女「ハローハロー。誰かいませんか?どうぞ」
Part3
44 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:18:46 ID:FGZ
女「こんな人が、どれくらいいるんだろう」
リン「さあな。俺は10人ほどに会ったことがあるが」
女「え、そうなの」
リン「…けど、死んだ」
女「…」
リン「タッセルクリアが原因じゃない。病気で死ぬものは、半月で全滅した」
女「…トウメイ」
リン「二次災害、クリア」
リン「…死んだ患者が、ゼリー状の生物となって甦る」
女「…」
そうだ。
あれは悪夢だった。
色々な形をした、幽霊みたいなものが。 あるいは、形すら成してないものが。
漂い、はいずり、歩き、ぴちゃぴちゃと水音を発していた。
女「…あれって、何なの」
リン「知らん」
女「…」
リン「しかし実体がある以上、オカルトなものではないだろうな。あれは、ゾンビみたいなものじゃないか?」
女「そうだね」
リン「俺らを捕食するっていう点でも、同じだしな」
女「あれって、食べてるの?」
リン「俺はそう解釈してる」
45 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:24:09 ID:FGZ
女「…私は、実際にトウメイが人を食べるところは見たことないんだ」
リン「だろうな」
女「襲われたことは、あるけど」
リン「何故生き残れたんだ?お前みたいなのが」
女「だから、倒したんだよ」
リン「どうやって」
女「本当だよ。私、商店街にいた数匹は本当に倒したよ」
リン「だから、どうやって」
女「…」
殴った。
できるだけ長い棒状のもので叩くと、トウメイは真っ二つになった。
地面にすいこまれて、消えた。
でも、それだけじゃない。
女「ねえ、リン」
リン「ああ」
女「トウメイを殺したこと、ある?」
リン「ある。何回もある」
女「どうやった?」
リン「そりゃ、物理攻撃だ。叩き斬るのが一番だな。大体一発でしとめられるようにはなった」
女「…そうなんだ」
リン「お前は?違うのか?」
女「あ、う、ううん。そんな感じ。火をつけても消えるんだよ」
リン「知ってる」
女「あ、そ…」
46 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:27:47 ID:FGZ
女「リンは、どうして旅してるの」
リン「はあ?」
女「だって、わざわざ外に出るなんて」
リン「逆に、お前はどうして旅をしないんだ?」
女「あ、…危ないから?」
リン「ここにいるほうがよほど危ない。資源もいつか尽きるし、だいたい」
リン「…なにもできないで、ただ死ぬだけじゃないか」
女「…そう、だけど」
リン「まあここにはクリアが寄り付かないっていうのもあるんだろうがな」
リン「普通は、出て行くだろ。俺みたいにさ」
女「…う、…」
意気地なし。
そういわれてる気がした。
女「…」
リン「まあ、お前は女だからか…」
女(…なんだよ。自分だって女の子のくせに)
でも、リンはすごい。それは素直に分かる。
47 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:29:50 ID:FGZ
女「…」
リン「まあ、いい」
女「…」
リン「とりあえず、ここは安全なんだな?」
女「うん」
リン「じゃあ、俺は寝る。いいよな?」
女「あ、う、うん」
リン「空いてる部屋は?」
女「あっち」
リン「じゃ、借りる。じゃあな」スタスタ
女「え、あの」
リン「なんだ?」
女「…えーと、いや」
女「…お、おやすみなさい」
リン「…」
リン「ああ。おやすみ」
バタン
女「…」
49 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:34:07 ID:FGZ
=次の日
女「…ん」モゾ
女「…ふ、ぁ」
女「…」ムク
女(朝、か)
女「…7時」ムニュ
女(あさ、ごはん…)
女(あれ?…でも、なんか。いい匂い、する?)
