ。担当としては先生にあまり負担がかかってないようで良かったです」
雪の女王「その辺りはチャールズの飲み込みが早いというのも一因だろう。それに日に日に力を付けていくチャールズを見ているのは楽しく師として嬉しいそうだ、そう言っていたよ」
出版業者「そうですか。師としてもうまくやってるって感じですね、流石は先生!ですが私としては…」
雪の女王「心配しなくても次回作の執筆も進んでいるよ。君の心配はむしろそこだろう?」クスクス
出版業者「はは、ばれちゃいましたね。なんだかんだいっても私が一番楽しみにしてるのは先生の次回作ですからね、業者としてもファンとしても!」
雪の女王「フフッ、わかった。先生に伝えておくよ」
出版業者「お願いします。でもしかし、なんというか…とても意外ですね」
雪の女王「先生が弟子をとった事がか?まぁ確かにそうだが」
出版業者「ハハッ、違いますよ。私が意外と言っているのは助手さん、あなたの事です」

854 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:22:39 ID:cMN
雪の女王「私の事…?どういうことだ?私は意外な事など何一つしていないが」
出版業者「うーん、なんといいますか…今だから言いますけど、初めてあなたと出会った時、私は『恐ろしい女性が先生の助手をしている』と思ったものです」ハハハ
雪の女王「また随分な印象だな…まぁ否定はしないが」
出版業者「初対面のあなたは先生の助手でありながら、先生に不信感を持っているようで…それは憎しみのようにも見えました」
出版業者「深くは追求しませんでしたけど私は思いましたよ、この女性はきっと何か事情があって嫌々ながら先生に付き従っているのかもしれないと」
雪の女王「なかなか鋭いな君は。確かにあの時は…そうだったよ。あの日、先生に付き従ったのは望んでの事じゃなかった」
出版業者「でしょう?だからおそらく長くは続かない、そう思っていましたが…あなたはこうして今日まで助手としての活動を続けている」
出版業者「それだけじゃなく、今のあなたからは先生への憎しみは感じられません。むしろ、望んでいなかったはずの今の状況を楽しんでいるのではないですか?」
雪の女王「…まぁ、そうかもしれないな」
出版業者「そうですよ。先生が師として弟子の成長を喜んでいる、チャールズ君が楽しそうに修行している、あなたはそう話していましたが…」
出版業者「私には、二人のことを話すあなたが一番楽しそうに見えまましたよ?実に嬉しそうに二人のことを話していましたからね」フフッ
雪の女王「そんな風に面と向かっていわれると…気恥ずかしいものがあるよ。だが……」
雪の女王「確かに今の生活は…私にとって心地良いものかもしれないな」

855 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:25:27 ID:cMN
出版業者「まぁ助手さんは随分丸くなりましたよね、でもムスッとしていたあの頃より今の助手さんの方が素敵ですよ。それに今ではあなたと先生の間には固い絆さえ感じていますよ、私は」
雪の女王「あぁもう解った解った、勘弁してくれ…もうこの話はヤメだ」フイッ
出版業者「ハハッ、そんなに照れなくたって良いじゃないですか」アハハ
雪の女王「まったく君は…。まぁいい、そんなことよりこの辺りで良いパン屋を知らないか?」
出版業者「パン屋ですか?でも先生、いつも近所のパン屋を利用しているって言っていましたよ?」
雪の女王「それが臨時休業でな、私は他のパン屋を知らないから困っていたところだ」
出版業者「そういうことならそこの角を曲がったところに評判のパン屋がありますよ。うちの若い子にも人気で、最近流行ってるみたいですよ」
雪の女王「なるほどな、なら試してみるとするか。ありがとう、助かったよ」
出版業者「いえいえ、じゃあ私はそろそろ会社に戻ります。じゃあ先生とチャールズ君によろしくお願いします」
雪の女王「あぁ、伝えておくよ」
出版業者「では、また何かありましたら一報ください。それでは」スタスタ
雪の女王「まったく、予想外な人物にからかわれてしまったな」フゥ
雪の女王(だが彼の言うとおりだ。アンデルセンを殺すためにこの世界に来たと言うのに…今では彼等との生活を楽しんでいる私がいる)
雪の女王「まったく、情けないことだな。私はいつから容易く懐柔されるような安い女になったんだか……だが、まぁ」
雪の女王「それはそれで、悪くはない…か」フフッ

