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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


262: 今回お題むずかった:2015/1/16(金) 20:33:05 ID:bdCsROuNCw
「天国ではみんな海の話をするんだぜ」
何それ、と俺は返す。
「映画の話。映画研究会として見ておくべき名作よ」
「それならまたDVD貸してくれ」
「あーい」
彼女は伸びた足をぶらぶらと揺らして退屈そうにしている。
やはり来るのが早すぎたのかもしれない。


「冬の花火、撮ろうよ」
彼女が俺を誘ったのは1週間前のこと。
冬の花火というのは俺の住んでる町で行われる季節外れの花火大会のことだろう。
ここ何年かはご無沙汰だったが、小学生の頃には友だちとよく見に行ったものだ。
「それなら良い場所を知ってる。○○道の防波堤からなら人も少なく花火もよく見える」
「あんなとこから? 大丈夫なんでしょうね?」
彼女は訝しげに尋ねる。
「信用しろって」
「そう。なら、期待してるわよ」
そう言って彼女はにっこりと笑った。
その笑顔に見惚れていた俺は彼女に冗談めかした調子でしばらくの間、からかわれることになった。


学校での出来事、この間の休日の失敗談、彼女のオススメの映画、そんな他愛ない話を幾つかしていたら急に東の空が明るくなった。
続いて起こる爆音を聞き、俺は日の出にはまだ早いことに気づく。
「おーっ、早く撮影撮影」
俺の背中を軽く叩き、撮影を促す。
カメラを明るくなった空へと向けながら横目で彼女を見る。
この辺りに住んでいればさして珍しいものでもないのに、彼女は光に見入っている。
「もしかしてはじめて見るのか?」
「うん! こういうのって今まで興味なかったから」
「ならどうして急に?」
「うーん、次の映画のアイデア? 何か使えそうかなー? って」
……彼女はいつもこれだ。
思いつきでいつも俺のことを連れ回す。
はじめて会った時も、はじめて俺が……。
「ん? 何か言った?」
「いや。何にも。花火綺麗だなって」


花火を見た夜から3日。
編集した映像を部室に持っていく。
具体的には花火を見ながらの俺と彼女との会話を消して花火のみを映した映像に。
しかし、あえてたった1つの言葉を残してある。
それが俺の足枷になっていつも以上に映画研究会への道程を長くする。
ただ一言、「お前が好きだ」という言葉が。
俺の初恋はどうなるだろうか。
我ながらキザなやり方だとは思う、だがどうしてもこの初恋を面と向かって伝えることはできなかった。
彼女に無理矢理見せられたラブストーリーの映画をいくつか思い出す。
そうすることでまるで自分が映画の主人公のように思えて心なしか少し足取りは軽くなった。
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