尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」
三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」
尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」
三蔵「しかし無駄に毛深いな」
尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」
三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」
尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」
三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」
尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」
三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」
尻「おい」
三蔵「下の毛とか意味わかんない」
尻「おいこら」
580: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/13(木) 21:43:10 ID:AO31P0pYAc
観音「ナニを大ウソ教えてるんですか玄奘三蔵!やっぱ貴方が如来にならなくて良かった!じゃ、じゃなくて………な、なんで……?それまだ内々の事で、一部の者しか知らない筈なのに……!」
八戒「最新号に書いてあったのでの」
観音「………さ、最新号?」
八戒「……ええと、これじゃこれじゃ。ほれ」
観音「手紙……?ええ…と……『愛しのシャオ様へ』『貴方のナタより』………こっ、恋文じゃないですかコレっ!」
八戒「まあ、そうとも言うの」
観音「……うわあ、ホントだ………コッチの事情が事細かに書いてある……」
悟空「観音さま、麻婆豆腐が得意料理らしいですね!私も食べたい!」
観音「そ、そんなことまで!?……うー、でも恋するナタちゃんに悪気は無いし………あ、でも玉龍、偉いですねえ。『いつもいつもお返事を頂く度、御達筆に惚れ惚れ致しております』って書いてありますよ、ふふ♪ちゃんと返事を送ってあげてるんですね、まあ他の者に読ませちゃうのは良くないですけど……」
小龍「………?」
八戒「ああ、ちゃんと書いとるぞ。ワシが」
観音「なんで!?」
八戒「なんで、って……小龍はワシの所有物じゃからして、それはつまりワシに来た手紙じゃろ?天界(うえ)の様子も知れて、なかなか面白い文通じゃ。のう小龍」
小龍「…はい。天部もたまには役に立つんですね」
観音「な、な、な……!?げっ、玄奘三蔵っ!孫行者!沙和尚っ!?アナタ達っ、まさかこんな非道を知りながら、見過ごしてっ!?」
三蔵「んなこと言われましても……なあ?」
悟空「八戒ちゃんとシャオくんだからねぇ……」
沙悟浄「あのガキが男だとかそーゆーコト以前に、惚れる相手を間違えたね。ご愁傷様」
八戒「む、この魚、骨が鬱陶しい。小龍」
小龍「…はい、お待ちを」
観音「……な、なんて可哀想なナタちゃん……!」
581: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/14(金) 21:59:17 ID:QHnE6yOsIM
三蔵「ま、ま、とりあえず飲みましょう観世音様」
観音「うう……もう私、可哀想過ぎてナタちゃんを直視できない……」
八戒「で、なんなんじゃ?」
観音「……はい?」
沙悟浄「はい?じゃないよ。アタイらに、なんか用があったんだろう?」
悟空「もぐもぐ……え?お金くれにきたんじゃ…はふはふ……ないの?」
観音「あげたワケじゃありません貸したんですっ!そ、そーでした、大事な用件を忘れてました……!」
小龍「…忘れる程度の用件なんですね」
観音「ねぇそんなに私が嫌いですか玉龍!?私が何をしたと!?………おほん。…孫行者」
悟空「むぐむぐ………ふぁい?」
観音「貴女に逮捕状が出ています」
紅孩児「………へぇ。あちこちで悟空が暴れてる、って聞いては居たけど」
「……………」
紅孩児「………ここまで瓜二つとは、ね。物凄い精度の変化術だよ」
偽悟空「………ギュウマオウの子、コウガイジ……」
紅孩児「これは光栄だね、僕もボチボチ名が売れてきたかな?なるほど、見た目だけじゃなさそうだね。各地で名のある仙人や妖仙を潰しただけはあるかも」
偽悟空「………キキキ…!」
紅孩児「黄眉大王殿……牛魔が一味に手を出したのが運のツキだよ、ニセモノさん。牛魔の流儀によって、我が火炎槍が焔を受けて貰おう」
虎力大仙「………本音は?」
紅孩児「悟空のニセモノとか超欲しい悪戯したいお持ち帰りしたい!」
582: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/14(金) 22:01:21 ID:QHnE6yOsIM
虎力大仙「珍しく管轄外に出張ると思ったら、やっぱりそぉゆぅ……」
