古い家(後編)
547 :古い家 ◆oJUBn2VTGE: ウニ 2008/06/29(日) 01:06:56 ID:9x5Yw4U+0
「おい。見てみろ。積もった埃と煤に、薄っすら踏み荒らされた跡がある」
「そりゃあ、この家の人が昔、出入りしてたでしょうから」
「でもあの上の家屋の荒廃っぷりからしたら、この階段も使われなくなって相当時
間がたってるはずだ。煤はともかく、埃が溜まっているはずなんだ。その上にど
うして足跡がついている?」
誰か、この下にいるのか。
今でもここを昇り降りしている人間がいるのだろうか。
『この世のものとは思えない呻き声が聞こえる』という噂。あれは、この階段を吹
き抜ける風の音ではなかったのだろうか。
いや、僕の頭はその時、同時にまったく別のことを想像していた。それは、折り返
しの回数を数えている間に脳裏をよぎった薄気味の悪い考えだ。何度か振り払おうと
したが、今、目の前の誰のとも知れない微かな足跡を見て、それが言葉を成した。
これは、"僕らの足跡ではないだろうか"、と。
その瞬間、ぞわぞわと背筋に嫌な感覚が走り、僕は立ち上がった。
「上、見てきます」
師匠にそう言い置いて、もと来た階段を昇り始める。まるで壁のように立ち塞がる急
峻な1段1段を、両手をつきながら昇っていく。
1つ。2つ。3つ。4つ。
折り返しをいくつ繰り返せば、元の押入れに出るのか。
僕らは降り続けていたはずのに、何故か同じ場所をぐるぐると回っていたのではな
いか?
そんなはずはない。
そう思いながら、バタバタと音を立てながら駆け昇っていく。苦しい。息が切れる。
そして暗い。何も見えない。しまったな。明かりを借りてくれば良かった。
何度目の折り返しだっただろう。ふいに僕の耳は女性の悲鳴を聞き取った。
下だ。
548 :古い家 ◆oJUBn2VTGE: ウニ 2008/06/29(日) 01:11:02 ID:9x5Yw4U+0
師匠の名前を叫びながら、踵を返して再び階段を駆け降りる。足がもつれて階段を
踏み外しそうになりながら僕は急いだ。
ガタタタタと、ついに尻餅をついて半ば滑り落ちながら師匠の持つ懐中電灯の光を
視界に捉える。
「ど、どうしました」
顔をしかめながらようやくそう言った僕に、師匠は少しバツが悪そうな調子で「い
や、蜘蛛が」と言って壁際の天井の隅に巣を張る蜘蛛の姿を照らし出した。僕はホ
ッと息をつきながらも、その大きな背中の模様が人の顔に見えて思わず目を逸らす。
「なあ」
と師匠が小声で話しかけてくる。
「上でも、蜘蛛がいただろう。蜘蛛の巣もいっぱいあった」
何を言い出したのかと思って、先を待つ。
「ここでもそうだけど、その蜘蛛の巣は全部天井とか柱の上の方にあって、私らの
顔にベタってついたりはしなかったな」
そうだった。
そうだったが、それは言われてみると確かになにか変だ。
「ヒトが通る空間にだけ蜘蛛の巣がないってことはさ。誰かそこを通ってるってこ
とじゃないか」
たとえば、ここも。
師匠がまた下への階段を照らす。
ひくっと、喉が鳴った。それは僕のだろうか。それとも師匠のだっただろうか。
あ、まずい。この感じは。
師匠が「戻るか?」と囁いた。
僕は「行きましょう」と応える。
止まるべき所で止まれない感じ。それは確実に僕の寿命を縮めているような気がし
た。
549 :古い家 ◆oJUBn2VTGE: ウニ 2008/06/29(日) 01:14:05 ID:9x5Yw4U+0
ミシ、ミシ、という音とともに再び僕らは地下へ降り始めた。蜘蛛の巣を見上げな
がら角を曲がると、階段はまた下へ続いている。
なんだこれは。
いくらなんでも深すぎる。
これだけ地下へ穴を掘ると水が出るはずだ。大きな水脈に当たらなかったとしても、
水の浸入を防ぐためには壁を何重にもしなくてはならないだろう。
そんな面倒なことをしてまで地下へ降りる階段を作る、どんなメリットがあるとい
うのか。それもおそらく明治時代以前の工法で。
壁に当たって、折り返す。壁に当たって、折り返す。
その繰り返しをどれほど続けただろう。途中から数を数えることさえ忘れてしまっ
た。
外は夜だ。晴れた夏の夜のはずだ。けれどここはまるで時間が止まってしまったか
のような空間だった。たとえ外が曇りでも、雨でも、朝でも、昼でもなにも変わり
はしないだろう。10年前も、20年前も、日本が戦争に負けた時だって、この地
下の空間はこのままの姿でここにあったのだろう。
風が、頬に触れる吐息のようにさらなる地下の存在を囁く。
自然に僕も師匠も息を殺しながら進む。
「なあ」
先を行く師匠が頭をこっちに向けもせずに言う。
「この家ってさあ。どっからも入れなかったよな」
