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少女「君は爆弾に恋をした」

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Part2
12 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/25(土) 21:37:06.65 ID:Hlak1yFAO
子供A「あったー!」
子供B「ありがとう、お姉ちゃんすごいね!」
少女「あ、この事はお母さんたちには内緒にな!」
僕が唖然としている横に彼女は飛び降りてきて、髪を耳の後ろにかきあげた
少女「行こうか」
男「あ、ああ」
平静にしていたが、頭の中は大混乱していた
今のは何だ
今の彼女の動きはなんなんだ
今まで彼女が冗談としてきた言葉を思い出す
百テラジュール
長崎型原爆より少し強い程度
危険物
爆発する
爆発する!?
こんな可愛い彼女が?
僕は思わず彼女を見つめた
少女「あ……あの……」
少女「そんなに見つめないでくれ……」
男「あ、ごめん」
さっき異常事態に触れたばかりなのに僕の顔は熱くなった
また見つめる
今度は違う意味で
白い頬をほんのり桃色に染める彼女が、とても可愛い
少女「あの……君なら内緒にしてくれるだろう?」
今の、と言うことだろう
男「え、ああ、もちろん」
もちろん、言えるはずがない
体育の時間はどうしてるんだろう
そう言えば女子たちが大騒ぎしていた気がする
また彼女を見つめた

13 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/25(土) 21:39:21.20 ID:Hlak1yFAO
少女「も、もう……」
照れくさそうにつぶやいた後、彼女がこちらに向き直る
少女「ここが私の家だ」
そこは裏通りにある、小さな安アパートだった
少女「送ってくれたお礼、していいか?」
男「え、いいよべつ……」
言い終わる前に、彼女は僕の右頬にキスをしてきた
少女「ちょっとコーヒー味、あはっ」
さっき吹いた時についていたらしい、いや、そんなことどうだっていい
卒倒しそうになるのは、人生初めてだったかも知れない
なにこの妖精
なにこの天使
なにこの女神様
そして今の柔らかい感触ーー
少女「ま、また明日な!」
少女もまた、顔を耳まで焼けたように真っ赤にしていた
彼女は振り返ると凄まじい速さで駆けていった
僕の彼女は、何者だろうか
解らないけど、それでもいい
可愛い
可愛いよ〜
そのままふらふらとした足取りで家まで帰ったが、その後のことは覚えていない
朝、気がつくと学生服のまま右頬に触った体制で目を覚ました
彼女なんだ
こういうことが有って良いんだ……
目が覚めてもまだドキドキしていた

14 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/25(土) 21:41:55.73 ID:Hlak1yFAO
今日はここまでにしておきます
今回の作品はSF恋愛物です
ベタベタな甘ーいお話を書いていきますので、嫌いならそっとじしてください
レスがもらえたら犬のように喜びます

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/25(土) 21:49:29.19 ID:u5xyR5RqO
乙、期待してる

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/25(土) 23:44:12.29 ID:WNWxLDmRo
期待


17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2014/10/26(日) 12:41:01.38 ID:4RLJHYEpO

これは期待

19 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 17:33:59.84 ID:nePH+j+AO
母「男ちゃんがこんな早く起きてくるなんて珍しいわね」
母「昨日は帰ってからそのまま寝ちゃったみたいだけど、どうしたの?」
男「ど、どうだって良いだろ」
母「彼女できた?」
男「……!」
僕は思わずお茶を吹きそうになったがこらえた
母「バレバレだね、男ちゃんは」
母はカラカラと笑う
母「ほっぺたずっと押さえてたけどキスでもされたの?」
男「ぶっ!」
母「汚〜い」
今度は耐えられず吐き出した
母「良かったら家に連れてきなさい」
母「今晩は三人分ご飯用意するからね」
女に似て、母も思い立ったら周りの迷惑も省みず、宇宙にでも旅立ちかねない
だけど僕も今度は彼女を自分の家に招きたかった
思い切って声をかけることにしよう
少女「男君の家?」
少女「行きたい」
女「ついに最後まで……」
男「行かないよ!」
女「なんだ」
友「この裏切り者!悪魔!ひょうろくだま!」
男「なんだひょうろくだまって?!」
その日も針の筵……
しまった、放課後に言えば良かった
少女は家に電話をかけ、遅くなると告げる
少女「博士が泊まってこいって……」
男「勘弁して」