856 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:28:42 ID:cMN
街で噂のパン屋
雪の女王「ここが彼の言っていたパン屋か。なるほど、なかなか感じのいい店構えだな」
カランカラーン
女子1「限定のパン、ギリギリ間に合って良かったねー」ホクホク
女子2「いつ来ても売り切れてるから今日は運が良かったよ!でも毎日パンばっかり食べてて太っちゃうかも」
女子3「大丈夫、パンって元は小麦でしょ?つまり野菜なの、むしろヘルシーなのよ!」
女子1、2「ホントだ…!ダイエットに最適じゃん!」キャッキャ
雪の女王「ふぅん…どうやら、なかなか盛況のようだな。よし、今日はここでパンを買って帰るとしよう」ガチャッ
カランカラーン
チャールズ「ヘイ!ラッシャイ!安いよ安いよ!焼きたてだよ!」ラッシャイ
雪の女王「……」
チャールズ「あれっ?先輩!?どーしてこんな所に?パンはいつもの店で買うはずでしょ?」
雪の女王「休みだったんだ、いつもの店が。それより…君は何をしているんだ?」
チャールズ「ハハッ、魚でも売ってるように見えます?」アハハ
雪の女王「かけ声はまさに魚屋のそれだったがな。パン屋でそのかけ声はないだろう」
チャールズ「でも意外すぎて印象には残るでしょ?それが狙いなんですよ、うまくすれば名物バイト店員として話題になってお客も増えますよ!」アハハ
雪の女王「確かにアンデルセンは君にいろいろやってみろとは言っていたが…名物店員を目指せとまでは言っていなかったんじゃないか?」クスクス
チャールズ「でもせっかくバイトしてんですから、楽しくやらなきゃ損ですって!俺が話題になれば店も賑わうし良いことだらけですよ」アハハ

857 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:30:49 ID:cMN
婆さん「チャールズちゃん、今日はもうデニッシュ売り切れかい?」
チャールズ「あぁっと、もうじき焼きあがると思うんで店長に聞いてきますわー!…すんません先輩!ちょっと今、バタバタしてるんでまた後で!」
雪の女王「あぁ、仕事中に悪かった。買い物しながら君の仕事ぶりを観察しておこう、アンデルセンに伝えなければならないしな」フフッ
チャールズ「ちょっ!お手柔らかに頼みますよー!じゃあ先輩、ごゆっくり!」スタスタ
雪の女王「ふふっ、社会勉強の一環に始めたアルバイト…といった所か。物怖じせず何でも手を出してみる奴だな、チャールズは」フフッ
チャールズ「婆ちゃん、デニッシュあとちょっとかかるみたいだけど時間大丈夫?なんなら俺が後で家まで届けようか?」
婆さん「あら、ありがとねぇ。でも大丈夫よぉ、どうせ暇だし焼きあがるまで待ってるから」ホッホッホ
チャールズ「そっか、それじゃあ椅子持ってくるわ!ちょい待ってて!」ダッシュ
婆さん「おやおや、悪いねぇ…」
雪の女王「……ほぉ」
雪の女王(チャールズと共に生活することになって気が付いたことがある)
雪の女王(その過剰なまでの幼女好きの陰に隠れて目立たないが、チャールズは人付き合いがとてもうまい)
雪の女王(自らをロリコン…健全なロリコンと呼ぶ程の裏表のない性格。よく気が付き実行に移せる行動力…この街に来て僅かな間に多くの友人が出来たようだ)
雪の女王「まったく…行き過ぎた幼女愛がなければ良くできた青年なんだがな」フフッ

