幼なじみが春から大阪の大学に行くらしい
443 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:05:49.36 ID:tvsd1MJC0
俺「………」
幼「………」
お互い何も言わないまま。
きっと言葉は必要ないんだろう。
どんな文句も、ここでは無粋になってしまう。
そんな空気の中に、二人はいた。
幼「………」
俺「………」
幼「………謝れ」
俺「………何を」
幼「………さっきの」
俺「………なんだっけ」
べしっ。
俺「………冗談です」
幼「………冗談じゃすまされないでしょ」
俺「えｰっと……」
幼「いいから謝りなさい」
俺「………」
幼「………」
俺「………ｺﾞﾒﾝﾅｻｲ」
幼「よろしい」
そう言って、幼なじみは、笑った。
笑った。
445 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:05:57.86 ID:ZFtOoSy70
べ、別にわくてかしてないんだからねっ！！
448 名前：愛のVIP戦士[] 投稿日：2007/03/11(日) 01:07:29.66 ID:Xl87qhCA0
全身かゆいかゆいかゆいお
455 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:11:23.44 ID:tvsd1MJC0
とりあえずは、あれで許してもらえたんだろう。
幼なじみは、俺に寄り添うような、何ていうんだろう、
まるで子猫なんかがするような感じで、甘えるように身体をすり寄せてきた。
俺は黙ってそれを受け入れた。また叩かれたくはないからな。
幼なじみの小さな、それでも確かな温もり。
浴衣の、薄い衣ごしに伝わってくる、微かな熱。
俺は、幼なじみを体の左側で、確かに感じていた。
俺「………」
幼「………」
また、沈黙が帰ってきた。
今度は長くなりそうな、そんな気がした。
俺「………」
幼「………」
特に会話もなく。
身体は触れ合ったまま。
457 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:12:00.25 ID:ZFtOoSy70
次か？次なのかああああああああああ
458 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:12:25.14 ID:yfCbY8s2O
これは…
460 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:13:22.24 ID:9C+2yjnP0
いよいよか…
461 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:13:43.79 ID:ZW8LuLwR0
いよいよ近藤先生のおでましか。
464 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:15:18.32 ID:kgpmvFzE0
近藤夢
469 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:18:39.32 ID:tvsd1MJC0
だが、沈黙は案外早くに破られた。
「うちね」
「………ん」
「実は言うと」
「うん」
「そこまで水族館好きじゃないんだ」
「………んん？」
正直、何の話だか分からなかった。
水族館……ｽｲｿﾞｸｶﾝ……ああ、海遊館のことか。
だとしたら……何かが根本的におかしい。
「お魚さんはね、自由に泳いでこそ、魚だから」
「………」
「あんな水槽の中で泳ぐお魚さんなんて……見たくないの」
「………」
だったら、
どうして、俺と？
471 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:19:00.31 ID:ZFtOoSy70
おおおおおおおおおおお
480 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:23:16.80 ID:tvsd1MJC0
「お魚さんを閉じこめて……見せ物にして……」
「…………」
「ｲﾙｶは好きだけどね」
「………どうして？」
「ん？」
「行きたいって言ったのは、結衣だろ？」
「………分かんないかなぁ」
「…………」
「こうして、一夜と泊まる時間が欲しかったの」
まだ俺は本格的に目が覚めていないのか。
だとしたら、このぼｰっとした感じも頷ける。
それに、いま、幼なじみが言ったのは、
俺にとっては、まさに夢展開なのだから。
483 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:24:09.67 ID:ZFtOoSy70
ええええええええええええええええ
幼ああああああああああああああああ
484 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:24:16.44 ID:bnwifSoM0
これはいい方向に進んでる！ｗｋｔｋ
487 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:25:58.25 ID:ZFtOoSy70
ぴかぴかぁ
488 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:26:18.68 ID:WyBN7Tl/O
もう限界
ちょっと抜いてくる
489 名前：愛のVIP戦士[] 投稿日：2007/03/11(日) 01:26:39.09 ID:Xl87qhCA0
ここから酸味が効いてくる予感
495 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:31:17.07 ID:BbyGpvu30
さっきからおっきして大変
496 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:32:28.11 ID:tvsd1MJC0
