毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか 2016/07/03 スレ
Part2
82 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 02:37:22.338 ID:XZl0zhWa0
昔の職場の同僚から自分の実体験として聞いた話なんだけど、
心霊体験話の型にはまりすぎているので本当のところはわからない。(この話を聞いたのは十年位前)
その同僚が大学に行ってた頃、美術系のサークルに所属していた。
そいつの先輩が結婚するとか同棲するとかで引越しをする事になった。
先輩は格安の一戸建てを借りる事になっていた。
当然のように、サークルの後輩達は引越しの手伝いに借り出されたのだが、1人霊感の強いという女の子がその家を見て顔色が変わった。
「ここは嫌な感じがする」
しかし、そんな事を言い出せるはずもなく黙っていた。
荷物を中に運び込み、とうに日が暮れた頃
「荷解きは明日でいいや」
という事で、皆で酒を飲み始めた。
この家は一見何の変哲もない一軒家だったのだが、少し変わった間取りになっていて、階段の途中に中二階のような物置があった。
戸には鍵が付けてあって、階段の手摺がドアをジャマするようにはみだしている。
妙と言えば妙だが殆どの人間は大して気にも留めていなかった。
二階の間取りは6畳と8畳くらいの和室で部屋の境は襖になっている。
それを取っ払うと十数人の人間でもくつろげるほど広々としていた。
同僚は階段の一番近くで酔っ払って横になっていた。
彼の後ろは廊下になっていて障子が閉められていた。
深夜になった頃、そいつは誰かが階段を上がってくる足音に気がついた。
その音は
「ズルッ、トン、ズルッ、トン」
というように聞こえ、まるで足を引きずりながら階段を上がってくるような気がしたという。
不思議な事にその音を聞いた瞬間、酔いは醒め、冷たいものを一気に飲み込んだように寒気がしたという。
しかし、
「気のせいだよな」
と思い返し誰かがトイレにでも行ったんだろうと自分に言い聞かせた。
その時、部屋の中はシンと静まり返っていて妙な雰囲気が漂っていた。
廊下の方を向いていたそいつが皆のいる方を振り返ると…
全員が起きていて、恐怖に引きつった顔でそいつの後ろ、つまり、階段のほうを凝視していた。
其々の顔を見ると、確かに全員がその部屋にいる。
霊感の強い女の子は涙をボロボロ流して他の女の子にしがみついていた。
83 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 02:38:39.891 ID:XZl0zhWa0
耳が痛くなるほどの静けさの中で
「ズルッ、トン、ズルッ、トン」
という音が聞こえている。
そしてそれは段々と上に上がってきている。
そして音は、そいつのすぐ後ろで止まった。
「いや〜やめて〜」
突然、霊感の強い女の子が泣き叫んだ。
「子供がいる」
女の子はさらにそう叫ぶと顔を伏せてガタガタ震え出した。
そいつはすぐにでも飛んで逃げ出したかったが勇気を振り絞って障子を開けた。
誰もいない。
少しホッとしたが逆に別の恐怖がやつを襲った。
女の子は下を向いたまま何も話そうとはしなかった。
「誰もいないよな」
沈黙に耐えかねた1人がそう言った。
それから男だけ数人で、階段や下の階、押入れやトイレ風呂場も見て回ったが何も誰も見つけることは出来なかった。
ただ、例の中二階の物置だけは鍵が掛かっていたためか避けようと思ったのか見る事はなかった。
それからはどんな話をしても、いくら酒を飲んでも雰囲気は変わらなかった。
しかし、昼間の疲れが出てきたのか自然と一人二人とうたた寝をする者が出てきた。
早朝に近い深夜
階段を上がる足音がまた聞こえてきた。
部屋の中に前よりも強い緊張感が張り詰めた。
女の子は毛布を被ったまま震えている。
「やばいんじゃないこれ」
先輩が思わずつぶやいた、そしてまた足音がすぐ近くで止まった。
その瞬間を見計らうように障子を開けた。
「誰だ!」
しかし今度も其処には誰もいなかった。
誰一人眠り込む者のいないまま夜が明けた、外が明るくなると、先輩が口を開いた。
「何だかわかんないけど、ここに住むのはやばそうだ。不動産屋に文句を言ってみるよ、ただちょっと気になるところがあるんだ」
84 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 02:39:45.282 ID:XZl0zhWa0
それは、あの中二階の物置の事だった。
そして、先輩は鍵を壊しその遮られているかのような戸を開けた。
物置の中に入ってみると中は思ったよりも狭く、ただ埃っぽかった。
窓はなく薄暗い。
