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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


889: 名無しさん@読者の声:2016/3/4(金) 17:18:09 ID:HGDvnfb83s
「あーしみる、しみるわー」

 タマネギを細かく、できるだけ細かく切り刻む。
 
 わざと冷蔵庫に入れなかったのは、涙を誘うしぶきをより飛び散りやすくするためだ。
「うぅ……ちくしょー、あんな男もう嫌いや!」
 とはいえ彼から……もとい、元彼からもらったスワロフスキーのネックレスをしたままでは説得力は皆無である。クリスタルの十字架が、胸の前でゆらゆら揺れていた。
 包丁を握る手。血管が浮いた親指の付け根に、温いしずくがぼたぼた落ちる。やけ酒ならぬやけ料理のメニューは、ハンバーグだ。
「……ふん、塩気にちょうどええし」
 精一杯の強がりは、悲劇のヒロイン的気分に拍車をかける。
 ところが。
 その空気をぶちこわすように、右の鼻の穴から粘液がだらりと垂れた。
「げっ」
 上唇の表面をゆったりと伝う鼻水の感触。あまりのこそばゆさに身悶えする。ティッシュをとろうにも、タマネギ汁の付着した指では抵抗がある。かといってわざわざ手を洗うのは面倒くさい。
 迷った時間は三秒たらず。私は「ふんっ」と頭を横にぶんまわした。
 私のもくろみでは、遠心力によってちぎれた鼻水がシンクに墜落して問題解決、のはずだったのだが。
 思いのほか根性があったらしい鼻水はちぎれることなく、まるで空中ブランコのように照明スイッチの紐を吸着した。
「きゃっ」
 鼻水によってスイッチが中途半端に引っ張られたことにより、一瞬だけ電気が消える。突然の暗転に驚いた私の手が滑り、タマネギのみじん切りを床にぶちまけた。
「うおうっ」
 ばらまかれたタマネギに足をとられて転倒。横向きに倒れた衝撃で首からすっぽ抜けたネックレスは……。
 ガシャン。
「ああっ!」
 クリスタルの花火が、無機質な台所の壁を幻想的に染め上げた。
「……」
 私の目は、粉々になったスワロフスキーに注がれていた。彼との楽しかった日々が走馬燈のように脳内を駆け抜け……意外とすぐに消えた。
「……っし。かたづけるか」

 のそのそと立ち上がる私の目に、涙のしずくはもうない。
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