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憧れの1人暮らしで隣人に恋した

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Part41
加筆修正分2
247 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:01:58.66 ID:fAJ/LJk0
それでも、まりあ好きなんだから、仕方ないじゃんよぉぉぉぉーーーー!!!!
ハッキリと分かった瞬間だった。
カッコ悪くても。
情けなくても。
みじめでも。
人から笑われても。
時間が経っていても。
それが親友に奪われた相手だとしても。
そんなの全部ひっくるめて。
やっぱ俺・・・。
まだまりあが好きなんだよっ!
仕方ないじゃんよ・・・。
これが今の俺の正直な気持ちなんだもん・・・。
俺はマンションに到着した。
この場所に来るのも、約2年ぶりだ。
俺はマンションの前で、まりあの姿を探した。
しかしどこにも、まりあはいなかった。
俺はマンションを見上げた。
妙に懐かしい気分が、込み上げてきた。
目を閉じてみる・・・。
色々な思い出が、次々と蘇ってきた。

248 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:03:34.76 ID:fAJ/LJk0
まりあと初めて出会った日のこと。
油田と3人で、カレーを食べたこと。
まりあの部屋で
俺のディレクターデビュー作を観たこと。
渡辺が引越してきた日のこと。
終戦まりあ記念日のこと。
まりあへ告白したこと。
まりあと初めてキスしたこと。
悟と3人での夕飯を食べたこと。
まりあと初めて、一線を越えた夜のこと。
そして最後に、303号を出た日のこと。
全部・・・。全部・・・。
ここから始まって、ここで終わったんだ・・・。
俺はエレベーターホールに入った。
エレベーターに乗り込んで、3階のボタンを押した。
なんだか久しぶりだよな。
このエレベーターも・・・。
3階フロアに到着した。
もうここしかないよ。
ここにいなければ諦めるよ・・・。
しばらくすると
「チーン」というエレベーターの到着音がした。
この音すら懐かしい。
自分の胸の高鳴りが分かる!

249 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:05:11.42 ID:fAJ/LJk0
でもさ。
もしここにまりあがいたなら・・・。
俺の部屋で一線を越えたあの日以来
約2年ぶりに会う事になるんだよな?
俺は少し緊張した。
最初に掛ける言葉すら思いつかない・・・。
エレベーターを降りて、部屋がある廊下に出た。
302号室の前・・・。
やっぱりね・・・。
そこに袴姿の女の子が立っていた。
その子は本当に小さくてさ…。
いつも一生懸命なんだけど
誰かが守ってあげないと、すぐに壊れてしまいそうなんだよ・・・。
袴姿のその小さな女の子は
俺の住んでいた、303号の方を向いている。
そうか、今日は卒業式だったよな。
だから袴姿なのか・・・。
「まりあ・・・」
俺はその後ろ姿に、呟くように声を掛けた。
まりあ・・・。
まりあがゆっくりとこっちに振り向いた。
「光輝くん・・・」
約2年ぶりに見たまりあ。
袴姿だからかな?
少し大人っぽくなったね。
でもさぁ・・・。
その丸くて童顔な顔立ちは、なんも変わってないな。
まりあは少し涙を浮かべた瞳で
黙って俺の顔を見つめている。

250 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:06:12.34 ID:fAJ/LJk0
言葉が出ないよ…。
伝えたいことや、言いたいことはいっぱいあるのに…。
なにも言葉が出ないよ。
最初に口を開いたのはまりあだった。
悲しそうな顔で「ごめんなさい・・・」と呟いた。
まりあが目の前にいて。
ちゃんと言葉を発していて。
間違いなくまりあの存在はそこにあって・・・。
俺は安心した。
良かった・・・・。
まりあが無事で本当に良かった…。
しかし、俺はなんて未熟な人間なのだろうか?
安心したその感情とは、裏腹な言葉を発していた。
「心配したんだからな・・・」
安心した瞬間、急に仕事を投げ出してきた自分を思い出した。
なんで心配かけるんだよっ!
なに元カレに助けを求めてんだよっ!
「どこにいるかメールの返事くらいしろよなっ!!」
少し大きな声を出した。
まりあは悲しそうな表情でうつむくと
小さな声で「ごめんなさい・・・」と呟いた。
またしても沈黙が流れる。

