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毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか 2018/01 スレ

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Part2
232: 毒男 :2018/01/03(水) 00:27:04
俺が小さい頃体験した話でも。
思い出しながらで悪いけど
小さい頃は病院から繋がってる保育所に通っててさ、その病院ってのを先に説明しておくと
障害を持った人達や、重度の病気の患者さんとかを専門に扱うところなんだよ。
当時の俺もその病棟に入ったこと何度かあったけど、小さい頃の俺はそこが大嫌いだった。
まず鼻を突くような薬品の匂いとかあちこちから聞こえてくる患者さんの唸り声。
5歳にも満たない子供には刺激が強すぎだったよ。
人が死んだりってのも日常的にある場所だったらしい(言い方悪いけど)
で、結構看護婦さん達の間でも
「死んだ患者さんが夜中歩いてた」
とか
「先日亡くなった男の子が窓の外からこっち見てた」
とか、そんな話も少なくなかったそうだし、実際そこの看護婦だった母さんからもよくそんな話を聞かされてた。
それから隣は神社だったり、よくわからない慰霊碑が立った森があったりで、正に心霊スポットのド真ん中に立ったような病院。
さらにその中にあったのが俺の通ってた保育所ってわけ。
それで、俺の保育所では毎年お泊まり会ってのをやるんだけどその中に「肝試し」があったんだよ。
ルールはまあ有り勝ちなんだけど、一人で保育所の奥にある裏口近くのトイレまで歩いていって、そこにあるお菓子をとってくるっていうものだった。
まず子供達と保母さん達は一つの部屋に集まってて、そこから一人ずつスタートするんだけど、その部屋から外が全くの別世界。
異常なくらいシー…ンと静まり返った廊下の奥は完全な闇。
子供達の誰もが怖がって行こうとしないんだよね。当然だけど。
それで、保母さん達が無理やり部屋の外に出すんだよ(鬼だよな)
もう一人闇に放り出された子供は大泣きしてた覚えがある。
それで年長組だった俺は最後の方に行くことになってたんだけど、先に行って帰ってきたみんなが変なこと言い出すんだよ。
泣きながら
「真っ黒い人が居た」
とか
「足引っ張られた〜」
とか。
俺も最初は強がって
「ウソだろー。怖くないもん」
とか言ってた(記憶がある)けど自分の順番が近づくにつれてマジで怖くなってきた。
けど中には
「誰も居なかったよー」
とか言う奴もいたから、それを支えにして耐えた。

233: 毒男 :2018/01/03(水) 00:27:25
で、自分の番が来た。
部屋出た瞬間一気に血の気が引いたのを今でも覚えてる。
マジで真っ暗。廊下は闇に吸い込まれてて、手に持たされた懐中電灯だけが頼り。
元々病院の中にある保育所だから、さらに不気味でさ。
なんとか勇気を出して奥へ奥へと歩いて行った。
ちなみに、そのお菓子のある場所までは二つの部屋を通過しないといけないんだけど、その一つ目の部屋に入った時のこと。
真っ暗な部屋に窓から薄く月明かりが入ってきて少し明るくなっていた。
その部屋の真ん中。俺から3メートル離れてなかったと思う。
真っ黒な誰かが踊ってた。姿は真っ暗で見えない。というより逆行にかかったように真っ黒で顔はおろか服装も何も見えない。
そいつは小刻みに跳んで手足を上下に激しく動かして踊ってた。
けど足音が全く無い。あれだけ激しく跳んだりしたら静かな廊下に足音が響き渡ってても良かったはず。
妙な違和感と恐怖に襲われて、俺はすぐにお菓子のある場所まで走り、お菓子をひったくるように取り、みんなの部屋へ逃げ帰った。
部屋に帰った後みんなに報告すると、半分くらいの奴等が「見た」という。
だが保母さんはこの部屋に全員居るし誰かがお化け役をやってるわけでもない。
ちなみに一番最初見に行った保母さんはそんな人見てないと言う。
見たのは一部の子供達(俺含む)だけ。