外から差し込む光だけでは心もとなかったが、そのうち誰かが電気のスイッチに気が付いた。
明るくなった物置の中は特に何もなくがらんとしていた。
「物置というよりは部屋くらいの広さがあるな」
「でも、ちょっと奥行きが狭いですね」
やつが部屋の奥の壁をトントンと叩いた、妙な音がする。
壁が薄いというか、板が一枚くらいしかないような感じだった。
「周りの壁は漆喰なのに、ここだけ安っぽい壁紙ですね」
この奥に何かある、とその場にいた全員が思った。
皆が何かにとりつかれたように、ただ黙々と壁紙を剥がし打ち付けられた釘を引き抜いた。
そのうち、一枚の板が外れた。
先輩は中をのぞきこんだ。
「あれは何だ?何かがいっぱいある」
それは二畳ほどの空間に山の用に置いてあった。
子供が遊ぶための「おもちゃ」だった。
理由はわからないが瞬時に鳥肌が立った。
引越しは中止になった。
先輩は不動産屋に苦情を言った、すると不動産屋は一切説明はしなかったがすぐに別の物件を紹介してくれ、敷金や礼金も変換してくれた。
ただ、あの家の事については最後まで何も教えてくれなかった。
そして
しばらくしてから、その引越しの時に一緒に行った友達がやつのところにやってきた。
「あの、こないだの引越しの時に写真撮ったじゃん」
「やっぱり何か写ってた?心霊写真?」
「というか、まぁ見てみろよ」
友人の差し出した写真は二階の部屋の丁度、中央で撮られた写真だった。
二つの部屋を仕切る襖を取り外し、その梁の下で皆が思い思いのポーズで写っている。
その皆の頭上の梁には人が首を吊る時のようなロープのようなものがくっきりと写っていた。
85 :秋山 ◆MIO/.JGsks :2016/07/03(日) 02:42:42.686 ID:hzIWLF/L0
ちょっと怖かった(((( ^ω^))))
86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/07/03(日) 02:44:17.180 ID:7XjUfTRGa
最後までよくわかんないのって怖いよね
89 :cat ◆TUKUMO3rAI :2016/07/03(日) 02:47:33.625 ID:Vy07mJQKa
>>84
|ω・`) そんなはっきりと気配分かるとかヤバイ
92 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 02:50:29.395 ID:XZl0zhWa0
>>85
|A-) 家で何かあって家全体がやばくなってるのって怖い…w
>>86
|A-) 確かに
いろいろ想像してしまう…w
>>89
|A-) 気のせいとかってレベルじゃないよね
118 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:11:09.990 ID:XZl0zhWa0
祖父の七回忌だったと思う。
実家は海に近い田舎町。
近くには漁港があり、潮の流れが速くて海水浴はできなかったが、景色のいい砂浜もあった。
さて、法事は朝から坊さんが来て始まり、午後は親戚一同で酒を飲みながらの食事になった。
大人たちは盛り上がっていたが、僕はすぐに退屈した。
それで、年の近いいとこと2人、海の方へ散歩することにした。
母親には夕方家に帰るから、遅くならないうちに戻るよう言われた。
僕らは砂浜をぶらぶら歩くのにすぐ退屈して、漂着した木片とボールを使ってバッティングをやり出した。
小学六年生のいとこが海を背にしてボールを投げ、僕がそれを打った。
ボールは波が押し返すのだが、当たりがよくて沖に流されたりもした。
砂浜に落ちているボールにも限りがあって、それを探すのも一苦労だった。
2人してボールになりそうなものを探していると、いとこが僕のことを呼んだ。
変なもの見つけたと言う。
それは女性物のカツラだった。
いとこはそれを手にとり、笑いながら振り回したり、足で蹴ったりした。
やめろよ、気持ち悪いから。それよりボール探そうぜ。
僕は相手にしなかった。
すると従兄弟はふざけて、そのカツラをかぶってみせた。
ちょっと気味が悪かった。
その幼い顔つきが、カツラのせいでなんだか急に大人びて見えた。
いい加減にしろ。もう帰るよ。
海は夕日でオレンジ色に照り返していた。
波の音が大きくなったような気がした。
この時の胸騒ぎが、後に的中することになった。
祖母の家に戻ると、何人かの親戚はすでに帰っていた。
うちも母親が車を運転するので、その日のうちに帰る予定だった。
従兄弟の家族は一泊するとのこと。
僕は母親にせかされ、仏壇に手を合わせた。
なぜか従兄弟も後についた。
それからちょっとして、僕は先に車に乗り込んだ。
カーラジオを聞いていると、母親がやってきた。
あんた、○○くんと何か食べたの?