ガチャ
「僕らの頭上に広がる空が」
「例えば、崩れ落ちてきたって…」
女「…!?」
女(な、な、)
リン「あ、起きたのか」
女「だ、誰っ!!!?」
リン「は?」
50 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:36:46 ID:FGZ
女「…あ!」
リン「なんだ、お前」
女「え、ええと」
リン「寝たら忘れるのか?どういう頭してんだよ」
女「リ、リン」
リン「ああ」
女「夢じゃ、…無かった」
リン「…変な奴だな、お前って」
女「…」ホッ
リン「ところで、…その恰好はどうにかしろ」
女「え?」
リン「どうしてシャツ一枚で寝る?下着が見えている。せめてまともな服を着てから来い」
女「あ」
リン「早くしろ。恥を知れ」
女「あ、うん。…ごめん」ボリボリ
女(いいじゃん、別に…。女同士なんだしさ)
51 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:39:59 ID:FGZ
女「…それ、朝ごはん?」
リン「ああ」
女「パン、だ」
リン「そうだな」
女「賞味期限、大丈夫?」
リン「自分で作ったやつだ。お前、まさかレトルトばっかり食ってるのか?」
女「自家製!すごいね…って、え?」
リン「普通、なにか作物を育てたり、収穫したりして食いつなぐだろうが」
女「…」
リン「考えもしなかったか」
女「リン、すごいね。サバイバルマスターってかんじ」
リン「短い付き合いだが分かったぞ。お前は、真症のアホだ」
女「これ、食べていいの?」
リン「勝手にしろ」
女「わーい、いっただきまーすっ」
リン「…何なんだ、本当に…」
女「うまっ。リン、すごい。パン屋さんみたいだよっ」
リン「…」
52 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:45:36 ID:FGZ
リン「ここ、シャワーは出るのか」
女「うん。温水で出るよ」
リン「…そうか。借りていいか?」
女「勿論勿論!水浴びばっかりしてたの?」
リン「ああ」
女「じゃ、久々に温かいお湯堪能してきなよ。あ、着替えある?」
リン「いや。洗濯していないから、これだけだ」
女「じゃあ、私が洗濯しといてあげるよ。服も貸すから」
リン「…恩に着る」
女「じゃ、脱衣所に置いておくからね」
リン「ああ」
バタン
女「えーと。シャツと、…ショートパンツでいいかな。あ、下着…」
女「…商店街から取ってきた新品のがあるね。これでいや。サイズ小さいし」
女「…ふふん、リンより私のほうが大きいもんね。久々に優越感」
女「で、洗濯洗濯と」パサ
リンの服は、黒い色が多い。
そういえば、昨日会ったときも黒いパーカーに黒いズボンに、ブーツだった。
女「…好きなのかなー」
ジャブ
女「今日は天気いいし、すぐ乾くね」
53 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:49:02 ID:FGZ
バタン
女「あ、干しといたよ」
リン「ああ」
女「サイズ、少し大きいけど平気だよね。これでよかった?」
リン「…」ポイ
パサ
女「ん?」
リン「なんだこれは」
女「何って、ブラとパンツ」
リン「いらん」
女「え!?ま、まさか今、ノーパン!?駄目だよ、女の子なんだから。ブラもつけて!大きさ的に必要なくても!」
リン「ふざけてるのか」
女「え、大真面目…」
リン「…」ギロッ
女(え?え?まさかこういう女物嫌いなのかな?パンツとかもボクサータイプの履いちゃう女子?)
リン「…だ」
女「え?」
リン「だから、」
リン「俺は男だ」
女「」
54 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:53:27 ID:FGZ
何を言ってるんだ、この人は。
だって、睫毛長いし、髪も長いし、手足もスラーってしてるし
…悔しいけど、可愛い顔だし。
あと、声だって低いけど、こういう女の子大勢いるじゃない。
一人称は俺だけど、そういう病気なのかなあって納得してるんだけど。
リン「お前の目は、節穴か?」
女「え、え、」
リン「男だろ。どう見ても」
女「…」
リン「…お前」
女「ほんとに、…男?」
リン「確かめるか?」
女「ま、まじで?」
リン「…。これ、小学校のころの学生手帳。ほら、何て書いてる」
女「…キノミヤ・リン。…11歳、男」
リン「読めたな」
女「…」
女「ごめんなさい!!」ズザァ
リン「…チッ」
56 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:57:23 ID:FGZ
女「本当に、本当にそういうつもりじゃなかったの!」
リン「…」
女「で、でもさあ。リンだって髪伸ばしてるのがいけないんじゃない」
女「…で、でしょ?」
リン「髪を伸ばそうが切ろうが、俺の勝手だ」
女「…う、うん」
リン「…はぁ」
女「だから、ごめんなさいってば!!」
リン「ここまでの馬鹿とは思わなかった」
女「い、いや!誰だって間違えるでしょ!?まんま女の子だもん」
ヒュッ
女「…あ、」
リン「これ以上言ったら喉掻っ切るぞ」
女「は、はい」
リン「…」カチャ
女(フ、フォークで。…こええ…)ドキドキ
57 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:57:42 ID:FGZ
ちょい落ちます!
58 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:57:58 ID:LG6
>>57
待ってるぞい
59 :三丁目に住む黒猫「ミケ」◆ZyjK1eiYRM :2015/09/06(日)16:00:23 ID:0ko
私はいくらでも待つ
60 :みるくてぃー◆gqfcUZcuWs :2015/09/06(日)16:06:57 ID:i4s
おもしろーい
61 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)16:08:01 ID:PBd
よくある設定だけど面白い!
