尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」
三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」
尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」
三蔵「しかし無駄に毛深いな」
尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」
三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」
尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」
三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」
尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」
三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」
尻「おい」
三蔵「下の毛とか意味わかんない」
尻「おいこら」
929: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/14(水) 12:51:37 ID:PK4ZEzZHf6
三蔵「悟空っ!おい吹っ飛ばされたぞアイツ!」
八戒「……かなり、強い。単純な膂力ならば、姉者すら凌ぐじゃろ」
三蔵「マジか。なんとなくだけど俺、あーゆー怪獣っぽいのってお前らから見たら楽勝なのかと思ってた」
沙悟浄「勝てなくは無いんだよ。オツムも獣だし、厄介な術を使うワケでも無いしねぇ。ただ完全にぶっ倒すとなると、骨が折れるね」
八戒「然りじゃ。毒竜は龍族の中でも、四肢強く戦闘向きのナリをしており、鱗の頑強さ、炎の耐性共に頭抜けておる。ワシならば迷わず逃げるのう、面倒極まりない」
沙悟浄「あれだよ旦那様、熊やら虎やらを素手で仕留められる達人って、人間にも居るだろう?かと言ってその達人にとって、熊や虎は油断できる相手じゃない、みたいな感じさね」
三蔵「おお、なんかわかってきた」
八戒「うむ七十点。その説明ならば合格じゃ悟浄。ほれ、師匠殿はワシが見とるから、お主も手伝うて来い。姉者との連携は良い鍛練になるぞい」
沙悟浄「いやまあ一人で任せるのも悪いし、行くけどさ……てゆーか満点おくれよ厳しいよ」
三蔵「お前はなんで楽しようとしてんだよ」
八戒「じゃってワシあーゆー手合い苦手じゃもん。先のミミズ程度の雑魚ならば良いが、話が通じん上にタフじゃとか、敵として趣味では無い」
三蔵「そこで放心状態の姫さんの前で固まってる忠臣に対して、戦いもせず申し訳なく無いのか諸悪の根元」
八戒「ワシが成り済まさせたからこそ、姫君の命も助かったと言うものじゃ。結果オーライじゃろ」
三蔵「結果出てねぇよ今必死で小龍が結果どーするか考えてるよ見ろよ目がグルグルになってるよ」
八戒「静かにテンパる小龍、面白いのう」
三蔵「おいこの君主そのうち滅びるから転職考えろ小龍」
930: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/15(木) 17:21:53 ID:965sdwRtHU
悟空「伸びて如意棒っ!」
沙悟浄「そこっ!喉元もらったぁっ!」
ガキキキキンッッ!!
黒竜「ゥルルルル……!!」
悟空「うわ硬っ。鱗ってゆーか鎧だねもう」
沙悟浄「んん……悟空姐さんで貫けないんじゃ、アタイが正面からってのは、ちとキッツいねぇ……っと、尻尾くるよっ!」
悟空「おっけ受け止める!回り込んで悟浄ちゃん!」
沙悟浄「あいよ姐さんっ!」
三蔵「……軽く、攻めあぐねてね?」
八戒「あぐねとるのう」
三蔵「そんっなに強ぇのか、あれ」
八戒「強いのう」
三蔵「……これでもか、ってくらいの楽観だな。俺が言うのもなんだが」
八戒「じゃって勝負なんぞヤる前から見えとるし。ほれ悟浄!そこは多少危険を侵しても潜り込まんか!逆に姉者は勇猛過ぎじゃ!良い機会なんじゃから、力押し以外の技も鍛えい!」
沙悟浄「……っさいねぇ、あの幼女……」
悟空「まあ悪びれて低姿勢になる八戒ちゃんとか気持ち悪いから別に良いけどね」
沙悟浄「あはは、だね。……さて、まだ掛かりそうかね?」
悟空「ムチャ振りどこじゃないからねー。も少し運動してよっか」
沙悟浄「ん。……ところで姐さん、もしマジでやるんなら、どんな具合だい?」
悟空「うーん……わかんないけど、倒そうとするなら、お城無くなっちゃうよ多分」
沙悟浄「あー、あーあー。うんやっぱシャオ待とう」
ラーツ「お喋りしながらとは、随分と呑気ですね?……の割には、我がドラゴンに、傷一つ付けることも出来ない御様子ですが」
沙悟浄「……ムッカつくねぇ……スカシた男、嫌いなんだよねアタイ。一発だけヤキ入れちゃダメかねアイツ」
931: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/15(木) 17:23:17 ID:965sdwRtHU
