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禍垂

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Part2
573 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 11:03:30.37 ID:6pi+H7+KO
一人でも見て下さる人がいるなら書かせてもらいます。
>>566の続き
無事にTの家に着いたものの皆寝れずにいて、恐怖心を少しでも払おうと酒盛りを始めました、俺はパンツが汚れていた為風呂を借りてから酒盛りに参加しました。
風呂から上がった時点で皆結構酔いが回っていて、ツレ達はすでに寝入りそうな感じになってました、酒の力は偉大で飲んでいく内に恐怖心は薄れ段々と眠気も来て皆でダゴ寝となりました。
そして夜中にトイレで目が覚め上半身を起こした時背後から気配を感じましたた、それは正しくトンネルで感じた気配だった。
一気に恐怖心が蘇り、金縛りとは違う、恐怖心から動けないでいましたが、まだ酒が残っているせいか気が大きくなり、見た目が怖い位でビビるか!と、わけのわからない根性が沸々と湧いてきて、こうなったら一発殴ってやると、後ろを振り返りました。

576 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 11:21:04.84 ID:6pi+H7+KO
やっぱり後悔しました、やはり女はあの時のように後ろにいて、そしてあの時とは違う行動に出ました。
急に両手で俺を頬を掴み口を大きく開けて何か言おうとしていましたが、口の中には真っ黒な液体が溜まり喋る度にうがいをしているようにゴロゴロ言って何を伝えたかったのかもわからずに恐怖に動けずにいました。
そんな恐怖が10秒続いた時に気付きました、この女知ってる…
そう考えた時にMが寝返りをうちそれに気を取られた次の瞬間にはもう女はいませんでした。
それからは朝まで眠れずツレが起きるのを待ち、起きたツレに夜中の事を話しました。
M「幽霊て動けるんだな、初めて知った、てかいる事自体昨日知ったけど」
T「お前本当にヤバイぞ、憑かれてるんじゃないの?」
俺「多分憑かれてるのかな?てか幽霊知ってる女だった」
T「はぁ?誰なんだよ?」
俺「多分…元カノのU…」
それだけで皆何となくだが理解し察してくれました。

577 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 11:34:46.19 ID:6pi+H7+KO
元カノのUはツレと飲みに行った時に知り合った女の子でちょくちょく二人で飲んだりしてる内に仲良くなって付き合い始めた人でした。
しかしUは男女関係が結構激しく浮気でも当たり前にすると噂を聞いたり、実際に男と遊び回ったりしてて、結局は破局となっていました、それからも向こうからは連絡はあっても無視して疎遠になってました。
懐かしいと感じたトンネルも実は酔った勢いで二人で凸した時に二人で行ったからでした、そしてカーブの花はUがそこで亡くなった時の物でした。
疎遠になってからも噂で亡くなったと言う話は聞いていましたが当時は俺にはもう関係無いと言って、何もしてやれてなかったんです。

579 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 11:48:38.32 ID:6pi+H7+KO
T「間違いなくお前怨まれてるな、いくら関係無いって葬式にも出なかったしな」
M「しかし、どうする?やっぱお祓いとかしてもらったが方がいいんじゃないか?」
俺「でも、そんなの全く知らないし、金も無いし…」
S「俺一人知ってるぞ、寺とか神社ではないけど、知り合いが動物に憑かれたとかで、それのお祓いを頼んだ人なら」
俺「マジか?なら頼むから聞いてもらえないか?」
S「わかった、ちょっと待ってろ」
Sは携帯で誰かと話し始め、何やら揉めていたようだが、どうやらOKをもらったようだった。
S「絶対今日がいいって無理言ったが大丈夫だってよ」
俺「本当助かるわ、今から行けるん?」
S「昼過ぎに来てくれって、準備があるらしいから」
そんな準備しっかりする所ならイケるんじゃね、と期待しながら、早めの昼飯を食い、それからその人の家へ向かった

