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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


283: 名無しさん@読者の声:2015/1/23(金) 21:46:52 ID:iNTxZzwO/k
『――嬉しいニュースが飛び込んできました。

 最年少宇宙飛行士であるスギノ・コウキさん(16)を乗せたロケットが、宇宙ステーション「パラノーシス」へ無事接続されました。
 ロケット打ち上げは実に16年ぶりのことです。当日はここ十数年で類を見ない、すばらしい好天に恵まれ……――』
 興奮気味に喋るキャスターを横目に、コウキはため息をついた。
(まるでヒーロー扱いだ)
 自分は英雄なんかじゃない。死にものぐるいで宇宙を目指したのは、一刻も早く逃げ出したかったからだ。
 ステーションの丸窓から見える地球。あそこは、まさに地獄だった。
 次から次へと、息つく間もなく起こる自然災害の数々。海は荒れ狂い、雲は太陽光を遮り、動物はほとんどが死に絶えた。生まれた時から、彼のそばにはいつも死があった。
 中でもコウキを悩ませたのは花粉だ。異常発生した木々が世界を覆うほどの花粉を飛ばし、人類はアレルギー症状に苦しめられた。
(マスクを手放せない人生なんてうんざりだ。だから俺は宇宙に来た。地球に殺されるくらいなら、ここで寿命を全うしてやるさ。人類すべてを見捨てて、な)
「タダイマ地球時刻23時。睡眠ヲオススメシマス」
 制御AIの忠告に従い、コウキは無重力に身を任せた。
 


 宇宙にきて5年が経った。
 21歳になったコウキは今、帰還用ポッドで地球に向かっている。
(二度と戻ることはないと思ってたんだけどな)
 彼の考えを変えたのは、地球にいる職員からの定期通信だった。
『――最近じゃあれほど頻繁に起こっていた災害もピタリと止んで、昔のように穏やかな星に戻ったんだ。みんな幸せに暮らしてるよ』
(ったく損だよな。これじゃ、わざわざ宇宙に来た意味が無い)
「マモナク大気圏ニ突入シマス」
 空気との摩擦に備え、宇宙服の中で身を固くする。
 そのとき、とてつもない衝撃がポッドを貫いた。

(う……)
 気がつくと、コウキは宇宙に漂っていた。
 あたりにはポッドの残骸が浮かんでいる。
(一体、なにが起こったんだ)
 無傷で放り出されたのは不幸中の幸いだったが、このままでは地球に帰ることも、ステーションへ戻ることもできない。
 途方にくれるコウキの目前で、母なる地球は静かに廻っている。
「ちくしょう!」
 焦った彼は両手を振り回し、わめき散らした。
 と、そのとき。何か固いものが拳に当たり、コウキは目を見開いた。
 透明の壁が、自分と地球とを隔てていたのだ。
(なんだよこれ)
 壁伝いにどんどん進むが、遮蔽物に終わりはない。
(まるで地球を覆うマスクみたいだ)
 そのとき、コウキは唐突に気づいた。
 天変地異が発生し始めたのは、ちょうど自分が生まれた年だったということに。
(俺の、せい、だった……?)
 あの天災は、アレルギー症状だったのだ。コウキという異物を追い出すための。
「うそだろ……。
 おい入れろよ、帰ってきたんだ! 俺は地球人だぞ!」

 くしゃみでもするように、地球がぶるり、と震えた。
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