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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


347: 名無しさん@読者の声:2015/2/21(土) 18:25:47 ID:mBXG2qEyIY
「ねーママ」
「なあに?」
「大好き!」
 えへへ、と笑い、恥ずかしそうに寝具をかぶる少女。
「ママも大好きよ。お休み、ミナ」
 薄い布越しに口づけ、子供部屋を後にした。

「やっと寝たか」
 台所では男がナイフを研いでいた。赤々と燃える炎の作る影が、傷だらけの顔をさらにいかつく見せている。
 しかし、片方しかない目はどこまでも優しく澄んでいた。
「ええ。……ふふっ」
「どうした」
「ミナがね、私のこと大好きだって」
「……それくらい俺だって言われたことある」
「拗ねてる?」
「拗ねてない」
 背後に回り、両腕で大柄な体を包み込んだ。
「……ずっとこんな暮らしができたらいいのに」
「そうだな」
「このまま真実を告げずに、ミナと貴方と三人で――」
「おい……」
 首筋に落ちる水滴に気づいたのだろう、男の声には困惑が滲んでいた。
「全部嘘だったらいいのに。あの子は『勇者』なんかじゃなくて、私たちも―」
「おい!」
 振り向いた男の力強い手に腕を掴まれ、体がびくり、とはねた。
「それ以上言うな。ミナが聞いたらどうする」
 彼の目は微かに揺れていた。そこから深い悲しみを感じ取り、男も同じ思いだと分かる。
 
 魔王のみが暮らすこの世界で、娘は独りぼっちの人生を歩まなければならないのだ。
  
「信じよう。あの子が作る未来の先に、希望があると」
 
 声を殺して泣く「慈愛の魔王」を、「豪傑の魔王」が力強く抱きしめる。

 テーブルに置かれた刃が、暖炉でゆらめく炎を静かに映していた。
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