580 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 12:04:42.27 ID:6pi+H7+KO
着いてみると普通の一軒家だった。
チャイムを鳴らし待ってると普通にエプロンつけたおばさんが出てきた、まさかこのおばさんじゃねーよな…とか考えてると正しくそのおばさんがお祓いの人だった。
俺はもう無理だな、と思いながらも通された居間で事の次第を詳細にと言われ話した。
おばさんは真面目な顔でウンウンと頷きながら聞いてくれた、一通り話を聞いてくれたおばさんが発した一言目はこうだった、仮名にHさんとします。
Hさん「あたしで祓えるかはわからないけど、出来る限りはさしてもらいます、料金は普段の料金いいですか?」
俺「料金取るんですか!?ちなみにいくらに…」
Hさん「経費など含め5万頂きます」
俺「マジですか!?すいません、ローンとか出来ますか?」
Hさん「事が事だし、構いませんよ、急いだ方がいいですし」
どうやら事態は一刻を争う位に緊縛してたみたいでした。


581 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 12:17:28.18 ID:6pi+H7+KO
Hさんの見解はこんな感じだった。
元カノUは恐らく、俺を怨んでいる、しかし、それだけではないような気がするから普通にお祓いするんじゃ駄目かもしれない、今回はお祓いではなく、Uの標的である俺から完全に意識を逸らし縁を断ち切る為の物らしい。
もっと詳しく話してたがよく意味はわからなかったので要約するとそんな感じらしい。
俺「何か俺がしなくちゃいけない事はあるんですか?」
Hさん「あなたは特にしなくちゃいけない事はありません、しかし周りの友達の力を借りなくちゃいけません」
Hさんは詳しく今回の内容を説明してくれました。

586 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 12:49:11.06 ID:6pi+H7+KO
Hさんが言うには力を借りるは大袈裟に言ったらしく借りると言うより協力だった。
まず4人でお清めし四方にお札を貼ったHさん宅2階の一室に入り一晩そこで過ごすらしいのだが、俺は一言も発してはいけなく、逆に絶えずツレ達は話し続けなくてはいけないらしい、寝てもいけないらしい。
言葉には言霊があり、その部屋ではUは俺の姿を認識出来ないらしく言葉を発する者しか認識出来ないらしい。
そうする事で意識的に俺を探し続けるUの意識から一晩時間をかけて俺を消し、俺はもういないと誤認させUの中の俺を消し、縁を無くしてしまおうという事でした。

582 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 12:29:33.79 ID:O6e+dSfr0
>>565
校正屋って句読点には無頓着なのかw
、の使いどころおかしい

583 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 12:31:01.64 ID:O6e+dSfr0
>>581
まとめて、というテンプレの最重要項目ぐらい読んでくれ

589 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 13:05:22.35 ID:6pi+H7+KO
>>582 ご指摘すみません、頭が少しアレで句読点の使い方が悪く読み辛いですね
>>583 ご指摘すみません、携帯からですがパソがないので一応メモ帳にまとめてるのですが、自分で直しながらで時間がかかって申し訳ない
>>586の続き
T「つまり俺達が絶えずに喋り続ければいいだけ?」
M「なら楽勝じゃね?」
Hさん「確かに喋り続けるだけですが、恐らくUさんから妨害はあると思います、どんな物かはわかりませんし、気を引き締めて下さい」
妨害って…緊張しながらHさん宅で早めに夕食を頂き、皆お風呂に入り体を清め一晩を過ごす部屋に入りました。
何て事はない普通の部屋でした、四方、天井、畳みの下のお札さえ無ければ…
皆一言も喋らずに夜を待ち指定された時間を待ちました。

591 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 13:17:42.04 ID:6pi+H7+KO
Hさんが指定した時間は7時、それまではUを家には入れないようにするし、Hさんもいるようですが7時が来たらHさんは家を出て、Uを家に招きいれなけばならない。
極力部外者がいる事を避け意識を完全にそらさなければならないみたいだった。
そして指定された7時が来ました、元々馬鹿の代表みたいな3人でしたし、Hさんから出された普段飲めない日本酒に皆大はしゃぎ、しかし俺は万が一を考え酒はおろか何一つ口にしてはいけないという辛い一晩でした。
ですが、相槌を打つだけでも以外と時間が経つのは早くあっという間に11時に差し掛かろうとしていました、妨害も無くこのまま何事無く一晩過ぎて欲しかったのですがそうは行きませんでした…。