ようやく頭がはっきりとしてきた。
やや遅かったかもしれないが。
ｽﾀﾝﾄﾞのわずかな灯りに照らされた部屋。
ｶｰﾃﾝの向こう側も、部屋と同様、闇に落ちている。
まだ朝じゃない……何時だろう………
幼「………一ヶ月、ありがとう」
俺「…………」
少なからず驚いた。
幼なじみも、この期間を、
疎遠になっていた分を取り戻したこの月日を、
幼なじみも、意識していてくれたんだな。
だったら………ｽﾚ立てて、成功だったんだな。
499 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:33:36.26 ID:bnwifSoM0
(´;ω;`)ぶわっ
503 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:34:50.38 ID:TQeLvB0+0
うん、成功だ。うん。
505 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:35:18.75 ID:ZFtOoSy70
耐えええええええまあなくううううううううそそぐうああああああいのなをおおおおおおおお
510 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:39:39.58 ID:tvsd1MJC0
そう安堵したとたん、涙腺が緩くなった気がした。
今まで何があろうとも、決壊しなかったﾀﾞﾑが、
大きな音を立てて、崩れ落ちた気がした。
「…………」
「………一夜？」
「…………」
「………泣いてるの？」
「………俺は、」
「…………」
「結衣が、大阪に行くって聞いて……」
「…………」
「何だか、いてもたってもいられなくなって………」
「………うん」
「昔の友達にｱﾄﾞﾚｽ教えてもらって………」
「………よっちゃんだね……」
「そして………」
言えない。
ここまでこれたのは、俺一人の頑張りじゃないことを。
俺一人では、何もできなかったなんて。
だけど、それを、幼なじみに言うことができない。
513 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:40:40.85 ID:bnwifSoM0
またまた(´;ω;`)ぶわっ
514 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:40:46.81 ID:ZFtOoSy70
男泣きだぜ
515 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:40:46.43 ID:GleHxc3wO
あれ？
脱いだﾊﾟﾝﾂが消えた。。。
消えた
516 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:41:04.09 ID:BbyGpvu30
>>515
おまｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗここでｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
523 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:43:28.09 ID:tvsd1MJC0
「色んな人に助けてもらって………」
「…………」
「別れのその時まで……思い出、作ろうって……」
「…………」
「笑って、さよなら言おうって……」
「………うん」
「俺こそ………言わなくちゃ……」
もう、隠す必要はない。
無理にｶｯｺつける必要なんかない。
余計な装飾はいらないんだ。
あの夏祭りの後で気付いただろう？
強く、強く光る、原石が、心の奥底に光っているならば。
「ありがとう」
別れた後も、きっと輝く。
529 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:46:27.83 ID:bnwifSoM0
もうなんて言ったらいいのやら･･･(´;ω;`)
533 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:48:22.00 ID:GEq/2d1M0
いちやあああああああああああああ！
542 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:50:46.23 ID:tvsd1MJC0
「まだ………あと１０日ある」
「うん………１０日しか、ないね」
「大丈夫だよ……１０日もあれば」
「うん………大丈夫かな……」
先ほどと変わらず、寄り添いあったまま。
天井も壁も、闇に溶け込んでなくなって。
ﾍﾞｯﾄﾞのまわりだけが、別の空間のような。
「ねえ………」
「ん……」
「一夜はうちのこと、好きなんだよね？」
「……………」
「何で黙るかなぁ………」
「そんなこと聞くか、普通」
「常識に捕らわれないのがうちだからね」
「はいはい」
「………で、好きってことでいい？」
「………おｋ」
「そっかぁ………」
「…………」
「えへへ」
「………なんだよ」
「べっつに〜」
こうしてすぐにいつもの幼なじみに戻る。
気付けば、俺も、そのﾍﾟｰｽに巻き込まれている。
550 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:52:41.39 ID:GEq/2d1M0
>>542
なにこのﾈ申ｼﾁｭｴｰｼｮﾝ！
546 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:51:55.67 ID:ZFtOoSy70
幼のかわいさは永遠に
548 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:52:15.98 ID:bnwifSoM0
不滅です