234: 毒男 :2018/01/03(水) 00:27:41
そこで俺と仲の良かった友人と二人でもう一度同じコースを行かせてもらった。
二人なら怖くないだろう。と思ったんだろう。
多分ビビってるみんなを見下そうというガキの浅い考えとかそんなところ。
それで部屋を出た俺達はまず一番目の部屋へ向かった。
だがそこには誰も居なかった。
さっきまで踊ってた真っ黒い奴は影も形もない。
すると突然
「パァンッ!!」
という風船が割れるような音が響き渡った。
当時の俺には知る由もなかっただろうけど、いわゆるラップ音だった。
続けざまにパァン!!パァンッ!!と激しい音が響き渡った。
「え!?何!?何この音!?」
とビビりまくって友人に聞いてみても友人も
「わかんないよ!!」
と二人してパニック状態。
俺達は怖くなって次の部屋に走って逃げた。
そこに逃げ込むと今度はテーブルの下から足を掴まれた。
これはハッキリ記憶に残ってる。友人と半分泣きながら振りほどき必死に走って廊下に出てお菓子のあるところに来た。
で、そのお菓子のある箱の向かい側の壁…
そこに座り込んだ真っ白い人。…ここはほとんど覚えてない。
でもよく覚えてるのはそいつの裂けた口が真っ赤だったこと。
他には目も鼻も髪の毛も無い。ただ白い人型の赤い口が三日月みたいに付いてるだけ…
そいつが無言で追いかけてきたこと。
ここで記憶が途切れてて先がどうしても思い出せないんだわ。
長文になってしまって申し訳ない

235: cat ◆TUKUMO3rAI :2018/01/03(水) 00:33:30
>>234
|ω・`) こんなの5才くらいの子供じゃなくても怖いわ!
場所的にも何か起こりそう感バリバリじゃないですか(´;ω;`)
しかも現に約半分は視てるし体感してるなんて怖い怖い

237: 毒男 :2018/01/03(水) 00:37:15
>>235
|A-) なんというかこれ完全にアウトなイベントだよね
    行方不明者とかが出なかったのが奇跡だと思う
    黒クネクネはいるしよくわからんのもいるし