「はい」
応えながら、(戸をぶち破らせたのは誰だよ)と心の中で毒づく。
「この家を放棄した人間たちは、どっから出たんだ」
ああ。そんなこと、今は忘れてしまっていたい。
ゾクゾクと嫌な震えが背中を通り抜ける。
550 名前::古い家 ◆oJUBn2VTGE: [ウニ] 投稿日:2008/06/29(日) 01:19:56 ID:9x5Yw4U+0
でも確かに、かんぬきだかつっかえ棒だかは、すべて内側からだった。現代のよう
に外から開け閉めできるような鍵はない。では、戸締りをした最後の一人はいった
いどうやって外に出たのか……
まるですべてが、この廃墟の中の住人の存在を示しているようじゃないか。
それはつまり、この階段の行き着く先に、「それ」がいるということだ。
僕は息を飲みながら足を動かし続け、早く階段の先の壁が尽きることを半ば望み、
そして半ば以上、恐れていた。
高すぎる蹴上に頭がガクガクと上下に揺られ続け、意識が少しずつ朦朧としてくる。
終わらない階段は麻薬のように僕の脳を冒し始めているのかも知れない。どこまで
も深く降り続ける感覚が、どうしようもなく心地良くなってくる。
足を踏み出すたびに階段の床が軋み、壁が軋み、天井が軋む。懐中電灯の光に、パ
ラパラと振ってくる埃が小さな影をつくる。きっと身体中真っ黒になってしまって
いることだろう。
眼下に師匠の頭が揺れている。試しに階段を一段一段数えてみる。
……50を越えたあたりでやめてしまった。
ふと、子どものころ体験した祖父の家の土蔵の地下のことを考える。
ひょっとすると僕も師匠も、いつの間にか死んでいるのかも知れない。どこまでも
深く降りていく狭い階段に、"いつ"がその瞬間だったのか気づきもしないで。
まるでこの階段自身が呼吸しているかのように、風がかすかな唸り声を纏って身体
をすり抜けていく。
誰も何も喋らなくなった。もう上がどうなっているか確かめようなんて気は起こら
ない。ひたすら、下へ。下へ……
気持ちが良い。底なんてなければいいのに。
「あ」
師匠の声が僕の意識を覚醒させる。
551 名前::古い家 ◆oJUBn2VTGE: [ウニ] 投稿日:2008/06/29(日) 01:22:07 ID:9x5Yw4U+0
折り返しの壁に沿って身体を反転させようとした師匠が立ち止まって右側を見てい
る。
僕もその横から首を伸ばして、懐中電灯の光の先を見る。
階段はもう無かった。
四方を壁に囲まれた窮屈な板張りの廊下が水平方向に伸びている。
息を潜めながら師匠がゆっくりと足を踏み出していく。
僕は眼を閉じてしまいたかった。それでも師匠の背中に隠れるように後を続く。
懐中電灯の丸い光が、朽ち果てたような木戸を闇の中に照らし出す。
「気をつけろよ」
そう囁きながら師匠が軽く左手で押す。
キィ
という音とともに戸は奥へ開いていった。
「なんだここ」
師匠がすり足で慎重に中に足を踏み入れる。
そこは畳敷きの部屋だった。八畳間くらいだろうか。
師匠が8の字に波打つように懐中電灯を動かし、部屋の中を少しづつ照らしていく。
背の低い和箪笥が壁際にぽつんとあるのが見えた。そしてその隣には錆付いた燭台。
壁の表面の一部が崩れて、土くれが床にぽろぽろと転がっている。
殺風景な部屋だった。人の気配はない。生活の気配も。
畳からは黴の匂いが立ち込めてくる。
天井には蜘蛛の巣。
地下に部屋があると知った時点で、座敷牢のような所を想像していた僕はむしろ心
地の悪いズレのようなものを感じた。
まるでこの家の住人の一人にあてがわれた、ただの部屋のような佇まいだったから
だ。
あの長い階段さえなければ。
ふいに師匠の呼吸が止まった。
僕の頬を生暖かい風が撫でていく。
時が止まったように、風の吹いてくる方向を師匠は見つめている。
正面の壁に、四角く刳り抜かれた穴がある。
両手を広げたくらいの幅のその穴の外周には木で出来た枠がある。
窓だ。
そう思った瞬間、身体の中を無数の手が這い登っていくような気持ちの悪い感覚に
襲われる。
窓には格子戸がかかっている。
その格子と格子の間の狭い隙間から、向こうの景色が微かに覗いている。
師匠がゆっくりと近づいていく。
揺らめく懐中電灯の光が、格子とその隙間とに妖しい縞模様を映し出している。
師匠が窓辺に立って、ゆっくりと息を吐く。
僕も何かに魅入られたように足を運び、師匠の隣に並ぶ。
格子の隙間から風が入り込んできている。その向こうには、暗い空間が広がってい
る。
暗いけれど、闇ではない。
遠くに黄色く光る街灯がぽつんと立っている。静かな畦道が横に伸びている。
黒々とした山なみがその果てに見える。蛙の鳴き声がかすかに聞こえる。
いったいここはどこなんだ?
