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キモオタ「我輩がおとぎ話の世界に行くですとwww」ティンカーベル「そう」
Part131


815 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/15(月)00:48:23 ID:cXr
玉龍「じゃあかぐや、行ってくるッスね!手負いといえどもうちは龍ッスからね、パパーッと行って解決ッス!」ピューッ
孫悟空「ったく、あいつは落ち着きがねぇ…じゃあ行ってくるからな。…おい、玉龍!お前さっさと一人で行くんじゃねぇ!」ヒュッ
かぐや「ふふっ、相変わらず素早いわね。猿人と龍なんだから当然と言えばそうだけど、もう後姿さえ見えないもの」
かぐや「さぁ、私も湯呑の後始末だけして村に急ごうかしら。村のみんなが戻ってきたら重力は使えないからそれまでにある程度…」
カタッ
かぐや「誰っ!?」ババッ
シーンッ…
かぐや「……帽子屋君?いいえ、彼はまだ万全じゃない筈…魔法具で体力を回復した可能性はあるけれど…こうも早く再襲撃なんて……」
かぐや「……っ」スッ
ザッ
かぐや「やっぱり誰かいる…。そこね…っ!」バッ
シーン…
かぐや「今、確かにそっちから人の気配がしたはずなのに…!」
???「すごいね、正解だ。確かにボクはそこに居たよ、一瞬前までね」
ブスリッ
かぐや「うぐっ…いつの間に!私の背後に…っ!」
アリス「始めまして…になるかな。ボクの事は知ってるだよね?君の妹分の元・友人だ。よろしくね、かぐや姫」

817 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/15(月)00:51:17 ID:cXr
かぐや「あなたがアリスね…ドロシーを利用したっていう。話は彼女から聞いているわ」
アリス「へぇ、ドロシーが話すボクの事…どんな内容か気になるね」クスクス
かぐや「悟空や玉龍が私から離れる機会をうかがっていたんでしょうけど、私一人でもあなたの…相手くら…い…」フラッ
アリス「ボクの相手をするのは難しいんじゃないかな?随分眠そうだけど?」クスクス
かぐや「……くっ、なんなの…?この異常なまでの眠気……立っている事すら……まさか、さっき私を突き刺した時に……!」ウトウト
アリス「実はボクも君の話は聞いていたんだ、帽子屋からね。すごいじゃないか、重力を操る能力なんて。いくらボクでもそんな能力には敵わない」
アリス「だから眠って貰う事にしたんだ。この糸車の針で刺されたからにはキミは百年は眠り続ける」
かぐや「直接戦ったら敵わないから…私を眠らせようって魂胆ね…。随分と……私の能力を評価して…くれてるのね……」
アリス「ああ、君の事も悟空や玉龍の事もね。君達は邪魔だけど、戦いになれば分が悪い。帽子屋も相当強いと思っていたけどいくつもの魔法具を手にしてようやく優位に立てたくらいだからね」
かぐや「あなたの目的は…私を始末する事ね……?でも、甘く見ないで欲しいわ…そうそう、あなたの好きにはさせないわよ…」フラフラ
アリス「そうかい、でもボクはボクの好きなようにやらせてもらうよ」
アリス「光になって逃げて助けを呼ぶかい?それとも重力で僕を押しつぶす?潔く諦める事をボクはオススメしたいね」
かぐや「さぁ…どうしようかしらね。もうあまり時間はなさそうだし、すぐに決着をつけたいところだけど…諦めるなんて選択肢は…無いわね」
かぐや「私が消えればこの世界も消える。悟空達に心配をかけてしまうし、ドロシーは…また泣いちゃうでしょうね。彼等にそんな顔をさせるのは嫌なの」
かぐや「だったら…私に出来る全力で、彼らの表情を曇らせないように……しなければいけないわね……っ!」キッ

818 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/15(月)00:54:03 ID:cXr
今日はここまでです
娘の友達でも容赦しないゴーテル
かぐや姫とオズの魔法使い編次回に続きます

819 :名無しさん@おーぷん :2016/02/15(月)00:58:48 ID:e8W
乙です!
まさかのアリス登場っ!!!
面白くなってきましたね!
次回も頑張って下さい^π^

820 :名無しさん@おーぷん :2016/02/15(月)00:59:25 ID:ODY
おつ!
かぐちゃんどうなっちゃうのか…
そしてキモティンの命運は…
次回も超絶楽しみです!