20 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 17:36:07.70 ID:nePH+j+AO
どうも彼女のお母さんも女やうちの母に似た匂いが……
いや、本当に博士なのかも知れないのか……
ふと考え込んでしまった
少女「どうかした?」
男「えっ?」
男「あ、いや、何でもない」
女「いやらしい」
男「なにが?!」
友「くそう……くそう……」
男「友に刺されそうだから、行こうか」
少女「うん、はい」
少女「あの、迷惑ではないだろうか、こんな爆弾娘」
男「うん、吹き飛ぶなら町のどこに居ても吹き飛ぶし」
女「男、もう少女ちゃんジョークうつってるね〜」
男「僕の彼女は破壊力あるだろ?」
女「惚気るね〜」
本当はジョークで済まないかも知れないが、そう言う事にしておこう
そうしないと大騒ぎでは済まない
彼女はなんでも内緒にしたがる
ひょっとしたら誰かから逃げているからかも知れない
なら騒ぎにしない方が良いに決まってる
その日の帰り道、二人きりになった時
少女「あの、男君……」
男「ああ、うん、なに?」
少女「手を……繋ぎたい」
世間知らずにも見える彼女がどこからこんな知識を仕入れているのだろう
いや、女か……あの野郎グッジョブ
男「い、良いよ」

21 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 17:41:55.83 ID:nePH+j+AO
僕は真っ赤になりながら彼女の手に触れた
一瞬冷たい感触がしたが、手のひらは温かかった
人の手だ
とっても小さい、柔らかい、普通の
友が見ていたら爆発しろと言われたことだろう
いや、爆発したら困るんだが
爆発しそうだ、僕の心臓が
男「僕も爆発したらごめん」
少女「爆発しそうだね、別の意味で」
良かった、この心臓の鼓動で彼女が爆発することは無いようだ
ヤバい、何を考えてるか分からない
この時間がずっと続けば良いのに
そう思った途端、家に着く
畜生家近い!
中からカレーの香り
もし彼女を連れてこなくても大丈夫なように計算しているあたりが我が母である
男「ただいま〜」
少女「お邪魔します……」
母はバタバタと玄関まで走ってきた
母「可愛い〜!嘘〜!」
開口一番これである
我が母ながら酷いではないか
確かに彼女は僕なんかにはもったいない美少女だが
母「いらっしゃ〜い!」
少女「お邪魔します……」
母「お邪魔なのはお母さんの方だから気にしないでね!」
本当にこういう時、母親と言う存在は邪魔である

22 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 17:43:48.29 ID:nePH+j+AO
少女「君のお母さんは、なんだか可愛い感じの人だな」
男「そう?」
男「見た目が若いだけで中身は完全にオバサンだよ?」
少女「お父さんは?」
男「単身赴任」
少女「そう、大変だね」
男「父さんはね、僕らは気楽だよ」
実際うちの父親は少しうるさい人物だ
騒がしいと言う意味で
母「まだ出来ないから部屋に行ってきたら?」
男「ええっ!」
少女「見たい」
男「分かった、掃除するから少し待ってて」
母「エッチな本はちゃんと押し入れに……」
男「無いよ!」
僕は部屋を一通り片付けると、クッションを敷いて彼女を招き入れた
少女「広くて綺麗な良い部屋だね」
男「そう?」
そう言えば彼女の家は安アパートだ
普通の一軒家でも広く見えるかも知れない
男「じゃあ、座って」
少女「ありがとう」
自分の部屋に女の子を入れたのは夏休みに女たちが押し掛けて来た時以来
あの時は散々散らかされたっけ
男「そうだ、飲み物……」
少女「お構いなく」
男「いや、僕が飲みたいから」
少女「……優しいね」
男「そ、そんなこと無いよ」
僕は慌てて部屋から飛び出た

