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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


263: 名無しさん@読者の声:2015/1/16(金) 22:33:53 ID:WrBVJK4BAk

「冬に花火を打ち上げたら死刑になる。
 子供でも知っていることよ、花火師さん」

 処刑人は男を見つめた。
 首は縄でくくられ、貝のように口を閉ざしている。
「なぜルールを破ったのかは……聞いても無駄でしょうね。取調べでも、あなたは一言も話さなかった。
 そろそろ始めるわ。準備を――」
「分かってたさ、殺されることぐらい。
 それでも打ち上げずにはいられなかったんだ」
 処刑人は目を見開いた。男の声は低く、不思議な響きを持っていた。
「毎日同じことの繰り返し、『常識』から外れたものは容赦なく排除される。
 国民全てが同じ時刻に起き、決められた仕事をこなし、質素な食事をとる。
 指定された相手と結婚し、指定された人数・性別の子供を作る……そんな生活、死んでるのと一緒だろ」
「でも、おかげでこの国は平和になったわ。犯罪者はいなくなり、道にはゴミ一つ落ちていない。
 それでも、ときどきあなたのような者が現れるの。平凡な幸せに背を向けて、破滅の道を進む人間が。
 私には理解できないわ」
「そりゃ、あんたには無理だろう」
「なぜ? 私が女だから?」
「違う。常識の枠からはみ出ないように必死で、人生に一生懸命じゃないからさ」
 腕時計のアラームが鳴り、会話の終わりを告げた。
「……さようなら、花火師さん」
「待て、一つだけ質問させてくれ」
「なに?」
「あんたも見たんだろう、俺の咲かせた華。どうだ、
 冬の花火は綺麗だったか?」
「……ええ、息も忘れるほど」
「……そうか」
 男は笑った。子供みたいだ、と処刑人は思った。

 花火師が死んだ後も、網膜には無邪気な笑顔が焼きついていた。
 それは目の奥ではじけ、幾度も花開き、消えた。
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