821 :名無しさん@おーぷん :2016/02/15(月)06:27:49 ID:bWb
乙!
一気にアリスのエグさが増したなあ…かぐやが無事でありますように。

824 :名無しさん@おーぷん :2016/02/15(月)22:28:45 ID:Rta

まあ追撃しにくるよね(´・ω・`)
眠くなる魔法具で糸車っておとぎ話あったっけ?

827 :名無しさん@おーぷん :2016/02/16(火)00:05:25 ID:agw
>>824
眠れる森の美女?みたいなのじゃないかな
13人くらいの魔女が出てきて最後のやつが糸車の刺が刺さったら百年の眠りにつく、みたいなやつ

828 :名無しさん@おーぷん :2016/02/16(火)01:32:54 ID:zxg
>>827
それだと思うよ
元々は糸車のつむの針が刺さって死ぬ呪いを、12人目の魔女が眠る呪いに弱めたからね
自分は【いばら姫】、ってタイトルの絵本で読んだけど

845 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:08:46 ID:5Ny
アリス「諦めるつもりはナシ、か。いいよ、足掻いて見せなよ。月の民の底力を見せてごらん?」フフッ
かぐや「ふふっ…随分と…余裕そうね…?まるで勝利を確信してるみたいに…でもさすがにそれは…自惚れというものじゃない…?」フラフラ
アリス「そうは思わないな。キミには悪いけど、僕に背後を取られた時点でキミの敗北は決まっているのさ。その証拠にその睡魔には抗えないだろう?」
アリス「キミに突き刺したのは【眠り姫】の主人公・オーロラ姫を百年の眠りにいざなった糸車の針…突き刺した相手に長き眠りを与える魔法具だ」
かぐや「えぇ、身を持って体感しているわ…この酷い睡魔…気を許してしまえば今にも眠りに落ちてしまいそう…」ウトウト
アリス「ふふっ、一度まぶたが落ちてしまえばそれでおしまいだ。キミは覚める事の無い夢の世界をさまよい続ける」
かぐや「殺す事も……できたはずなのにそうしなかった…何か企んでいるのね?」
アリス「そんな事をボクに問いただしている時間はキミにはないんじゃない?」クスクス
アリス「ボクはキミが眠りに着くのを待ってからゆっくりと仕事をすればいい。対するキミは眠気に耐えながら逃げるか戦うかを選択し、それを遂行しないといけない」
アリス「大変だね、キミの方が圧倒的に不利だ。もう身体も思うように動かないだろうし思考力も随分落ちてるんじゃないか?」
かぐや「えぇそうね…どう行動するのが最善なのか…全く頭が働かないわ…でもそんなのは、抗う事を諦める理由には…ならないわ……でも」ググッ
タンッタンッ
アリス「飛び跳ねて一気に距離を取った…か、なるほどね。自分自身に掛かる重力を軽くして身軽になったと…考えたね」
かぐや「これならもう…私の間合いよ。さぁ地面に突っ伏して、眠りなさい…!」バッ

