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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


180: 名無しさん@読者の声:2014/11/29(土) 10:24:32 ID:jPn77axX0c
 母の大好物、チーズケーキ。

 毎年自分の誕生日にはホールサイズを買っていました。
 顔をほころばせ、一切れ一切れ口に運ぶ母の姿。
 そばにいると、なんだかこちらまで温かい気持ちになったものです。

 ある日、母にがんが見つかりました。会社の健康診断で異常があり精密検査を受けたところ、すでに手遅れの状態でした。
「チーズケーキが……食べたい」
 病床でやつれてゆく母は、熱に浮かされるたびに呟きます。
 
「明日が山でしょう。親戚の方にご連絡を」
 恐れていたセリフが医師の口から発せられたとき、私はある決断をしました。

 運命のその日、窓の向こうは深い闇に包まれていました。
 ぜえ、ぜえ、という苦しそうな呼吸の音。家族に見守られながら、命の灯は静かに消えようとしています。
(せめて最期くらい、母の望みを叶えてあげたい)
 私はおもむろに、かばんに忍ばせていたあるものを取り出しました。
 それは一切れのチーズケーキ。
 前の日に徹夜で焼いた自信作です。
「ほらお母さん。あんなに食べたがってたケーキだよ」
 母の目がゆっくりと開き、淡い期待の色に染まりました。
 銀のフォークですくい、口元へ。
 しばらく頬をもごもご動かしていた彼女は、次の瞬間叫んだのです。
「不味い!」
 それが、病室での最期の言葉となりました。

 あの日から三ヶ月、今日も母は元気にラジオ体操をしています。
「最期のチーズケーキが『あれ』なんてあんまりでしょ? もう悔しくって悔しくって。
 気がついたら、体の奥から元気がどばっと溢れてきたの。
 絶対元気になって、おいしいチーズケーキを食べてやる! ってね」
 そう言って微笑む彼女の顔は、健康的な汗で輝いていました。

 今日も明日も明後日も、きっと母は元気です。
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