251 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:07:19.34 ID:fAJ/LJk0
お互いがどんな言葉を切り出せばいいのか
分からない状態であった。
このまま黙っていても仕方がない。
確かに俺は、まりあが大好きだけどさ・・・。
その感情に気付いてしまったけどさ・・・。
なぜまりあが、俺に助けを求めたのか?
悟とは何があったのか?
確かめる必要がある。
だから俺はここに来たんだ!
じゃなきゃ
今の状態はまりあが身勝手すぎるよ。
「俺・・・今日は大事な仕事があったんだよ・・・」
しばらく沈黙があったあと
まりあは俯いたまま、涙で俺の言葉に反応した。
「今日ね・・・。大学のね・・・。
卒業式だったんだよ・・・」
それは油田にも聞いていた。
でもそれが今何の関係があるのだ?
俺はまりあの次の言葉を待った。
「大学に入ってね
すぐにこのマンションに越してきたんだ・・・。
両親は猛反対したんだけどね。
どうしても自立がしたくって・・・。
その時にね。
一つだけ誓ったことがあるの・・・」
まりあが顔を上げた。
その目からは涙が溢れている。
まりあはその涙を拭うことをせずに、次の言葉を続けた。


252 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:08:12.37 ID:fAJ/LJk0
「4年後・・・。
大学を卒業する時は・・・。
大人になってこのマンションを出たいなぁーって。
甘やかされて育ったからさぁ・・・。
大学を卒業する時には・・・。
大人になって
立派な社会人としてここを出て行きたいな・・・って。
私ね
4年前にそんなことを思いながら、ここに引っ越して来たんだぁ」
初めて聞いた話だった。
俺もこの場所から、新たな人生をスタートさせたいと思っていた。
でもまりあがここに住んでいるのは
単に大学と実家が遠いという理由だけかと思っていた。
彼女なりに、1人での生活を決断するのには
それなりの思いがあったのだ。
「そんな時にね・・・。
私とは逆に社会人として
ここからスタートする光輝くんに出会ったんだよね。
すごく大人に見えて・・・。
仕事も一生懸命で・・・。
カッコ良くて・・・。
憧れていたんだよ?」
そういうとまりあは、涙目のままニコッと笑った。
「そこまで立派な人間じゃないよ・・・。
仕事も辞めちゃったしさ。
立ち直るのにもすごく・・・時間掛かったしさ・・・」
本音である。
俺はカッコいい人間なんかじゃないんだよ。
俺の言葉を聞いたまりあは、ためらいがちに言った。
「ここね・・・大切な場所だったから。
この場所で待っていたら、光輝くんが来てくれるようなきがしたから・・・。
自分で勝手に運試ししちゃった。
光輝くんが来てくれなかったら・・・。諦めようって・・・」

253 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:09:04.36 ID:fAJ/LJk0
それが返信が無かった理由だったのか?
でも・・・。
諦めるって何をだよ?
「ごめんね・・・」
まりあが涙を拭いながら呟いた。
「私またお仕事の邪魔しちゃったね・・・。
本当に・・・
本当にごめんなさい」
そう言うとまりあはペコリと頭を下げて
「帰ります・・・」
と呟いた。
きっと我慢をしていたのであろう。
大学卒業のこの日に、まりあなりに大人になろうとしていたのか?
さっきまでも、涙は流していたが
決して表情は泣き顔にならなかった。
しかし・・・。
我慢の限界だったのか
ポロポロと涙を流すと
「ぅぅぅ・・・。。。」と子供みたいにすすり泣きしながら
まりあは涙を拭い、俺の横をすり抜けようとした。
おい・・・?俺
このまま行かせていいのかよ?
大事な仕事を放り出してまで、まりあに会いに来たんだろ?
このまま、まりあを行かせてしまって後悔しないのかよ?
後悔は・・・するに決まっている!
2年前のあの時の様に・・・。

