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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


413: ファンタジー・天体観測:2015/3/22(日) 17:54:30 ID:AJHGlgfcts
 また流れ星が落ちて、海が大きくゆらめいた。

 私たちはそれを見て歓声をあげる。地球最後の天体ショーは壮絶で、一瞬たりとも目をそらせない。
「お、次のが来るぞ」
 紅い炎球がくねくねと蛇行しながら近づいてくる。あと二秒、一秒……ドボン。
 星が墜落した一瞬凪いだ海は、刹那とてつもない強風を生み出した。熱が周囲をごうっとかき混ぜる。
「うおーすげえ。暖かいな」
 ダッフルコートとマフラーを素早く脱いだ彼は、こちらを向いて笑った。あまりにも屈託のない顔に、思わず吹き出してしまう。
「あ。お前今馬鹿にしただろ」
「してないしてない。雄一は相変わらず子供みたいだな、って思っただけ」
「うるせ。最期に親友とこうしていられるんだ、はしゃぐのも無理ねーだろ」
 ズキン、と。
「そっか」
 うずく胸には蓋をのせて、とびっきりの作り笑いを返した。
「てか、夜だってのに眩しいな」
「仕方ない。月があんなに近いんだから」
 夜空の半分を覆う月を見上げる。夜の片隅で黙々と輝いていた謙虚な姿は消え、巨大な銀盤が惜しみなく光を注いでいた。
 あと六時間。一日の四分の一が過ぎれば、月と地球がキスして世界は終わる。
「……月、きれいだな」
「そうか? あんだけデカイとさすがにちょっとな。なんてゆーか、『ツツシミブカサ』ってもんがない」
「うわ」
「なんだよ」
「雄一の口からそんな難しい言葉が発せられるとは」
「よーし良い度胸だ、歯ァ食いしばれ」
 不自然にならないように、そっと顔を背けた。うまく笑えているか自信が無かったから。
「さて、と。そろそろだな」
 予想していた台詞とはいえ、さすがに肩が震えた。
「行くんだ」
「おう。アイツが寂しがるから」
 一度も会ったことはないが、彼女のことはよく知っていた。トマトに砂糖をかけるのがお気に入りだとか、髪を乾かすのが壊滅的にへたくそだとか。笑うと右頬だけにできるえくぼのことも、照れくさそうに微笑む雄一から聞いたことだ。
「それじゃ、またな」
 後ろ向きで片手をあげる、別れ際の癖。それがこんなにも愛しく思えたのは今日が初めてだった。
 行ってしまう。親友、幼なじみ――初恋の人。
「雄一!」
「んー?」
 心臓が宇宙に飛び出しそうだった。

   
「大好き」
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