62 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)21:47:09 ID:PBd
マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆
63 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)21:48:43 ID:8rD
1週間ぐらいなら俺待てるよ
68 :名無しさん@おーぷん :2015/09/08(火)20:09:08 ID:tLU
リン「…」モグモグ
女(怒ってるのかな…)
彼女、…いや、彼の表情は冷たい。 特に何の感情も読み取れなかった。
ただ長い睫毛だけが気だるそうに動いている。
リン「おい」
女「はっ、はいっ」
リン「…ここ、食料の備蓄はどうなってんの」
女「食べ物?…いっぱいあるよー。個人商店行けば」
リン「商店街内か?」
女「うん、勿論」
リン「…」
リン「都市部の大きなスーパーなら、長期期間保存できる食品があるんだがな」
女「あー…。10年以上持つやつ?あれすごいよね。確かに、ここにはないよ」
リン「まあ、いい」カチャ
女「…」
これからどうするんだろう。
そういえば私、何も聞いてないなあ。
女「リ…」
リン「物資を補給したい。案内してくれないか?」
女「お、おお?いいよ。勿論」
怒ってると思ったのに。彼はどこか掴めない。
69 :名無しさん@おーぷん :2015/09/08(火)20:21:19 ID:tLU
ガラガラ
リン「…いつもシャッターを閉めてるのか?」
女「うん。閉めとかないと、野犬とか入り込んできたりするんだ」
リン「そうか」
女「まあ、イヌですら最近は見かけないんだけどね」ガタ
リン「ふうん」
女(相槌が適当だ…)
ふと後方の彼に目をやると、手には何故か黒光りする棒が握られていた。
女「…リン、それ、なに?」
リン「は?」
女「い、いや。その棒」
リン「警棒。護身用で抜いてるだけだ。別にお前を襲ったりはしない」
女(いや、そんな物騒な物持ってついてこられてもなあ…)
ここにトウメイはいない。
そう説明したのに信じてくれないのは、彼の用心深さゆえか。それとも、単純に私が信用されてないのか。
女「ここだよ」ガラ
リン「綺麗なもんだな」
女「一応、考えて取ってるし手入れはしてるんだ」
リン「そうか」
リン「貰っていくが、いいか?」
女「うん、勿論だよ」
女「こんな人が、どれくらいいるんだろう」
リン「さあな。俺は10人ほどに会ったことがあるが」
女「え、そうなの」
リン「…けど、死んだ」
女「…」
リン「タッセルクリアが原因じゃない。病気で死ぬものは、半月で全滅した」
女「…トウメイ」
リン「二次災害、クリア」
リン「…死んだ患者が、ゼリー状の生物となって甦る」
女「…」
そうだ。
あれは悪夢だった。
色々な形をした、幽霊みたいなものが。 あるいは、形すら成してないものが。
漂い、はいずり、歩き、ぴちゃぴちゃと水音を発していた。
女「…あれって、何なの」
リン「知らん」
女「…」
リン「しかし実体がある以上、オカルトなものではないだろうな。あれは、ゾンビみたいなものじゃないか?」
女「そうだね」
リン「俺らを捕食するっていう点でも、同じだしな」
女「あれって、食べてるの?」
リン「俺はそう解釈してる」
45 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:24:09 ID:FGZ
女「…私は、実際にトウメイが人を食べるところは見たことないんだ」
リン「だろうな」
女「襲われたことは、あるけど」
リン「何故生き残れたんだ?お前みたいなのが」
女「だから、倒したんだよ」
リン「どうやって」
女「本当だよ。私、商店街にいた数匹は本当に倒したよ」
リン「だから、どうやって」
女「…」
殴った。
できるだけ長い棒状のもので叩くと、トウメイは真っ二つになった。
地面にすいこまれて、消えた。
でも、それだけじゃない。
女「ねえ、リン」
リン「ああ」
女「トウメイを殺したこと、ある?」
リン「ある。何回もある」
女「どうやった?」
リン「そりゃ、物理攻撃だ。叩き斬るのが一番だな。大体一発でしとめられるようにはなった」
女「…そうなんだ」
リン「お前は?違うのか?」
女「あ、う、ううん。そんな感じ。火をつけても消えるんだよ」
リン「知ってる」
女「あ、そ…」
46 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:27:47 ID:FGZ
女「リンは、どうして旅してるの」
リン「はあ?」
女「だって、わざわざ外に出るなんて」
リン「逆に、お前はどうして旅をしないんだ?」
女「あ、…危ないから?」
リン「ここにいるほうがよほど危ない。資源もいつか尽きるし、だいたい」
リン「…なにもできないで、ただ死ぬだけじゃないか」
女「…そう、だけど」
リン「まあここにはクリアが寄り付かないっていうのもあるんだろうがな」
リン「普通は、出て行くだろ。俺みたいにさ」
女「…う、…」
意気地なし。
そういわれてる気がした。
女「…」
リン「まあ、お前は女だからか…」
女(…なんだよ。自分だって女の子のくせに)
でも、リンはすごい。それは素直に分かる。
47 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:29:50 ID:FGZ
女「…」
リン「まあ、いい」
女「…」
リン「とりあえず、ここは安全なんだな?」
女「うん」
リン「じゃあ、俺は寝る。いいよな?」
女「あ、う、うん」
リン「空いてる部屋は?」
女「あっち」
リン「じゃ、借りる。じゃあな」スタスタ
女「え、あの」
リン「なんだ?」
女「…えーと、いや」
女「…お、おやすみなさい」
リン「…」
リン「ああ。おやすみ」
バタン
女「…」
49 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:34:07 ID:FGZ
=次の日
女「…ん」モゾ
女「…ふ、ぁ」
女「…」ムク
女(朝、か)
女「…7時」ムニュ
女(あさ、ごはん…)
女(あれ?…でも、なんか。いい匂い、する?)
