4人組のヤンキー娘
Part5


適当に注文し奥の席に着くと、Nは本題に入った。
N「県外の大学って、あれだろ。学費以外にも生活費とかもかかるんだろ?同じ大学なら、少しは援助できたのに。」
俺「それって、マズくない?逆援助になるよね。」
N「まぁ、代わりにあんたの身体をもらうけどね〜。それくらい離れるのは嫌だってこと。」
とんでもない事だが、Nの言葉は嬉しかった。思いきって聞いてみた。
俺「ねぇNさん。他の4人も同じって言ってたよね?」
N「あ〜、うん。前にTがあんたをビンタしたろ?あの後色々話ししたけど、悔しがってたよ。YとAは考えていたっぽいし。Iはサバサバしてたけど。」
俺「やっぱり、僕が自分で選んだ道は、誰かを傷つけるんだね。親戚ともそういう感じになったからね。」
自分が嫌になった。彼女達に嫌な思いをさせてしまった。

俺「みんなに進路の事を話した後ね、よそよそしい感じになったじゃない?その時、5人が俺を嫌って、他の男と付き合うんじゃないかって思ったんだ。」
更に俺は続けた。
俺「正直嫌な事だけど、それがみんなにとって良いことなら、僕は良いと思ったんだ。僕だけが淋しい思いをすれば、全部が解決するなら・・・」
今まで思っていた事の全てを話した。もう、心が保たなかった。5人の思いを踏みにじったばかりか、都合の良い言い訳で逃れた自分。そんな俺にNは優しく言った。
N「あたしらは、あんたが合格できるように・・・勉強に集中できるように顔を合わさなかったの。あんたの性格ならシカトされたら、そっちの方に集中するって思ったからね。」
俺「全部分かってたんだ・・・」
N「うん。ホラ、やっぱりそこはあたしらの奴隷でしょ(笑)ある程度はみんな感じてたわけ。」

俺「嫌なヤツだね、僕は。みんなの思いを台無しにしただけじゃなくて、期待に応えられなかったんだから。」
N「期待っていうか、やっぱり第一志望には合格して欲しかったのはあったね。全部落ちたなら、それはそれで一年間は遊べるから良いんだけどね・・・」
そう言ったきり、2人で沈黙してしまった。俺は俯いて、恐らくNはそれを見ていたと思う。後悔し、そして自分を責めた。
どれくらい時間が経っただろう。気づいたら外は暗くなっていた。再びNの顔を見て言った。
俺「ゴメンね。こんな時間まで付き合わせてしまって。」
N「いいよ。久々だったし。それに、あんたの事が心配だったし。」
Nの優しい言葉に、俺は堪らなくなり言った。
俺「ねぇ、Nさん。これから時間ある?」
Nの目を見つめ、応えを待った。即座にNは、
N「勿論。あんたに割く時間なら、卒業まで沢山あるよ。」
その言葉を聞いた俺は、Nの手を取って店を出た。

俺は無性にNとセックスしたかった。勢いで店を出たのは良いが、ホテルには制服姿では行けなかったので、どうしようかと思っていた。それを見てNが笑う。
N「あんた途中までは良かったけど、やっぱりどっか抜けてるな〜。いいよ、ウチにおいで。」
俺「家族とかは?」
N「今日は親戚と一緒。親戚の家に泊まるから、帰らないって言ってた。」
今までとは逆に、Nに腕組みをされ、引っ張られる様にNの家に行く事になった。Nは嬉しそうだった。

誰もいないNのでかい家は、よりだだっ広く感じた。家に上がると、腕組みしたまま部屋に直行した。
部屋に着くと鞄を床に置き、俺の方からNにキスをした。鼻息が相当荒かったと思う。Nが唇を離すと笑いながら、頬を掻いていた。それでもNをまっすぐ見つめて、ベッドに2人で寝込んだ。
Nが照れくさそうに笑っていたが、その頬にキスしながらゆっくりと服を脱がしていった。

Nの上半身を脱がせ、ブラだけになった。黒のブラが目の前に露わになった。ゆっくりずらし、舌先で乳首を突っつくように舐めた。
N「もう、くすぐったい。舐めるんなら、ちゃんとしてよ〜。」
それでも舌先で円を描くように、Nの乳首を舐めた。続けていると、笑っていたNの声が次第に変わっていった。
それに気づいて、俺は右手をスカートの中に滑り込ませた。指先で太ももから股間に向かって指を這わせた。それに反応したのか、ピクッと身体が動いた。
パンティの上から、指の腹でマンコを縦になぞると、腰を上げたような感じがあった。優しく丁寧に上下を繰り返すと、Nの息づかいが荒くなった。
N「もういいよ。○○のオチンチン舐めたい。じっとしててね。」
そう言うと制服のチャックを下げ、勃起していたモノを取り出した。竿の部分を手でしごきながら、先の方をいやらしくしゃぶり始めた。

