白猫「……」ｼﾞｰ
黒猫「なにをジロジロ見ておる、下郎」
白猫「ご、ごめんなさい」
黒猫「礼儀を知るなら、先住者たる妾に筋を通すべきであろう。名を名乗るがよい」
白猫「はじめまして。名前はまだありません」
黒猫「ふん。そなたなぞ下郎で充分じゃ」
白猫「あのー」
黒猫「なんじゃ」
白猫「下郎ってなんですか？」
黒猫「…………飼い主はどこにいったのかの」
76： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/5(火) 17:16:41 ID:yTAunDIDy6
飼い主「友子にもらったネコバスティッシュカバーをさっそく使ってみよう……おお、行き先表示が『メイ』行になってる。カワユス。カワユスなぁ」
黒猫「なんじゃ、それは」ｳｽﾞｳｽﾞ
白猫「なんですかー」ｳｽﾞｳｽﾞ
黒猫「妾の獲物じゃなー」ｶﾞﾌﾞｶﾞﾌﾞ
白猫「わーい楽しーい」ｼｬｼｬｼｬ
飼い主「くろちゃーん噛みつかないでー！シロタン、ティッシュをばらまかないでー！」ｳﾜｱｱｱ
77： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/5(火) 17:18:15 ID:yTAunDIDy6
スマホ「ﾎﾞｸﾗｶﾞｳﾏﾚﾃｸﾙｽﾞｯﾄｽﾞｯﾄﾏｴﾆﾊﾓｳ」lineﾀﾞｮ
飼い主『先日いただいたネコバスですが満身創痍となりました』
飼い主『(泣き猫スタンプ)』
友子『!?』
78： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/5(火) 21:55:45 ID:S7H4XSRQ72
サーー
黒猫「今日は雨か」
白猫「…………」
黒猫「なぜテーブルの下にかくれる？」
白猫「なぜでしょう。雨がふっていると隠れなくちゃって思うんです」
黒猫(ノラだったときの記憶か……)
白猫「なぜでしょうね。もう雨に濡れないのに。冷たい思いをしないのに。隠れる必要なんてないのに……おかしいですよね？」
黒猫「……おかしくはあるまい。そなたはずっとここにいるのじゃ、そのうち忘れるときもくるであろう。その時まで待てばよいのじゃ」
白猫「そうですね」
サーー
サーーーー
79： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/5(火) 21:57:02 ID:S7H4XSRQ72
サーー
白猫「それでも……やっぱり雨は嫌いにです」
黒猫「そうか……ん？うちで雨の好きなやつが来たようじゃぞ」
白猫「？」
飼い主「やったー雨だーこの湿気で静電気を気にせずにシロタンをモフれるー」ﾓﾌﾓﾌ
白猫「……そんなに雨が嫌いでもなくなりました」ﾓﾌﾓﾌ
黒猫「そうか」
サーー
80： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/5(火) 22:00:14 ID:S7H4XSRQ72
白猫「姫さまー遊んでください」
黒猫「まだまだ子供じゃのう。残念ながら妾は忙しいのじゃ」
白猫「昼寝してるだけじゃないですかー」ﾌﾟｰ
黒猫「昼寝でいそがしいのじゃ」
81： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/5(火) 22:11:43 ID:S7H4XSRQ72
白猫「姫さまー昼寝は後でにして遊びましょうよー」
黒猫「うるさいのう。シッポだけでなら遊んでやってもよいぞ」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
白猫「ウニャ」ﾋﾟｼｯ
黒猫「ふん。そなたなどにシッポといえど捕まるものか」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
白猫「ウニャウニャ」ﾋﾟｼ ﾋﾟｼｯ
82： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/5(火) 22:12:46 ID:S7H4XSRQ72
白猫「ウニャニャニャフギャー」ﾋﾞｼｯ
黒猫「！」
白猫「捕まえたー！」ﾊｯ
黒猫「なにをするかー！この下郎があー！」ﾌｷﾞｬｰ
白猫「わー」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
黒猫「待てい、この下郎！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ
白猫「わーい、楽しーい」
83： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/6(水) 17:42:40 ID:Y4biKYvIIU