さっき突然気分が悪くなって、吐いちゃったのよ。
119 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:12:02.823 ID:XZl0zhWa0
そこから大変だった。
母親とおばさん夫婦は車で従兄弟を病院に連れて行った。
僕は何があったか聞かれたのだが、見当もつかない。
その様子を傍で見ていた近所のおばあさんが、何事か祖母と話している。
不安が募っていた。
従兄弟は真っ青になり、ガタガタと震えていたし、大人たちはアレルギーショックについて深刻そうに話していた。
その時だった。
仏壇の前の花瓶が前触れも無く倒れた。
その場に居合わせた全員が驚いた。
「実は、…」
僕は喉まで出かかっていた言葉を口にした。
砂浜に落ちていたカツラのことだ。
大人の男性は眉をしかめたが、近所のおばあさんや他の女性は熱心に聞いていた。
そのカツラを今すぐお寺に持って行った方がいいと言ったのは、そのおばあさんだった。
おばあさんが電話すると、ちょっとヤンキーぽい若者二人がやって来た。
高校生の孫と彼の友人だった。
事情を聞くと、砂浜まで一緒に行ってくれるとのこと。
日は暮れてすでに暗かった。
原付とバイクに乗って、僕らは砂浜へ向かった。
港の灯台が微かに見えるだけで、辺りは真っ暗だった。
バイクを止めて松林を通り抜ける途中、その高校生達は話し始めた。
どうやら一年近く前、浜に死体が流れ着いたらしい。
身元不明、多分国籍も不明、救命具を付けた上半身だけだったという。
下半身はフカや魚に食べられ、顔の肉もほとんどなかったらしい。
「あれは男だから、そのカツラは関係ないだろう」
としゃべっていた。
僕は激しく後悔した。
逃げ帰りたかった。
懐中電燈を持つ手は震え、集中してカツラを探す余裕はなかった。
120 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:12:54.386 ID:XZl0zhWa0
「ここらへんだと思う」
本当は暗くて全然分からなかった。
二人は探索に熱中して、あまり怖がっていないみたいだった。
僕は彼らについて歩きながら、背後が気になってしょうがない。
「おい、これじゃねえのか?」
友人の方がカツラを見つけた。
発泡スチロールやビニールなどの合間に、それは転がっていた。
まるで干からびた海藻のように見えた。
安堵して早く戻ろうと急ぎ足になった時だ。
突然、海の方から悲鳴のようなものが聞こえた。
三人驚いて振り返ると、月明かりの下、波打ち際に真っ暗な人影があった。
二百メートルくらい先に立っていて、手招いているように見える。
僕らは声を上げて走り出した。
バイクを止めた道路わきまで来て、おばあさんの孫が言った。
「やばかったな。ありゃ幽霊だったよ」
片方の高校生が腕をさすりながら答える。
「鳥肌立ってる。…近寄ったら海に引きずり込まれてたな」
おばあさんの指示に従い、僕らはカツラをあるお寺に持っていった。
そみには親戚のおばさん、祖母、あのおばあさんは待機していた。
すぐに住職が仏壇にカツラを供え、読経を始めた。
同じ頃、従兄弟は緊急治療室にいて、チアノーゼ?みたいな症状を起こし、体温が危険な状態まで落ちていたそうだ。
結局、真夜中になって従兄弟の病状は回復した。
後日、祖母から伝え聞いた住職の話では、浮かばれない無縁仏の霊が、一族の賑やかな法事に嫉妬したのだろう、ということだった。
129 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/07/03(日) 03:20:36.810 ID:Kq1B1n9S0
これ怖いww
カツラが死体の髪だったとかワラエナイww
138 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:27:39.430 ID:XZl0zhWa0
>>129
|A-) ほんとに死体の髪だったのかなあ…www
よくわかん話だ…w
昔の職場の同僚から自分の実体験として聞いた話なんだけど、
心霊体験話の型にはまりすぎているので本当のところはわからない。(この話を聞いたのは十年位前)
その同僚が大学に行ってた頃、美術系のサークルに所属していた。
そいつの先輩が結婚するとか同棲するとかで引越しをする事になった。