568 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:02:02.82 ID:tvsd1MJC0
あっという間に流れていった、一ヶ月の月日。
もう、戻らない。戻ることのできない昨日たち。
そして残されたあと１０日。まだ見ぬことのない明日たち。
いま、隣にいる幼なじみといられるのは、
誰よりも近い距離にいる幼なじみなのに、
あと、１０日。
俺が、幼なじみとの気持ちを、
中学の、いや、物心ついた頃からの思いを、
ずっと告げずに隠していたのは。
幼なじみに近付けば近付くほど、
確実に来る別れの時に寂しすぎるから。
光に近付けば近付くほど、自身の影は大きくなってゆく。
やがてその影は自分自身が抱えきれないほどの大きさになる。
それでも光を追おうとする者は、どうなるのか？
幼「………」
俺「………？」
幼「………ｽｩ」
俺「………」
ありがとう、を
さよなら、を
笑顔で言えるような俺になろう。
さよならと一緒に。
こうして一日目の夜は終わった。
570 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:04:00.00 ID:ZFtOoSy70
これは･･･泣く
a name="571">571 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:04:15.46 ID:ZW8LuLwR0
ちょｗｗｗ添い寝ｋｔｋｒ！
573 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:05:04.54 ID:bnwifSoM0
さよならだなんて悲しすぎる…(´;ω;`)
574 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:05:13.88 ID:UApDDBPwO
やっぱりいっちｰは結衣の事大好きなんだね(´;ω;`)
575 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:05:52.28 ID:ZW8LuLwR0
（あれ･･･そういう空気なのか？添い寝は重要じゃないのか！？）
578 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:07:48.07 ID:BbyGpvu30
>>575
ﾜﾛﾀｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
579 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:08:02.75 ID:auMVk5XY0
今日は最後まで報告があるのか？
581 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:09:29.22 ID:tvsd1MJC0
すまんそろそろ限界だ……
なんだか報告に一日使ったきもするが
明日中に旅行の報告は全て終わらせる
588 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:11:48.41 ID:9C+2yjnP0
おやすみ、いっちｰ
ゆっくり休んでくれよ
589 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:11:55.55 ID:tvsd1MJC0
今日も付き合ってくれてありがとう
保守してくれた人乙。おやすみﾉｼ
590 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:12:11.54 ID:WyBN7Tl/O
乙！
超乙！
無理すんなよ、また明日なﾉｼ
657 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:22:41.00 ID:xXqt7y0X0
おはようﾉ
661 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:24:33.21 ID:UApDDBPwO
いっちｰ！
風邪はもういいの？
662 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:26:51.59 ID:xXqt7y0X0
>>661
全然治ってないぜ！
666 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:31:37.84 ID:iD7sKXJcO
>>662
治してからこいｗｗｗｗ
668 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:35:21.90 ID:xXqt7y0X0
昨日は遅くまでかかってすまん
というわけで二日目の朝から始めます
669 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:36:54.83 ID:uwtFLwMsO
おしゃああああ
670 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:38:26.42 ID:HIBUIGoqO
ｶﾓﾝｶﾓﾝ！
675 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:52:18.17 ID:xXqt7y0X0
……………
…………
………
目が覚めた。
まず視界に飛び込んできた白塗りの壁は、うちもの自室のものではない。
焦点がうまく合わないまま、上半身を起こす。
俺「………」
昨日の夜は何だかすごい夢を見た気がする。
果たして夢なのか、現実なのか。
携帯電話を開く。
まず現れるのは適当な風景画像。その下には5：45と記されている。
ｶｰﾃﾝの隙間から朝日がこぼれていた。
隣を見ると、幼なじみがｽﾔｽﾔと寝ている。
俺「………？」
あれ？