俺はモノだけ突き出すと、Nは懸命にフェラしてくる。先だけじゃなく、玉や筋、カリなどまんべんなく舐める。
ジワジワと熱くなる感じが分かる。Nも「○○が脈打ってる。分かる?」と、嬉しそうに話してきた。
俺「Nさん、入れたいよ。だめ?」
N「準備はできてるよ。下も大丈夫。」
その言葉を聞いて、Nのパンティを脱がしにかかった。Nもそれに併せて、腰を上げる。露わになったマンコにモノをこすりつけると、「ン、ンッ。」と声をあげた。
Nの愛液がまぶされたモノを一気に挿入すると、俺もNも「ンッ」と呻いた。久しぶりのNの膣は、前よりも締まりがいい感じがした。
試験勉強でオナニーもしていなかったので、恐らく限界が早いと思い、最初はゆっくり動いた。

Nの中は熱く、それを感じてさらに大きくなった感じがした。Nと繋がっている事に興奮した俺は、冷静さを失い、激しく動いた。
Nも呻き声から、嬌声に変わっていた。俺も限界になり、Nの膣から引き抜くと、腹部に精液を出した。いつもより多かったと思う。その量にN自身も、
N「いっぱい出たね〜。○○、感じてくれた?」
俺「Nさんを・・・いっぱい感じたよ。」
N「あたしも○○を感じた。久しぶりだったし・・・なんか身体がジンジンする。」
2人でそんな事を言いながら、後始末をした。時間を見ると、10時を回っていた。さすがに今日は帰らないと親からどやされるので、Nに帰る事を伝えると、
N「卒業まであと少しなんだから、もっと話したい。今日は帰らせない。」
そう言われた。俺も弱い人間なのでその言葉に負け、「電話貸して。友達の家に泊まるって伝えるから。」と言った。

結局親にはなんとか言い訳し、その日はNの家に泊まる事になった。
寝るまでの間、2人で色々話をした。二年の時はクラスが変わって淋しかっただの、三年の文化祭での出店で俺がクレープを必死になって作っていた表情が面白かっただの。
机の上に飾ってあった、一緒に写った写真を見ては、話が弾んだ。
Nとは一緒のベッドで寝た。以前ならNに抱かれる形だったが、今回は手を繋いで眠った。セミダブルのベッドだったので、中途半端に狭く感じたがNの体温が伝わってきて、幸せな気分で寝た。

翌朝は一緒に学校へ行き、それぞれ私用を済ませた。
行く途中にNから「他の4人に挨拶しておいで。そこでヤるなりなんなりあっても、あたしは構わないから。ただ、4人にそれぞれ挨拶して来なきゃ、後悔するよ。あんたの性格上、絶対後で悩むから。」と、言われた。

Nに言われた言葉がどうも気になった。絶対に後悔すると言われると、なにかしなくちゃいけないという焦りが芽生えた。
とにかく、一人一人と面と向かって話をしないといけないと思い、それぞれの携帯に公衆電話で電話した。恥ずかしながら、大学に入るまで携帯を持ってなかった。
4人には都合よく出てはもらえず、アポをとるのに半日費やした。残りの日は少ない。俺は最初にIに会うことにした。

比較的理解を示していたIとは、スムーズに話ができた。手に職をつけて、早めに結婚する事を考えていると話した。
しっかりした人生設計だった。「こんな女性と結婚する旦那さんは羨ましいな〜。俺なんかとは大違いだね。」と言うと、
I「大丈夫。あんたは健気っていうか、単純バカっていうか(笑)自分の思う事を一筋に進めば、なんとかなるよ。」
なんだか温かい感じがあった。励ましの言葉はたった一言だったが、凄く有り難かった。

次に話したのはAだった。Aは気難しい表情で、俺の話を聞いていた。元々俺が好きだった事があったので、どうしても俺の進路が納得できなかった。
A「○○の学力だったら、そのままウチの大学来れたのに。」
俺「僕が行きたい学部が無いよ。あっても県内に一つしか無いから、競争率高いでしょう。」
A「いやいや、ダブルスクールって知ってる?大学行って、さらに専門学校に行くことを言うんだけど。」
俺「知っているけど、家計が・・・授業料も俺のバイトだけじゃ無理じゃない?」
A「それでも足りないなら・・・私、風俗でバイトする。それくらいなんともない!」
俺「気持ちは有り難いけど・・・Aさんをそんなところに関わらせたくない。」
Aの思いが痛い程伝わってきた。自分を好きでいてくれたAが、風俗で働くことは嫌だった。俺はひたすらAに謝り、なんとか自分の意志をAに理解して貰った。