846 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:12:28 ID:5Ny
かぐや(間合いは十分にとれた。このままアリスに掛かっている重力を数倍にしてしまえば彼女を地面に張り付けられる。…けど)
フッ
かぐや「姿が消えた…。やっぱりそう易々と…思い通りにはさせてくれないわよね……」バッ
アリスの声「ふふっ、距離を取ったくらいで勝ち誇るほど馬鹿じゃないか。その自慢の重力操作も万能じゃないみたいだしね」
かぐや「……一度は使い方を間違えた能力だもの、利点も欠点も、把握しているわ……」フラフラウトウト
アリスの声「そうかい、帽子屋は『アレは恐ろしい能力よぉ!』なんて脅かしてきたけど、そうでもないね…姿を隠しているボクが押し潰されないところを見ると視認できない相手には効かないようだ」
かぐや「……姿を隠してやり過ごそうなんて……案外姑息なのね……」
アリスの声「一度押し潰せば相手の行動を完全に封じられるのはわかりやすい利点だ。その反面、近距離では使い辛い…特に極端に距離を詰められるとどうしようもないという欠点もある」
ヒュンッ
ギュッ
かぐや「!? 一瞬のうちに背後から…抱きついて来くるなんて…!」ググッ
アリス「だから…こんな風にしがみつかれるとどうしようもない。キミ自身にはボクを振り払う程度の力も無いみたいだしね?」クスクス
かぐや「このっ…いいかげんにしなさい……っ」バッ
チャキッ
アリス「ボクを引き剥がしたいなら重力を浴びせて地面にたたきつければいい。でもこの状態じゃ、ボクの握るナイフも重力に負けてキミの胸を引き裂いていくだろうね。その覚悟があるのならやってみてもいいんじゃない」クスクス

847 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:14:41 ID:5Ny
アリス「どちらにしろ、この体勢じゃボクを押し潰せばキミだって潰される。例えナイフがキミの肌に突き刺さらなかったとしてもだ」
かぐや「……」クッ
アリス「八方塞がりだね。距離を詰められる事が弱点だってわかっているなら、距離を詰めてきた相手を止める手段を用意しておくべきだよ。ナイフを携帯しておくとか…ね」
かぐや「……私はこの能力を戦いには使わないと決めていたの。帽子屋君やあなたに使ったのは仲間やこの世界を護る為にやむを得ないからよ」ウトウト
アリス「勿体無いな、こんな強力な能力なのに埃をかぶせたままだなんて」ググッ
アリス「戦闘に備えていない事も、経験の不足も能力の価値を下げてる。接近してきた相手への対策も立てていれば…ボクももう少しは苦戦していたかもね」
かぐや「…この能力は強力すぎるわ。容易く振りかざしていい能力じゃない…」ウトウト
アリス「へぇ、そういう考えなんだ。ボクはそういうの逃げだと思うけどね」
アリス「自分に与えられた力が強力すぎるから封じるなんて馬鹿馬鹿しい。扱いきれないなら扱えるように努力すべきだ、そうすればどんな敵でも障害でも打ち壊せたはずだよ」
かぐや「…こんな能力がなくても、私は生きていけるわ」
アリス「そうだね、死にはしないさ。でも百年の眠りと死との違いに大差は無い、百年もの間目覚めることなく夢の中…そんな状態を生きてると言えるかな」
かぐや「……」スッ
アリス「そろそろ我慢できなくなってきたかな?いや、むしろボクは感心しているよ。魔法具が与える睡魔にここまで抗うなんてね」
かぐや「おあいにくさま…私はね、随分と寝つきが悪い方なのよ…」
かぐや「案外…あなたの方が先に眠っているなんて事も…あるかもしれない…わよ…」フラフラ

