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おじゃま道草

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Part3
534 :おじゃま道草 <8> 4/4済みません分割目測誤りました(汗:02/05/26 18:42
 茅野君はすぐに私に連絡をくれました。
 聞いてみると、、。
 彼が話す、特に「本体」の描写は、私が想像していたものよりリアルで
した。
(その描写については、記述を控えます。ご容赦ください>ALL)
 私が、、、
−− 「それ」が「本体」だよ。
 と伝えると、彼は、、
−− げ! 例の斬りかかってくるヤツ? マジかよ〜。
と、しばらく絶句してしまいました。
 でも有難いことに、彼がこの夢を見たのはこれっきりです。
 私の見解と茅野君の描写を合せると、、、、。
 オソロシイ、、、今でも、思いだしたくないくらいです。
(実は、、私自身が書くのを嫌がっているのです、、、m(_ _;)m )

535 :おじゃま道草 <9> 1/3:02/05/26 18:43
 悪影響は、身体にも現れました。
 私自身では、妙に肩が重い、指先が痺れる、などの症状がでました。も
ちろん、透き通った「お客さん」がその原因です。
 普段なら、弾き飛ばすし、乗ってきても振り落してしまうのですが、仕
事帰りに電車で居眠をしていたり、疲れてうとうとしている時を狙ってく
るので、つい背負ってしまいました。
 このタイプは浮遊霊ばかりなので、落とすのは簡単、、、とは言っても、
落とすまでは、吐き気を伴った肩こりに悩まされます。
 この肩こりがもとで、体調を崩してしまうと、ヤツらの思う壷ですから、
健康管理には妙に神経質になってしまいました。
 また、めったに遭わない金縛りにも、その当時だけは続けて2、3度見
舞われました。
 弟の大輔には、昔痛めた腰の傷みが復活しました。10年以上前の症状
の再発です。
 彼には元々ある因縁があり、その影響で腰痛を患ったのですが、ヤツら
はそこにつけこんできました。
 弱点をつつき回すのは、ヤツらの常套手段です。
 腰が痛いと言う大輔をうつ伏せに寝かせ、腰を診ると、そこだけが吸熱
されていました。
「お客さん」を祓い落とし、気の通りを促すと、傷みが消える。数日する
とまた痛みだすので、自宅へ戻って、私に気の流通を修復させる。
 つまり、しばらくは痛んだり直ったりの繰り返しでした。
 これは、皆があの土地と縁を切るまで続きました。
 しかしながら彼は、そのことをきっかけにして、自分の弱点と因縁をはっ
きり認識したようです。
 それ以来、彼はたいへん謙虚なものの考え方をするようになりました。

536 :おじゃま道草 <9> 2/3:02/05/26 18:43
 さて、茅野君ですが、、、。
 怖い思いをしたわりには、影響が最も軽かったようです。軽い肩こりと
鼻づまりで済みました。
 彼には強い守護の力が働いているためです。
 で、、最後のお呼出、、、。
 馬場君宅へ2回目に行った1週間後のことです。私の自宅へ茅野君が寄っ
ている時に、大輔が榎本君を連れて帰宅しました。
 当然、榎本君を囲んだ、「お化け屋敷からの撤退」という臨時作戦会議
になりました。
 結論は、
「影響下から離脱したら、綺麗さっぱり縁を祓い落とす」ということです。
 そして、もう関わらないぞ、、、と決心した時、、、電話が、、、鳴り
ました、、。
 馬場君からの連絡でした。
−− 状況が悪化したのですぐに来てくれないか。
   家の中の様子も不穏だし、バンドが分裂の危機にあるんだ。
とのこと。
 もちろん、断るつもりでしたが、、、馬場君の頼みは強く、、つまり、
断り切れず、、、茅野君と私の二人で出かけることになりました。
 大輔と榎本君は「何かの時」に備えて待機です。

537 :おじゃま道草 <9> 3/3:02/05/26 18:43
 出発に際し、榎本君が警告をしてくれました。
−− あるものが見えてて、それはとても危険なものです。
   しかし、見間違い、勘違いをしやすいものなので、何であるかを言
  う訳にはいきません。言うとかえって危険です。
   知らないで行けば、おそらく見た瞬間にそれだと気付きます。
   それは、動かない物体です。気をつけてください。
   そうだ、よく効くお守りがあるから、貸してあげましょう。
 彼がいう物体が何であるかは、私にはわかりませんでした。
 借りたお守りは茅野君が身につけ、私は水でシャワーを浴びて気を引き
締め、夜9時ごろ、車で出発しました。