応えるものはなにもなく、ただ朧夜の底の光景が僕らの前にあった。
畦道の向こうから、揺れる明かりが近づいて来るのが見える。
わずかに見下ろす。ここは地面よりも少し高い所にあるらしい。
明かりとともに畦道をやって来る人影が見えた。ここからでは遠くて、人形のよう
に小さい。
ああ。近づいてくる。
553 名前::古い家 ◆oJUBn2VTGE: [ウニ] 投稿日:2008/06/29(日) 01:29:36 ID:9x5Yw4U+0
そう思った瞬間、僕は師匠の腕を掴んだ。そして有無を言わさず窓際から引き離す。
「戻りましょう」
そう言って、入って来た部屋の戸に向かう。
胸がドン、ドン、と高鳴っている。
怖い。
怖い。
頭が、それ以外の言葉を紡ぐのを恐れている。
戸惑ったように動きの鈍い師匠から懐中電灯をもぎ取り、板張りの廊下へ先に踏み
出す。
早足で狭い廊下を抜け、仰ぐように聳える階段に足をかける。そして降りて来た時
より、もっと高くなったような気がする一段一段を、闇雲に昇っていく。
怖い。
怖い。
壁に突き当たり、左に曲がる。
折り返すとまた階段が上に続いている。どこまでも続いている。
足音が一人分しか聞こえない。
そう思った瞬間、バキィッ、という破壊音が空気を震わせた。
足が止まる。
下からだ。
僕は振り向くと、飛ぶように階段を駆け降りた。下まで着くと、嫌な音のする廊下
を走り抜け、戸が開いたままの部屋に飛び込む。
師匠が金属製の燭台を両手で振り上げ、窓の格子戸に叩きつけている。
木製の格子が1本、2本と砕けて、外に落ちていく。
僕は師匠の名前を叫んで腰のあたりに組み付いた。
その頃の僕にはまだ、けっして越えてはならない境界線というものが確かにあった
と思う。
555 名前::古い家 ◆oJUBn2VTGE: [ウニ] 投稿日:2008/06/29(日) 01:34:17 ID:9x5Yw4U+0
この世のことわりが捻じ曲がり、目に映らなかった世界が剥き出しになる瞬間にさ
え、自分の戻るべき場所を振り返ってしまう、そんなくだらない人間だった。
燭台を投げ捨て、格子戸の大きく破れた部分に手をかけて外へ身を乗り出そうとす
る師匠を必死で止める。
羽交い絞めにして、ジタバタともがく身体を窓から引き剥がす。
なにかを喚いているが、聞かない。
その格好のままズルズルと引っ張って、もと来た部屋の戸口に向かう。師匠を前に
向けて廊下を進み、階段の下まで来ると斜め前方に無理やり押し上げた。
そして師匠のお尻に頭のてっぺんをつけて、グイグイと力任せに押していく。
「……っ! ……っ!」
何かを叫んでいる。
折り返しをいくつか過ぎたあたりでようやく耳に入った。
「わかった。わかったから。危ないから、もう押すな」
それで、少し勢いを落とした。師匠は溜息をつきながら、僕に押されないように早
足で進む。たった一つの懐中電灯は再び師匠に渡してしまった。
昇っても昇っても階段は先へ続いている。息が荒くなり汗が額から滴り落ちる。で
も止まれなかった。得体の知れない強迫観念に追い立てられて。
やがて僕の耳は、僕のでも師匠のものでもない別の足音を捉える。酸素が足らなく
なり、前方の視界が暗くなる中で僕はその音が現実なのかどうかを考える。
真上から聞こえてくるような気がした。その足音が降りてきているような。
次の角を曲がった時には、それと出くわしてしまうような……
急に前を行く師匠が立ち止まり、
「目を閉じて息も止めてろ」
と早口に言った。
僕はとっさに反応し、右足だけ次の段に掛けたまま目を閉じて息を止める。
556 :古い家 ◆oJUBn2VTGE: ウニ 2008/06/29(日) 01:39:25 ID:9x5Yw4U+0
苦しい。平常時ならともかく、今は30秒ももちそうにない。その苦しさが恐怖心
を一瞬忘れさせた時、僕の身体の中を嵐のような声が通り過ぎた。たくさんの人間
の唸り声のような、呻き声のようなそれは、僕の身体を凍りつかせた後、背中から
抜けてそのまま階下へと消えていった。
やがてそれは、僕らの足元の遥か下の階を降りていく足音に変わる。それは、すれ
違うこともできない狭い一本道を、一度も僕の身体に触れないまま通り過ぎて行っ
たのだった。
「行こう」と言うように服を引っ張られ、目を開ける。
一体なにが通り抜けて違ったんですか?