848 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:17:16 ID:5Ny
アリス「ふふっ、眠そうな顔で言われても説得力がないよ」クスクス
かぐや「……帽子屋君は素直に身を引いてくれたから、ひとまずは諦めてくれたものだと思っていたけど……読みが甘かったわね、こんなにすぐに襲撃してくるなんて思わなかったわ」ウトウト
アリス「キミ達が思っている以上にボク側の戦力は豊富なんだ。帽子屋が負傷して戦えないのなら手の空いている奴が代わればいい、なんにせよ手負いの君達を追撃しないわけないだろう」
アリス「悟空もキミも強力な能力を持っているのは知っていたからね。どっちもボクの計画にとっては邪魔でしかない、始末できる時にしておかないと…後で面倒だ」
かぐや「なんていいながら…帽子屋君も今のあなたも…私を殺そうとしない。それは私に死なれると困るから…この【かぐや姫】の世界の私達とは違う何かを狙っているから、そうじゃないの?」
アリス「ハズレとまではいかないけど…その回答じゃサンカクかな。確かにまだこの世界に存在する豊富な魔法具を回収しきっていない、しかし困った事にどれも珍しい品々だ…もう少し時間がかかるかもね」
かぐや「……私が百年の眠りについてしまう事はあなたにとっても不都合じゃないかしら…?私が覚めない眠りにつけばこの世界は消える、魔法具を探す事もできなくなるはずよ…」ウトウト
アリス「そんな事は無いさ。主人公が消えればおとぎ話も消えるものだけど、キミの場合は眠ろうが死のうがこの世界から連れ出されようが…この【かぐや姫】は消える事は無いだろう」
かぐや「……なるほどね、確かに私が眠ったとしても消えない可能性は十分にあるわ」
アリス「十分にある…というか、ボクは必ずそうなるという確信すらあるけれどね。キミが消えてもこのおとぎ話は消えない」
アリス「だからボク達はこの世界で魔法具探しが続けられる。キミという厄介な重力使いを始末した上で、ゆっくりとね」
かぐや「……」フゥ
アリス「ふふっ、ため息なんか着いて…どうかしたかい?自分達の予想が見事に外れていた事がショックだったのかな?」
かぐや「いいえ、そうじゃないわ。ただ、ひとつ私の話を聞いて貰おうかしら」

849 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:18:52 ID:5Ny
かぐや「……この小屋の裏手にはね、立派な柿の木があるのよ」
アリス「…?」
かぐや「…悟空達が行動の拠点にする小屋を作ると決めた時、玉龍がこの場所を強く推したのよ。悟空の好物だから、この木の側に小屋を建てたいってね」
かぐや「だから……その木は、玉龍にとっても悟空にとっても大切なものなの」
アリス「…だからなんだというんだい?」
かぐや「えぇ、だから…時間がかかってしまったのよね……」
メキメキ ミシミシッ
アリス「っ! …この音、まさかキミは天井を落とすつもりか?」
かぐや「ええ、本当はこの小屋を崩すのも心苦しいけれどね、でも柿の木を巻き込まずにこの小屋だけを潰してしまうというのは…少し重力の操作が難しいのよ。だから時間がかかったの」
ギュッ
かぐや「でもこれで、あなたはもう逃げられない。天井の下敷きにされたら…流石のあなたも無傷じゃいられないものね」ウツラウツラ
アリス「…それはキミも同じだろう。ボクを止める為に命を投げ出すというのかい?」
かぐや「あなたがおとぎ話を消して周っているのにも何か理由があるんだろうから…事情を知らない私が何か言う事は出来ないけど」
かぐや「あなたの行動で苦しむ人が居るのなら、私はそれを阻止するまでよ。それが私にとって大切な人たちなら、尚更ね」
アリス「……命を投げ出すにしちゃ随分とくだらない理由だ」
ズズッ メキメキメキ ズシャアァァァ

850 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:21:33 ID:5Ny
バキッ メキメキメキ!!
ヒュッ
アリス「…あぁ、今のは少しだけ焦ってしまったな。だけど、ボクにこんな小細工は効かないよかぐや姫……この騒音じゃもう聞こえないか」
ズシャアアアアァァァ 
バキバキバキ…
アリス「どんな奇抜で掟破りな行動も気付きさえすれば回避できる。どんなギリギリの攻撃でも時を止めてしまえばいいんだから」
アリス「つまり彼女は無駄死にというわけか…まぁ、ボクを巻き添えに殺せたと思い込んで死んでいったのなら、彼女自身は幸せだったのかもしれないけれど」
アリス「……世界の崩壊が始まらない。この様子じゃもう動けやしないだろうけどまだ息はあるみたいだ、拘束して【不思議の国のアリス】の世界へ連れて行っt……」
ズッ ググググ
アリス「!? どういう事だ…身体が急に重く……!」ググググッ
ガタッ
アリス「そうか……ボクはまんまとしてやられたというわけか……。そうだろう、かぐや姫…!」ググググッ
かぐや「……えぇ、あなたほどの能力と魔法具を持つ者があんなあからさまで大味な攻撃をそのまま受けるわけがないものね…」ムクッ
かぐや「あの状態なら当然あなたは……私の背後を取ったのと同じ方法で、瞬間移動で…小屋の外へ逃げ出す……。距離を取る事になる…そう、距離さえ取れれば…」ゼェゼェ
かぐや「私は重力操作で……あなたの動きを完全に封じる事が出来る……」ゼェゼェ
アリス「……」グググッ