先輩は格安の一戸建てを借りる事になっていた。
当然のように、サークルの後輩達は引越しの手伝いに借り出されたのだが、1人霊感の強いという女の子がその家を見て顔色が変わった。
「ここは嫌な感じがする」
しかし、そんな事を言い出せるはずもなく黙っていた。
荷物を中に運び込み、とうに日が暮れた頃
「荷解きは明日でいいや」
という事で、皆で酒を飲み始めた。
この家は一見何の変哲もない一軒家だったのだが、少し変わった間取りになっていて、階段の途中に中二階のような物置があった。
戸には鍵が付けてあって、階段の手摺がドアをジャマするようにはみだしている。
妙と言えば妙だが殆どの人間は大して気にも留めていなかった。
二階の間取りは6畳と8畳くらいの和室で部屋の境は襖になっている。
それを取っ払うと十数人の人間でもくつろげるほど広々としていた。
同僚は階段の一番近くで酔っ払って横になっていた。
彼の後ろは廊下になっていて障子が閉められていた。
深夜になった頃、そいつは誰かが階段を上がってくる足音に気がついた。
その音は
「ズルッ、トン、ズルッ、トン」
というように聞こえ、まるで足を引きずりながら階段を上がってくるような気がしたという。
不思議な事にその音を聞いた瞬間、酔いは醒め、冷たいものを一気に飲み込んだように寒気がしたという。
しかし、
「気のせいだよな」
と思い返し誰かがトイレにでも行ったんだろうと自分に言い聞かせた。
その時、部屋の中はシンと静まり返っていて妙な雰囲気が漂っていた。
廊下の方を向いていたそいつが皆のいる方を振り返ると…
全員が起きていて、恐怖に引きつった顔でそいつの後ろ、つまり、階段のほうを凝視していた。
其々の顔を見ると、確かに全員がその部屋にいる。
霊感の強い女の子は涙をボロボロ流して他の女の子にしがみついていた。
83 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 02:38:39.891 ID:XZl0zhWa0
耳が痛くなるほどの静けさの中で
「ズルッ、トン、ズルッ、トン」
という音が聞こえている。
そしてそれは段々と上に上がってきている。
そして音は、そいつのすぐ後ろで止まった。
「いや〜やめて〜」
突然、霊感の強い女の子が泣き叫んだ。
「子供がいる」
女の子はさらにそう叫ぶと顔を伏せてガタガタ震え出した。
そいつはすぐにでも飛んで逃げ出したかったが勇気を振り絞って障子を開けた。
誰もいない。
少しホッとしたが逆に別の恐怖がやつを襲った。
女の子は下を向いたまま何も話そうとはしなかった。
「誰もいないよな」
沈黙に耐えかねた1人がそう言った。
それから男だけ数人で、階段や下の階、押入れやトイレ風呂場も見て回ったが何も誰も見つけることは出来なかった。
ただ、例の中二階の物置だけは鍵が掛かっていたためか避けようと思ったのか見る事はなかった。
それからはどんな話をしても、いくら酒を飲んでも雰囲気は変わらなかった。
しかし、昼間の疲れが出てきたのか自然と一人二人とうたた寝をする者が出てきた。
早朝に近い深夜
階段を上がる足音がまた聞こえてきた。
部屋の中に前よりも強い緊張感が張り詰めた。
女の子は毛布を被ったまま震えている。
「やばいんじゃないこれ」
先輩が思わずつぶやいた、そしてまた足音がすぐ近くで止まった。
その瞬間を見計らうように障子を開けた。
「誰だ!」
しかし今度も其処には誰もいなかった。
誰一人眠り込む者のいないまま夜が明けた、外が明るくなると、先輩が口を開いた。
「何だかわかんないけど、ここに住むのはやばそうだ。不動産屋に文句を言ってみるよ、ただちょっと気になるところがあるんだ」
84 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 02:39:45.282 ID:XZl0zhWa0
それは、あの中二階の物置の事だった。
そして、先輩は鍵を壊しその遮られているかのような戸を開けた。
物置の中に入ってみると中は思ったよりも狭く、ただ埃っぽかった。
窓はなく薄暗い。
外から差し込む光だけでは心もとなかったが、そのうち誰かが電気のスイッチに気が付いた。
明るくなった物置の中は特に何もなくがらんとしていた。
「物置というよりは部屋くらいの広さがあるな」
「でも、ちょっと奥行きが狭いですね」