243: 毒男 :2018/01/03(水) 00:45:16
体験談です。まとめようとしたのですが、長くなりました。
小学校のクラスメイトにMというのがいて、父親は地元の名士で、有名な産婦人科医でした。
外壁に蔦がはっているような、かなり古い2階建ての洋館を病院にしていて、近所の子供たちの間では、お化け屋敷などと言うものもありました。
何でも、関東大震災後に建てられた建物だということでした。
実際は、医師として大変評判のいい父親のおかげで、病院はとても繁盛していたようですが。
ところが、小学校の卒業をひかえた頃、Mの父親は突然亡くなり、病院はやめることになりました。
あとには、Mとその母親と妹、そしてお祖母さんが残されました。
何年か経て地元の高校に入学し、当時、またクラスメートになっていたMたちと話している時、
誰が言い出すともなく、Mの家の、今は使っていない病院だった洋館で、怪談大会でもやろうということになり、
泊まりに行っていいかと、尋ねたところ、いいけど、今度の7月7日の晩ならいい、と、わけのわからないことを言うのでした。
何で?と聞くと、その日はオヤジが死んでから、毎年、幽霊が出るようになったから、家の人は誰もいなくなる、親戚の家に行くんだ、と、ことも無げに言うのです。
そんなKの話が火に油を注ぎ、また、その年の7月7日が土曜だったこともあり、大変な盛り上がりようで7〜8人の参加者が集い、
待望の7日、つまり七夕の晩、夕方から家人のいないMの家へ集まったぼくたちは、飲めもしないビールをちびちびやりながら、大いに楽しんでいました。
じゃあ、そろそろ病室で怪談をやろうということになり、Mの家族が生活している母屋から、中庭を隔て、渡り廊下の先、元病院だった洋館へと移動しました。
蝋燭を一本、元病室の真ん中に置き、思い思いに、つたない怪談を始めたわけです。
で、Mの番になり、7月7日に毎年出るという幽霊について、話してもらおうじゃないの、ということになりました。
Mが言うことには、別に父親の幽霊が出るというのではなく、だいたい、Mのお父さんが亡くなったのは冬ですし、脳溢血で亡くなったとも聞いてます。
じゃあ、どんな幽霊が出るのと聞くと、お父さんが亡くなる前、同じ年の7月7日の夜、その日は雨が降っていて、
誰とも知れぬズブ濡れになった妊婦が、たった一人で、もう、ほとんど赤ちゃんが生まれそうになった状態で、病院を訪れたということでした。
Mの父はとりあえず、妊婦を病室に運んだのですが、結局、赤ちゃんは死産でした。女の子だったそうです。
母体の方もかなり衰弱が激しく、危ない状態だったそうですが、ともかく一命は取り止め、朝方、徹夜となった看護婦さんと一休みしていると、
ほんの30分ほど、病室を空けただけなのに、その瀕死と思われた女は病室から、消えていたそうです。
もともと何の持ち物もなかったそうですが、ズブ濡れの服とともに、名前も素性も何もわからないまま、いなくなったということで、
警察に連絡し、近所を探したりしたそうですが、最終的に女は見つからず、それっきりになってしまいました。
じゃあ、その消えた女が幽霊になって出るの?と聞くと、Kは、いや、その時の死産だった赤ん坊が出る、と言うのです。
出るというよりも、泣くんだ、と言うのです。
いずれ、その消えた女が戻って来るのではないかと考えたMの父は、その赤ちゃんを葬らず、お骨にして、病院の空き室というか、
物置のような部屋へ、置きっぱなしにしたまま亡くなってしまったそうで、
それからというもの、毎年、7月7日の深夜、その空き部屋から、赤ちゃんの泣き声がするようになった、と言うのです。
誰も幽霊を見てはいないけれど、確かに赤ちゃんの泣き声はする。
だから、その夜は、気味が悪いので家族は外泊するようになった、ということです。

244: 毒男 :2018/01/03(水) 00:45:33
Mというのは、度胸がすわっているというか、何も感じないというか、今、思えば変な奴で、
その晩、ぼくたちが怪談をしていた部屋は、ご丁寧にも、その赤ちゃんの骨を安置した空き部屋の隣ということでした。
日頃、何かれとなく実直なMが作り話をしているとも思えず、その話を聞いた段階で、友だちの何人かは帰ると言い出し、
結局、残ったのは、Mとぼくと、もう一人でしたが、とりあえず、隣の部屋というのはヤバイということで、
母屋の方へ移動しようとすると、さっき帰ったはずの友だちのうち二人が、血相を変えて戻って来ました。
どうした?
出た!出た!
何が?
病院の入り口の方に、ズブ濡れの女がいたんだ!
マジ?
本当だよ、あとの奴は逃げた。
それなりに高い塀で囲まれたMの家は、母屋の裏の勝手口か、その元病院の正面玄関横の通用口を通らないと、
外に出れないようになっていたので、正面にまわった二人はパニック状態で戻って来たわけです。
とにかくすぐに外へ出ようということになり、手近にあった自転車を踏み台に、塀をよじ登った瞬間、確かに、赤ちゃんの泣き声が聞こえて来ました。
すすり泣くような声?遠くで急ブレーキをかけているような音?
猫の鳴き声?いろんな風に聞こえましたが、確かに、赤ちゃんの泣き声というのが、一番ぴったりするような音でした。
その時、塀の上に腰掛けるような姿勢になっていたぼくは、確かに、病院の窓に、
ガラス越しにこちらを見ている髪の長い女が、何か箱のようなものを持っているのを見たと思います。
そして、ぼくは塀から落ちました。
一瞬、気を失ったんだと思います。
その後、すぐに後から塀を越えて来たM達に、道に倒れていたぼくは起こされました。
不思議と塀を隔てた外側では、赤ちゃんの泣き声は聞こえませんでした。
それでも、ぼくたちは夜の道をひた走り、とりあえずMの家からはそこそこ離れて、息を切らして互いを確認し合い、そして、Mを罵りました。
バカヤロー、こえーじゃんか!アホー!などと、皆でMに当たっていると、Mはポツリと、うん、怖えな…、と言いました。
そして、さっき見た女を思い出しながら、ねえ、赤ちゃんの骨って箱にいれてあんの?
と、Mに聞くと、うん、桐の箱、と答えました。殴ってやろうかと思いました。
今となっては、いい思い出ですが…
Mは、その後、高校を卒業すると家族で引っ越し、今は、もうあの洋館のあった場所はコンビニになっています。
そして彼は、家族の期待を裏切り、医者にはならなかったそうです。