悟空「やめときなよ、シャオくんの邪魔になるかもだし。私ら脳筋コンビじゃ、上手いオチの付け方もわかんないんだから」
沙悟浄「悟空姐さんに言われるとなんか危機感を覚えるね、それ。勉強しようかねぇ……」
悟空「なんでさ失礼な!」
三蔵「……なに?手ぇ抜いてるってコトかアイツら?」
八戒「や、そうではない。二人とも全力で打ち込んでおるし、全力で動いておる。が、倒す算段はしておらぬ、と言う事じゃ。あれは時間稼ぎの場繋ぎじゃて」
三蔵「なんの時間稼ぎだよ」
八戒「んなもん小龍待ちに決まって居ろうが。小龍が出れば勝ち確定なんじゃから」
三蔵「へ?」
フローレ「………黒い……ドラゴン………叔父上……叔母、上…………王子……ローウン王子………」
小龍「……………」
フローレ「死んだ……?王子も、死んだ……?ラーツが……殺したの……?これは、何……?なんなの、これ……?」
小龍「……フローレ、さん」
フローレ「嫌っ!!!」
小龍「……っ」
フローレ「……もう………わからない………!王子が……死んだなら……居ないなら!貴方はなんなの……?」
小龍「……私は」
フローレ「王子だって言ったじゃない!帰ってきてくれたんでしょう!?死んでない!王子は死んでない!!貴方は王子でしょう!?ねえ!?……ねぇ……ローウン……なんでしょう……!?」
小龍「………………その者は、もう、生きてはいません」
フローレ「………う、う、うう……うぁ、うぁぁあ」
小龍「………悟空さん!悟浄さん!」
悟空「おっと、はいはーい」
沙悟浄「ん、終わりかい?」
小龍「………あとは、私が」
932: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 17:59:23 ID:yH514xoAY.
ラーツ「………おや。選手交替ですか?夜明けまでには綺麗さっぱりとさせたいので、巻きで御願いしたいのですけども」
小龍「……同感です」
ラーツ「今度はニセモノさんですか。しかし本当によく似ている……瓜二つですよ。あの小憎たらしい糞餓鬼そっくり……ふふ、同じ様にグチャグチャにしてやりたくなります」
フローレ「……ラーツ…」
ラーツ「おやおや姫、まだそんな所で呆けてたんですか。ま、逃げたところで殺しますが」
フローレ「……なあ、嘘だと……嘘だと……」
ラーツ「まさか貴女、まだこれが悪い夢だとか思ってたりします?現実ですよ現実。フローレ姫の愛しい愛しいローウン王子は………ワタクシが顔面を切り裂き!手足を潰し!この手で心の臓を貫きました!現実は非情ですねぇ姫!あは、あははははは!!!」
八戒「……ふむ。完全に悪に呑まれとるの。手段としての悪行ではなく、其が行為そのものに悦る様になってしまっては、もう手遅れじゃな」
悟空「お兄ちゃんも大悪人だけど、あーじゃないなぁ」
沙悟浄「ま、ああなると悪党とは呼べないね。狂人の類いだよ」
三蔵「で、その狂人の相手、小龍だけで平気なのかよ」
八戒「ほ、意外と心配性じゃの、師匠殿。平気と言うたら平気じゃ」
沙悟浄「旦那様、アタイらずっと旅して来たけどさ。龍に襲われた事、あるかい?」
三蔵「へ?……ああ、そういや無いな」
悟空「龍の棲処になってるよーな山とかも、けっこう越えて来ましたよ実際」
三蔵「……どゆこと?」
八戒「襲われるワケが無いんじゃよ。ワシらには、小龍が居るのじゃから」
933: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 18:01:21 ID:yH514xoAY.
フローレ「………ひ、い……あ、ああ……」
ラーツ「くく、くくくく……予想外に面白いですね。あの気丈で勝ち気な姫が、こうも言葉を失い狼狽するとは……一緒に掃除してやろうと思ってましたが、こんな姫なら飼うのも一興か……ドラゴン!姫を此方へお連れしなさい!」
黒竜「グルルル……ルァァア!!!」
ガギィィンッッ!!!
黒竜「ゥルァッ……!?」
小龍「………やめろ」
ラーツ「……ほぉう。隠しナイフ」
小龍「………“フローレ”に、近付くな」
フローレ「………え……?」
ラーツ「は。剥き出しの正義感……ああ嫌だ。まるであの糞餓鬼本人ですよ。死人を相手にしているようで気持ち悪い」
小龍「……死人を相手にしてるんだよ、お前は」
ラーツ「……はい?」
小龍「…まさか“ボク”を忘れたとは言わせないよ、“ラーツ”。お前に顔を切り裂かれ、四肢を潰され。胸を貫かれた、このボクを」
ラーツ「……やめろ。何の真似だ」
小龍「…何の真似かは、こっちの台詞だ!」
ラーツ「っ!!」
小龍「父を殺し!母を殺し!城の仲間を殺し!……そして今また、ボクの大切な人を……フローレまでも手に掛けようだなんて、許さない!」
ラーツ「…な、なな、何を馬鹿な事を……!?」
フローレ「……ロー……ウン……?」
小龍「……ただいま、フローレ」
フローレ「お、うじ……王子……!」
934: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 18:03:28 ID:yH514xoAY.