やつが部屋の奥の壁をトントンと叩いた、妙な音がする。
壁が薄いというか、板が一枚くらいしかないような感じだった。
「周りの壁は漆喰なのに、ここだけ安っぽい壁紙ですね」
この奥に何かある、とその場にいた全員が思った。
皆が何かにとりつかれたように、ただ黙々と壁紙を剥がし打ち付けられた釘を引き抜いた。
そのうち、一枚の板が外れた。
先輩は中をのぞきこんだ。
「あれは何だ?何かがいっぱいある」
それは二畳ほどの空間に山の用に置いてあった。
子供が遊ぶための「おもちゃ」だった。
理由はわからないが瞬時に鳥肌が立った。
引越しは中止になった。
先輩は不動産屋に苦情を言った、すると不動産屋は一切説明はしなかったがすぐに別の物件を紹介してくれ、敷金や礼金も変換してくれた。
ただ、あの家の事については最後まで何も教えてくれなかった。
そして
しばらくしてから、その引越しの時に一緒に行った友達がやつのところにやってきた。
「あの、こないだの引越しの時に写真撮ったじゃん」
「やっぱり何か写ってた?心霊写真?」
「というか、まぁ見てみろよ」
友人の差し出した写真は二階の部屋の丁度、中央で撮られた写真だった。
二つの部屋を仕切る襖を取り外し、その梁の下で皆が思い思いのポーズで写っている。
その皆の頭上の梁には人が首を吊る時のようなロープのようなものがくっきりと写っていた。
85 :秋山 ◆MIO/.JGsks :2016/07/03(日) 02:42:42.686 ID:hzIWLF/L0
ちょっと怖かった(((( ^ω^))))
86 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/07/03(日) 02:44:17.180 ID:7XjUfTRGa
最後までよくわかんないのって怖いよね
>>84
|ω・`) そんなはっきりと気配分かるとかヤバイ
92 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 02:50:29.395 ID:XZl0zhWa0
>>85
|A-) 家で何かあって家全体がやばくなってるのって怖い…w
>>86
|A-) 確かに
いろいろ想像してしまう…w
>>89
|A-) 気のせいとかってレベルじゃないよね
118 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:11:09.990 ID:XZl0zhWa0
祖父の七回忌だったと思う。
実家は海に近い田舎町。
近くには漁港があり、潮の流れが速くて海水浴はできなかったが、景色のいい砂浜もあった。
さて、法事は朝から坊さんが来て始まり、午後は親戚一同で酒を飲みながらの食事になった。
大人たちは盛り上がっていたが、僕はすぐに退屈した。
それで、年の近いいとこと2人、海の方へ散歩することにした。
母親には夕方家に帰るから、遅くならないうちに戻るよう言われた。
僕らは砂浜をぶらぶら歩くのにすぐ退屈して、漂着した木片とボールを使ってバッティングをやり出した。
小学六年生のいとこが海を背にしてボールを投げ、僕がそれを打った。
ボールは波が押し返すのだが、当たりがよくて沖に流されたりもした。
砂浜に落ちているボールにも限りがあって、それを探すのも一苦労だった。
2人してボールになりそうなものを探していると、いとこが僕のことを呼んだ。
変なもの見つけたと言う。
それは女性物のカツラだった。
いとこはそれを手にとり、笑いながら振り回したり、足で蹴ったりした。
やめろよ、気持ち悪いから。それよりボール探そうぜ。
僕は相手にしなかった。
すると従兄弟はふざけて、そのカツラをかぶってみせた。
ちょっと気味が悪かった。
その幼い顔つきが、カツラのせいでなんだか急に大人びて見えた。
いい加減にしろ。もう帰るよ。
海は夕日でオレンジ色に照り返していた。
波の音が大きくなったような気がした。
この時の胸騒ぎが、後に的中することになった。
祖母の家に戻ると、何人かの親戚はすでに帰っていた。
うちも母親が車を運転するので、その日のうちに帰る予定だった。
従兄弟の家族は一泊するとのこと。
僕は母親にせかされ、仏壇に手を合わせた。
なぜか従兄弟も後についた。
それからちょっとして、僕は先に車に乗り込んだ。
カーラジオを聞いていると、母親がやってきた。
あんた、○○くんと何か食べたの?
