2chまとめサイトモバイル

百物語2010

Facebook Twitter LINE はてなブックマーク
Part1
8 :昨日の人 ◆3wiF1V29nQ :2010/08/20(金) 21:06:04 ID:521mjkXPP
「夏の風景」
 少女の肌は小麦に焼けて、白のブラウスが良く似合っていた。
一重の狐目、小さな鼻、少し痩せてはいたが反って凛として見える。
雲一つない青空、緑立つ土手の上。
時折吹く風が少女のオカッパの髪と藍に染まったモンペを揺らしていた。
「母さんがね、今日来るはずなの」少女がポツリと言う。
「迎えに来たん?」少女に尋ねた。川の向こうをずっと見つめ続ける、遠い眼差し。
「うん、でも・・・」少女の胸がボッという音と共に真っ赤に染まった。
「あぁ、母さんがくれた服が・・・」泣きそうな顔で自分の胸元を見ながら、静かに静かに消えて逝った。
 今は無い橋の袂で少女は母を待っていた。早く会いたいと言う思いが橋を渡らせる。
橋の中ほど、突然の飛来音。振り向く瞬間に物凄い衝撃が少女を川面へと弾き飛ばした。
意識はある。(ヒコーキ?あれ?胸が息が?母さんの服が!あれ?あれ?あたし・・・)
 物心つく頃から人とは違うものを見ているのかな。そう感じていた。
少女の追体験をしたのは小学四年の夏。おそらく少女も同年代だったと思う。
 年をとるに連れて、色々な事を覚えるに連れて少女の悲しみは複雑なものになった。
今もまだ母を待ち続けているのだろうか・・・
        終

怖い系の人気記事

百物語

本当に危ないところを見つけてしまった

スレタイの場所に行き知人が一人行方不明になってしまったHINA ◆PhwWyNAAxY。VIPPERに助けを求め名乗りでた◆tGLUbl280sだったが得体の知れないモノを見てから行方不明になってしまう。また、同様に名乗りでた区らしき市民 ◆34uqqSkMzsも怪しい集団を目撃する。釣りと真実が交差する物語。果たして物語の結末は・・・?

短編シリーズ

毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか

音楽をお供に、上質な怪談を味わってみませんか?

師匠シリーズ

唯一の友達の性癖が理解できない。

唯一の友達に唾液を求められ、VIPPERに助けを求める>>1。しかし運が悪いことに安価は「今北産業」で、スレの存在を友達に知られてしまう。そして事は予想だにしなかった展開に…!!

守護霊「ゴルゴマタギ」

かのゴルゴそっくりなマタギの守護霊が憑いている友人を持つ報告者。そしてたびたび危機に巻き込まれるが、そのゴルゴよって救われる友人。愉快な心霊話に終わるかと思いきや、事態は予想外に大きくなっていき、そして…

屋根裏から変な音する。獣害に詳しいやつ来てくれ

いっそ獣害だった方が救いはあった。

笑い女

あなたは最近いつ人に笑われましたか?その声は耳に残ってはいませんか?居た。居た。居た。

【都市伝説】都市伝説を語る会管理人が選ぶ【50選】