ラーツ「ふ、ふざ、ふざけるな!王子はワタクシが殺した!ソイツは、ソイツは王子じゃない!!」
フローレ「生きてる、生きてる……ワタシの王子……!!」
小龍「……ううん。ボクは、死んだ。殺された。……奴に」
ラーツ「ひっ……!!」
フローレ「…死んだ…って、だって、ここに」
小龍「…死んだボクにね。神様が、ふたつだけ、ワガママを許して、叶えてくれたんだ」
フローレ「ふた、つ……?」
小龍「…君に、フローレにもう一度逢うこと。そして」
ヴゥゥゥンッ……!!
小龍「……君を守る力を得ること」
ラーツ「ひ……なな、なんの芝居か知りませんが、も、もういい!殺せブラックドラゴン!全て喰い殺せぇぇえ!!」
黒竜「…グ……ゥルルゥ……」
ラーツ「……どうした!?命令を聞け!殺せ!そ、そうだ炎だ!地獄の黒炎で、全部焼き尽くせ!城なんて、モンスター兵を他国に売り込み、いくらでも稼いで建て直せる!やれ!」
黒竜「……ル、ルァァ……グァァァアッ!!」
小龍「……龍神形態……」
シュウウウウウウ……!!
黒竜「……グゥルゥ……!!?」
ラーツ「あ、あ、あああ、あ」
小龍「……これが、君を守る力………」
フローレ「………白い……ドラゴン………」
935: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/16(金) 18:08:59 ID:yH514xoAY.
小龍「………異形の竜よ」
黒竜「……ゥゥゥ…!!」
小龍「我に、牙を剥くか」
黒竜「……グルゥゥゥ……!!!」
小龍「種が頂点に、逆らうか……!!!」
ゴォォォォッ!!!
黒竜「グ、グゥゥルルッ!?……ゥゥン……!!」
小龍「……そうだ。還れ。二度と人間を襲うな」
ラーツ「な、何をしている!こんな、こんな変なドラゴンごとき」
小龍「…待て。……去る前に、塵の掃除をしていけ」
黒竜「アゥ……ゥルル……」
ラーツ「……お、おい?ど、ど、どうした?か、勝てないのか?に、逃げるなら、ワタクシ、ワタクシも」
黒竜「……ゥルルルルァァァァアッッ!!!」
ラーツ「よ、よせ!!来るな!!うあ、うあああああああああああああああ!!!」
八戒「……小龍は、龍神、竜王が一族、その純血種じゃ。窮鼠猫を噛むやも知れんが、猫は虎には噛みつかぬ。毒竜とは多少血が遠いからの、格の違いに直ぐには気付かんかったようじゃが」
沙悟浄「シャオが居るとね、そこらのノラ悪龍なんて、近付いただけで逃げちまうのさ」
悟空「ってコトですお師匠さま」
三蔵「あ、うん……それはわかったけどさ」
悟空「うん?」
三蔵「小龍のヤツ随分とファンタジーな感じで話進めたなおい」
沙悟浄「ちょっとムリヤリ感あるよね。いけるかね、あれ。あと台詞がクサイんだけども」
八戒「いやオナゴはこーゆーの好きじゃろ。まあ多少演技過剰なきらいもあるが、流石ワシの小龍じゃ。うむうむ、嘘は吐き通せば真となる!」
悟空「シャオくんが一生懸命考えた設定にゴチャゴチャ言うのやめたげて」
936: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:37:57 ID:m4upFD38RM
シュウウウウウウ……
小龍「……フローレ。……終わったよ」
フローレ「………王子……ワタシ……ワタシ……」
…ギュッ……
フローレ「……!」
小龍「……ごめんね。また君を、一人にしてしまう」
フローレ「……なんで………居てよ……ここに居てよ……ローウン……!」
小龍「……人は、甦らない………ボクはもう……この世には居られない……」
フローレ「…嫌だ……嫌だよ………ワタシひとりで、無理だよ……!」
小龍「……見てるから」
フローレ「う、うう」
小龍「見てるから。ずっと、空から、君を。……ボクのフローレ……」
フローレ「うあ、うぁぁぁぁん……!」
悟空「…グスッ……すごいね、純愛だね……」
三蔵「おい悟空、鼻毛湿らせてないでお前ちょっと城内見回ってこい。このラストで敵がまだうろついてたら締まんねーだろ」
悟空「感動ひとつさしてくれやしないよこのお師匠さまは……あれ、八戒ちゃんは?」
三蔵「『どうせ地下あたりに妖魔を造り出していたラボがあるはずじゃ』とか言って潰しに行った。お前も働け」
悟空「あーありそうありそう……で、悟浄ちゃんは何してるの」
沙悟浄「や、こう、うまーくシャオがキラキラと消えてくように幻術をだね?」
悟空「ああ……なんかシャオくんキラキラしてるな幻想的だなぁと思ったら。アシストご苦労様だけどタネを知っちゃうとなんだかなぁ……」
三蔵「えっとつまり、俺らは記憶喪失の男の子を保護してて、それが実は天国からやって来た王子様だった、ってコトにすりゃ良いんだよな。うん」