さっき突然気分が悪くなって、吐いちゃったのよ。
119 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:12:02.823 ID:XZl0zhWa0
そこから大変だった。
母親とおばさん夫婦は車で従兄弟を病院に連れて行った。
僕は何があったか聞かれたのだが、見当もつかない。
その様子を傍で見ていた近所のおばあさんが、何事か祖母と話している。
不安が募っていた。
従兄弟は真っ青になり、ガタガタと震えていたし、大人たちはアレルギーショックについて深刻そうに話していた。
その時だった。
仏壇の前の花瓶が前触れも無く倒れた。
その場に居合わせた全員が驚いた。
「実は、…」
僕は喉まで出かかっていた言葉を口にした。
砂浜に落ちていたカツラのことだ。
大人の男性は眉をしかめたが、近所のおばあさんや他の女性は熱心に聞いていた。
そのカツラを今すぐお寺に持って行った方がいいと言ったのは、そのおばあさんだった。
おばあさんが電話すると、ちょっとヤンキーぽい若者二人がやって来た。
高校生の孫と彼の友人だった。
事情を聞くと、砂浜まで一緒に行ってくれるとのこと。
日は暮れてすでに暗かった。
原付とバイクに乗って、僕らは砂浜へ向かった。
港の灯台が微かに見えるだけで、辺りは真っ暗だった。
バイクを止めて松林を通り抜ける途中、その高校生達は話し始めた。
どうやら一年近く前、浜に死体が流れ着いたらしい。
身元不明、多分国籍も不明、救命具を付けた上半身だけだったという。
下半身はフカや魚に食べられ、顔の肉もほとんどなかったらしい。
「あれは男だから、そのカツラは関係ないだろう」
としゃべっていた。
僕は激しく後悔した。
逃げ帰りたかった。
懐中電燈を持つ手は震え、集中してカツラを探す余裕はなかった。
120 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:12:54.386 ID:XZl0zhWa0
「ここらへんだと思う」
本当は暗くて全然分からなかった。
二人は探索に熱中して、あまり怖がっていないみたいだった。
僕は彼らについて歩きながら、背後が気になってしょうがない。
「おい、これじゃねえのか?」
友人の方がカツラを見つけた。
発泡スチロールやビニールなどの合間に、それは転がっていた。
まるで干からびた海藻のように見えた。
安堵して早く戻ろうと急ぎ足になった時だ。
突然、海の方から悲鳴のようなものが聞こえた。
三人驚いて振り返ると、月明かりの下、波打ち際に真っ暗な人影があった。
二百メートルくらい先に立っていて、手招いているように見える。
僕らは声を上げて走り出した。
バイクを止めた道路わきまで来て、おばあさんの孫が言った。
「やばかったな。ありゃ幽霊だったよ」
片方の高校生が腕をさすりながら答える。
「鳥肌立ってる。…近寄ったら海に引きずり込まれてたな」
おばあさんの指示に従い、僕らはカツラをあるお寺に持っていった。
そみには親戚のおばさん、祖母、あのおばあさんは待機していた。
すぐに住職が仏壇にカツラを供え、読経を始めた。
同じ頃、従兄弟は緊急治療室にいて、チアノーゼ?みたいな症状を起こし、体温が危険な状態まで落ちていたそうだ。
結局、真夜中になって従兄弟の病状は回復した。
後日、祖母から伝え聞いた住職の話では、浮かばれない無縁仏の霊が、一族の賑やかな法事に嫉妬したのだろう、ということだった。
129 :以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2016/07/03(日) 03:20:36.810 ID:Kq1B1n9S0
これ怖いww
カツラが死体の髪だったとかワラエナイww
138 :毒男 ◆B.DOLL/gBI :2016/07/03(日) 03:27:39.430 ID:XZl0zhWa0
>>129
|A-) ほんとに死体の髪だったのかなあ…www
よくわかん話だ…w
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