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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


407: ファンタジー・赤い目:2015/3/20(金) 21:59:49 ID:14zg2P5ipY
「お願い怪盗さん。ボクを、殺して」

 こんな悲しい願いごとってあるかい?
 年頃のお嬢さんは、もっとメルヘンチックな願いを口にすべきだと思うんだ。「あのお月さまをとって」とか「お姫様になりたいの」とかさ。
「おいらは怪盗。いただくのは宝石だけさ」
 そう返しても、ふるふると首をふるばかり。
「だからだよ。だからキミは、ボクを殺すことになるんだ」
 少女はゆっくりと、片目を覆っていた眼帯を外す。その拍子に大粒の涙が一筋、流れ星のように頬を伝った。
「『紅の瞳(オルガ・デミナ)』。怪盗さんが狙ってるのは、これだよね?」
 所有者に巨万の富を約束すると云われる宝石、紅の瞳。世界に七つしかない『生ける魔法石(ルーゼ・ミレディ)』の一つだ。
「さあ、早くボクの左目をえぐり盗って。そうすればこのくだらない世界から、息の詰まる牢獄からさよならできる。……お願い」
 倒れかかってきた少女を慌てて抱きとめた。小さな身体は至る所に「悪魔の枷」がはめられ、彼女の生命力を意識が保てるギリギリまで奪っている。
 冷たい怒りが体中を駆けめぐるのを感じた。
「大丈夫。君は絶対死なせないし、宝石もいただく」
「え、でも、どうやって」
「君ごと盗むのさ」
 部屋の外が騒がしくなってきた。そろそろ引き上げ時だ。
「行こう。さ、この手をとって」
「だけど窓の向こうは崖だよ?」
「大丈夫大丈夫」
「いや、だって、落ちたら死ぬよ?」
「信じられないっていうの? 君とおいらの仲じゃなーい」
「ボクたち初対面だよ!?」
 分厚い扉がぶち破られ、荒くれたちが突進してくる気配を背後で察する。
 さあ、ショータイムだ。
「今宵この古ぼけた城に参上致しましたのは、魔法怪盗バルト・ジュール!」
 踵でくるりと周り、ボディーガードに囲まれふんぞりかえる「敵」と相対する。
「私利私欲の鎖で宝玉をがんじがらめにするなど、宝石呪術家の風上にもおけない。この美しいお宝は、バルトがもらい受ける!」
「ふふん、逃げられるとでも? この包囲網を突破できるわけ――」
「うるせー太っちょ」
「なっ! こ、この無礼者を殺せーっ!」
 少女をそっと抱き寄せる。
「ボ、ボクはどうしたらいい?」
「ただ、おいらを信じて」
「ちゃちな魔法でも使うつもりかい? 残念だったねぇ。
 ぼくちんの妨害術は城全体を覆っているのだ。その宝石は永久にここからでられないぞ、うひひひ!」
「魔法なんて使わないさ。だっておいら、魔法使いじゃないもーん」
「なにぃ? 嘘つけ、お前からは確かに魔力を感じるぞ。
 魔法使いでないなら魔術師か? いや、それとも……」
 そのとき、太っちょの目が驚愕に見開かれた。
「ま、まさかお前も、『生ける魔法石(ルーゼ・ミレディ)』なの!? 殺すのは止めだ! 二つとも生け捕りに―― 」
「飛ぶよ、掴まって!」
 窓枠を思い切り蹴る。一瞬の浮遊感。そして――。
「……ねえ、怪盗さん」
「んー?」
「もしかしてボクたち、飛んでる?」
「ご明察!」
 さっきとは別の意味で震える彼女の耳に、そっと唇を寄せた。
「これから見せる新しい世界はね、くだらないと思う暇なんて、きっとこれっぽちも無いよ」

 だからさ、勇気を出して、目を開けてごらん。
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