592 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 13:41:03.02 ID:6pi+H7+KO
そして時刻が11時を回った辺りでついにUの妨害が始まりました。
最初に聞こえたのは廊下を歩く足音、等間隔でペタッ…ペタッという足音でした。
皆すぐに気付き一瞬静まりかえりましたが絶えずという言葉を思い出し、また大声で騒ぎ始めました。
その後はラップ音?みたいにバキッカチッと部屋中から音が鳴り始めました。
ですが、そこは馬鹿3人です、恐怖より負けられるかと馬鹿な考えが勝ったのか今まで以上に騒ぎ始めました、特にTの騒ぎっぷりは半端じゃなく恐怖より頼もしさを覚えました。

593 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 13:53:08.40 ID:6pi+H7+KO
そして、妨害にも負けず必死に騒ぎ続け2時に差し掛かった時に最後の妨害が始まりました。
部屋中からさっきの音とは比べられない位まるで思い切り壁を殴り付けるようにガンガン音が鳴り出し、あの嗽のようなゴロゴロの声で「アァ…アァ…ガガ」と叫んでいるのです。
流石に馬鹿3人もこれにはビビり、騒ぎ方も小さくなりこれはヤバイと感じ始めました。
音と声は激しさを増すばかりで一向に止まず、全員蒼白になりついに騒ぎが完全に沈黙しました。
俺はああ終わったなと思いましたが時計を見るとすでに5時を回っていました、堪えていた時間が思った以上に長かったらしく日の出が上がり始め一晩は過ぎていました。

594 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 14:00:36.28 ID:6pi+H7+KO
そしてHさんが戻り全て終わった事を知り、男ですが大声で泣き叫びました。
やっと終わったと皆で安堵の瞬間を迎える事が出来ました。
そして最後にHさんは二度とその山には近づくなと、次は助けられないかもしれないと言い、私はそれを了解しHさん宅を後にしました。
安易な気持ちで肝試しには行ってはいけないと肝に命じる事になる事件でした。
二度と肝試しはいきません。
後日談がありますが、それはバイト終わりにでも良かったら書かせて頂きます。
非常に長文、駄文、遅く、いらつかせた皆様すいませんでした。

609 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 17:27:27.34 ID:6pi+H7+KO
やっと仕事終わりました。
では>>594で言ってた後日談です。
自分的には知らない所の話だし正直関わりたくないし、聞いただけなので詳しくはわからない話でしたが、こっちが本題?元凶?みたいです。
あの一晩から丁度一ヶ月が過ぎようとしていました。
お祓いのお金の為バイトを始め中々忙しくしていた時にHさんから急に呼び出しがありHさん宅に行った時にこの話をされました。
俺「こんにちわ、すいませんお金はまだ出来てないです」
Hさん「今回は料金の事で呼んだんじゃ無いから安心していいですよ」
てっきり料金の催促かな?と思っていたが違うみたいで安心したが、あの時の話ならもう関わりたくなかったので嫌な気分になった。
俺「で、話とは何ですか?」
嫌々だが俺に関わりある話だし注意事項なら聞いておかなければならない
Hさん「実はあの時のUさんが少し普通の霊とは違う理由を調べたりしてわかった事が色々あるから一応伝えておこうと思ってね」
幽霊云々自体が元々普通じゃないと思うが…そう思ったが黙って話しを聞いた。

610 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 17:37:45.57 ID:6pi+H7+KO
Hさん「あの時はあんな言い方をしたけど、実際Uさんはあなたを怨んだりしてない、むしろ好意がずっとあったと思う」
俺「はい?そんなはずないでしょ、あんな風に憑き纏って妨害して多分殺そうとしてたのに好意とかあるはずないじゃないすか」
実際好意を持った相手にあんな事するとは思えなかったし、幽霊ってだけで恐怖心しかなく、あれが好意からの事だとしても無理だ。
Hさん「そう思っても仕方ないよね、あれはUさんの意思じゃなく、その裏にいる者の意思だから、元が人間かどうかすらわからない物だけどね」
幽霊だけでも、あんな事無かったら信じてすらないのに漫画みたいな話をされても今いち「?」としかならなかった。