白猫「最近の飼い主さんは帰りが遅いですね」
黒猫「カリカリは用意されておるのじゃ、問題あるまい」
白猫「そうですけど、寂しいです」
黒猫「ふん」
飼い主「ただいまー今日は早く帰れたよー持ち帰りの仕事があるけど……」
白猫「おかえりなさーい」
黒猫「ふん」
飼い主「お出迎えありがとー」
黒猫「ふん。早く帰ってきたならお土産くらい買ってくるがいいのに、気のきかなぬ」ｼｯﾎﾟ ﾌﾘﾌﾘ
84： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/7(木) 17:38:50 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「さて仕事するかー」
白猫「あふぉんでくらさーい」ｽﾞﾙｽﾞﾙ
飼い主「シロタン……お気にいりのネコジャラシくわえてきたのか……もーちょっとだけだよー」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
白猫「ニャー」ﾋﾟｼﾋﾟｼ
飼い主「ほれほれー」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
白猫「ニャー」ﾋﾞｼｯ
飼い主「すごい、すごい」
白猫「どうですーすごいでしょー」ﾄﾞﾔ
飼い主「さーて仕事、仕事」
白猫「もっと遊んでくださーい」
黒猫「なにをしておる。妾も入れるのじゃ」
飼い主「…………」
85： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/7(木) 17:43:06 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「いいかげんに仕事しないと」
白猫「もっと遊びましょー」ﾆｬｰﾝ
飼い主「……シロタン、キーボードの上に乗らないでね」ﾖｲｼｮ
白猫「えー」
黒猫「ふん」
飼い主「……くろちゃんデスクトップの上に乗らないでね」ｺﾗｼｮ
黒猫「なんじゃ」
86： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/7(木) 21:35:16 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「…………」pc ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ
黒猫「…………」ｼﾞｰ
飼い主「……くろちゃーん、シロタンは寝ちゃったよ。私を見張ってないで、くろちゃんも寝たら？」
黒猫「妾を放っておいても、やらねばならぬ仕事であろう？さぼらぬように見張っておらねばな」
飼い主「なんかすごいプレッシャーを感じる」
87： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/8(金) 18:04:24 ID:mLjRQEdaRg
黒猫「ZZZ……しまった、寝てしもうた」
シーン
黒猫「もう朝か、飼い主は仕事に出てしまったようじゃな……」
白猫「姫さま、おはようございまーす。今朝はお寝坊さんですね。ぼくはもう朝ごはん食べちゃいました。姫さまのもありますよー」ﾆｬﾝﾆｬﾝ
黒猫「朝から元気じゃの」
白猫「飼い主さんが朝から遊んでくれたんですよ。もちろんそんなにたくさん」
黒猫「……」ﾈｺﾊﾟﾝﾁ
白猫「なにするんですかー姫さまー」
黒猫「ふん」
88： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/8(金) 20:31:20 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「うう……年末の追い込み厳しすぎる」ｶﾞﾁｬ ﾄﾞﾀﾝ
？「……」
飼い主「このまま玄関で寝てしまいたい」
？「飼い主、飼い主よ」ﾊﾟｱｯ
飼い主「ああ……夢か幻か……猫神様が見える……」
猫神様「飼い主よ、よく聞くのだ」
飼い主「猫神様……モフりたいー癒されたいー」
猫神様「ネコトイレを掃除するのだ！」ﾌｯ
飼い主「消えた……うう、しかたない猫神様のいう通りにしよう」ﾖﾛﾖﾘﾛ
飼い主「一個目はオ○ッコでトイレの砂がガチガチに固まってる……二個目はトイレの外にウ○チが……教えてくれてありがとう猫神様。でもどうせならモフりたかったよ」
89： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/9(土) 12:59:04 ID:ljgPsdTGmw