ガチャ
「僕らの頭上に広がる空が」
「例えば、崩れ落ちてきたって…」
女「…!?」
女(な、な、)
リン「あ、起きたのか」
女「だ、誰っ!!!?」
リン「は?」
女「…あ!」
リン「なんだ、お前」
女「え、ええと」
リン「寝たら忘れるのか?どういう頭してんだよ」
女「リ、リン」
リン「ああ」
女「夢じゃ、…無かった」
リン「…変な奴だな、お前って」
女「…」ホッ
リン「ところで、…その恰好はどうにかしろ」
女「え?」
リン「どうしてシャツ一枚で寝る?下着が見えている。せめてまともな服を着てから来い」
女「あ」
リン「早くしろ。恥を知れ」
女「あ、うん。…ごめん」ボリボリ
女(いいじゃん、別に…。女同士なんだしさ)
51 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:39:59 ID:FGZ
女「…それ、朝ごはん?」
リン「ああ」
女「パン、だ」
リン「そうだな」
女「賞味期限、大丈夫?」
リン「自分で作ったやつだ。お前、まさかレトルトばっかり食ってるのか?」
女「自家製!すごいね…って、え?」
リン「普通、なにか作物を育てたり、収穫したりして食いつなぐだろうが」
女「…」
リン「考えもしなかったか」
女「リン、すごいね。サバイバルマスターってかんじ」
リン「短い付き合いだが分かったぞ。お前は、真症のアホだ」
女「これ、食べていいの?」
リン「勝手にしろ」
女「わーい、いっただきまーすっ」
リン「…何なんだ、本当に…」
女「うまっ。リン、すごい。パン屋さんみたいだよっ」
リン「…」
52 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:45:36 ID:FGZ
リン「ここ、シャワーは出るのか」
女「うん。温水で出るよ」
リン「…そうか。借りていいか?」
女「勿論勿論!水浴びばっかりしてたの?」
リン「ああ」
女「じゃ、久々に温かいお湯堪能してきなよ。あ、着替えある?」
リン「いや。洗濯していないから、これだけだ」
女「じゃあ、私が洗濯しといてあげるよ。服も貸すから」
リン「…恩に着る」
女「じゃ、脱衣所に置いておくからね」
リン「ああ」
バタン
女「えーと。シャツと、…ショートパンツでいいかな。あ、下着…」
女「…商店街から取ってきた新品のがあるね。これでいや。サイズ小さいし」
女「…ふふん、リンより私のほうが大きいもんね。久々に優越感」
女「で、洗濯洗濯と」パサ
リンの服は、黒い色が多い。
そういえば、昨日会ったときも黒いパーカーに黒いズボンに、ブーツだった。
女「…好きなのかなー」
ジャブ
女「今日は天気いいし、すぐ乾くね」
53 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:49:02 ID:FGZ
バタン
女「あ、干しといたよ」
リン「ああ」
女「サイズ、少し大きいけど平気だよね。これでよかった?」
リン「…」ポイ
パサ
女「ん?」
リン「なんだこれは」
女「何って、ブラとパンツ」
リン「いらん」
女「え!?ま、まさか今、ノーパン!?駄目だよ、女の子なんだから。ブラもつけて!大きさ的に必要なくても!」
リン「ふざけてるのか」
女「え、大真面目…」
リン「…」ギロッ
女(え?え?まさかこういう女物嫌いなのかな?パンツとかもボクサータイプの履いちゃう女子?)