沙悟浄「だね。アタイらもビックリしてるフリしなきゃねぇ」
悟空「ウチには感動を共有できる人が居ないなあ本当」
937: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:38:39 ID:m4upFD38RM
八戒「ふわぁぁ……寝不足じゃ……」
三蔵「流石に城に長居は出来ねーしな。かと言って城下で宿探すのもマヌケだし」
悟空「……お姫さま、見送りに顔出してくれなかったね」
沙悟浄「城の人間たちに、事の次第を説明してくれただけでも上々だろうさ。ってかアタイら以外は姫さんしか事情知らないんだしね、説明してくんなきゃ困るワケだけども」
小龍「……これで良かったのでしょうか」
八戒「良い。少なくとも、救えるだけの命は全て救うた。これ以上に良い顛末は有るまい」
沙悟浄「あのモノクル野郎がおっ死んで、辺りの邪気も消えたしね。アンタは良くやったよ、シャオ」
三蔵「まあ演技はクサかったけどな」
沙悟浄「アタイ尻がムズ痒くなっちまったよ」
八戒「ワシ後半見とらんのじゃけど、更にか?」
悟空「やめたげてってば!」
小龍「……悪意の無い者を欺くのは……少し、気が咎めるものですね」
八戒「……ほ。お主も、心が成長してきたのう」
沙悟浄「んじゃ成長しないダメ幼女は、とっとと今回の功労者の背中から降りようか?」
八戒「ぬおっ!?これ悟浄、姉弟子をレジ袋みたいに持つでない!……おい師匠殿、何じゃそのノートは」
三蔵「デザイン帳だ。今回のペナルティは選ばせてやろう。幼稚園児ルックと魔法少女コス、どっちが良い?」
沙悟浄「あ、旦那様旦那様、悟空姐さんがちっちゃくなった時用に、もう一着小さめの頼むよぅ♪」
八戒「そうじゃの、肩掛け鞄とか便利そうじゃし幼稚園……では無いわワシを着せ替え人形扱いするでない!ええい離せ悟浄ーっ!」
悟空「さらっと私にまで着せようとしないでくれないかな悟浄ちゃん……シャオくんもう馬から戻りなよ、お城見えなくなったし」
小龍「…はい。では」
ボワンッ
小龍「…まあ、山越えでも無いですし、悟能様も当分解放されないでしょうし……」
「これは驚きです。そんな魔法もあるのですね」
938: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:39:25 ID:m4upFD38RM
小龍「っ!?」
悟空「はへっ!?」
フローレ「ふふ、隣国へ出る道はこれひとつ。待ち伏せさせて貰いました。しかしネズミを白馬にする話は聞いたことありますが、人が化けるだなんて、不思議な魔法です…!」
悟空「うわあああシャオくん隠れてぇぇえ!」
小龍「…いや、もう、遅っ……!」
沙悟浄「ア、アレかい!?とりあえず一発気絶させて記憶を」
八戒「よ、よし悟浄ソレじゃ!」
三蔵「アレでもソレでもねーよやめろ!」
フローレ「ふふ……そんなに警戒しないで下さい、大丈夫、わかっております。サンゾー様、ゴクウ殿、ハッカイ殿、ゴジョウ殿。………そして、シャオロン様……で、良かったでしょうか」
小龍「……!」
八戒「……全て、見抜いておいでであったか?」
フローレ「……騎士気取りの男勝り、そんなワタシでも、一応は女。……この身を抱き締められれば、気付きます。……ああ、あの人じゃ無い、って」
三蔵「女ってすげぇな、俺なんてタワシと悟空の違いもわかんねーのに」
悟空「このシーンでぶち込まれてもスルーしますよ」
フローレ「……きちんとお礼を言いに来たんです。国の危難を救っていただき、本当に……本当にありがとうございました!」
沙悟浄「……ああ、いや、うん………怒って、無いのかい?」
フローレ「…何の怒りがございましょう。あの男の邪な野望を砕いてくれた。ワタシの命を助けてくれた。感謝しか……ございません」
沙悟浄「そ、そうかい?いやぁ姫さん人が出来て」
小龍「……私は、貴女を騙しました」
沙悟浄「ちょ、シャオ?」
小龍「…私は、貴女の大切な方を装い、騙しました。主が命とは言え、他に幾らでもやり様はあったでしょう。しかし、私は最後まで……貴女を欺く事を選んだ」
悟空「シャオくん……」
小龍「……何故、怒らないのですか。憤らないのですか。怨まないのですか」
フローレ「………だって、貴方はそれを選んでくれた」
小龍「……?」
939: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:40:37 ID:m4upFD38RM
フローレ「ワタシが一番、ワタシの心が一番救われる方法を、とってくれた」
小龍「……そんなこと」
フローレ「貴方は、王子の振りをしていたけど……本気で怒ってくれた。守ってくれた。本気で、優しく、してくれた」