Aはようやく理解してくれた。俺も落ち着いた時、不意に言われた。
A「最後の思い出作りじゃないけど、私の家に来て欲しい。君が来たっていう思い出が欲しい。」
Aの真剣な言葉と表情に、ただ頷くしかなかった。そして、2人でAの家に行く事になった。

Aの家は、八階建てマンションの六階奥。お洒落なエントランスが印象的だった。俺と同じ一人っ子だったAの部屋は、女の子らしい感じの部屋だった。小綺麗で、ふわっといい香りがした。
部屋に着くと鞄を置き、ベッドに腰を下ろした。何をするのか分からずにいると、Aは突然俺に抱きついた。あまりの事に驚いて、そのまま2人でベッドに横になる形となった。
Aは俺の顔を見つめながら、今までの事を懐かしむように話し始めた。俺も相槌を打ちながら、話した。話し始めると、自然に2人で笑っていた。

話も三年まで来ると、話題が尽きてきた。何を話せばいいのか、考えていると
A「ねぇ、最後のお願い。抱き締めて。」
Aがそう言った。俺は「うん、分かった。」とそれだけ言うと、Aを抱き寄せて、しっかりと胸で抱いた。Aは顔を埋め、少し震えていた。声こそ出さなかったが、その息づかいで泣いていたのが分かる。震えが止まるまでの間、俺は黙ってAを抱き締めていた。
かれこれ3、40分経っただろうか、Aが顔をあげた。その目は真っ赤になっていた。笑いながら目をこすり、
A「ありがとう。」
とだけ言った。

結局エッチな事は何もなかった。でも、不思議な程、心が満たされた。
Aに見送られながら、マンションを出る。ある程度行ったところで振り返ると、まだAは見送っていた。手を振ると、それに応えて手を振ってくれた。
Aの香水が程よく香っていた。その香りを惜しみながら、家に帰った。

三人目はYだ。彼女の場合、Tと同じく怒っていたので、話の切り出しが難しかった。面と向かったその時でも、どう言って良いか分からなかった。
誰も居なくなった教室でYと話した。暗い感じで切り出すと後が続かないと思ったので、なるべく普通に話を始めた。
俺「呼び出しておいてなんなんだけど・・・やっぱり、卒業前にちゃんと話しがしたかったんだ。」
Y「話す事なんてある?あたしを散々抱いておいて、最後には捨てるんだろ?全く、いい御身分だよな?」
俺「確かにYさんを抱いたけど、捨てるっていう事じゃないよ。それぞれ別の道を歩むって事じゃないかな?」
Y「なんとでも言えるよな。所詮、都合のいい女だったってことだろ?」
俺「そんな事ないよ。」
Y「いや、お前は卑怯なところがある。言い訳してるだけだよ。」
やっぱりというか、Yはなかなか聞き入れてくれなかった。

どうしてもYは納得してくれない。むしろYは、無い物ねだりをする子供の様に、わがままを言い出した。
Y「○○と一緒に居たい。ご飯食べたり、セックスしたり。もっと時間が欲しい。」
確かに俺も同じ気持ちだった。時間が欲しかった。しかし、もう残りは少ない。正直、悩んだ。それでも彼女は続ける。
Y「あー、もうイライラする〜。マジでなんかムカつく。」
Yの言葉が癪に触った。無限ループの様に同じことを繰り返すYに、無言で近づいた。違う雰囲気にYは、
Y「何?なんかあるの?」
と、少しのけぞる感じで言った。
Y「だいたいお前の進路なんて、あたし(ry」
俺はキスして、Yの言葉を遮る。軽いものでは無く、舌を絡ませる激しいものだ。更にYが抵抗してもいいように、左手でYの後頭部を持ち、右手でおっぱいを掴んだ。
最初こそ驚きからか、身体が硬い感じがあった。しかし、次第に俺の舌を受け入れ、より激しいキスをした。