リン「…だ」
女「え?」
リン「だから、」
リン「俺は男だ」
女「」
54 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:53:27 ID:FGZ
何を言ってるんだ、この人は。
だって、睫毛長いし、髪も長いし、手足もスラーってしてるし
…悔しいけど、可愛い顔だし。
あと、声だって低いけど、こういう女の子大勢いるじゃない。
一人称は俺だけど、そういう病気なのかなあって納得してるんだけど。
リン「お前の目は、節穴か?」
女「え、え、」
リン「男だろ。どう見ても」
女「…」
リン「…お前」
女「ほんとに、…男?」
リン「確かめるか?」
女「ま、まじで?」
リン「…。これ、小学校のころの学生手帳。ほら、何て書いてる」
女「…キノミヤ・リン。…11歳、男」
リン「読めたな」
女「…」
女「ごめんなさい!!」ズザァ
リン「…チッ」
56 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:57:23 ID:FGZ
女「本当に、本当にそういうつもりじゃなかったの!」
リン「…」
女「で、でもさあ。リンだって髪伸ばしてるのがいけないんじゃない」
女「…で、でしょ?」
リン「髪を伸ばそうが切ろうが、俺の勝手だ」
女「…う、うん」
リン「…はぁ」
女「だから、ごめんなさいってば!!」
リン「ここまでの馬鹿とは思わなかった」
女「い、いや!誰だって間違えるでしょ!?まんま女の子だもん」
ヒュッ
女「…あ、」
リン「これ以上言ったら喉掻っ切るぞ」
女「は、はい」
リン「…」カチャ
女(フ、フォークで。…こええ…)ドキドキ
57 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:57:42 ID:FGZ
ちょい落ちます!
58 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)15:57:58 ID:LG6
>>57
待ってるぞい
59 :三丁目に住む黒猫「ミケ」◆ZyjK1eiYRM :2015/09/06(日)16:00:23 ID:0ko
私はいくらでも待つ
60 :みるくてぃー◆gqfcUZcuWs :2015/09/06(日)16:06:57 ID:i4s
おもしろーい
61 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)16:08:01 ID:PBd
よくある設定だけど面白い!
62 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)21:47:09 ID:PBd
マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆
63 :名無しさん@おーぷん :2015/09/06(日)21:48:43 ID:8rD
1週間ぐらいなら俺待てるよ
68 :名無しさん@おーぷん :2015/09/08(火)20:09:08 ID:tLU
リン「…」モグモグ
女(怒ってるのかな…)
彼女、…いや、彼の表情は冷たい。 特に何の感情も読み取れなかった。
ただ長い睫毛だけが気だるそうに動いている。
リン「おい」
女「はっ、はいっ」
リン「…ここ、食料の備蓄はどうなってんの」
女「食べ物?…いっぱいあるよー。個人商店行けば」
リン「商店街内か?」
女「うん、勿論」
リン「…」
リン「都市部の大きなスーパーなら、長期期間保存できる食品があるんだがな」
女「あー…。10年以上持つやつ?あれすごいよね。確かに、ここにはないよ」
リン「まあ、いい」カチャ
女「…」
これからどうするんだろう。
そういえば私、何も聞いてないなあ。
女「リ…」
リン「物資を補給したい。案内してくれないか?」
女「お、おお?いいよ。勿論」
怒ってると思ったのに。彼はどこか掴めない。
69 :名無しさん@おーぷん :2015/09/08(火)20:21:19 ID:tLU
ガラガラ
リン「…いつもシャッターを閉めてるのか?」
女「うん。閉めとかないと、野犬とか入り込んできたりするんだ」
リン「そうか」
女「まあ、イヌですら最近は見かけないんだけどね」ガタ
リン「ふうん」
女(相槌が適当だ…)
ふと後方の彼に目をやると、手には何故か黒光りする棒が握られていた。
女「…リン、それ、なに?」
リン「は?」
女「い、いや。その棒」
リン「警棒。護身用で抜いてるだけだ。別にお前を襲ったりはしない」
女(いや、そんな物騒な物持ってついてこられてもなあ…)
ここにトウメイはいない。
そう説明したのに信じてくれないのは、彼の用心深さゆえか。それとも、単純に私が信用されてないのか。
女「ここだよ」ガラ
リン「綺麗なもんだな」
女「一応、考えて取ってるし手入れはしてるんだ」
リン「そうか」
リン「貰っていくが、いいか?」
女「うん、勿論だよ」
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