677 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:52:57.48 ID:xXqt7y0X0
俺「………」
俺「………」
あああああああぁあああああぁあああああぁぁぁぁ！！！？？？
慌てて布団をめくり、幼なじみの体を確認する
俺と一緒の浴衣。多少はだけてはいるが、脱いだ形跡はない。
無理矢理襲われたような後も………ﾅｼ！！せ、せふせふ！！！
679 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:55:47.43 ID:UbpL38XR0
すごい夢＝結衣と世ｸﾛｽ
680 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:58:56.82 ID:xXqt7y0X0
俺「（やってない！やってない！）」
幼「んｰ………」
俺「（よくやった俺、せふせふ！）」
幼「なに………？」
俺「ﾋﾞｸｩｯ いや、なんも………」
寝ぼけているようで、再び枕に身を沈める幼なじみ
それにしても昨日はよほど眠かったのか……俺。
枕を抱くようにしている幼なじみを横に、何もなかったとは。
局長！お主の出番はもう金輪際ないでござるよ！！ﾆﾝﾆﾝ！
682 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:00:07.22 ID:3EUWQZp50
おらああああああああああああああああああああああああああああああ
683 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:01:44.92 ID:iD7sKXJcO
にんにん！
684 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:01:55.80 ID:uwtFLwMsO
ご用改めでござる！あいや失礼！
696 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:14:16.16 ID:xXqt7y0X0
ﾍﾞﾗﾝﾀﾞは無いので、窓のそばまで椅子を引っ張ってきて座る。
ｶｰﾃﾝを開ける。まだ外は暗いが、じきに日が昇り、明るくなるはずだ。
まだ闇に落ちている景色を望みながら、陽が昇るのを待った。
やがて薄暗い世界に金色の光が差し込んで、全てを染め上げてゆく。
今日はきっといい日になる。そう思った。
７時近くに幼なじみも起きた。
幼「早いねｰ……」
俺「まあね」
幼「怖い夢みた？ｗｗ」
俺「………まあね」
夢。確かにみたかもしれない。
それが怖いものであったかは、分からないが。
昨日買っておいたｻﾝﾄﾞｲｯﾁの詰め合わせを二人で食べる。
俺は誰が何と言おうとﾚﾀｽｻﾝﾄﾞが好きだ。後は邪道だ。
699 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:18:07.11 ID:xXqt7y0X0
すまん、ﾒｼくってくるﾉｼ
700 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:18:50.40 ID:P/7eMuNo0
食ってら、薬飲むのも忘れんなよｗ
俺「………」
幼「………」
お互い何も言わないまま。
きっと言葉は必要ないんだろう。
どんな文句も、ここでは無粋になってしまう。
そんな空気の中に、二人はいた。
幼「………」
俺「………」
幼「………謝れ」
俺「………何を」
幼「………さっきの」
俺「………なんだっけ」
べしっ。
俺「………冗談です」
幼「………冗談じゃすまされないでしょ」
俺「えｰっと……」
幼「いいから謝りなさい」
俺「………」
幼「………」
俺「………ｺﾞﾒﾝﾅｻｲ」
幼「よろしい」
そう言って、幼なじみは、笑った。
笑った。
445 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:05:57.86 ID:ZFtOoSy70
べ、別にわくてかしてないんだからねっ！！
448 名前：愛のVIP戦士[] 投稿日：2007/03/11(日) 01:07:29.66 ID:Xl87qhCA0
全身かゆいかゆいかゆいお
455 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:11:23.44 ID:tvsd1MJC0
とりあえずは、あれで許してもらえたんだろう。
幼なじみは、俺に寄り添うような、何ていうんだろう、
まるで子猫なんかがするような感じで、甘えるように身体をすり寄せてきた。
俺は黙ってそれを受け入れた。また叩かれたくはないからな。
幼なじみの小さな、それでも確かな温もり。
浴衣の、薄い衣ごしに伝わってくる、微かな熱。
俺は、幼なじみを体の左側で、確かに感じていた。
俺「………」
幼「………」
また、沈黙が帰ってきた。
今度は長くなりそうな、そんな気がした。
俺「………」
幼「………」
特に会話もなく。
身体は触れ合ったまま。
457 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:12:00.25 ID:ZFtOoSy70
次か？次なのかああああああああああ
これは…
460 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:13:22.24 ID:9C+2yjnP0
いよいよか…
461 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:13:43.79 ID:ZW8LuLwR0
いよいよ近藤先生のおでましか。
464 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:15:18.32 ID:kgpmvFzE0
近藤夢
469 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:18:39.32 ID:tvsd1MJC0