858 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:33:26 ID:cMN
雪の女王(初めはどうしようもないロリコンだと思っていたが…つき合ってみればなかなかの好青年だ)
お姉さん「うーん、種類が多くて悩むわねぇ…チャールズちゃん、今日のオススメはなにかしら?」
チャールズ「そうですねー…一応、店長は豆のパンがオススメって言ってたけど俺は断然クルミパンがオススメ!実は店長が手を滑らせちゃって、いつもより多めにクルミ入ってます」ヒソヒソ
お姉さん「あはは、それじゃあクルミパンにしようかしら」
チャールズ「ヘイ!毎度!」
怖い兄ちゃん「おう、チャールズ…例のブツは用意出来てんのか…?おぉん?」
チャールズ「出来てますよー!特注のチョコたっぷりパンですよね!」
怖い兄ちゃん「バッカお前声がデケェよ…!イメージ崩れるだろ…!」ヒソヒソ
チャールズ「気にしすぎですってー。あっ、新作のすんごい甘いジャムも入れといたんで味みといてください!」
怖い兄ちゃん「おいおい、気が利くじゃねぇか…」ホクホク
おばさん「チャールズちゃーん、今日もたくさん買うからおまけしとくれ!」
チャールズ「うーん、あんまりおまけすると店長がうっさいからなぁ…でも毎日来てくれてるし今日は特別ですよ!もちろん店長には内緒って事で!」
おばさん「言って見るもんだねぇ。よっ!チャールズちゃん男前!」
チャールズ「ハハッ、それ知ってますよー」アハハ
雪の女王「あいつ、作家より接客の方が向いてるんじゃないか…?」

859 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:37:14 ID:cMN
ショタ「おい、チャールズ!今日も来てやったぞ!」ヘヘヘ
チャールズ「おっ、今日もおつかいか。ちゃんと母さんの手伝いして偉いじゃーん!立派だぞー!」
ショタ「ヘヘッ、こんなおつかい俺にとっちゃ簡単すぎてあくび出ちゃうぜ!」
チャールズ「そっかそっか、余裕か!でも気を付けて帰るんだぞ?寄り道とかしないようにな!」
雪の女王(実のところチャールズは幼女にだけ優しい訳じゃない、少年相手でも優しく接している。こう見ていると分にはただの子供好きだが…)
店長「お客さん…チャールズ君の下宿先の方ですかね?さっき話しているのを見かけたので。あっ、私店長やってますどうぞよろしく」ペコリ
雪の女王「まぁそんな所だ。チャールズは少し変わった奴だが…真面目に働いているだろうか?」
店長「えぇ、変わった子ではありますがよく気が付くし助かってますよ。私はパンは焼けても接客は苦手でして、バイトと言わずずっといてほしいくらいで」アハハ
雪の女王「そうか、役に立っているならなによりだ」
店長「明るくて物怖じしませんからお客さんからも人気がある自慢の店員ですよ。まぁ……あの悪癖さえなければ、ですけどね……」
雪の女王「……まぁ、何かは大体察しが付く」
ドタドタドタ
チャールズ「店長聞いてください!あの幼女ひとりでおつかいに来たんですって!偉いでしょ!?偉くないですか!?偉いんですよ!あとポニーテールがクッソ可愛くないですか!?」
店長「なぁ、チャールズ…」
チャールズ「と言うわけで、俺はあの子からお代を貰うこと出来ないんで!むしろおつかいする幼女が見れたことにお金払いたいくらいですよ!だからパンはタダであげて良いですよね?」
店長「……チャールズ、ちょっと厨房に来なさい」
チャールズ「えっ!?なんでですか!?」キョトン
雪の女王「……やっぱりこいつはどうしようもないロリコンだな」

