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【参加自由】1レス勝負【2章】
[8] -25 -50 

1: 脳田林 ◆N6kHDvcQjc:2014/10/16(木) 20:04:50 ID:7lTINYd4eE
日程
月…題目候補をあげてもらう
火…題目投票と題目決定
水、木(20時まで)…参加募集、参加発表
金、土(20時まで)…レス投下
土、日…投票
ルール(暫定)
月…題目候補の日
火…題目決定投票(20時締切1人1票です)
水、木…木曜の20時までに参加表明を、時間過ぎたら参加不可。参加表明は匿名でも作者名でも作品名でも可
木の20時過ぎに参加者発表します
金、土…出来た人から順次レス投下。名前のとこに参加レス番号が有ると嬉しい。土曜の20時までに投下する。過ぎたら失格。
土、日…投票はレス番のみ、それ以外は無効票になります。
月曜日に結果発表。
>>2に続きます


138: 名無しさん@読者の声:2014/11/14(金) 00:45:44 ID:EQ6rVelLDs
「ほい、記念日のプレゼント」
 ちょうど一年だね、と言って笑う亮介。優しく首にかけられた「それ」に、暗澹たる気持ちになる。
「オレンジの毛糸にしてみた。ハルは夕焼けが好きだから」
 窓の外に広がる空と同じ色のマフラー。手芸部を率いる彼にとって、この程度の編み物は造作もない。
「……ありがと」
 作り笑顔でため息を押し殺した。
 亮介はなんでも出来る。料理は上手いし運動神経も抜群。ガリ勉の私とは正反対だ。
「釣り合ってないよね」
 クラスの女子が話しているのを耳にするたび、心にトゲが刺さっていく。一本一本は小さいのに、深く食い込んで抜けやしない。
 「でさ、ハルのプレゼントは?」
 ギクリ。そんな期待のこもった目で見ないでよ。
「大したものじゃなくてごめん。……はい」
 差し出したのは、有名な赤いパッケージ。 
「あ、俺の好きなやつ! 覚えててくれたんだ」
 大げさに喜ぶ亮介を目の当たりにして、あらためて後悔の波が押し寄せる。
 本当は手作りのお菓子をあげるつもりだった。でも昨日徹夜で焼いたチョコレートケーキは、炭でも混ぜたような酷い味がして。
(どうしてこんなに不器用なんだろう)
 このままではフラれるのも時間の問題だ。いっそのこと自分から別れを告げようか。その方が彼のためかもしれない……。落ち込む私をよそに、亮介は上機嫌である提案をした。 
「ねーハル、あれしない?」
「あれって?」
「だから、……ほへ(これ)」
 口にくわえたお菓子を得意げに揺らす姿に、頭が真っ白になる。
「まさか……恋人同士がよくするっていう、あれ?」
「そ!」
「ムリムリ、絶対ムリ!」
「いーじゃん、今日は11月11日だぜ? だから、ん!」
(なにその理屈…)
 鼓動が激しくなる。放課後とはいえ、いつ誰が教室に入ってくるか分からないのに。
 パニックにおちいった私の脳は、とんでもない言葉を声帯に送り込んだ。
「そういうのは、他の子とすれば?」
「えっ」
「亮介はもてるんだから、もっとふさわしい人がいるよ」
 言ってしまった。
(もう、終わりだ)
 哀しみが涙に溶けて頬を濡らす。視線を合わせるのが怖くて、まぶたをぎゅっと閉じた。
「……違うよ」
 ふいに周囲が暗くなるのを感じた。
「ハルじゃなきゃダメなんだ。他の女なんて、ありえない」
 恐る恐る目を開けると、真っ赤に染まった顔がアップで現れる。
「ほら、こうすれば恥ずかしくないっしょ」
 二つの頭をすっぽり覆う、夕焼け色のマフラー。
「……そんなにゲームがやりたいの?」
「ううん。ハルとだから、したいんだ」
 亮介の瞳は真剣そのものだった。なんだかおかしくなって、つい吹き出す。
「あ、やったー」
「え?」
「今日初めて、本当の笑顔が見れた」
 いつのまにか、心のトゲはすべて抜け落ちていた。
「……一回だけだからね」
「よっしゃ!」
 数日後『妖怪マフラー人間』として学校の七不思議に追加されることを、今の私達は知る由もない。
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