254 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:09:57.92 ID:fAJ/LJk0
もう後悔だけはしたくない!
まりあはまだ、いま目の前にいるんだよ・・・。
でもさ・・・。
情けない男だけどこれだけは聞かせてくれよ。
まりあにとっては心の傷かもしんないけどさ・・・。
この問題から目を背けても、その先はないんだよ・・・。
「さ・・・悟とは・・・どうするつもりなんだよ?」
勇気を振り絞ってその言葉を吐き出した。
血液が逆流した様に全身が熱くなる。
まりあの前で悟の名を出す時が来るなんて
想像もしていなかった。
俺のその言葉を聞いた瞬間、まりあの動きはピタリと止まった。
重い空気が流れ出す・・・。
でも逃げないよ。
ここでまりあの本心を聞かなかったら
2年前のあの時と同じじゃん。
「私は・・・」
まりあが小さい声でそう呟いた。
その言葉の後は、ジッと地面を見つめていた。
表情が分からない・・・。
「こんなことは卑怯だし・・・。
今更信じてくれないだろうけど・・・」
俺は俯くまりあから視線を逸らすことはしなかった。
まりあはいま、勇気を振り絞って本心を語ろうとしている。
次にどんな言葉が投げかけられても
俺には凡てを受け入れる義務がある!

255 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:10:37.53 ID:fAJ/LJk0
「ずっと・・・。ずっと・・・。
光輝くんのことが・・・。
好きで・・・。
でも私が側にいたら・・・。
光輝くんの仕事の邪魔して・・・。迷惑を掛けて・・・」
まりあはそう言うと
また「ぅぅぅ・・・」と子供のような泣き声を上げた。
「だからあの日・・・。光輝くんと・・・。
初めては光輝くんとって・・・。思っていた・・・んだ」
まりあは涙声でそう言った。
胸が熱くなる。
仕事は・・・。
俺の力が足りなかっただけなんだ!
まりあのせいじゃない!
仕事がどんなに忙しい時でも
会社を辞めちゃった時でも
まりあの責任だと思ったことは一度もないよ。
むしろ俺があんなに頑張れたのは
まりあがいてくれたからなんだよ・・・。
そうじゃなきゃ
俺はもっと早くに潰れていたんだよ・・・。
「悟くんを好きになれば・・・。
光輝くんを忘れることができて・・・。
光輝くんにこれ以上迷惑かけなくて・・・って思った」
まりあがそっと顔を上げた。
泣き腫らした顔は、まるで子供のようだった。
ああ・・・。
そうだよ・・・。
俺はこの子をずっと守りたい!って思ったんだよ・・・。
この子をずっと一緒にいたい!って思ったんだよ・・・・。

256 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:11:36.19 ID:fAJ/LJk0
「でも光輝くんを忘れること・・・。できなくて・・・。
こんな私でも結婚したら忘れること・・・。
できるからなって・・・」
本当は分かっていたのに・・・。
悟と電話した時から、俺は分かっていたのに・・・。
「でもごめんね。
やっぱり無理だったよ・・・。
光輝くんを忘れることなんて・・・。」
まりあ・・・。
ごめんは俺の方なんだよ。
こんなに小さくて・・・。
こんなに弱くて・・・。
そんなまりあをこんな辛い目に合わせて・・・。
ごめんは俺の方なんだよ!
まりあ・・・。
「まりあ」
俺はそっとまりあに近づき手を握った。
そしてその小さな身体を抱きしめた。
まりあは俺の胸の中で泣き続けている・・・。
「俺さ・・・。やっぱり・・・。
まりあのことが大好きなんだよ!今でもさ・・・。」
「私もね・・・。光輝くん」
まりあが俺の胸に、顔をギュッと押し付けて言った。
「やっぱり光輝くんのこと・・・。ずっと好きでした。」

257 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:12:16.07 ID:fAJ/LJk0
俺がさ・・・。
これからずっと・・・ずっと・・・。
まりあを守っていくからさ。
ずっとずっと・・・。
一緒にいようぜ!
「これからは何があっても、一緒にいようぜ!」
こういうと俺はまりあを強く抱きしめた。
まりあは小さな声で一言
「はい・・・。」
まりあもう離さないからなっ!
心の中でそう呟いた瞬間、前方に人の気配を感じた!
???
そこには半開きのドアから、こちらを覗うオタクの姿があった。
そのオタクはメガネを持ち上げながら
「やぁやぁ。どうもどうも。」
と場違いな挨拶を投げかけてきた。
「・・・ど・・・どうも・・。」
俺は不自然なくらいに、ソーッとまりあから離れた。
「い・・・いつから??」
「『やっぱりまりあが大好きなんだよ!』のあたりからですかねぇ」
そ・・・そこからですか?
人に一番聞かれたくない言葉は、さすがに抑えますよね?
「しかしまぁ・・・。なんですなぁ・・・。」
油田は俺とまりあを交互に見つめながらこう言った。
「お二人はやっぱりお似合いですなぁ」
あ・・・。ありがとうございます。
油田さん・・・。