851 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:23:44 ID:5Ny
アリス「それで、どうするつもりだい?ボクの行動を封じても、キミに掛けられた眠りの魔法は継続中だ」ググググッ
アリス「それに…自分にのしかかる瓦礫を浮かせてダメージを軽減したみたいだけど、それでも完全に無傷というわけにはいかなかったみたいだね…眠気のせいかな?」
かぐや「そうかもね…でも、少しは目が冴えたような気がするわ…」
かぐや「それに少し安心した、これも無意味に終わったらどうしようかと思ったから…流石のあなたもこの能力からは逃げられないみたいね」ウトウト
アリス「あぁ、残念ながらね。さぁ、どうする?この隙に光になって悟空の所へ逃げるかい?それとも…ボクを殺すかい?」
かぐや「……殺したりしないわ、あなたの動きを止めてから悟空の元へ向かう。でも、あなたの危険性を知って野放しにはできない」クイッ
ボキンッ
アリス「…っ!」ズキッ
かぐや「ごめんなさいね…念のためあなたの足だけは使えなくさせて貰うわ…その袋も預からせてもらうわね」スッ
アリス「やれやれ…他人の足を折ったうえに強奪かい?でもこのポーチは大切な人からの贈り物なんだ、勘弁してほしいね」
かぐや「…魔法具を取り上げたいだけ、大切な物なら汚したり壊したりするつもりは無いわ」
アリス「…わかった、キミの言葉を信じて預けるよ。好きに持っていけばいい」
かぐや「魔法具はこの中に入っている物で全てね…?」スッ
アリス「…あぁ、そうだ。確認の為に開けて見ても構わないよ」

852 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:25:41 ID:5Ny
かぐや「……やめておくわ」
アリス「へぇ、何か仕込んであるって疑ってるんだね?随分と信用されていないんだね、ボク。酷いな、こっちは君を信じてポーチを素直に渡したって言うのに。でもいいよ、わかりきってた事だ」クスクス
かぐや「……」
アリス「黙りこまないでよ、かぐや。別に僕はそんなことで心を痛めたりしないよ。あぁ、でも気をつけて…ポーチを開けようと開けまいと……同じ事だから」クスクス
ビリビリビリッ! バッ
かぐや「っ!?袋を突き破って中から何かが…!」サワッ
金のガチョウ「……何度口にしてもこのキノコはマズイ、何故高貴なわたくしがこのような物を……あの小娘め」ムシャムシャ
かぐや「金のガチョウ…!」ガバッ
アリス「はははっ、今更ポーチを手放そうとも無駄だよ。ポーチを突き破った彼の身体に…金のガチョウの身体にキミの指先が触れてしまったなら、もう逃げられない」
かぐや「幸い触れたのは右手だけ…それならもう、右手に金のガチョウがくっついたままでも悟空の元に……!」コォォォォ
アリス「逃がさないよ。金のガチョウ、今すぐにボクの身体に触れろ。しくじれば今晩お前の寝床はゴミ箱の中だ、城の厨房のね」
金のガチョウ「…っ!じょ、冗談はよし給え!やる!すぐにやるから!」バサバサッ
かぐや「なんて強い力……体が引っ張られて…!」フッ
ピトッ
アリス「ふふふっ、さぁこれでキミもボクも金のガチョウから離れられない。さぁ、行ってみるかい?このまま、悟空の元に」クスクス