860 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:39:51 ID:cMN
アンデルセンの自宅への帰り道
チャールズ「店長にめっちゃ叱られてしまった。何故だ…」
雪の女王「何故も何もないだろう…まさか幼女がくる度にパンをタダで渡そうとしているのか?」
チャールズ「そうですけど?」
雪の女王「何を当然みたいに言っているんだ」
チャールズ「実はですね…最近気が付いたんですけどパン屋の店員としてなら合法的に幼女とお話できるんですよ!その対価だと思えば安すぎます!」
雪の女王「もういい…その件は店長とよく話せ。それより良かったのか?荷物を持ってくれるのは嬉しいがまだ仕事中じゃなかったのか?」
チャールズ「大丈夫ですよ、午後の一番忙しい時間は超えましたし交代で店長の奥さんが売り場に入ってくれるんで!」
雪の女王「そうか。それなら良いんだが」
チャールズ「先輩にはお世話になりっぱなしですからね、荷物くらい持たせてくださいよー」アハハ
雪の女王「ふふっ、調子の良い奴め。だが変わり者のお前もああやって働いている姿を見ると普通の若者という感じだな、なかなか格好良かったぞ」
チャールズ「いやー、そんな風に言われると照れt…あっ!先輩!あの幼女お母さんとペアルックですよ!めっちゃ可愛くないですか!?クッ…今日はスケッチブック持ってきてない!」
雪の女王「……言った側からお前は」ハァ

861 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:41:46 ID:cMN
チャールズ「いやー、仕方ないですって。猫好きの人だって路地に猫が居たら目で追っちゃうでしょ?」
雪の女王「猫好きと君の幼女好きを一緒にするんじゃない、似て非なるものだろうそれは」
チャールズ「そうですかー?同じだと思うけどなぁ…」
雪の女王「まったく…あぁ、そういえば店長、お前の癖にはあきれていたがバイトではなく本格的に働いて欲しいと言っていたぞ?チャールズ、期待されてるじゃないか」クスクス
チャールズ「あぁ…そうなんですよ。それは嬉しいんですけどね、俺パン屋にななるつもり無いんですよね…」
雪の女王「まぁそうだろうな。お前の夢は作家だものな」
チャールズ「……まぁ、うん、そうですね。作家、なりたいですよー」アハハ…
雪の女王「なんだか歯切れが悪いな。そういえば以前も進路について話しているときどこか影があるように見えたが」
チャールズ「やだなー!俺みたいな明るく元気なパッションボーイが影なんか背負うわけ無いですって」アハハ
雪の女王「そうか?私の予想だが…君は将来進むべき道について何か悩んでいるんじゃあないのか?」
チャールズ「…あはは、先輩には隠し事出来ないですねー。参ったな、もぅ」ハハハ
チャールズ「まぁ、ぶっちゃけ悩んでます。俺は将来、何の職に付くべきなのか…」

862 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:44:27 ID:cMN
雪の女王「私でよければ話を聞こうか?」
チャールズ「…そもそも俺、作家になりたくて先生に弟子入りしてますよね?」
雪の女王「あぁ、そうだな」
チャールズ「作家になるのは俺の夢です。いつか先生みたいな大作家になってベストセラー叩き出して幼女のかわいさを世界に知らしめたいって野望もあります!幼女話作家ですよ!」
雪の女王「追求したい単語が出てきたが…まぁ、今は聞き流そう」
チャールズ「でも…実はある大学の教授から将来的に学者になることを視野に入れてうちで学ばないかって言われてまして」
雪の女王「ほぅ、すごいじゃないか。大学教授から直々に声がかかるなんて」
チャールズ「俺、こう見えて成績めっちゃ良いですからね!コネもありますし」ドヤァ
チャールズ「その事を両親に話したらすごく喜んでくれましたよ。ぶっちゃけその教授についていけば学者としての成功はほぼ約束されたようなもんですからね」
雪の女王「だがお前の夢は作家だろう?好条件だからと好きでもない道へ進んでも後悔が残るだけだと私は思うが」
チャールズ「そこが悩み所なんですよ…学者に全然興味なかったら悩んだりしませんって」
雪の女王「つまり、作家が夢ではあるが学者の道にも興味があり…どちらの道に進むか悩んでいる。という事か」
チャールズ「そうなんですよ…スパッと決めればいいんでしょうけど。そうもいかなくて」