だが、沈黙は案外早くに破られた。
「うちね」
「………ん」
「実は言うと」
「うん」
「そこまで水族館好きじゃないんだ」
「………んん？」
正直、何の話だか分からなかった。
水族館……ｽｲｿﾞｸｶﾝ……ああ、海遊館のことか。
だとしたら……何かが根本的におかしい。
「お魚さんはね、自由に泳いでこそ、魚だから」
「………」
「あんな水槽の中で泳ぐお魚さんなんて……見たくないの」
「………」
だったら、
どうして、俺と？
471 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:19:00.31 ID:ZFtOoSy70
おおおおおおおおおおお
480 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:23:16.80 ID:tvsd1MJC0
「お魚さんを閉じこめて……見せ物にして……」
「…………」
「ｲﾙｶは好きだけどね」
「………どうして？」
「ん？」
「行きたいって言ったのは、結衣だろ？」
「………分かんないかなぁ」
「…………」
「こうして、一夜と泊まる時間が欲しかったの」
まだ俺は本格的に目が覚めていないのか。
だとしたら、このぼｰっとした感じも頷ける。
それに、いま、幼なじみが言ったのは、
俺にとっては、まさに夢展開なのだから。
483 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:24:09.67 ID:ZFtOoSy70
ええええええええええええええええ
幼ああああああああああああああああ
484 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:24:16.44 ID:bnwifSoM0
これはいい方向に進んでる！ｗｋｔｋ
487 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:25:58.25 ID:ZFtOoSy70
ぴかぴかぁ
488 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:26:18.68 ID:WyBN7Tl/O
もう限界
ちょっと抜いてくる
489 名前：愛のVIP戦士[] 投稿日：2007/03/11(日) 01:26:39.09 ID:Xl87qhCA0
ここから酸味が効いてくる予感
495 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:31:17.07 ID:BbyGpvu30
さっきからおっきして大変
496 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:32:28.11 ID:tvsd1MJC0
ようやく頭がはっきりとしてきた。
やや遅かったかもしれないが。
ｽﾀﾝﾄﾞのわずかな灯りに照らされた部屋。
ｶｰﾃﾝの向こう側も、部屋と同様、闇に落ちている。
まだ朝じゃない……何時だろう………
幼「………一ヶ月、ありがとう」
俺「…………」
少なからず驚いた。
幼なじみも、この期間を、
疎遠になっていた分を取り戻したこの月日を、
幼なじみも、意識していてくれたんだな。
だったら………ｽﾚ立てて、成功だったんだな。
499 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:33:36.26 ID:bnwifSoM0
(´;ω;`)ぶわっ
うん、成功だ。うん。
505 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:35:18.75 ID:ZFtOoSy70
耐えええええええまあなくううううううううそそぐうああああああいのなをおおおおおおおお
510 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:39:39.58 ID:tvsd1MJC0
そう安堵したとたん、涙腺が緩くなった気がした。
今まで何があろうとも、決壊しなかったﾀﾞﾑが、
大きな音を立てて、崩れ落ちた気がした。
「…………」
「………一夜？」
「…………」
「………泣いてるの？」
「………俺は、」
「…………」
「結衣が、大阪に行くって聞いて……」
「…………」
「何だか、いてもたってもいられなくなって………」
「………うん」
「昔の友達にｱﾄﾞﾚｽ教えてもらって………」
「………よっちゃんだね……」
「そして………」
言えない。
ここまでこれたのは、俺一人の頑張りじゃないことを。
俺一人では、何もできなかったなんて。
だけど、それを、幼なじみに言うことができない。
513 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:40:40.85 ID:bnwifSoM0
またまた(´;ω;`)ぶわっ
514 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:40:46.81 ID:ZFtOoSy70
男泣きだぜ
515 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:40:46.43 ID:GleHxc3wO
あれ？
脱いだﾊﾟﾝﾂが消えた。。。
消えた
516 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:41:04.09 ID:BbyGpvu30
>>515
おまｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗここでｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
523 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:43:28.09 ID:tvsd1MJC0