853 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:27:25 ID:5Ny
かぐや「……行けるわけないわ、悟空の所にはお爺様や村の人たちが居る…巻き込むわけには……。……っ」ガクッ
アリス「あぁ、ようやくキミにも我慢の限界が来たって言うわけか。月の民は我慢強いのか、それとも君自身に魔法に耐性があったのか…まぁ今となってはどっちでもいいか」
かぐや「……。ルイス……作者の……ルイス・キャロル……」ウツラウツラ
アリス「……何、なんで君がその名前を口にするの?」
かぐや「あなたが……こんな大事になるほどいろんなおとぎ話を巻き込んで何かを成し遂げようとしているのは……その作者の為……なんでしょう……なにが、あなたを…そこまで……」ウツラウツラ
アリス「……」
かぐや「もしも、あなたが……私がネロにしたのと同じように……。あなたが作者の為に何かしようとしているなら……それが、本当に正しい事なのか……誰にとっての幸せなのか、よく考えて…」ウツラウツラ
アリス「…余計な御世話だね」
かぐや「……あなたの考える幸せが、必ずしも作者の幸せとは限らない……。それを、知らずにいたら、あなたも、私みたいに……、過ちを……」ドサッ
アリス「……ようやく眠ったか。思ったより時間がかかったね…。あぁ、もう身体が動く…意識が無くなれば解けるのか。でも足は…無理だな、死神の薬草持ってきていたはずだけど何処に入れたかな」ゴソゴソ
ゴゴゴゴゴ
金のガチョウ「悠長に構えている場合ではない、ほら見たまえ…崩壊がもう始まってしまった!逃げる準備をしたまえ!」
アリス「あぁ、本当だね。でも大丈夫だよ、すぐにおさまるさ」

854 :◆oBwZbn5S8kKC :2016/02/22(月)00:30:06 ID:5Ny
金のガチョウ「そんなことがあるのかね?いやいや、主人公が覚めない眠りにつけば当然世界は消えてしまう!早く逃げたまえ!私を連れて!」
アリス「そう慌てなくていいよ、彼女が持っているはずの魔法具も奪いたいしね」
金のガチョウ「何の根拠があってその様な事を言っているのだね!見たまえ、風景が崩れ建物だって……むむっ?」
ゴゴゴゴゴ……スッ
金のガチョウ「崩壊が…おさまった?何故だ!?このようなことがあるのかね!?」
アリス「忘れたのかい?この世界には【かぐや姫】に係わりの無い人物が二人いる、それも二人ともが変化の能力を持っていて…そしてそいつらはこの世界、かぐやの世界が消えるのをきっと阻止する」
金のガチョウ「孫悟空と玉龍かね!なるほど、確かに彼等が崩壊に気づき、かぐやの身に何かあったのだと察すれば…」
アリス「まぁ、彼女が護ろうとしているこの世界を消させない為に玉龍辺りがかぐやに変身して、その場をしのぐだろうね」
金のガチョウ「代役というものだな」
アリス「そうだね。でもそれだけじゃない…かぐやになった玉龍はもう龍にもなれないし必要以上に暴れる事も出来ない」
アリス「それに悟空も、別の世界を飛び回ったりできないだろうね。ボクが今度こそこの世界を消しに来るはずだと考えるだろうからね、そうなれば玉龍を一人になんかしないだろう」
金のガチョウ「確かにそうだ、そんなことまで考えていたのかね!なんと恐ろしい…」
アリス「重力を操れるかぐやはボクの世界へ。龍の子、玉龍はかぐやに化けてもう自由が利かない。おとぎ話最強の悟空も玉龍とこの世界を護る為自由は効かない…思った以上にうまくいったよ」クスクス
アリス「さて…早いところ用事を済ませて一度帰ろう。重力使いも龍もおとぎ話最強も…今や絆に縛られて身動きが取れない。早いところ計画を進めなければね」
アリス「あいつら…ルイスの事を詳しく調べるかもしれない、面倒な事になる前に結界を壊してしまおう」
・・・