キスしているうちに我慢できなくなり、モノがカチカチになった。右手で握っていたYのおっぱいも、服の上からこねくり回した。
俺もYも鼻息が激しく、それでもそれぞれの舌を貪りあった。スーッと唇を離すと、お互いの頬に唾液が着いているのが分かる。
急にそんな事をしたので、Yも黙ってしまった。怒っていた表情も、落ち着いた感じになっていた。抑えきれなくなった俺はYをそのまま引っ張っていき、最初に使ったあの部屋に連れ込んだ。
相変わらずの人気の無さに感謝すると、鍵を内側から掛け、そのままYを後ろから抱いた。抱くというより、襲うという感じだった。
Yの尻の部分に股間を押し付けると、
Y「あっ・・・もう立ってる。種馬じゃん。」
そんな事を言われた。もうそんな事も気にせず、彼女の胸と股間を弄った。

ある程度Yの胸を揉んでいると、感じ始めたのか声が高くなってきた。
それを確認すると、俺はYのケツのところからスカートの中に顔を突っ込んだ。青いパンティをずり下げ、形の良いケツを剥き出しにする。ケツの谷間に舌を這わせると、
Y「やん、くすぐったい。ンーッ。」
と、声をあげる。さらに谷間を広げ、アナルを舐める。筋に沿って舐めていると、段々とケツを押し付けてきた。それが分かったので、穴を突っつく感じで舌を出してみた。
Y「アナルばっかり責めちゃ嫌。もっと違うところも〜。」
そんな懇願に応えるように、しっかりと前もまんべんなく舐めた。スカートの中からは表情が伺えないのが残念だ。Yの女の子らしい声を聞いていると我慢できなくなり、スカートの中から這い出た。
Y「それじゃあ、そろそろ・・・」
俺「うん、いくよ。」
その言葉と共に、バックからYを突き上げた。なかなかの締まり具合と、自慢の巨乳の揉み心地は、これまで以上に俺を興奮させた。

Yとのセックスでは、いろいろと試された。正常位、騎乗位、バック、立ちバック、駅弁・・・
今回のようにバックも胸が堪能出来るので好きだったが、一番は騎乗位だった。強気で主導権を握る彼女にぴったりだし、何より犯されている感覚が良かった。
しかし、この日だけは違った。最初で最後のY相手の責めというシチュエーションに、驚く程興奮していた。
俺「良いよ。凄く・・・熱いよ。」
Y「○○〜、もっと。もっと突いて。おっぱいも激しくして。」
多分こんなことをお互い言っていたと思う。それくらい夢中だった。じわじわと射精感が近づき、さらに激しく腰を動かす。
限界が近づいたので一気にモノを抜いた瞬間、イってしまった。そのままYの尻に出し尽くし、精液を塗りたくった。
Y「あ〜ぁ。勿体無いな。」
Yはそんな事を言いながら、恨めしそうに振り返った。

後始末の後、Yが話しかけてきた。
Y「ヤってもやっぱり、淋しさは消せないな。あんたが居なくなる事に、あたしは納得はできない。」
俺「そっか・・・」
半ば諦めていると、
Y「身体では満足できたから、あとは心だね。」
俺「は?奥さん、何を仰っていらっしゃるんですか?」
全く意味が分からなかった。心が満たされるって、個人で違う。何をされるのか考えていると、
Y「それじゃ行くよ。ついて来て。」
そのままYについて行くと、繁華街まで来た。手を繋いで歩いていると、アクセサリーを売っている露店で足が止まった。
Y「買って」
ただ一言だけ言うと、その中にあるシンプルな形の指輪を指した。値段はそこまでしなかったし、これでYが満足してくれるなら良いかと思った。
俺「すみません、コレ下さい。」
支払いを終えて指輪を受け取ると、Yに渡そうとした。

Y「チョイ待ち!あんたの手ではめてくれないかな?」
俺を制するように言った。まぁ良いかと思っていると、Yがスッと左手を出してきた。
指輪をどの指にはめるのか知らなかった俺は、薬指なら邪魔にならないと思い、はめた。
Y「ありがとう。大切にするから・・・○○だと思って。」
俺「こんなんで喜んでもらえるなら、嬉しいよ。」
そう言って、その日は途中まで一緒に帰った。その途中でも、Yは嬉しそうに指輪を見つめていた。シンプルすぎて、もう少し洒落たものが良いんじゃないかと思った。

左手薬指に指輪をする事が特別な事だと知ったのは、大学に入ってからだった。恥ずかしかった。

最後の話す相手はTだ。

5人の中で一番暴力的な彼女に話すのは、一番気が引けた。
何せ短気でビンタを喰らわす程の彼女のことだから、何かあるんじゃないかと思っていた。

案の定、会った時の彼女は機嫌悪そうだった。
県外に進学することや皆に今までエッチなことをしてもらったこと
に感謝することを話しても、全く聞く耳を持たない感じだった。