飼い主「やったーやっと仕事が終わった！明日から待ちに待った年末年始のお休み！さっそく友子に連絡しよう」
スマホ「Going to the moon」lineﾀﾞｮ
飼い主『やっと仕事終わったよ
これから飲みにいかない？』
友子『あれ？いってなかったっけ
私はもう彼氏と一緒に帰省してるよ』
飼い主『聞いてない
ていうか彼氏と一緒にって
もしかして実家にあいさつってこと』
友子『それもするけど』
飼い主『リア充死すべし』
友子『私と彼氏は地元が同じなんだっての
お互いの親にも会ってるし』
飼い主『ヘーソーデスカー』
友子『お土産に地酒買って帰るよ』
飼い主『(猫ハートスタンプ)』
飼い主『悪いねーたまの実家だからゆっくり過ごしておいでよ』
友子『おまー態度変わりすぎ』
90： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/9(土) 13:03:50 ID:ljgPsdTGmw
飼い主「友子はだめか。後輩ちゃんとバーでも行くか」
…………………………………………
白猫「今日も遅いですね、飼い主さん」
飼い主「た〜ら〜い〜ま〜」ｶﾞﾁｬ ﾄﾞｶ ﾊﾞﾀﾝ
黒猫「あやつめ、また酔っぱらって玄関で倒れたな」
白猫「おかえりなさーい」
飼い主「またシロタンだけがお出迎えか。くろちゃんは酔っぱらい嫌いだからなー」
白猫「なんか怒ってましたよ」
飼い主「まあいいや、今日はもっと飲むぞーシロタン付き合うのだ」ﾋｯｸ
白猫「えー」
91： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/9(土) 21:41:32 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「わははーコタツも出したぞ。これで寝ちゃっても大丈夫。飲み明かすぞー」
白猫「わー」
飼い主「あれ？シロタンどこにいった？」
白猫「ZZZ……」
飼い主「コタツで丸くなってる」
92： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/9(土) 23:32:25 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「むう、シロタンが寝てしまうとは……」
黒猫「これは、コタツではないか」
飼い主「くろちゃんがきたー」ﾑｷﾞｭ
黒猫「酒臭い！はなすのじゃ！」ﾈｺﾊﾟﾝﾁ
飼い主「かわいいのー」ﾑｷﾞｭｷﾞｭｷﾞｭ
黒猫「えーい、この酔っぱらいめが」ﾋｬｸﾚﾂﾈｺﾊﾟﾝﾁ
飼い主「あー血がでた……」ﾍﾗﾍﾗ
黒猫「……酔っぱらいなぞ百害あって一利なしじゃ」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ
93： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/9(土) 23:34:39 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「ZZZ……あーコタツでねちゃったか。なんで手が傷だらけ？？？」
94： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/9(土) 23:44:25 ID:S7H4XSRQ72
飼い主「今日は連休の一日目。最近は睡眠不足だったし、もっと寝よう……ZZZ」
黒猫「えーい、いつまで寝ておる！妾の朝の食事の仕度をせぬか！」ﾌｷﾞｰ
飼い主「……はいはい」ﾑｸﾘ
…………………………………
飼い主「さて、ごはんはあげたし、もう一眠り……」
黒猫「ふん」
飼い主「お、重い。くろちゃん上に乗らないで」
黒猫「なんじゃ」
飼い主「やれやれ、さて寝よう……」
白猫「あふぉんれくらさーい」
飼い主「またネコジャラシくわえてきたよ。しかたない、ちょっとだけだよ」ﾊﾟﾀﾀﾀﾀ
白猫「わーい」ﾊﾟｼﾊﾟｼ
黒猫「妾が手本を見せてくれる」ﾊﾞｼﾊﾞｼ
飼い主「わーくろちゃんまで！……まあ、これが幸せってやつかもなぁ」
95： ◆x5Sg3YStuI：2017/12/10(日) 07:34:50 ID:G29ES65mug
飼い主「連休二日目かー今日は大掃除するぞー」
掃除機「ゴーーー」
白猫「なんだ、やるのか？」ｵｼﾘﾌﾘﾌﾘ
飼い主「シロタン、掃除機にケンカ売らないで」
黒猫「妾の獲物じゃ」ﾈｺﾊﾟﾝﾁ
飼い主「掃除しにくいよう」
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