小龍「……申し訳…」
フローレ「謝らないで?……嬉しかったの。この人は、彼では無いけれど。この人を、ワタシの元へ導いてくれたのは、きっと、彼だと……きっと……!」
小龍「…フローレさん……」
フローレ「……スンッ……ダメですね。これからは、ワタシがこの国を引っ張っていかなくてはならないのに。……もう、この甲冑姿も最後です。もう、騎士でも……姫でも無く………王に、なるのだから」
小龍「……あ、あの」
フローレ「……ありがとう、シャオロン様。貴方にフローレは、救われました」
小龍「………っ」
フローレ「……もし、それでも。王子を騙った事を、それでも気に病むと言うなら………ひとつだけ。ワタシの願いを、聞いて頂けますか?」
小龍「…勿論です。私に出来る事ならば」
フローレ「……最後に……姫として、最後に、もう一度だけ。……ワタシの王子に、なってください……」
スッ……
フローレ「……ローウン………」
小龍「……ん、むっ……」
沙悟浄「ひゅう♪だいた〜ん♪」
悟空「こんな綺麗なキスシーン、シャオくんしか出来ないね!」
三蔵「言ってて悲しくなんねーのかお前は。……お、流石に不機嫌か、八戒?」
八戒「ふん。………ま、これくらいは、の。許してやるわい」
フローレ「……必ずや、良い国にしてみせます。貴殿方が、また、訪れたくなるような。……また、来てくださいね……きっと」
小龍「……はい。また……きっと」
〜西遊後伝・王子と姫騎士〜
『百花白龍物語』
940: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:43:59 ID:m4upFD38RM
八戒「むう………」
悟空「どしたの眉間にシワ寄せて。あ、やっぱ口は気に食わなかった?頬っぺくらいがラインだった?」
八戒「違う。……隠視術が、解けたのじゃ」
沙悟浄「はん?そりゃあ術者が消えたんだから、ねぇ。何言ってんだい姐さん」
八戒「じゃから違う。今さっき、解けたのじゃ。……小龍と姫君が接吻した辺りで、じゃ」
三蔵「……あ?それおかしくね?」
八戒「ウザったいから意識せんよーにしとったせいで、完全に忘れとったが、解けて気付いた。さっきまで術が掛かっておったのじゃ。……どういうコトじゃ……?術者はあの大臣では無かったのか……?」
〜天界〜
「天蓬水軍艦隊、残存五隻!八割方、墜とされてしまいましたぁ!」
「城内の衛兵も全て出せ!これ以上の突破を許してはならぬ!」
「絶対に下界へ行かせるな!天部官軍の意地にかけて止めるのだ!」
941: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/17(土) 20:44:42 ID:m4upFD38RM
天部武将「ぐぬぬぅ……戦況は一向に好転せぬか……!」
伝令「只今戻りました!」
天部武将「おお!任務御苦労!で、恵岸様はお連れしたのであろうな!?」
伝令「そ、それが……恵岸行者、木叉様………観世音様のマタニティスイミングに付き添うとの事で、参戦叶いませんでしたぁ…!」
天部武将「なにしてんのあのバカップル!?この非常事態に!!まだ生まれてもねぇガキの胎教より必死で戦ってる部下を気遣えよ!!てゆーか、てゆーかぁぁあ!!!」
伝令「お、落ち着いて下さい隊長…」
天部武将「オメーの弟だろうがぁぁぁぁあっっ!!!」
哪吒「ウチを下界へ行かせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええっっ!!!あの辺一帯、焼け野原にしたるんやぁぁぁあっっ!!!」
天兵「ナ、ナタ様!どうかお鎮まりをひでぶっ!!?」
哪吒「鎮まれるワケあるかぁボケナスがぁぁあ!!!ハグまでは、ハグまでは我慢した!ウチ我慢したぁ!」
天兵「なんの話でぐぼえっ!!?」
哪吒「でも!でもでも!キ、キキキ、キシュシュ……キスは許されへんんんんん!!!ウチのシャオ様の唇ををを……相手が誰や知らんけど、国ごと消し去ったるぅぅぅうう!!!」
天兵「いやいやナタ様!?国とか消しちゃダメですってうぎゃぁぁあ!!?」
哪吒「シャオ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!うわぁぁぁぁんっ!!!」
おしまい。
942: 名無しさん@読者の声:2015/1/20(火) 01:35:00 ID:3B/Y4RmXm2
盗み見はお前かwww
943: ヨシュア【新春特番いまさら】 ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:25:28 ID:yH514xoAY.