245: 毒男 :2018/01/03(水) 00:55:32
ある男が、年下の婚約者を両親に紹介するために実家へ帰った。
婚約者は、容姿、家柄、学歴等申し分の無い女性であったが、どうも両親の態度が芳しくない。
結婚に反対する訳ではないのだが、婚約者を見る目が何となく暗い。
男は、夜になって母親と二人きりになった際に、何か気になる事でもあるのか?と聞いてみた。
母親はそれには答えず、箪笥の引き出しから1枚の写真を取りだした。
初めて見る写真だった。
「お前が生まれたときの写真だ」
産湯に浸かった赤ん坊を、産婆と父親らしき男性が覗き込んでいる。
「…ここ見てみ」
母親は赤ん坊の足元あたりの水面を指差した。
そこには、笑顔で赤ん坊の方に手を延ばす婚約者の姿が写り込んでいた。

250: 名無しさん :2018/01/03(水) 01:23:45
高校2年の夏、姉が死んだ。21歳だった。
一人暮らしをしていたマンションの屋上からの飛び降り自殺。動機は不明。
家族の中で姉と最も親しかった私にも、自殺の原因は全く見当がつかなかった。
葬儀の翌日、姉の住んでいた部屋を引き払うため、朝から母と私で荷物の整理をしていた。
二人して黙々と働いたので、夕方にはほとんど段ボールに詰め終わり、それを玄関先に積み上げてから自宅に戻った。
夕食後、姉の部屋に携帯を忘れたことに気付いた私は一人家を出た。
9時頃だった。マンションは自宅から自転車で10分くらいのところにある。
部屋に上がり明かりを点けると、携帯はすぐに見つかった。床の真ん中に落ちている。
腰をかがめて拾い上げると、電話のベルが鳴った。私の携帯の着信音ではない。
振り返ると、台の上に置いてある電話が光っていた。一瞬迷ったが、受話器を取る。
「もしもし…」
最初は何も聞こえなかった。ノイズが酷い。電波状態の悪い携帯から掛けているみたいに。
なぜか、誰かが息を殺しているイメージが頭に浮かんだ。
果たして、しばらくそのままでいると雑音の向こうから微かな息づかいが聞こえてきた。
「誰?」
返事はない。
ただ、息づかいが少し荒くなったような気がした。
その背景、少し離れたところで何かの声。雑音にまぎれて、
『…クス‥クスクス…』
小さく笑い合う声が、受話器越しに聞こえた。
急に寒気を感じた。背中がゾクゾクする。
なま暖かい空気がうなじのあたりを撫でた。窓は閉まっているはずなのに…

