2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


593: 名無しさん@読者の声:2015/7/24(金) 22:42:09 ID:gPYEdwQMfI
地上も空も、白の色彩で覆い尽くすように、今宵も“雪”が降る――。

――
「……今日も、キミは来なかったね」
白い“雪”が空から降り堕ちる中、約束の丘のてっぺんで、ボクは毎日呟く言葉を今日も呟いた。
「それに、今夜も晴れなかったね。これじゃあ天体観測も出来ないや」

――――この世界が白く染まってから、もう、どのくらい経つだろう。
異常気象で、一年中――それこそ、真夏にだって“雪”が降り続ける。

かつて、夏の夜空を眺めるのが大好きなキミは、このことをひどく悲しんだけど――それでもいつか、また一緒に天体観測をしようと、そうボクに言ってくれた。だからボクは、この思い出の丘の上で、ずっと待っているのだけど……。
「……どうして、キミは来ないの?」

――
その日も“雪”が舞っていた。ボクは待っていた。
ボクは膝下まで“雪”に埋まっていて、もう歩くことが出来ない。でも、寒いとは感じなかった。
「お前、こんな所で何してんの?」
不意に、知らない声が降りかかる。
そこには、白く染まったこの世界にはひどく不釣り合いな、漆黒のコートを来た男が立っていた。当然、ボクが待ち続けているキミではない。
「こんな所にいたって、もう誰も来ないよ」
……うるさい。お前に何がわかる。
約束したんだ。いつか晴れたら、“雪”が止んだら、また一緒に天体観測をしようって。だからボクは待っているんだ。
ボクがそう主張すると、男は、それ以上は何も言わずに去っていった。

――
その日も“雪”が舞っていた。ボクは待っていた。
ボクはもう肩まで“雪”に埋まっていて、動くことが出来ない。でも、冷たいとは感じなかった。元からそういった機能は備わってないからだ。
「……お前、まだ此処にいたの?」
また、あの男が現れた。ボクが待ち続けてるキミは来ないというのに。
「こんな所にいたって、もう誰も来ないよ」
……うるさい。お前に何がわかる。
いつか“雪”が止んで、キミは帰ってくるんだ。そう信じているからこそ、ボクは此処に在るのに。
ボクが主張すると――男は、こう続けた。
「こんな所にいたって、もう誰も来ない。


人類は、とっくに滅びたんだから」

地上も空も、白の色彩で覆い尽くすように、今宵も“死の灰”が降る。
その様は、本物の雪のようで――。

「お前……もう何十年前から、死んだ『主』を待ち続けているんだ?」
生きとし生ける者が滅びた世界で。
死を知らないロボットと、送る者を喪った死神に――真夏の雪は、ただ降り注ぐばかりであった。

――
……人は、死ぬと空に行くという。
ならボクは、キミが晴れの日に逝ったことを祈ろう。


   END
335.31 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字