〜西国、とある宿屋〜
悟空「あー!ダメだってば花瓶いじっちゃ!うあぁもうそんなもの口に入れちゃダメ!こらー!」
太上老君「ひょひょ……大変そうぢゃの、石猿」
悟空「そうだよ大変なんだよだからSOS飛ばしたんだよ何とかして!うわぁん!」
太上老君「ふぅむ……やはり原因は、如意金箍棒の暴走ぢゃな……籠められた仙力が不安定になっておる。漏れ出した力が、皆に影響を及ぼしたのであろうのう。そもそもこれは天海の支柱として造られ……」
悟空「そんな能書きはどうでも良いから何とかしてよ!痛たたた尻尾引っ張んないでってばぁ!」
さんぞー「しっぽモジャモジャしてやんのー!きもちわりー!」
はっかい「かびんをたおしたのはオヌシじゃからな!ワシはしらんぞい!」
ごじょう「ふ、ふえぇ……ちがうよう、ごじょーじゃないよぅ……!う、うぇぇ……!」
しゃお「……あぶ」
太上老君「……カオス此処に極まれり、って感じぢゃなぁ……お主が無事なのはアレぢゃろな、耐性がついとったのぢゃろう。皆々幼くなってしまわず良かったのう、それこそ儂とかに連絡も出来んかったしの」
悟空「冷静に解説してないで助けてよおやじさん!ぎにゃぁぁお師匠さま捻らないで千切れる!八戒ちゃん割ったら大変だから花瓶触らないで!悟浄ちゃんも泣き止んでってうわぁぁぁあシャオくん今何を口に入れたの!?ペッしなさいペッ!」
太上老君「一応、持ち帰って調べてみるかの、如意棒借りるぞい。まあいつものお主と同じで、時が経てば元には戻るとは思うが」
悟空「えええええおやじさん行っちゃうのぉ!?一人にしないでよぉせめて誰か連れてきてくれるとかっ!」
太上老君「いや、儂のような老体が居たところで、すぐに疲れて使い物にならんぢゃろし。かと言って、天部も危機的な人手不足ぢゃしのう……お、そうぢゃ、金角銀角姉妹ならば暇しとるからすぐにでも」
悟空「幼女増やしてなんになるってのさ、あぁぁん!?」
太上老君「冗談ぢゃ冗談ぢゃ、年寄りの胸ぐらを掴むでない。沙悟浄の嬢ちゃんみたいになっとるぞ、石猿。ひょひょひょ」
悟空「冗談じゃない状況で冗談言うなーっ!ううう、みんな元に戻ってよぉぉぉぉおおっ!!!」
『超短編・孫悟空の災難』
944: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:26:50 ID:yH514xoAY.
悟空「……うう、本当に帰っちゃったよおやじさんめ……そりゃさ?如意棒のせいならさ?責任は私にあるかもしれないけどさ?もう少しこう、協力してくれる姿勢をしっぽぉぉぉお!!?」
さんぞー「あははは、しっぽひっぱるとさけぶ!へんなのー!」
悟空「離しなさいっ!ダメっ!ここデリケートなとこっ!くぅ、お師匠さまがこんっっな悪ガキだったとは……!」
さんぞー「なにおこってんだよ、おっとなげねー!こどものイタズラにおこるとか、そーゆーのウツワがちっさい、っていうんだぜー?」
悟空「ムッッカつくぅ……!ちょっと口が立つあたりがお師匠さまっぽいそれがムカつくぅ……!これはいっそ教育のし直しを」
ごじょう「うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええんっっ!!!」
悟空「うるさっ!?」
ごじょう「ひっく……ひっく……ひぃぃぃんっ……!」
はっかい「ふん、すぐになきよってからに。なきむしなヤツじゃ、まったく」
悟空「ああもう泣き止んでよ悟浄ちゃん!あんまうるさいと宿屋さん追い出されちゃうからぁ!しかしまさか悟浄ちゃんが泣き虫キャラとか……まあでもちっちゃい頃はこんなだったのかもだよね、今やタダのヤンキーだけど。どこで間違えたんだか……そんで……」
ごじょう「うぇぇ……やーのぉ!やぁぁのぉぉぉお!ごじょーのパンツとっちゃイヤなのぉ!」
はっかい「じゃからパンツがほしいわけではないわい!そのなかみをみせろというとるのじゃ!かんねんせい!」
悟空「そんでなんでキミは全くもって一切ひとっつも変わらないかなぁ!?見た目もあんま変わってないけど中身も変わってないよ!?なに八戒ちゃんって子供の頃からそうなの!?性欲が具現化して生まれた何かなの!?」
しゃお「……あぶぅ」
悟空「おっとシャオくん。どしたの、抱っこ?……よいしょ、っと。軽いなぁ……だけど何故にシャオくんだけヨチヨチ歩きの赤ちゃんなのかなぁ。みんなだいたい人間で言う四、五才くらいなのに………うう、可愛いすごく可愛い。こんなうるさい中で赤ちゃんなのに泣かないし、唯一の癒しだよこの子は……」
しゃお「……だぁ……ぶっ」
悟空「そんで赤ちゃんってなんか暖かくて良いよね命を感じるよね……あったかい………うわぁっ!?なんかヤケに温かいと思ったらお漏らしだ!シャオくんストップストップ、そっかオムツとか必要なんだ……って」
