魔王「我が魔界と人間界を治め、世界が平和に包まれてから久しいが」
魔王「世界を混沌へと包もうとせん大魔王なる者が現れた!」
魔王「そこで我は十面に待ちかまえる大魔王を討つべく、名声に包まれし勇者を募った!大臣よ、どのような勇者が集った?」
大臣「現在、肉じゃが勇者・歯磨き勇者・弱い勇者・残尿勇者の四名が集まっています」
魔王「ろくな勇者がおらぬ!」
大臣「一応これの続編ですhttp://llike-2ch.sakura.ne.jp/bbs/test/mread.cgi/2ch4/1367944388/1-10」
2: 1:2015/3/17(火) 01:54:59 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣よ、言い間違いではないのか!?もう一度申してみよ!」
大臣「肉じゃが勇者・歯磨き勇者・弱い勇者・残尿勇者の四名です」
魔王「我が耳は正常であったか!健康体であることを呪う日が来るとは!」
大臣「魔王様、包まなくていいんですか?」
魔王「そのような余裕もないわ!集った勇者の残念感が半端ないではないか!」
大臣「残念かどうかは対面するまでわからないでしょう」
魔王「わかるわ!何なのだ、今のラインナップは!?戦いに関する肩書きゼロではないか!」
大臣「弱い勇者ってのは戦いに関する肩書きじゃないんですか?」
魔王「だとしても、マイナス方面に主張されるとは夢にも思わぬ!」
大臣「とりあえず会いましょうよ。それで魔王様の差別も直るかと思いますよ」
魔王「これは差別なのか!?客観的に事実を述べてるだけであろう!」
大臣「とりあえず一人ずつ見ていきましょう」
3: 1:2015/3/17(火) 01:56:08 ID:44SiIGczZI
肉じゃが勇者「どうも、肉じゃが勇者です」
魔王「何なのだ、肉じゃが勇者て!?どういう勇者なのだ、貴様!?」
肉じゃが勇者「肉じゃが知らないんですか?」
魔王「知っておるわ!我が聞いてるのは肉じゃが勇者についてだ!」
大臣「肉じゃがが好きな勇者なんでしょう。それくらいもわからないんですか?馬鹿ですか?」
魔王「殺すぞ貴様!馬鹿は貴様らであろう!」
魔王「肉じゃがが好きだから何なのだ!?それがどう大魔王討伐に役立つというのだ!?」
肉じゃが勇者「役立つわけないじゃないですか。やっぱ馬鹿じゃないですか」
魔王「おい!本当に殺すぞ!後悔の念に包んでやろうか!?」
肉じゃが勇者「肉じゃがが好きってだけじゃないですか。何でそれを大魔王討伐に繋げるんですか?」
魔王「じゃあただの勇者として応募せよ!それで自己紹介で、好きな食べ物は肉じゃがです、と言う程度に留めよ!」
魔王「名前にまでなってるんだから、そりゃあ触れるであろう!何か肉じゃがで特別なことが出来るのかな?って思うであろう!」
大臣「あはは、妄想力高いですねえ、魔王様ww」
魔王「決めた!殺すぞ!我は貴様らを殺す!」
4: 1:2015/3/17(火) 01:58:01 ID:44SiIGczZI
肉じゃが勇者「落ち着いてくださいよ、魔王様。肉じゃが食べます?」
魔王「待て待て!貴様、何じゃがいもを直で手掴みしておる!?ていうか、その肉じゃがどこから出した!?」
肉じゃが勇者「え?ポケットから」
魔王「入れてたのか!?直に肉じゃが入れてたのか!?普通タッパーとかに入れてるんじゃないのか!?」
肉じゃが勇者「大丈夫ですよ。大好きなので、全く気になりません」
魔王「気にしろ!ポケットってか服が汁でグジャグジャではないか!そしてそれを他人に食わそうとするな!」
大臣「魔王様、肉じゃが嫌いなんですか?」
魔王「好き嫌いを言ってるんじゃないのだ!ぶっちゃけそれ汚いであろう!ポッケに入れて、しかも手掴みであるぞ!」
肉じゃが勇者「我儘だなあ……」モグモグ
魔王「我がおかしいというのか!?ていうか何で普通に食っておる!?汚くないのか、それ!?」
大臣「好きな物を好きと堂々宣言し、汚かろうが何だろうが受け入れる度量のある勇者です」
大臣「なので威風堂々、大魔王を倒してくれることでしょう」
魔王「物は言いようだな!?妄想力高いのは貴様の方ではないか!?」
大臣「とにかく、応募して、やってきた以上、彼に大魔王討伐を託すしかないんですよ。魔王様、ご命令を」
魔王「色々納得できぬが仕方あるまい。肉じゃが勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
5: 1:2015/3/17(火) 01:59:24 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「肉じゃが勇者が二面でお腹壊しました」
魔王「やはり汚かったではないか!我は食べなくて良かったと安堵に包まれておるわ!」