611 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 17:52:34.27 ID:6pi+H7+KO
Hさん「実は家に来た時点でUさんの意思ではないと気付いてたの…でもね、それをあなたに伝えたらあなたは少なからず可哀相とか同情の気持ちを持つでしょ?それはあの一晩を過ごすなら絶対に持ってはいけない気持ちだったの」
俺「何故駄目なんです?関係あるんですか?」
Hさん「同情心を出せばあなたは助からなかった、Uさんに見つかってたから…あなたの意識を恐怖だけに満たしてUさんから意識を逸らさなければならなかったの」
自分の為だと理解し何となくだが納得したが肝心な事を聞けてない。
俺「Uはあの後どうなったんですか?Uの意思じゃないならなんだったんです?」

614 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 18:07:15.99 ID:6pi+H7+KO
Hさん「あなた達が一晩過ごしてる間、私は私の先生の所に行ったの、見てわかる通り私は世間じゃ心霊研究家で通ってるの、私の先生も似たような感じだけど私以上に詳しいし長年この世界にいるから失敗したらの話を聞きにね」
失敗したかもしれないのかよ…そう思ったが自分達じゃどうしようも無かったから仕方ないと思う事にした。
Hさん「あなた達が行った山だけど、色々な怪談があると思うけど、知ってる?」
俺「はい、カップルの幽霊だったり、婆さんの幽霊だったり色々噂は一通り聞いてます。」
結構有名な所だから噂が絶えないような場所だった、だからか色々話しは聞いていました。
Hさん「実はそういった噂じゃない本当にヤバイものがあの山にはいるって先生から聞いてね、多分それのせいだと聞いたの、詳しくはわからないけど、「禍垂」(カスイ)と言うらしいの」

612 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 17:53:41.90 ID:LoyqxGob0
娘がいるのにバイトで生計立ててるとか怖いんですけど。

616 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 18:26:00.18 ID:6pi+H7+KO
>>612 結婚はしていません、実家住まいです、朝夜バイトしてます。
俺「禍垂?」
正直ついていけなかった、そんな漫画みたいな話されても理解出来ないし、幽霊だけで精一杯だったから。
Hさん「詳しくは本当にわからないの、多分元は人間だけど、いつからいるのか、何の因果で山にいるかも何もわからないの、禍垂も見た目から先生がつけた名前だし、本当の名前もわからない」
俺「でも、俺と何の関係があるんですか、禍垂なんて聞いた事すらないし」
幽霊とは無縁の零感男だったし、そんなの噂すら知らなかった。
Hさん「推測だけどUさんは禍垂に引き込まれたんだと思うの、だからUさんと縁があった、あなたを標的に選んだんじゃないかしら、あなた木の上の人を見たと言ったでしょ、それが恐らく禍垂と思う」
Hさん「あなたは木の上に立ってたと言ったけど、正しくは違うの、両手だけで木に垂れ下がり下半身がない風貌の者なの、だから禍垂…先生は本当に危険だって今回は本当に運が良かったって」
あまり見えなくて本当に良かったと思いました、あの状況ではっきり見えてたら発狂間違いないですから。


617 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 18:42:56.13 ID:6pi+H7+KO
これでラストです。
俺は頭の整理が全くつかなかったが聞かなければならない事を聞きました。
俺「Uはどうなるんですか?俺は本当に大丈夫なんですか?」
Hさんは少し暗い表情で答えました。
Hさん「正直Uさんはずっとあの山に禍垂に捕われたままになると思う、禍垂を祓えれば違うかもしれないけど、禍垂はまず見つからないし、祓う方が危ないから…」
Hさん「あなたは恐らく大丈夫、でも決してあの山に絶対に近付いたら駄目、禍垂との縁が復縁したら間違いなくあなたは助からないから」
俺は少しの安堵とこれから先報われる事のないUを気の毒に感じながらHさん宅を後にしました。
その後は料金の支払いが終わりそれからはHさんには会わず、例の山にも決して近付いていません。
人間は好奇心が強く興味を持ったら止まらない生き物だと思います、ですが決して不用意に噂が立つ場所には近付いてはいけないと思います、思いもよらない結果があるかもしれませんから。
終わり

619 :本当にあった怖い名無し:2012/04/25(水) 18:56:06.55 ID:6pi+H7+KO
非常に長文で読み辛く駄文でしたが、辛抱強く付き合って頂いた皆様ありがとうございました。

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