538 :おじゃま道草 <10> 1/3:02/05/26 18:44
−− こりゃぁ、あの土地に呼び寄せられてるな。おいで〜〜、おいで〜
  〜って、手で招いてるみたいだな。
   たぶん馬場君も魅いられていて、俺たちを引き摺り込む手先になっ
  てるんだよ。
   何が危ないかって、、、そりゃぁ最も用心が必要なのは、行き帰り
  の車の運転だな。簡単に体を切り刻むとしたら、交通事故がいちばん
  手っ取り早い、、、、。
 そう話しながら、私は安全運転に集中しました。
 助手席の茅野君も真顔です。ときどき助言をしたりして、彼自身もハン
ドルを握っているつもりで注意を払ってくれました。
 馬場君宅に近付くにつれ、緊張感が高まりました。茅野君も同感のよう
です。彼の言葉を借りると、
−− 敵陣深く乗込んで行く、、てぇのは、映画だとわくわくするんだが、、。
  違うんだよなぁ。
   背筋がぞくぞくするのは同じなんだが、緊張感がすごいね。 神経
  がバリバリに張りつめてる。
   ずっと、鳥肌が立ちっぱなしだよ。
といった感じでした。
 そして、もう2・3分で到着、、、というところで、、、、通行止。工
事中につき迂回せよ、、とのこと。
−− ありゃぁ。よりにもよって、こういう時に工事しなくても、、、。
 茅野君は不平をいいましたが、こういう時にこそ、こういった障害が出
てくるものなのです。
−− コの字型の迂回路が書いてあるよ。注意して行こう。
 私は矢印のとおり、ハンドルを右に切りました。
 順路に従って進むと、前方に交差点。迂回路を示した地図にあったとお
り、左折。
 その先をもう一度左折すれば、いずれ、もとの道と交差するはずです。
 300mほど進むと、舗装が跡切れ、砂利道になりました。
−− あれぇーー。やばいかな。
 私は警戒しました。
 しかし、少し行くと、また舗装路に戻りました。
 で、、、ほっとして前方を見ると、、、、、路肩に白い車が止っていま
す。


539 :おじゃま道草 <10> 2/3:02/05/26 18:44
 嫌な感じがしたので、私はスピードを落とし徐行しました。
 嫌な感じはさらに増しました。
−− 何か違うな、戻ろうか、、、。
 私がそう言うと、茅野君も同意しました。
 道幅が狭いので、Uターン出来る場所を探すと、、、、。前方のその白
い車の先は、少し広くなっているようです。
 私はそのまま車をすすめ、白い車に4・5mの所まで近付きました。そ
して、ライトを上向きにして、、、車を照しだしました。廃車のようです。
 フロントグラスが割れ、車体には蔦が絡んでいます。
 そのとき、、、、背筋をぞーーっと冷たいものが走りました。
−−これは!
 近付かない方が良いようです。私がブレーキを踏もうと思った瞬間、茅
野君が、
−− うわっ、ダメ! 止って! 戻ろっ!
と叫びました。
 茅野君も同じものを感じたようです。
−− バックで戻るぞ!
   そっちの路肩、見てて!
 私は、車を後退させ、そのまま砂利道を抜けました。
 そして舗装路にもどると道幅も少し広がり、なんとかUターンすること
が出来ました。
 来た道を逆に戻ると、途中で別の迂回路を見つけました。未舗装なので、
路地と勘違いし、さきほどは見逃していたようです。
 道を確かめていると、通行止の方から、地元のものと思われる軽トラッ
クがやってきました。そして、その道へ入って行きました。
−− それ、ついて行くぞ。
 1分ほど、ついて走ると、元の道へぶつかり、まもなく馬場君宅が見え
ました。
 着くと、まず、先ほどの道について、馬場君に尋ねました。図を書いて、
例の廃車の位置を示すと、、
−− あれ? その道、高速道路にブチ当たって行き止まり、のはずだよ。
   高速の壁とか、見えなかった? おれは、行ったことないけど、、、
   でもさぁ、その辺の道って、両脇が畑だったりするからな。路肩が
  崩れたりすると、、ハマルかもなぁ、、
 馬場君にはわからないようです。
 するとバンドのメンバーの後藤君が口をはさみました。
−− その廃車の先、、道、、ありました?俺、バイクでそこの道に入り
  込んだことがあるけど、、、廃車で行き止まり、、その先は薮になっ
  てたはずですよ。昼間だったから辺りもよく見えたし、、、、。
   でも、へんだなぁ、その廃車のところのおよそ10mだけが舗装、、
  いや、アスファルトでなくコンクリート敷きだったな、、、
   あ、そうそう、、、近くに廃屋がありませんでした?
   見るからに、お化け屋敷ってやつ、、、そうか、夜だと判らないか、、。
   でも、確かに、嫌な感じの場所ですね。墓でもあるのかなぁ?