「色んな人に助けてもらって………」
「…………」
「別れのその時まで……思い出、作ろうって……」
「…………」
「笑って、さよなら言おうって……」
「………うん」
「俺こそ………言わなくちゃ……」
もう、隠す必要はない。
無理にｶｯｺつける必要なんかない。
余計な装飾はいらないんだ。
あの夏祭りの後で気付いただろう？
強く、強く光る、原石が、心の奥底に光っているならば。
「ありがとう」
別れた後も、きっと輝く。
529 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:46:27.83 ID:bnwifSoM0
もうなんて言ったらいいのやら･･･(´;ω;`)
533 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:48:22.00 ID:GEq/2d1M0
いちやあああああああああああああ！
542 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:50:46.23 ID:tvsd1MJC0
「まだ………あと１０日ある」
「うん………１０日しか、ないね」
「大丈夫だよ……１０日もあれば」
「うん………大丈夫かな……」
先ほどと変わらず、寄り添いあったまま。
天井も壁も、闇に溶け込んでなくなって。
ﾍﾞｯﾄﾞのまわりだけが、別の空間のような。
「ねえ………」
「ん……」
「一夜はうちのこと、好きなんだよね？」
「……………」
「何で黙るかなぁ………」
「そんなこと聞くか、普通」
「常識に捕らわれないのがうちだからね」
「はいはい」
「………で、好きってことでいい？」
「………おｋ」
「そっかぁ………」
「…………」
「えへへ」
「………なんだよ」
「べっつに〜」
こうしてすぐにいつもの幼なじみに戻る。
気付けば、俺も、そのﾍﾟｰｽに巻き込まれている。
550 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:52:41.39 ID:GEq/2d1M0
>>542
なにこのﾈ申ｼﾁｭｴｰｼｮﾝ！
546 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:51:55.67 ID:ZFtOoSy70
幼のかわいさは永遠に
548 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 01:52:15.98 ID:bnwifSoM0
不滅です
568 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:02:02.82 ID:tvsd1MJC0
あっという間に流れていった、一ヶ月の月日。
もう、戻らない。戻ることのできない昨日たち。
そして残されたあと１０日。まだ見ぬことのない明日たち。
いま、隣にいる幼なじみといられるのは、
誰よりも近い距離にいる幼なじみなのに、
あと、１０日。
俺が、幼なじみとの気持ちを、
中学の、いや、物心ついた頃からの思いを、
ずっと告げずに隠していたのは。
幼なじみに近付けば近付くほど、
確実に来る別れの時に寂しすぎるから。
光に近付けば近付くほど、自身の影は大きくなってゆく。
やがてその影は自分自身が抱えきれないほどの大きさになる。
それでも光を追おうとする者は、どうなるのか？
幼「………」
俺「………？」
幼「………ｽｩ」
俺「………」
ありがとう、を
さよなら、を
笑顔で言えるような俺になろう。
さよならと一緒に。
こうして一日目の夜は終わった。
570 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:04:00.00 ID:ZFtOoSy70
これは･･･泣く
a name="571">571 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:04:15.46 ID:ZW8LuLwR0
ちょｗｗｗ添い寝ｋｔｋｒ！
573 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:05:04.54 ID:bnwifSoM0
さよならだなんて悲しすぎる…(´;ω;`)
574 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:05:13.88 ID:UApDDBPwO
やっぱりいっちｰは結衣の事大好きなんだね(´;ω;`)
575 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:05:52.28 ID:ZW8LuLwR0
（あれ･･･そういう空気なのか？添い寝は重要じゃないのか！？）
578 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:07:48.07 ID:BbyGpvu30
>>575
ﾜﾛﾀｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ
579 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:08:02.75 ID:auMVk5XY0
今日は最後まで報告があるのか？
581 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:09:29.22 ID:tvsd1MJC0
すまんそろそろ限界だ……
なんだか報告に一日使ったきもするが
明日中に旅行の報告は全て終わらせる
588 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:11:48.41 ID:9C+2yjnP0
おやすみ、いっちｰ
ゆっくり休んでくれよ
589 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:11:55.55 ID:tvsd1MJC0