863 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)00:47:12 ID:cMN
チャールズ「もちろん一番は作家です!先生の作品読んですごく感動しましたしね。その気持ちに嘘はないです」
チャールズ「でも学者というのも立派な仕事だと思うんですよ。やりがいありそうだし、元々勉強は好きなんで興味はすごくあります」
雪の女王「もしかして休学してこのデンマークに来たのも…その事に答えを出すためか?」
チャールズ「そうです。作家になるか学者になるか…アンデルセン先生のとこに突撃して自分の力を試したいって気持ちもありましたね」
チャールズ「才能無いって一蹴されたら諦めも付いたんですけどねー。でもどうやら俺、才能あるみたいでー、参りましたよー」ニヤニヤ
チャールズ「いや、ホントで参りましたよ…もうそろそろどちらか決めないと行けないのに一向に答えが出なくて…」
雪の女王「まぁ、難しいところだな…私も安易にアドバイスが出来ない。一生ものの問題だからな」
チャールズ「実はうちの父さん学者を目指してたんですけど色々あって結局なれなくて…だから俺が学者になったら嬉しいと思うんですよ。親孝行にもなるかなって、そういう気持ちもあるんですよ」
雪の女王「君の将来はご両親のものじゃない、そんな事を気にする必要はないんじゃあないか?」
チャールズ「それ、父さんにこの事話した時に同じ事言われましたよ。気にせずやりたいことやれって言われました」ハハハ
チャールズ「でもなぁ…父さんには散々苦労かけてきたし…。こう、目に見える親孝行、したいんですよねぇ……あー、悩みますよー」
雪の女王「難しい問題だが…休学が開けるまで時間の猶予はあるんだろう?」
チャールズ「まぁ…そうなんですけど」
雪の女王「それならまだ今は悩めばいい。グリムに読んで貰う童話も完成していないんだろう?今は目の前の事を一つ一つ挑戦していくことだ」
雪の女王「そうすればいずれ答えはでるさ。例え学者になったとしてもこの修行の日々が無駄になると言うことも無いのだし」
チャールズ「まぁ…そうですね!今はグリム先生に見せる幼女童話ですよね!進路のことは俺、ギリギリまで悩んでみます!」
雪の女王「あぁ、それがいい。話くらいならいくらでも聞くから、いつでも相談してくるといい」
雪の女王(作家の才能にあふれていようが、普通じゃないくらいロリコンだろうが…彼もまた進路に悩む年頃の青年に違いないという事か…)

865 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/09/27(火)01:02:29 ID:cMN
今日はここまで 『作者』編 次回へ続きます
ほのぼのと買い物したり仕事仲間や後輩とおしゃべりしてるけど
この魔女の魔力、おとぎ話の世界でも屈指のレベルなんだぜ…
次回
グリム童話の作者、ヤーコプとヴィルヘルムがやってくる…!
(健全な)ロリコン・チャールズは彼等を唸らせる童話を生み出せるのか!?
そして自らの進路に答えを出すことは出来るのか
そんななか彼の才能に目を付けた一人の男は、時を待ち彼に近づこうとしていた
実は物語の根本部分に大きく影響してる作者編、次回お楽しみに!

867 :名無しさん@おーぷん :2016/09/27(火)16:41:17 ID:Abo
乙です!
14ロリ(笑)
さらに増えてる(笑)
続き待ってます!!