大臣「勇ましく肉じゃがを食べたそうですが、突然の腹痛に襲われ……」
魔王「ポッケに入れてる時点で衛生面最悪なのに、更には汚い手で持って食べるのだからな!それは腹を壊すであろう!」
魔王「好きだからって、そんな扱いは逆に冒涜へとなろう!本当に好きなら、きちんと保存し最良の状態で食すのが礼儀ではないか!?」
魔王「……いや、待て!敵地で何を悠々と食っておるのだ!?戦いを舐めてるであろう!」
大臣「彼は肉じゃが勇者ですからね。肩書きを守るためには、それも仕方なかったんでしょう……」
魔王「ただ好きなだけであろう!?だったら敵地でくらい我慢せよ!そもそも名乗るのをやめよ!ただの勇者となれ!」
大臣「どうでもいいですけど、男性が喜ぶ手料理として肉じゃががよく挙げられますけど、実際そんなに嬉しくないですよね」
魔王「本当にどうでもいいな!?何でそんなこと今言うのだ!?」
大臣「お腹を壊した肉じゃが勇者ですが、壊した後は帰宅したので無事だそうです」
魔王「何でさっきの話を挟んだ!?丸々いらぬであろう!話の構成下手か貴様!」
大臣「肉じゃが勇者が駄目だったので、次の勇者いってみましょう」
魔王「我の発言を少しは拾えぇ!」
6: 1:2015/3/17(火) 02:00:57 ID:44SiIGczZI
歯磨き勇者「どもー、歯磨き勇者でーす」シャコシャコ
大臣「さすが歯磨き勇者、今も歯を磨いてますね」
魔王「だから何なのだ!同じこと言うけど、大魔王討伐に何の役に立つ!?」
大臣「よく言うじゃないですか。芸能人は歯が命ってね」
魔王「だからそれが何なんだっつってんだろうが、我がぁ!」
歯磨き勇者「歯が白いってのは良いアピールになると思いますけど。大魔王も気に入りますよ」シャコシャコ
魔王「気に入られてどうする!?我らは彼奴を倒すんだぞ!芸能事務所の社長と違うぞ、大魔王は!」
大臣「そんなん知ってますよ。何言ってるんです、魔王様?」
魔王「貴様らが!芸能人がどうこう言うから!我がツッコんでんだろ!」
歯磨き勇者「芸能界抜きで考えても、白い歯は良い印象を与えられて良いと思うんですけどね」ガラガラガラペッ
魔王「だから良い印象がどう大魔王討伐に役立つというのだ!てかここで口をゆすぐな!床に吐いてんじゃない!」
7: 1:2015/3/17(火) 02:02:10 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!床を拭け!あとこいつの有能性について説明せよ!」
大臣「ちっ!わかりました」
魔王「舌打ち!舌打ち!!」
大臣「歯磨き勇者は歯を凄い磨いて真っ白です。光を反射するレベルでしょう」フキフキ
大臣「そうして反射された光が、魔物の目に入ったら、眩しくて目を瞑るでしょう。その隙に倒すわけです」フキフキ
魔王「回りくどいわ!なら懐中電灯とかで直接光を当てよ!世界観が気になるなら、光の魔法とか使え!」
魔王「ていうか、魔王とかそういうのがいるとこって大抵薄暗いぞ!我もそうだったし!」
魔王「そんなんでどう反射させるというのだ!?そもそも本当にその歯は光を反射するのか!?」
大臣「わかりませんよ。何でそんなこといちいち聞かれなきゃいけないんですか?」
魔王「貴様が言い出したことだからだろ!?自分の発言にくらい責任を持て!」
大臣「わからないので、実際に行かせてみて、それで判断しましょう。魔王様、そろそろ」
魔王「ぶっつけ本番とか良くないけど贅沢は言えん……歯磨き勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
歯磨き勇者「はい!頑張ります!」ガラガラガラペッ
魔王「だから床に吐くなぁ!せめて大臣が拭く前に口ゆすぐの終わらせておけぇ!」
8: 1:2015/3/17(火) 02:03:30 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「歯磨き勇者が歯医者に行きました」
魔王「何の報告だぁ!?彼奴は討伐に行ったんじゃないのか!?」
大臣「勇ましく歯を磨いたそうですが、摩耗症になってしまい……」
魔王「摩耗症って何だ!?そういう歯の病気は歯磨きしてんだから防げるのではないか!?」
大臣「逆です。摩耗症は歯を磨きすぎてなってしまう症状です」
大臣「簡単に言うと、磨きすぎちゃって歯が削れて、中の神経とかがむき出しになって痛むんです」
魔王「いたたたた!聞いてるだけで痛くなってきた!」
大臣「歯を磨くのは大切ですが、正しいやり方で適度にしないと、それが逆に歯を悪くしてしまうんですね」
魔王「大事なことだけども勇者SSでやるでない!こんな教訓を勇者SSでどう活かせと!?」
大臣「歯磨き勇者はもう大魔王討伐どころじゃなくなったので、次の勇者いきましょう」
魔王「どうしよう、何か今後歯磨きするのが怖くなってきた!」