540 :おじゃま道草 <10> 3/3:02/05/26 18:45
 私は、榎本君の言葉を思い出し、電話を借りました。
−− あ、大輔? 榎本君と代って、、、
   あ、榎本君? もしかして、例の物体って、車?
−− ええ、ありました?
   僕に見えたは、白い車が止ってる所です。物凄い霊気があるから、
  近付くと捕まるかも、、、
   でも、すぐわかったでしょ。
   え? そんなに近くまで行ったのですか? 
   わぁ、、、危なかったですね。
   そっちにいると、見る力が弱まるか曇るかするんで、気をつけて下
  さい。
   あえて言わなかったのはね。白い車って、どこにでもあるから、全
  部に気を取られると、見落す可能性があって、かえって危険だと思っ
  たからなんですよ。
(残念ながら? この場所の真相はわかりません。この後、確かめる機会
がなかったからです。また、そうしようとも思いませんでした。馬場君宅
と関係があるのは、間違いなさそうです、、、。)
 霊障を受けないように、気持ちをしっかりさせていたつもりですが、
土地の邪気は強く、捕まりかけたようです。

541 :おじゃま道草 <11> 1/3:02/05/26 18:45
 バンドの他のメンバーが夜食の買出しに出た後、馬場君が話し始めまし
た。
 彼が訴えた、この1週間の間に起った現象は次のとおりでした。

 1: 3日前の雨の時、近くに落雷があり、その影響で、シンセサイザー
   とシーケンサーのデータがとんでしまった。
    特にシンセは完全に駄目になり、買い換えねばならない。とりあえ
   ずはレンタルでしのぐが、余計な出費であり、引っ越し費の積み立て
   が滞る。場合によっては、来月のライブを諦めねばならない。

 2: ギタリスト兼アレンジャーの葉山君が、ある人妻(郁恵さん)と
   デキているが、その影響で、音楽への熱意が別の方向へ向いている。
   どうも、他のバンドに声をかけられているようだ。

   (注:郁恵さんの写真があったので見せて貰ったところ、すごいす
     ごい、なかなかの因縁持ちでした。その内の不要な1枚をもら
     い受け、持ち帰って、榎本君に見せたところ、、、、
      「この人の目、、、人間ではない、、、操られてますね」
     という感想が返ってきました。
      あとで判ったことですが、馬場君宅を仲介したのは、郁恵さ
     んに紹介された不動産屋でした。
      入れ替わりの速い物件は、礼金で稼げるのかな?!   )

542 :おじゃま道草 <11> 2/3:02/05/26 18:45

 3: 1階では寝ないので例の夢は見なくなったが、2階で寝ていると、
   胸の上に重みがかかってくるようになった。
   それほどの重みではなく、目を開けると消える。

   あの子供ではないか? (注:当たり!)

 4: 蒲団を敷いた後、しばらく1階に行き、用を済ませてもどったと
   ころ、蒲団の中に誰かが居たように感じた。シーツを触ってみると、
   寝汗をかいた後のように、ほのかな湿り気が残っていた。

 5: 階段を上ったり下ったりする音が2度聞こえた。2回とも深夜2
   時ごろだった。

 6: 家の周囲を歩き回ると、足を掴まれるような感触がして、歩みが
   遅くなる。
    ぼうっとしていると、いつの間にか足が釘付けなってしまい、はっ
   と我に返るとその場に立ち尽くしていた、、ということが、バンドの
   メンバーのそれぞれに数度ずつあった。

543 :おじゃま道草 <11> 3/3:02/05/26 18:46
 私は、馬場君に、、
−− とにかく命にかかわることだから、引っ越しを第一優先しろ。
   死んでからでは、音楽活動もできないぞ。
   ここにいる内は、全てが裏目裏目にまわるから何も成功しない。
   おれも、もうここには来ないぞ。来たら最後かもしれん。
   今度会うのは、お祓いに行く時だからな。
と釘を刺しました。
 そしてさらに30分ほど引っ越しの際の諸注意をし、帰途につきました。
立ち去る際、家から10mほど離れたところで、九字を切りました。振返
ると、例の立ち枯れの木が妙にゆらゆら揺れていました。
 この後、2ヵ月を待たずに彼等は転居、つまり脱走に漕ぎ着けました。
幾らかは借金が残ったそうですが、大事に至らずに何よりでした。
 しかし、バンドは解散しました。葉山君は別のバンドへ参加し、馬場君
とベーシストの後藤君は新たなバンド結成へと動きだしました。
ここで、気になることがあります、、、、。
 葉山君と郁恵さんを除いた関係者全員が、わたしの目の前でお祓いを受
けました。
 しかしその2人だけは、別の所(神社らしい)に行って祓ったそうです。
その後、彼等とは縁がないので、きちっと切れたのかどうかはわかりませ
ん。まあ、悪い噂も聞こえては来ないので、死んだりはしていないでしょ
う。
 問題は、、葉山君がどれほど郁恵さんに食われるか、、、、です。
 ナンマンダブ、、、。
完!

544 :おじゃま道草 これで終わり:02/05/26 18:46
この話の読後、よく周囲で「浮遊霊」が動くことがります。
 ですが、それは大方この話とは関連がないものです。
 意識を「相手」ではなく自分自身に向ければ、簡単に切れます。
 言い方を変えれば「気にしなければ消える」ということです。
 しかしながら、一応気の弱い方のために、、、オマジナイを、、。
 自分の気力を強める効果があります。
 次の言葉を3回唱えるか、心の中で強く念じてください。
 「ギャーテイ、ギャーテイ、ハーラーギャーテイ、
  ハラソーギャーテイ、ボージーソワカー」

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