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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


219: 名無しさん@読者の声:2014/12/12(金) 22:23:48 ID:OS7an0YdiQ
「う……ここは」
「やーっと気がついた。待ちくたびれちゃったよ」
 最初に目に入ったのは、狐の面をかぶった少女の姿。
「君は一体、」
「ルールを説明するね」
 問いかけは完全に無視された。
「推理ゲーム。時間内に私が『何者か』を答えられたら貴方の勝ち、拘束は解けて自由になる。答えられなければゲームオーバー。
 質問は3回までOK。当然『君は誰?』なんて直接的な問いは禁止だよ。
 制限時間は10分と……10秒おまけしてあげる。それじゃ、スタート」
 彼女の説明どおり、自分は椅子に拘束されていた。麻縄が肉にぎっちりと食い込んでいる……1ミリも動けそうにない。
「もしゲームオーバーになったら、どうなるんだ」
 とりあえず頭に浮かんだ疑問を口にした。
 少女は床を指して答える。
「穴が開いて、奈落の底にまっさかさま」
 ぞっとした。声色に嘘は微塵も感じなかったからだ。
「俺をどうやってここに運んだ!」
「その質問には答えられないな。私がやったんじゃないもん」
 つまり共犯者がいるということか。考えてみれば少女一人で大の男を運ぶのは至難の業だ。
「残りは1回……よく考えて質問したほうがいいよ」
(……あっ!)
 焦って大切な質問を消費してしまうとは。自分の軽率さが恨めしい。 
(とにかく状況整理だ。俺はついさっきまで海にいた。大学時代の仲間と台風直前の大波を狙って繰り出したんだ。それから……くそ、思い出せない)
「あと一分だよ。そろそろ最後の質問をしたら?」
(誰だ? 俺の知ってる奴か? 顔を隠してるって事は、きっと以前に会ってるんだ。
 ……っくそ、くそっ! 思い出せない!)
「ちくしょう! 一体俺になんの恨みがあるってんだ!」
 叫んでからしまった、と思った。
(質問を使い切っちまった……)
 青ざめる俺を尻目に、少女は淡々と答えを口にする。
「恨み? ないよ。ただ、どうしてって思う。
 どうしてあの時、『貴方たち』は私を……って」
(あの時? 貴方たち?)
「あと10秒。さあ、『私は何者でしょう』」
 とにかく恨まれているのは分かった。なら答えは一つだ。
「お前は先月過労死した、我が社の社員の遺族だろう! 全員で結託して社長の俺を監禁したんだ!
 これで正解だろう? さあ、とっとと開放――」
「……残念、不正解」
 少女は何故か泣いていた。うるんだ瞳が仮面にあいた穴から覗いている。
 それを見た瞬間、俺は悟った。彼女の目は大学時代付き合っていた女と瓜二つだったのだ。
 子供ができたと微笑みながら告げた彼女に、起業したばかりで多忙だった俺はこう吐き捨てた。
「育てる暇ないだろ、堕ろせ」
 彼女が自殺したのは、堕胎から一年後のことだった。
 
 恐らく、俺は海で溺れ死んだのだ。このゲームは生死を問うものではなく、俺の――。
 ガコン、という音がして、体は真っ逆さまに落ちていった。闇の業火が渦巻く地獄の底へ。



「さよなら、パパ」
 涙で濡れた仮面は滑り落ち、粉々に砕けた。
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