9: 1:2015/3/17(火) 02:04:42 ID:44SiIGczZI
弱い勇者「はじめまして、弱い勇者です……」
魔王「悲しい自己紹介であるな!それ聞いて我らはどうリアクションすればよい!?」
大臣「どうしてあなたは弱いんですか?」
魔王「掘り下げるのか!?貴様けっこう勇気あるな!」
弱い勇者「……わかりません。どれだけトレーニングをしても……どうしても強くなれないんです……」
大臣「とりあえず握力ってどれくらいです?」
弱い勇者「6キロ……」
魔王「弱いな!?弱いってレベルじゃないぞ!せめて十台はいっておけ!」
大臣「流石は弱い勇者です。その名に恥じない弱者っぷりですね」
魔王「そもそもその名が恥であろう!その名を恥じるべきであろう!」
大臣「そうは言いましても、努力しても改善できないなら、どうしようもないでしょう」
魔王「なら大魔王討伐に名乗り出るな!自他共に認める弱さで、何故応募してきた!?」
弱い勇者「たくさんの勇者が応募してて……僕もしなきゃ叩かれるかなって……」
魔王「メンタルも弱いな!時には身を引く勇気も必要であろう!応募したところで貴様に何が出来るのだ!?」
10: 1:2015/3/17(火) 02:06:01 ID:44SiIGczZI
魔王「大臣!こんな弱い奴が、どうして戦闘で役立とうか!?」
大臣「この者はもう弱い勇者ではありません」
魔王「はあ!?」
大臣「弱い者は己を弱いとは言いませんからね」
魔王「貴様バガボンド読んだであろう!そんな台詞あったぞ!本位田とこのお杉さんだろう!」
魔王「大体それはこれから強くなれるって意味だろう!この者は明日にも戦場へ赴く!遅すぎたんだよ!」
大臣「明日にならなければわからないでしょう」
魔王「わかるわ!握力6キロが一日で70キロとかになれるか!?上げれて精々7キロとかであろう!」
大臣「川島さんのファンなんですか?」
魔王「わかるわ、言うとるけども!口調的にこうなってるだけである!」
大臣「まあとにかく、奇跡を信じて明日の弱い勇者に期待するしかないですよ」
弱い勇者「期待されたって、どうせ無理ですよ……」
魔王「本人がこれであるぞ!メンタルも弱いからなあ!もうこれ駄目であろう!」
大臣「じゃあどうするんです?大魔王討伐は諦めますか?」
魔王「送り出すしかないんであろう!?しょうがないから一日無駄にしてやるわ!……弱い勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
11: 1:2015/3/17(火) 02:07:21 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「弱い勇者が一面で戦死しました」
魔王「だろうな!わかりきってたことではないか!」
大臣「勇ましくトレーニングを積んだそうですが、強くなれず……」
魔王「そんな一日で強くなれるなら、普通に強い勇者がごろごろ居るわ!そうじゃないから勇者は限られるのだ!」
魔王「そもそも何であいつは勇者と認定されたのだ!?自分で言って気付いたわ!心も体も強いから勇者になれるんじゃないのか!?」
大臣「テストやって五教科平均80点でなれますからね」
魔王「そんな簡単になれるのか!?もうちょっと勇者の選定厳しくしろ!だから集まる勇者が屑ばかりになってるのであろう!」
大臣「選定に問題がありましたか……だからヘルドラゴンも倒せない勇者が来てしまったんですね」
魔王「ヘルドラゴン!?え、一面からそんな強そうな魔物が出ているのか!?大魔王、最初から全力であるな!?」
魔王「じゃあその一面突破した肉じゃが勇者って意外と有能なのか!?あれ、選定方法は別に問題ないのか!?」
大臣「問題ないなら今後もそれを続けましょう。そして問題ない次の勇者いってみましょう」
魔王「いや、来てる勇者は問題だらけである!じゃあ間違ってるのか!?わけわからんことなってきた!」
12: 1:2015/3/17(火) 02:08:59 ID:44SiIGczZI
残尿勇者「残尿勇者です……」
魔王「これほど残念な肩書きを我は見たことないぞ!大丈夫かこいつ!?」
残尿勇者「ちょっと大丈夫じゃないですね……トイレ行ってきます」タッタッタッ
魔王「いきなりトイレ行くな!こっから色々話していくんと違うのか!?」
大臣「でも彼は残尿勇者ですから。残尿感あって不安なんだし、そりゃトイレに行きますよ」
魔王「不安でちょくちょくトイレ行ってて、大魔王討伐を行えるのか!?戦闘中に不安になったらどうするのだ!?」
大臣「そりゃ相手の魔物に待ってもらってトイレ行くんじゃないですか?」
魔王「待つわけないだろう!仮に待ってくれるのならば、戦わずに話し合いで大魔王と手を取り合えるぞ!」
ブリュリュリュ!!ブリュリュ、ブリュッヒー!!
