2chまとめサイトモバイル

百物語 第二回

Facebook Twitter LINE はてなブックマーク
Part16
57 ::2006/08/11(金) 22:07:10 ID:QZLTaZZu0
第十六話 【部屋の女】
3年前、私の兄はとあるアパートの1階に住んでいた。
スーパーやバス停などは近かったが、窓のすぐ向かい側に高い塀が
そびえているせいで部屋はいつも薄暗く、常に湿気に満ちた陰鬱な部屋だった。
ある日曜日の昼間、うとうとと仮眠を取っていた時のこと。
兄は何となく人の気配を感じ、まだ頭がはっきりしないまま目を開けた。
仰向けの兄の上に見知らぬ人間が馬乗りになり、顔をのぞき込んでいる。
長めの髪と体型で、かろうじて女だと分かった。
「あ……れ……」
女はぶつぶつと、何かを呟いている。
眠気が一瞬で吹き飛んだ。
体を動かそうとしたが、ぴくりとも動かない。
それどころか悲鳴さえ出せない。
兄がもがいている間に、女は両手を近づけてきて、兄の首をぎゅっと締め上げた。
「……れ……あや……謝れ……」
女の言葉が次第に聞き取れるようになってきた。
低く絞り出すような声で、そう呟き続けている。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
分かった瞬間、兄は叫んだ。声は出なかったが、少なくともそのつもりだった。
そして直後、気を失った。
やがて気がついた時には、室内には誰もいなくなっていた。
現在は別のアパートに引っ越しているが、あの部屋で何かあったのか、
何を謝れと言っていたのか、3年経った現在でも分かっていない。
【完】

怖い系の人気記事

本当に危ないところを見つけてしまった

スレタイの場所に行き知人が一人行方不明になってしまったHINA ◆PhwWyNAAxY。VIPPERに助けを求め名乗りでた◆tGLUbl280sだったが得体の知れないモノを見てから行方不明になってしまう。また、同様に名乗りでた区らしき市民 ◆34uqqSkMzsも怪しい集団を目撃する。釣りと真実が交差する物語。果たして物語の結末は・・・?

短編シリーズ

毒男の怖い話とか音楽とか雑談とか

音楽をお供に、上質な怪談を味わってみませんか?

百物語

師匠シリーズ

唯一の友達の性癖が理解できない。

唯一の友達に唾液を求められ、VIPPERに助けを求める>>1。しかし運が悪いことに安価は「今北産業」で、スレの存在を友達に知られてしまう。そして事は予想だにしなかった展開に…!!

守護霊「ゴルゴマタギ」

かのゴルゴそっくりなマタギの守護霊が憑いている友人を持つ報告者。そしてたびたび危機に巻き込まれるが、そのゴルゴよって救われる友人。愉快な心霊話に終わるかと思いきや、事態は予想外に大きくなっていき、そして…

屋根裏から変な音する。獣害に詳しいやつ来てくれ

いっそ獣害だった方が救いはあった。

笑い女

あなたは最近いつ人に笑われましたか?その声は耳に残ってはいませんか?居た。居た。居た。

卒業式で一人の女子生徒にギョッとした

記憶違い?勘違い?スレ内のやりとりで固まりかけた>1の結論。しかし>287の書き込みで再び謎がよみがえる。