しゃお「……あぶぅぅ……はふぅ……」ジョジョジョジョ
悟空「うわぁぁぁあ!?なんか床から草とかキノコとかめっさ生えてきた!シャオくんオシッコとめて!足下が大変な事になってる森の神様みたいになってる!」
さんぞー「すげー!もりだもりー!」
はっかい「おお、キノコじゃの。そうじゃしっとるか?キノコはの、パンツのなかのソコに入るんじゃぞ?」
ごじょう「う、うそだぁ!はいらないよぉ……こわいよぅ、やめてよぉ……!」
しゃお「……うぶ」ブルルッ
悟空「止めてお願いーっっ!!!」
945: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:27:48 ID:yH514xoAY.
悟空「はあ……はあ……なんとか伐採したけど、やっぱ床下から突き抜けてたよ……どうしようコレ。弁償いくら掛かるんだろ、お金余ってたかなぁ……」
小龍「……すぅ……すぅ………」
悟空「あははは天使の寝顔だねぇ……宿屋の女将さんにオムツ貰えて良かった……しかもその上」
はっかい「うむ、びみじゃ!」
ごじょう「……にんじん、たべれない……」
さんぞー「もったいねーな、おれがたべてやるよ!」
ごじょう「あ、ありがとお……」
悟空「お昼予約してなかったのに、賄いのシチューまで出してくれるなんて……うう、子連れだと人の優しさが身に染みるね……!シャオくん用に粉ミルクも貰ったけど、寝てるし後で良いよね……さ、私も食べ」
ごじょう「うぁぁぁぁぁんっっ!!」
悟空「うえええ何よもうゴハンくらい静かに食べようよ私が言うのもなんだけど!」
はっかい「オヌシはスキきらいするからの、どーせコレもキライじゃろ?ワシがくうてやる!」
ごじょう「お、おにくはたべれるもん……う、うう…!」
悟空「うわぁもう、八戒ちゃん、八戒ちゃんがめんどくさぁい……!」
さんぞー「おい!おまえイジメっこだぞ!よわいヤツをなかすのはカッコわるいんだからな!」
はっかい「ふーんじゃ!ワシなんもしとらんもーん!べろべろばー!ぶたのけつー!」
ごじょう「あう、あう……」
悟空「……なにあれ。何あの構図。さっきまで私のことさんざ苛めてたクセにお師匠さまめ……あと八戒ちゃんはもうどーしよーもないね、根っから大魔王なんだね」
ごじょう「うう、ううう、おね、おねぇちゃあん……ぐすっ……」
946: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:28:27 ID:yH514xoAY.
悟空「あよ、どったの悟浄ちゃん。……てかほんとオドオドしてるなぁこの悟浄ちゃんは……」
ごじょう「ケ、ケンカ……ごじょーのせいなの……!や、やめさせてあげてほしいの……!」
悟空「……う。やだなぁあの悪ガキコンビの間に入るの………うーん……ご、悟浄ちゃん?」
ごじょう「…ふぇ?な、なに?」
悟空「えっとほらアレだよ……うん。ケンカはやめて、って、まずは自分で言わなきゃ、ね?」
ごじょう「じぶんで……?」
悟空「そうだよー?悟浄ちゃんはケンカ嫌なんでしょ?じゃああの二人に、悟浄ちゃんから言うの。きっと止めてくれるよ?」
ごじょう「……でも、さっき、やめてっていっても、パンツぬがすのやめてくれなかったの……おにくも……」
悟空「あ、うん訂正訂正。あの仔豚ちゃんには言わなくていいや。お師匠……さんぞーくんに、言ってみな?」
ごじょう「うう……ごじょー、うまく、いえない……」
悟空「ダメだよそんなんじゃ!言いたい事はバシッと言うの!はっきりくっきり喋らなきゃ、気持ちは伝わらないんだよ!」
ごじょう「きもち……つたえる………わ、わかったの……ごじょー、いってくるの……!」
悟空「ふふふ……こうやって少しずつ成長していくんだね……頑張れ悟浄ちゃん!」
さんぞー「あんまりわるいことばっかりすると、ぶつぞ!」
はっかい「おんなにてをあげようとは、みさげはてたおとこじゃ!」
ごじょう「……ね、ねえっ!」
さんぞー「ん?なんだよじゃますんなよ!わるものをこらしめるんだから!」
ごじょう「えっとね……うんとね………!」
はっかい「なんじゃハッキリせんのうウジウジと!」
ごじょう「えと、えと………さ、さんぞーくんっ!ご、ご、ごじょーとけっこんして!」
悟空「おっとそこまで頑張れとは言ってないよ何の気持ちを伝えてんのよ」
さんぞー「お、おまえなー!け、けっこんとか、こどもはできないんだぞ!おっきくなってからなんだぞ!」
ごじょう「……じゃあ、じゃあ、おっきくなったら、してくれるの……?」
さんぞー「うっ……い、いいよ、べつに……」
悟空「あーあ了承しちゃった。お師匠さまダウトだね終了だね」
947: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:29:28 ID:yH514xoAY.