魔王「今凄い不快な音が聞こえたぞ!?あいつだろ!あいつ今大きい方出してるだろ!」
大臣「残尿感があるだけで、別に便秘ってわけでもないでしょうしね」
ブリュリュリュ!!ヒハハーアーン!!ブリュ!!
魔王「ノリノリで出してんな!もうこいつ残尿勇者じゃなくて大便勇者でいいだろう!」
魔王「ていうか何で王の間まで音が届いてんだ!?トイレどこにあるのだ!?近いのか!?」
13: 1:2015/3/17(火) 02:10:22 ID:44SiIGczZI
残尿勇者「ふう、すっきりしました」
魔王「だろうな!お腹ん中、超すっきりしたんじゃないのか!?」
残尿勇者「でも何か不安なんですよね……まだ残ってるような……」
大臣「このように残尿勇者は全てを出し切らずに温存する、慎重な性格です」
大臣「ですので、隠し持つ実力と、慎重な戦い方で、大魔王討伐を果たすことでしょう」
魔王「大きい方は出し切ったであろう!小さい方も出し切ってるんじゃないのか!?何となく不安になってるだけではないか!?」
魔王「そもそもそれはお腹や膀胱の話であり、魔王討伐に関する実力は関係ない!こじつけもいいところである!」
残尿勇者「あの、もう一回トイレ行ってきていいですか?」プスー
魔王「どんなハイペースだ!?貴様それで大魔王討伐に行けるのか!?てか今屁こいただろ!?」
残尿勇者「小さい方と……あと、念のため大きい方も……」プップップー
魔王「ガスしか残ってないだろ!小さい方は微塵も残ってない!」
魔王「そんな気がするだけだから開き直れ!トイレはもう行くな!……残尿勇者よ、大魔王を討伐せよ!」
14: 1:2015/3/17(火) 02:12:44 ID:44SiIGczZI
翌日
大臣「残尿勇者が一面で漏らしました」
魔王「漏らしたぁ!?昨日あんだけトイレ行ってたであろう!」
大臣「勇ましくヘルドラゴンと戦ったそうですが、力んだ時に……」
魔王「昨日あれからどんだけ飲み食いしたのだ!もはやガスしかないって状態だったのに!」
大臣「トイレ行くなって言ったの魔王様ですからね。魔王様のせいですよ」
魔王「我のせいというのか!?ていうか、漏らしたから何だ!?漏らしたって戦えるであろう!」
大臣「ヘルドラゴンの前で漏らしてしまい、残尿勇者は恥ずかしさのあまり号泣。ヘルドラゴンも気まずくなって、もう帰りなよって」
魔王「ヘルドラゴン割と優しいのな!?ていうか喋れるのな!?これもう話し合いで解決できるんじゃないのか!?」
大臣「その言葉に甘え、泣きながら漏らしながら帰っていったそうです。お互いに戦える状態ではなくなったみたいですよ」
魔王「……ちなみに、漏らしたってどっちの話だ?」
大臣「大きい方です」
魔王「やはり彼奴は大便勇者ではないか!残尿勇者なんだから、小さい方を漏らして、残尿感は真であったかと締めるとこだろう!」
大臣「そんなこと言ったって残尿勇者も人間なんですから大きい方だってしますよ」
魔王「ネタみたいな存在なんだから、最後までネタに準じろぉ!」
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