868 :名無しさん@おーぷん :2016/09/28(水)00:24:05 ID:dAL
乙!
ほぼ、ほぼ非の打ち所のない好青年だなあ

869 :名無しさん@おーぷん :2016/09/28(水)00:54:37 ID:ggL
乙乙
14ロリという単位を普通に使ってしまうのだな女王
しかしこの出版業者、なかなかやりおる…

884 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/03(月)00:24:54 ID:sRm
時は流れ、グリム兄弟が訪れる日の前夜
デンマーク アンデルセンの自宅 書斎
ドタバタドタバタ ガチャッ
チャールズ「先生ー!自信作が出来上がったので持ってきましたー!是非とも先生の評価が欲しいんですけど、今いいですか?」
アンデルセン「あぁ、構わないよ。あのグリム兄弟に君が執筆したおとぎ話を読んで貰うというこの試み…明日は遂に本番だ」
アンデルセン「厳しい彼等を唸らせるには相当の完成度が求められる…私も師として出来る限りの助言はしよう。さぁ、作品をこちらに」
チャールズ「はいっ!遂に完成したこのチャールズ渾身の自信作…!」バッ
コトッ
チャールズ「レーズンとくるみのパンです!焼きたてのうちにご賞味ください!」ホッカホカ
アンデルセン「……君は何のためにここにいる?パン職人修行のためか?」
チャールズ「あははっ!やだなー、ジョークですって!原稿と見せかけてパンを出すっていうハイレベルなジョークですよー!驚きました?」ドヤァ
アンデルセン「…チャールズ。この手の込んだジョークをするためにわざわざパンを焼いたのか?」
チャールズ「はいっ!あっ、でもジョークといえどパンの味には自信ありますよ!」
アンデルセン「…そんな事より原稿を渡しなさい」
チャールズ「もー、先生はジョークが通じないんですからー!折角ですから一口食べてみてくださいよー、これはこれで自身があるんd」
アンデルセン「原稿を渡しなさい」
チャールズ「はい、これです」スッ
アンデルセン「まったく君は…何故普通に渡せないんだ?緊張しろとまでは言わないが少しは緊張感を持つべきだろう」
チャールズ「いやー、実はこう見えてかなりビビってるんですよー?だからジョークで場を和ませようと思ったんですよ」アハハ
チャールズ「だってですよ!?何しろ素人の俺が書いた作品をあの有名なグリム先生方に読んで貰えるんですよ!?そりゃあ緊張しますって!」
アンデルセン「とても緊張しているという風には見えなかったが…。まぁいい、問題の作品を読ませて貰おうか」バサッ

885 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/03(月)00:27:10 ID:sRm
アンデルセン「…ふん、ふん。結局、主人公は幼い少女にしたんだな」ペラペラッ
チャールズ「はい!俺のアイデンティティってそれですから!幼女LOVEってのは外せません!」
アンデルセン「……ふむ、そうか」ペラペラ
チャールズ「……」ソワソワ
アンデルセン「……」ペラペラッ
チャールズ「あの…俺、気が付いたんですよ先生」
アンデルセン「……ほう、何に?」ペラペラ
チャールズ「先生にはこの二ヶ月でたくさんの試作を読んで貰いましたけど…。俺、幼女の可愛さを最大限に引き出すために今までの試作では大勢の幼女を登場させてきました」
チャールズ「この世界に誰一人同じ幼女など存在しません。十人十色ならぬ十ロリ十色…個性の違う幼女がキャッキャする童話。それこそが唯一の正しい答えだと思っていたんです」
アンデルセン「……」ペラペラ
チャールズ「でも俺は気付いたんです、幼女の可愛さを伝えるために大勢の幼女を登場させるのはむしろ愚策!一つ前の試作のように37ロリも出す必要は無かったんです!」ガタッ
チャールズ「夜空に輝瞬く無数の星々より、晴天に輝くただ一つの太陽が眩しいように…!一人の幼女の可愛さのみを丁寧に書き記していく!それこそが正しい幼女おとぎ話の在り方だと俺h」
アンデルセン「手持ち無沙汰なのは解るが少し黙っていなさい。集中できない」
チャールズ「わかりました…。うー、でもこの待ってる間の空気苦手なんですよー…」ワチャワチャ