そんな問い掛けを口にしようとして、僕の目の前にいるそれが、師匠ではないこと
に気づく。
悲鳴をあげそうになり、口を押さえる。
青白く、冷たい相貌。僕を不安定にさせる氷のような顔。
ああ、これは父だ。僕を怖い場所へ連れて行く父だ。僕の手を掴んで、地面の底へ
と……
「どうした」
いきなり平手が飛んで来た。
頬の痛みに僕は我にかえり、その瞬間に吸い込んだ酸素が脳髄に行き渡る。視界の
端に視神経の火花がキラキラと散る。
「幻覚でも見たか」
目の前の人間が師匠の姿に戻り、その右手が僕の手の甲を掴んだ。そして僕を引っ
張りあげるように、高い階段を昇り始める。
「さっきのは、なんだか、正直、わからん」
師匠のハァハァという息遣いが螺旋状の狭い筒のような空間に響く。煤で汚れた手
で汗を拭くので、僕らは顔中が黒くなっていることだろう。
降りる時には有限だった折り返しが、今度も有限である保障なんてどこにもない。
けれど、僕は今一人ではない、というその一点だけにしがみついて、ひたすら足を
上げ続けた。
足が震え、一歩も歩けなくなりかけた時、懐中電灯の照らす上空にポッカリと四角
く開いた空間が出現した。
557 :古い家 ◆oJUBn2VTGE: ウニ 2008/06/29(日) 02:04:21 ID:9x5Yw4U+0
「戻ったぞ」
師匠がその穴から這い出る。僕も続く。
そこは座敷の押し入れで、脇に避けられた木製の蓋も、饐えた畳の匂いも、もと来
た時のままだった。随分時間が経ったような気がするし、あっという間だったよう
な気もする。ただあれほどおっかなびっくり探索していた古い家の中が、まるで自
分の部屋のように感じられてしまうのは不思議だった。
師匠が「よっ」と力を入れて蓋を動かし、地下への入り口を封印する。蓋が閉じき
る寸前に、狭くなった空気の通り道を生暖かい風が抜けて嫌な音を立てた。
うううううう
…………
その呻き声のような音もやがて消えた。
完全に隙間なく蓋を閉めると、空気は漏れないようだ。これでこの家にまつわる噂
もなくなるだろうか。
そう思った瞬間、ズズズズン、という地の底から響いてくるような衝撃が周囲の闇
を振るわせた。崩落を示す振動。
地下の階段からだ。それはすぐに直感した。
そして、もう地面の奥底のあの部屋にはたどり着けなくなったことも。
土埃のような匂いが蓋から染み出してくる。
師匠は「あ〜あ」と言って、鼻を鳴らした。そして息を整える暇もなく、「出よう。
嫌な感じだ」という言葉に、僕は従う。
走らない程度に急いで、入る時に僕が壊した裏の戸口から外に出た。裏庭を抜け、
雑草を掻き分けて土塀の朽ちた木戸を潜る。そのあいだ、僕ら以外のなんの気配も
感じなかった。
「お風呂に入りたい」
師匠がそう言いながら家に背を向け、遠くの黄色い街灯を目印に畦道の方へ進む。
僕は立ち止まり、その家の「醤」と書かれた正面の構えを眺める。
558 :古い家 ラスト ◆oJUBn2VTGE: ウニ 2008/06/29(日) 02:06:43 ID:9x5Yw4U+0
その僕の様子に気づいて師匠が振り返り、懐中電灯を二階に向けた。
二階の窓の格子戸は最初に見た時のまま整然と並んでいる。
「調べてみたいなんて言うなよ」
師匠の声が冷たく響く。
「あの葡萄は酸っぱい、だ」
師匠は踵を返して歩き出す。置いていかれまいと、追いかける。
蛙の鳴き声を聞きながら、僕は落ち込んでいた。
あの、地下室の窓辺で取り乱していたのは僕だった。喚いて、羽交い絞めを振りほ
どこうとしていた師匠ではなく。それは僕にも師匠にも良く分かっている。また失
望させてしまったし、それを面と向かって責められないことも逆に辛かった。
けれどあの時、師匠を止めていなかったとしたら、僕にはその後の世界を想像でき
ないのだ。
「すみません」
と言って、僕は頭を垂れた。
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