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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


222: 本来失格なんですが、一応書きました:2014/12/14(日) 00:29:14 ID:sA1GIekk5w
わたしはこの日、必ず一人でこの川に来る。
お菓子と花束を備えて、自分の手で作った不恰好な笹舟を流す。
これだけは最愛の夫にさえ許さない。わたしが死ぬまで、ただ一人で行うべき儀式だ。

なぜなら笹舟とともに流れゆくのは可哀想な子供たちの魂だけではないから。
そこにはわたしの罪も乗っているから。


10年前。過疎化が進み子供の少ない小学校で唯一の女の子だった舞子は、お姫様として扱われていた。
もともと可愛らしい外見で、立ち回りも上手かったので上級生も下級生も彼女の虜だった。
しかし、田舎臭い同世代の子供なんて舞子の眼中にはなかった。
それでも毎日お洒落をして、可愛らしく振舞っていたのはただ一人のため。
「舞子ちゃん、またどこか悪いの?」
「はい…西川先生…」
彼に会うためだけに保健室に通うのがほぼ日課になっていた。
真剣に気持ちをぶつけたこともある。相手にはして貰えなかったが。
それが分かっていたからこそ、先生は舞子のあからさまな仮病も許してくれたのだろう。
子供扱いされるのは嫌だったが、何年かかっても彼を手に入れるつもりだったから我慢した。

それなのに、ある日やって来た若い女が全て奪ってしまった。
メイ先生、と呼ばれていたワンピースが似合う綺麗な大人の女性だった。
舞子を取り巻いていた男子たちはいつの間にか彼女のところにいた。
西川先生と並んだところをお似合いのカップルね、と誰かに冷やかされているとたまらなく心がかき乱された。
そしてある日、彼女の左手の薬指には彼とお揃いの指輪が嵌められていた。
幼い舞子にはどうすることもできないかった。諦めることも。

その翌日、寿退職の前の思い出作りのため、生徒全員とメイ先生で山にドライブに行くことになった。
崖を走る大きな車の中。
車には舞子を含めた七人の生徒と、運転していたメイ先生だけがいた。

我慢ならなかったのだ。目の前にチラつく銀色の光が。望んでも永遠に手に入れられないものを見せつけられている気がして。

衝動的にハンドルに飛びつき、先生の視界を覆い、滅茶苦茶に暴れた。

気がつけば、車は崖から転がり落ち、舞子は川原に立ち尽くしていた。
酷い臭いがする場所には友人達の死体が転がっていた。
その中には先生の、切れた左腕も落ちていた。

嵌っていた指輪をそっと引き抜き、日光にかざす。
そしてそれを自分の指に近づけた時、舞子の意識は途絶えた。


笹舟を全て流し終えたわたしは、帰り際にそっと手を合わせた。

ここで死んでしまった罪もない子供達に。
わたしが殺してしまった子に。

「さようなら、また来年…」

振り返ることなく立ち去って行く”わたし”の名は、西川芽衣子。
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