258 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:13:08.29 ID:fAJ/LJk0
エピローグ
6月16日。
俺とまりあは不動産屋にいた。
3年前、俺に303号を紹介してくれた不動産屋だ。
「7月1日に入居できますので!」
不動産屋のお姉さんはそう言った。
俺とまりあは不動産屋を出てはしゃいだ。
「良かったね!光輝くん」
「うん。マジ良かったよ!」
「意外と人気物件なんだよ。あのマンション!」
「うん。しかも303号が空いているなんて・・・。
めっちゃラッキーだよな!」
俺とまりあは、明日あのマンションに引っ越しをする。
俺とまりあが、初めて出会ったマンションだ!
もう一度あそこから・・・。
油田や渡辺と・・・。
そしてまりあと!
あのマンションの303号で、やり直したかったのだ。
正直お金の問題は痛い。
でもね。世の中お金の問題じゃないことあるよね?
「まりあ・・・。2ちゃんって知ってる?」
「ん?2ちゃんねるのこと?電車男??」
「そうそう。それそれ!!」
俺はずっと考えていたんだ。
あの日からずっとね。

259 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:13:59.39 ID:fAJ/LJk0
「俺さぁ。まりあにラブレターって書いたことないじゃん?」
まりあはおかしそうに
「あははは」と笑った。
「書いてやんよ!めっちゃ長いラブレター。まりあに書いてやんよ!」
「そりゃ楽しみだ♪」
「今までのまりあとの思い出、全部文章にしてやんよ!」
「それはかなりの長編になりますねぇ。光輝くん♪」
「毎日毎日・・・。書くからさ・・・。まりあも毎日見てくれよな!」
「掲示板を使ったリアルタイムのラブレターだね!」
俺とまりあは一緒にスレタイを考えた。
まりあも必死で考えている。
自分宛のラブレターのタイトルを・・・。
電車の中でこのスレタイは決まった。
「やっぱ1人暮らしってキーワードは必要だな。うん」
「私の意見を入れます。隣人に恋(を)した。はそうでしょうか?」
「それじゃ。2つ合体させて・・・。憧れの1人暮らし隣人に恋(を)した。これでどうよ?」
「いいと思います♪」
「7月1日までの引越しまでに書き終えるぜ!」
こうして俺は、毎日毎日レスを重ねていった。
当初、考えていたスレタイは
「憧れの1人暮らしで隣人に恋(を)した」であった。
あれだけ、誤字脱字を気にしていた俺が
最初のスレタイから、間違えていたのである。
まぁ・・・。俺らしいかもね。

260 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:14:48.82 ID:fAJ/LJk0
なんとか明日。
俺とまりあが新しい生活を、始めるまでに間に合いました。
この2週間。書くのがつらくてつらくて仕方のない時もあったけど・・・。
こんなに多くの人を巻き込んでしまった
長い長いラブレターが書き終わりました。
やっぱり最後はこの言葉で、このスレ(ラブレター)を締めたいです。
このスレに関わった全ての人に・・・。
どうもありがとうございました。
油田、渡辺・・・。
また明日からよろしくな!
そしてね・・・。
いつか俺に向けてこんなレスがあったんだ。
「今の二ノは幸せなの・・・?」
返事が遅くなってごめんね。
俺はね・・・。
今ハッキリと言い切れるよっ!
大好きな人に囲まれていて・・・。
すごく幸せです。
そしてまりあ・・・。
俺はやっぱり・・・。
まりあが大好きです!
憧れの1人暮らしで隣人に恋(を)した
          完

261 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします[sage] 投稿日:2009/05/16(土) 22:15:42.82 ID:fAJ/LJk0
最後に俺からみんなへ報告があります。
来年から終戦まりあ記念日は
終戦まりあ『結婚』記念日になります。
もちろん俺とまりあのだよっ!
最初にVIPにスレを立ててから5ヶ月以上も経ったね・・・。
みんなとお別れの時がやってきました。
最後はやっぱり、この言葉でスレ(ラブレター)を締めくくりたいです。
俺はずっとずっと・・・。
まりあが大好きだよ。

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