さんぞー「……くぅ……くぅ…」
ごじょう「………んぅ……さんぞーくん……」
はっかい「……ほほ……きれいなマン」
悟空「八戒ちゃんその寝言ストップ!……っと、やばやば、起こしちゃう起こしちゃう……やっと寝てくれたんだしね、もう私も限界だしね……」
さんぞー「……うぅん……すぅ……」
悟空「……良いなあ私も眠いなあ………ちょ、ちょっとだけなら、良いかな?横になるだけ、横に……」
しゃお「……あぶ……あぅぅう」
悟空「うおっ?えええ起きちゃったのシャオくぅん……も、もっかい寝ようよ、ほら悟空お姉ちゃんが子守唄を」
しゃお「あ〜……ぶっ!あぅぅ、あうぅぅ」
悟空「ウソぉぉおここでシャオくんがグズるのぉ!?えっなにどしたの、オムツは平気っぽいし……あ!お腹すいたのか!そりゃそうだ!」
しゃお「あぅ、だぅぅう」
悟空「ごめんごめんシャオくん、今ミルク作ってあげるから待っててね……え?どしたのもう、ダッコ?わかったわかったから、泣かないでね〜?」
しゃお「……あぶ。……ぁんま。ぁんま」ゴソゴソ
悟空「へぅっ!?ちょ、シャオくん何を、ダメダメダメ、ほんと何してっ」
しゃお「……ぁんま、ぁんま。……ぅぶ」
ボロンッ
悟空「うわぁぁおっぱい丸出しにされた!……え?……あの、シャオくん?小龍さん?あなたまさか、いやあの、まさか」
しゃお「……ぁんま!」
悟空「だぁぁぁぁあ!ダメだよなんも出ないよそっからは!ミルク、ミルク作るから、あの、お願い、やめて」
しゃお「…あぁ〜」
悟空「ダメだってばシャオくん小龍×悟空とかやっちゃいけないカップリングだよ方々から怒られるよ主に私が!」
カプッ
悟空「はふん」
948: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2015/1/20(火) 15:31:40 ID:yH514xoAY.
三蔵「……つまり、俺らは幼児になってたと。いつもの悟空みたいに」
太上老君「うむ。記憶も飛んでおったからの、覚えては居らんぢゃろが。思うたより早く元に戻ったのう。……で、石猿は、疲れて爆睡ってトコかの?」
八戒「みたいじゃな。気が付いたら夕刻じゃし、姉者は寝こけとるし、全く意味がわからんかったわい」
小龍「しかし如意棒の暴走ですか……平時だから良かったものの、笑える話ではありませんね」
太上老君「ひょひょ、まあ心配には当たらんよ。これでもかと仙力を籠めてやったからの、向こう百年はこんなことはあるまいて。強く使う度に石猿が縮んでしまうのは、メカニズムがようわからんで直せんかったが」
沙悟浄「あ、それは良かったよぅ♪毎度あの女狐に頭下げてちっちゃくしてもらうのは、勘弁だからねぇ♪」
八戒「姉者も難儀じゃの……ま、ワシは根が品行方正じゃからの、手の掛かる幼子では無かったハズじゃが」
三蔵「それなら俺もだ。大人しく真面目な良い子だったと自負している」
小龍「……悟浄さんあたりが、お転婆で手を焼いたんじゃないですか?」
沙悟浄「否定は……出来ないけどねぇ。いやいや、アンタがちっこい火ぃ吹きまくってたとかじゃないのかい?」
小龍「……ありそうですね」
三蔵「あるのかよ怖ぇな龍族の子供」
八戒「何にせよ、たかが半日程度の子守りでへこたれるとは情けない姉者じゃのう、ほっほっほ」
悟空「……むにゃ………」
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