23 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 17:47:07.43 ID:nePH+j+AO
僕が適当に冷蔵庫から飲み物を出していると母が何かと聞いてくる
どんな子か、何が好きか
言えない……核ミサイル好きだなんて
吃っていると母はこう言ってくる
母「ちゃんと色々知り合ってからエッチするのよ?」
男「しないよ!!」
母「しないの?」
男「ま、まだ……」
母「まあ、今時純愛って……良いわねそれも」
どうやら母は頭の中で青春を思い返しているようだ
早々にその場を離れる事にした
男「……お待たせ」
部屋に戻ると彼女は窓際に立って外を眺めていた
何だか絵になるな、と思う
少女「エッチな本は発見できなかった」
ガクってなった
女の入れ知恵だろう
いつか必ずお返ししてやる
男「そんなの無いよ」
少女「女ちゃんの話では無くても捜索するのが彼女の役目らしいが……」
男「そんな役目はない、断じて」
少女「そうなのか、また騙された」
男「また?」
少女「うん、この前は……」
二人でいる緊張感も忘れて楽しく話していたら、やがて母から声がかかる
三人でカレーを食べながら談笑した
母も彼女を気に入ったらしい

24 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 17:51:11.29 ID:nePH+j+AO
母「それじゃ彼女さんは爆弾娘って呼ばれてるの?」
男「転校してきて初日に『爆発する』って言い出してさ」
母「恥ずかしすぎて爆発しそうになることあるわね〜」
男「そうそう、それに……」
少女「恥ずかしい」
母「ごめんね、この子も子供の頃ね〜」
男「その話は止めてよ、母さん」
母「あ、もうこんな時間、送ってあげなさい」
男「ああ、行こうか」
少女「楽しかった、ありがとうお母さん」
母「あらやだ、もっとお母さんって呼ばれたい!」
男「はいはい」
母と彼女が親密なのは良いことだけど、色々バラされたら痛い
すぐにでも逃げよう
僕は彼女を送る
そして
また手を握った
胸はドキドキ、彼女の手は温かい
彼女もなんだか嬉しそうに見える
色々話したいこともあったけれど今はそれよりこうして何も話さずに彼女の手を感じていたい
少女「もう金木犀が香りだしたね」
男「本当だ……強い香りだけど好きだな」
少女「私も好きだ」
男「そう言えば言ってなかった」
少女「何を?」
男「好きだ」
少女「んっ」
我ながら変なタイミングだと思った
彼女の答えは……
少女「私も……好き」

25 : ◆J9pjHtW.ylNB :2014/10/26(日) 17:58:01.15 ID:nePH+j+AO
もうすぐ彼女の家に着いてしまう
その前にまた公園に立ち寄ろう
二人で居たい
何も言わずに二人で公園に入って、ベンチに座る
男「そろそろ夜は冷え込んでくるね」
少女「そうだね……」
少女「寒いからこうしたい」
彼女が僕に肩を寄せてくる
僕は彼女を抱きしめる
この時に終わりが来るとしても、今はこうして居たかった
しかしそれからも僕らの平和な時間は続いた
女「男〜、今日どっか遊びに行こうよ?」
男「ああ、他は?」
女「いつものメンバーだよ」
友「たまには眼鏡も誘うか?」
男「そうだね」
少女「皆で出掛けるのか?」
女「モールの方行ってみる?」
男「そうだな、あっちは行った事無かったっけ?」
少女「うん」
友「楽しいよ〜」
少女「楽しみだ」
女友「まあゲーセンとかお店回るだけだけどね」
女「たまにはいいじゃん」
女友「いつものとこじゃマンネリだしね〜」
眼鏡「私も久しぶりに行くなあ」
少女「眼鏡さんとお出掛けは初めてかも」
眼鏡「初デート……うしゃしゃ」
男「そう言えばデートらしいデートしてなかったな」
女「何!キスまでしたのに?」