今日も付き合ってくれてありがとう
保守してくれた人乙。おやすみﾉｼ
590 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 02:12:11.54 ID:WyBN7Tl/O
乙！
超乙！
無理すんなよ、また明日なﾉｼ
657 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:22:41.00 ID:xXqt7y0X0
おはようﾉ
661 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:24:33.21 ID:UApDDBPwO
いっちｰ！
風邪はもういいの？
662 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:26:51.59 ID:xXqt7y0X0
>>661
全然治ってないぜ！
666 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:31:37.84 ID:iD7sKXJcO
>>662
治してからこいｗｗｗｗ
668 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:35:21.90 ID:xXqt7y0X0
昨日は遅くまでかかってすまん
というわけで二日目の朝から始めます
669 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:36:54.83 ID:uwtFLwMsO
おしゃああああ
670 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:38:26.42 ID:HIBUIGoqO
ｶﾓﾝｶﾓﾝ！
675 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:52:18.17 ID:xXqt7y0X0
……………
…………
………
目が覚めた。
まず視界に飛び込んできた白塗りの壁は、うちもの自室のものではない。
焦点がうまく合わないまま、上半身を起こす。
俺「………」
昨日の夜は何だかすごい夢を見た気がする。
果たして夢なのか、現実なのか。
携帯電話を開く。
まず現れるのは適当な風景画像。その下には5：45と記されている。
ｶｰﾃﾝの隙間から朝日がこぼれていた。
隣を見ると、幼なじみがｽﾔｽﾔと寝ている。
俺「………？」
あれ？
677 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:52:57.48 ID:xXqt7y0X0
俺「………」
俺「………」
あああああああぁあああああぁあああああぁぁぁぁ！！！？？？
慌てて布団をめくり、幼なじみの体を確認する
俺と一緒の浴衣。多少はだけてはいるが、脱いだ形跡はない。
無理矢理襲われたような後も………ﾅｼ！！せ、せふせふ！！！
679 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:55:47.43 ID:UbpL38XR0
すごい夢＝結衣と世ｸﾛｽ
680 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 12:58:56.82 ID:xXqt7y0X0
俺「（やってない！やってない！）」
幼「んｰ………」
俺「（よくやった俺、せふせふ！）」
幼「なに………？」
俺「ﾋﾞｸｩｯ いや、なんも………」
寝ぼけているようで、再び枕に身を沈める幼なじみ
それにしても昨日はよほど眠かったのか……俺。
枕を抱くようにしている幼なじみを横に、何もなかったとは。
局長！お主の出番はもう金輪際ないでござるよ！！ﾆﾝﾆﾝ！
682 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:00:07.22 ID:3EUWQZp50
おらああああああああああああああああああああああああああああああ
683 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:01:44.92 ID:iD7sKXJcO
にんにん！
684 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:01:55.80 ID:uwtFLwMsO
ご用改めでござる！あいや失礼！
696 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:14:16.16 ID:xXqt7y0X0
ﾍﾞﾗﾝﾀﾞは無いので、窓のそばまで椅子を引っ張ってきて座る。
ｶｰﾃﾝを開ける。まだ外は暗いが、じきに日が昇り、明るくなるはずだ。
まだ闇に落ちている景色を望みながら、陽が昇るのを待った。
やがて薄暗い世界に金色の光が差し込んで、全てを染め上げてゆく。
今日はきっといい日になる。そう思った。
７時近くに幼なじみも起きた。
幼「早いねｰ……」
俺「まあね」
幼「怖い夢みた？ｗｗ」
俺「………まあね」
夢。確かにみたかもしれない。
それが怖いものであったかは、分からないが。
昨日買っておいたｻﾝﾄﾞｲｯﾁの詰め合わせを二人で食べる。
俺は誰が何と言おうとﾚﾀｽｻﾝﾄﾞが好きだ。後は邪道だ。
699 名前：一夜 ◆Ifzsr.6s6Q [sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:18:07.11 ID:xXqt7y0X0
すまん、ﾒｼくってくるﾉｼ
700 名前：愛のVIP戦士[sage] 投稿日：2007/03/11(日) 13:18:50.40 ID:P/7eMuNo0
食ってら、薬飲むのも忘れんなよｗ
幼なじみが春から大阪の大学に行くらしい
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