251: 名無しさん :2018/01/03(水) 01:24:12
「もしもし?」
足もとが急激に冷えてきた。足首から下が冷水に浸かっているような感覚。
明かりは灯っているし、外の通りを通る車の音も聞こえるのに、怖い─
ふと、壁の差し込み口に目がいった。ジャックには何も繋がっていない。
電話線は台の上から床に向かってダラリと垂れ下がっていた。
電話を切ろうとしたその時、受話器の向こうから声がした。
『うしろ』
ハッキリとした女の声だった。それが姉の声だったのかは分からない。
しかし、その声を聞いた瞬間、私は反射的に後ろを振り向こうとした─
ザワ…
全身の皮膚が粟だった。背後に何ものかの気配。
受話器を握る手に力が入る。全身が硬直して、息ができない。
いま振り向いてはいけない。本能がそう告げているような気がした。
…クスクス…クス…
どこからか、小さな笑い声が聞こえてくる。
それが電話からなのか、それとも部屋のなかから聞こえるのか、もう判別がつかない。
足元の冷気が水面のように波打ちはじめたような気がした…
「お姉…ちゃん?」
ようやく、その言葉だけを絞り出した。
途端に笑い声が止んだ。
一瞬の空白の後、
『アハハハハハハハハハハハハ…』
けたたましい笑い声。
足元の冷気が、ぬるり、といった感じでうごめき、最後に、粘り気のあるゼリーのような感触を残して足首から離れた。
背後の気配がスーっと薄れていく…
『ハハハハハハハハハ─…
不意に声が途切れた。後は発信音もなく、無音。
その一瞬前、笑い声の彼方に、女の声がかすかに聞こえた。
消え入りそうに小さな声で、
『…バカ…』
徐々に全身の力が抜け、私は床にへたり込んだ。
しばらくは、そのままの姿勢で何も考えられなかった。

252: 毒男 :2018/01/03(水) 01:24:38
やがて、安堵感がゆっくりと体を満たしはじめた頃、また電話が鳴った。
一瞬、鼓動が跳ね上がったが、自分の携帯の着信音だと気付いた。
手を伸ばし、通話ボタンを押す。母親からだった。
『すぐに戻ってきてッ』
電話口からも分かるくらい、母はうろたえていた。
姉の遺影が真っ黒になったのだ、と言う。
『声が聞こえたような気がして部屋に行ったら…さっきまで何ともなかったのに…』
私は電話を切ると立ち上がり、部屋のドアを開けた。
「ばーか」
今度はハッキリと男の声が聞こえた。

253: cat ◆TUKUMO3rAI :2018/01/03(水) 01:31:26
>>252
|ω・`) ええー最後男の声になってる
こいつが元凶とか?
この話背筋ゾワゾワした
忘れ物夜中に取りに行くなよ行くなら誰かと一緒に行けよー(´;ω;`)
今夜イヤホンで音楽聴けない

