2chまとめサイトモバイル

2chまとめサイトモバイル 掲示板
【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


591: ◆1T2swboMiw:2015/7/23(木) 00:18:55 ID:PRDpC0sllk
私は夏休みを利用して、叔父さんの家を訪れていた。叔父さんの家には異国の写真や名産品など、色々なものが所狭しと並んでいる。

「叔父さん、この箱はなぁに?開けてもいい?」

叔父さんが頷いたのでリボンを解き古びた箱を開けると、透明な丸い球体が出てきた。

「振ってごらん」

言われた通りにその球体の置物を振ると、中でひらひらと白いものが舞った。

「綺麗だろう?スノードームっていうんだよ。贈り物だったんだけど、結局贈れずじまいさ。聞きたいかい?」

叔父さんの宝物にはときどき物語がある。私はそれを聞くのが大好きなのだ。

「うん、聞きたい!」

それはね、と叔父さんは語り出す。
私がまだ24の頃だ。アフリカに行ったときのこと。写真家として仕事をするため、どこかに腰を据えなければいけなかった私は、小さな村にお世話になることにした。

私は村の子供達に色々な話をしてやった。中でも1番評判が良かったのが雪の話でね。それで、約束したんだ。次にここへ来るときには、雪を見せてあげると。

私はそのあとすぐに帰国したが、雪の写真とこのスノードームを持って、再びあの村を訪れた。そしたらね、なくなってたんだよ。村が。

どうやらその辺りは戦場になってしまったらしい。真っ平らで、人が住んでいたとは思えない景色だったよ。世界中を旅しているうちに会えるかも、なんて思って、外国へ行くときは必ず持ち歩いたものだが…とうとう引退してしまって、渡せずじまいさ。

ミキには少し難しい話だったかな?と言って、叔父さんは私の頭を撫でた。

「じゃあ、このスノードームはずっとしまってたの?」

「そうだよ。よく見つけたね」

「うん…」

私はもう一度スノードームを振ってみた。ひらりひらり、悲しげに雪が舞う。

「真夏の雪みたい」

「そうだね、スノードームはいつだって雪が見れるからね」

「ううん、おとなって、かなしい気持ちをかくして生きてるでしょう。叔父さんみたいに。ひっそり泣いてるけど、すぐにその涙は消えてしまうんでしょう」

真夏に降る、雪のように。ひらりひらりとちゅうに舞うけど、すぐに太陽に溶かされて消えてしまう。

「ミキはときどき鋭いことを言うね。でも、大人はそういう生き物だからなぁ」

「それならわたし、おとなになりたくないな」

「そうかい?叔父さんは大人が好きだよ。楽しいことがたくさんあるからね」

ミキも大人になればわかるよ、と頭を撫でられた。照りつける太陽の日差しを浴びて、スノードームがきらきらと光る。花びらのような雪は、いつまでも硝子の球体の中を漂っていた。
335.31 KBytes

名前:
sage:


[1] 1- [2] [3]最10

[4]最25 [5]最50 [6]最75

[*]前20 [0]戻る [#]次20

うpろだ
スレ機能】【顔文字