886 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/03(月)00:29:45 ID:sRm
・・・
アンデルセン「…チャールズ。読み終えたよ」バサッ
チャールズ「そうですか!それで…俺が書いた作品、どうです?グリム先生方に出しても大丈夫ですかね?」
アンデルセン「あぁ、この完成度ならば手酷く扱われる事は無いだろう」
アンデルセン「私が教えた事をきちんと生かし、自分の技術として身に付けている。君のこだわりである少女の可愛らしさも充分に表せている、良作だ」
チャールズ「いやー…面と向かって誉められちゃうと照れますよー。でも、それだけ誉めてくださるって言うことは……」
アンデルセン「あぁ。明日、ヴィルヘルムさん達に読んで貰う作品はこれにしよう。到着までに清書を済ませておきなさい」
チャールズ「おぉ…!ありがとうございます!屈折二ヶ月!没や直しになった原稿は数知れず…!遂に先生に認めて貰える作品が書けました!」
アンデルセン「なに、君の努力が実を結んだのさ。もっとも、幼い少女に固執しなければもっと早く合格が出せていたような気もするがな」クスクス
チャールズ「えーっ?そんなことしちゃったら俺の作品じゃなくなっちゃいますよー!」
アンデルセン「フフッ、それは確かにそうだ。それに…幼い少女の描写に限れば私よりも君の方が優れている。そんな素晴らしい武器を使わない手はないしな」フフッ
チャールズ「えぇっ!?いやいや!先生より俺のが優れてるとか無いですって!世界で一番の童話作家は先生だって、俺思ってるんですから!」
アンデルセン「そうかい?それならば素直に喜んでおこうか。さぁ、あまり時間はないんだ、今日は自室に戻って作業をしなさい。ここだとつい私と話し込んでしまうだろうからね」
チャールズ「あーっ、それもそうですね…わかりました!じゃあ今日は自室で作業します!では先生、おやすみなさい!」シュタッ
アンデルセン「あぁ、おやすみ。チャールズ」

887 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/10/03(月)00:32:10 ID:sRm
しばらく後
アンデルセンの書斎
雪の女王「光が漏れていたから灯りの消し忘れかと思えば…まだ起きていたのか。もう随分と遅いぞ」ガチャッ
アンデルセン「あぁ…もうこんな時間か。書きかけの童話を仕上げたくてね、時間を忘れていたよ」フフッ
雪の女王「明日はグリム兄弟を迎えなければいけないんだ、今日はもう身体を休めたらどうだ?」
アンデルセン「そうだな。クマを作って二人に会えば余計な心配をかけてしまう。そこそこで切り上げて休むよ」
雪の女王「それがいい。君はチャールズの作品ばかり気にかけているが本来二人は君に会うためにデンマークまで来るんだ」
雪の女王「君が疲れた顔をしていては二人も素直に再会を喜べない。君が元気な姿を見せてやることが彼らに対する最大の歓迎だ。香りの良い紅茶でもいれよう、それを飲んでもう眠るといい」
アンデルセン「……」
雪の女王「どうした?私の顔に何か付いているか?」
アンデルセン「いいや。ただ、君も私と出会った頃に比べると随分と柔らかい性格になったものだと感じてね」
雪の女王「それを言われたのは君で二人目だ…。悪いがその話はやめてくれ、それを言われるのはきまりが悪い」
アンデルセン「フフッ、そうかい?だが私は元々君という人物を冷酷な女王として描写した訳じゃないんだ。今の君の姿の方がイメージに近いし私はそのほうが好きだな」フフッ
雪の女王「…私は先に休ませて貰うからな。お前も馬鹿なことを言っていないで早く休むべきだ。まったく…」スタスタ