254: 毒男 :2018/01/03(水) 01:42:06
>>253
|A-) 元凶っぽいねえ…
    電話きたりしたら怖いね

255: 毒男 :2018/01/03(水) 01:44:01
|A-) 2時までやるかな

256: cat ◆TUKUMO3rAI :2018/01/03(水) 01:44:41
|ω・`)わーい

257: 毒男 :2018/01/03(水) 01:57:27
古い6階建てのビルに住んでる友人(A)から聞いた話。
そのビルはAの親戚が、Aの生まれるずいぶん前に建てたビルらしくて、安っぽいスナックとかが入居してる。
Aの父親がそのビルをいくらかで譲ってもらって、ちょうど空いていたビルの5階に家族で住んでいた。
Aの部屋でゲームをして遊んでたんだけど、部屋の窓側を塞ぐように箪笥やら本棚やらが配置されてて開けられないようになってる。
不思議に思って訊いてみると、
「この窓は開けないから別にいい」
らしい。
確かに窓のすぐ隣には、このビルより高いビルが建ってて、Aの住んでいるビルとは2mくらいの隙間しかない。
当然、太陽光なんか差し込まないし(そのせいでAの部屋はいつも薄暗い)、空気もよどんでいるから、たしかに開ける必要のない窓だった。
Aの住んでるビルが建って数年後に隣にビルが建ってしまったので、この窓が使われたのはほんの数年だけなんだとか。
(当然隣のビルの壁には窓はない)
「そっかー」
なんて納得しつつゲームを続けると、画面を向いたままAが
「それに外を変なのがうろつくから」
って言う。
こいつ意味不明なことを言うなと思って、
「はぁ?うろつく?5階の外を?」
って訊ねると、Aが変な話を聞かせてくれた。
Aはその日も、学校から帰って夕食を食べた後、時間が経つのも忘れて夜遅くまでゲームをしていたらしい。
すると部屋の窓がバタンッ、バタンッって音を立てた。
なにかがぶつかったような音。
慌てて窓のほうを確認すると、窓ガラスに変な跡がついている。
大掃除以来ずっと開けていないせいで、外側がほこりまみれになった窓に手形がついてる。
よく幽霊話とかで聞くように、オバケが窓を叩いたのかと思うと物凄く怖くなって、窓の方を向いて固まっていたらしい。
そしたら今度は、外からビタビタビタビタビタビタビタって音がものすごい勢いで近づいてきたとおもったら、また窓がバタンッ、バタンッって鳴る。
それからまたビタビタビタビタって音がビルの上のほうに向かって小さくなっていったらしい。
Aがほんの一瞬だけ汚れた窓ガラス越しに見たというのが、
頭と同じくらいしかない小さな胴体から4本の腕が生えた奴が、ニヤニヤしながら、腕をつっかえ棒みたいにしてビルとビルの間を移動している姿。
窓の上を通るときにバタンバタン、コンクリートの上を通るときにビタビタって鳴っていたらしい。
それ以来、寝ている姿をのぞかれたらどうしようとか、目が合ったら狙われるかもしれないだとかいろいろ想像してしまって、家具を窓側に配置して隠しているんだとか。
この話を聞いたときは、そのビルがもの凄く怖くなって、その日はビルの外までAに送ってもらった。

259: 毒男 :2018/01/03(水) 02:03:18
加藤さんが子供のころ、公園で遊んでいるとジーンズ姿の男が近づいてきた。
見たことのない男だった。
「キミ、これちょっと着けてくれる」
脂っけのない長い髪をした男はビーズのついたネックレスを加藤さんに見せた。
「子供だからね。キラキラしてるときれいだなって思ったよ」
加藤さんが恥ずかしがっていると横にいた友達が男に
「私がする」
と言ったのだが、男は首を振り、加藤さんがしないならあげないと言った。
「これは特別にオニーサンが作ったんだよ。オニーサンは宝石屋なんだ」
ネックレスには細い線がついていた。
「これなあに」
「電気でピカピカ光るからね。今、スイッチ入れてくる。すごくキレイに光るよ」
「やっぱり、私がしたいな」
「だめ…この首がいいから…」
たしか、男がそう言ったことを加藤さんは今でも憶えていた。
<この首がいい>…と。
男は加藤さんがネックレスを着けると<ピカピカ光るスイッチ>を入れに行った。
「そのままにしといてね。壊れやすいから」
男は念を押すように繰り返した。
「したいなぁ…」
友達が呟いた。
加藤さんは不意に外そうと思い、ネックレスを頭から<脱ぐ>ようにして外した。
そしてそばにあった枝の根元にかけた。
「あたし、していい?」
友達が立ち上がり、手に触れた瞬間。
車が急発進する凄まじい音と共にビンビンと空気が鳴った。
枝が激しく揺れると地面に落ち、公園の外までひきずられて止まった。
気がつくとネックレスをかけていた枝が根元からスッパリと落とされたように丸い切り口を見せていた。
ふたりともワッと声を上げると家に逃げ帰ったという。
結局、男は捕まらなかった。

260: cat ◆TUKUMO3rAI :2018/01/03(水) 02:06:05
>>259
|ω・`) 変質者だー!生きてる人間が一番怖いー
首フェチだったのね

262: 毒男 :2018/01/03(水) 02:11:29
>>260
|A-) 実害出る可能性高いもんねw
    あと一つ貼ろうかと思ったけどあまりいいのが見当たらず
    今日はここまででw
    catちゃんおつかれさまね、ありがとうw

元スレ:規制中の怖い話スレ
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/radio/30500/1492337610/

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