そんなことなんてどうでもいいという感じだった。

一通り俺の話が終わると、Tは話し始めた。

T「それでも、アンタを許さない。許さないっていうより・・・県外に行きたきゃ行けばいい。むしろ帰って来るな。」
俺「ちょっと待って。そんな、そんなつもりじゃ」
T「それに、アンタが一番気に掛けなきゃいけないのは、アタシじゃないだろ。そんなことも分かんねぇのか。」
俺「えっ、何?」
T「・・・鈍クセェなぁ。マジで言ってんなら、お前終わってるな。あいつが可哀想。」
俺「可哀想って・・・」
T「気付けよ!気付いてやれよバカ!!」

そう言って学食の机を叩いて、彼女は帰っていった。

人気の少ない学食に残された俺は、ただその言葉の意味を考えていた。

その日、一人チャリンコに乗り帰りながらTの言葉を考えていた。
『あいつ』『可哀想』『気付け』
誰のことなのか。可哀想ってどういうことなのか。気付くとは。

正直、心当りはあった。鈍臭い人間だが、なんとなく感じていたことはあった。
ただ、それはあくまでも自分勝手な憶測なので、口に出して言うことに抵抗があった。

何かやりきれない感じを残しながら、時間だけが過ぎていく。
自分にとって都合の良い考えを、そのまま行動にとって良いのか。
彼女達に気を使って、笑顔で接するべきなのか。

自分の中で葛藤があった。

2月の末の話。

自分の高校の卒業式は毎年3月3日。ガキ臭いというか、何か感動的な展開を期待していたが、結局その日は何も無く卒業式のみ。

卒業式が終わると、皆それぞれ。
泣いている女子もいれば、流行りだったダンディー坂野の『ゲッツ』をしながら写真を撮りあったりしていた。
俺は友達と話しあったりした。

その後は男友達と焼肉食い放題とカラオケに。散々食って歌って飲んで騒いだ。

好きな歌で騒いで騒ぎまくったが、あとには虚しさだけが残った。どうにもすっきりしない。
どうしようか未だに迷っていた。一人で悩んだ。
自分の気持ちにウソをついている方が良いんじゃないか。
その方があの娘には、良いことなんじゃないか。
でも結果的には最後だからという理由で、何か話そうと思った。

卒業式の10日後、俺はNに連絡を取って会う約束をした。
今思えば好きだという感情なのだろうが、当時は惹かれていたというような感じだったと思う。

最後にNと会った。二人きりで会いたいと言うと、
「分かった。んじゃ、12時に学校の近くのファミマ前に」
とだけ言われた。

約束の時間の30分前にはついていたと思う。
Nが来るのが待ち遠しくもあり、来たら最後の会話にどんな言葉を言えば良いのかと考えていた。
自分の気持ちを素直に言葉にすることが、これ程難しいと思ったことは無かった。

時間の数分前にNが来た。会うなり第一声、
N「何しんみりした面してんだ?どうせ今日が会うのが最後なんだから、もっとちゃんとした顔作れって。」

見透かされていて、何も言えなかった。

Nの言葉に俺は戸惑いがあった。正直、どういう表情をすれば良いのか。

Nの笑顔が痛かった。明るく振る舞ってくれるNをまともに見ることができない。

何も言えない俺にNが一番きつい言葉を投げ掛けた。

N「・・・だからお前はダメなんだ。人の顔色伺って物事を考えたりするから、ダメなんだよ。」

ハッとした。続けてNが言う。

N「最後の最後くらい、男らしく何か言えよ!今まで私と居たんなら、自分ってモノを分かれよ。」
N「もっと自分の気持ちに正直になれよ。私はエッチが好きだからアンタとしたんだよ。アンタのことだって最初から好きだったんだから!」

N「お前、自分から誘っておいて・・・なんとか言えよ。」
そうだ、彼女に言うには今しかない。自分の気持ちを。
俺「ねぇ、Nさん。ちょっとそこのファミレス行こう。ゆっくり正面きって話したいし。」
Nが仕方ねぇなぁというような表情を浮かべて言った。
N「やっとかよ。わーったよ。」

二人きりで近場のファミレスに行った。
昼飯時だったので人が多かったが、かえって周りの雑音で恥ずかしいことも言えた。

窓側の席に座るなり、俺は思っていたことを全て話した。

Nに惹かれていること。
それが好きという感情なのかも知れないけど、何と言って良いのか分からない。
今までNの顔色を伺っていたこと。
そして今は遠距離になるけど付き合って欲しいこと。

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