紅孩児「だって虎力さん!いま悟空西の外れなんだよ?父上が居ないから仕事忙しくて、そうそう会いに行けないし!………あ、ヤキモチ?」
虎力大仙「誰が。牛魔王様、ご旅行なさってるんだっけ?」
羊力大仙「うむ。なんでも東国にヤマトなにがし……とか言う強者が居ると聞き、奥方様達を連れて……全く、主の留守を狙うとは卑怯な輩である」
鹿力大仙「しかしマジでサル女そっくりだな、コイツ」
紅孩児「でもなんか違和感があるんだよね。その変なマントのせいかな?せっかくの悟空のナイスバディを隠しちゃって、勿体無い。それ脱いでよ邪魔臭い」
偽悟空「…………よし……オマエも潰す……!」
バサッ
紅孩児「………なっ…!?」
悟空「ちょ、私なんもしてないよ!?なんで逮捕されなきゃいけないのさ!」
三蔵「剛毛罪とかじゃねーの?」
悟空「なにそれ響きだけ聞くと強力な育毛剤みたい!毛深くて誰に迷惑がかかるってんですか!」
沙悟浄「じゃあ巨乳罪なんてのはどうだい?」
八戒「ほほ、確かに豊満な乳房は、男を惑わす魔性の罪とも言えるのう」
悟空「残念ながら殿方を誘惑出来た試し無いけどね………うう、何がダメなんだろう………?っと待った。どうせ色気が無いって言うんでしょ、わかってるよ自覚してるよツッコミはノーサンキューだよ!これ以上私を苛めるのは許さないよ!」
八戒「いやワシは毎日のように姉者の乳に欲情しとるぞ?」
悟空「八戒ちゃん女の子じゃん………あと毎日はやめようか流石に引く」
583: 名無しさん@読者の声:2014/2/15(土) 13:09:58 ID:zs6HkdJN8o
剛毛罪ワロタwww
ワロタ……
584: 名無しさん@読者の声:2014/2/15(土) 18:34:19 ID:6KdyPMHBok
ワロタ…
ワロタwwww
585: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/15(土) 20:08:50 ID:ta8SXDI.Mc
沙悟浄「…しかしニセモノとはね。悟空姐さんもいよいよ人気者だねぇ」
八戒「姉者に濡れ衣を着せて天に捕らえさせるつもり、とかかの。なんにせよ下らん悪事じゃ。まあ師匠殿の一件は、天部とワシらしか知らぬから無理は無いが」
小龍「…一応今の天部は味方のようなモノですしね。一応」
悟空「……うー、私そんな人に恨まれるよーな覚えは………うん星の数ほどあるやゴメンナサイ」
三蔵「そりゃお前伝説の犯罪者だもんな。しかし観世音様、『そーゆーワケですから何があるかわかりません!気を付けて下さいね!』って……毎度毎度アバウトなんだよあの人、どう気を付けろと」
沙悟浄「しかし相変わらず威厳の『威』の字も無かったねぇ。ただのキャンキャンうるさい小娘じゃないか、もう」
悟空「でもお金貸してくれたし、優しいよやっぱり」
八戒「財布ごと借りようとしたら泣いて断られたがの」
悟空「たぶん普通の人は泣いて断るよそれ」
三蔵「まああんま借りれなかったけど、なんとか無事に宿にも入れたし。明日考えよーぜもう眠」
悟空「お師匠さま伏せてっ!」
バリィィィィンッ!!!
三蔵「えっ何痛い痛い悟空押さえつけるなっ!」
???「…………あら、避けられちゃったわ、ふふっ」
悟空「誰ですかっ!」
八戒「タイミング的に今回の件か、いつもの師匠殿狙いか………しかしなにも窓ガラスを割って侵入せんでも、扉の鍵なぞ閉めとらんと言うに。それ弁償するのお主らじゃからな」
沙悟浄「……三人、かい。屋根に居る奴も出てきな」
小龍「…宿の部屋で襲われるのは初ですね。ハタ迷惑な」
586: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/15(土) 20:10:17 ID:ta8SXDI.Mc
???「……流石に反応が素晴らしいわね」
???「……そりゃそーだよ、なんたって三蔵さん一行だもんっ♪」
???「……だぁから寝こけんの待ってからブッ殺したほぉが楽だ、っつったんだよ俺ぁよぉ」
沙悟浄「ああん!?なぁにブツブツ言ってんだい気持ち悪い!フードなんて被ってないで顔見せな!」
八戒「いや、待て悟浄、この声………」
???「顔ですって、うふふ」
???「えー、そんなに見たいんなら、見せてあげても良いケドぉ……♪」
???「言われなくても脱ぐっつんだバァカ。暑ぃんだよココ死ねよ」
ファサッ
小龍「………っ!?」
沙悟浄「は、八戒姐さん………シャオ…………ア、アタイ……!?」
八戒「…これは、驚いた」
悟空「え?え?み、みんなが二人居る…!?」
三蔵「あ痛たた………うお、そっくりじゃん凄っ!」
ニセ沙悟浄「期待どおりのリアクションね。まあ、驚かない方が変よね」
ニセ八戒「むう、皆さんそんな怖い顔して武器なんか構えて………おこりんぼさんは、めっ、だよっ!」
ニセ小龍「あぁにガンくれてんだよテメェら、ケツから手ぇ入れて奥歯ガタガタいわせてやろぉか、おお?」
悟空「でも似せる気微塵も無いよこの人たち!中身完全に別人だよ!」
三蔵「特に小龍の顔でそれはやめて欲しい夢に出る」
587: 名無しさん@読者の声:2014/2/15(土) 20:50:52 ID:Uxv1Lbls5g
ニセシャオ君
これはこれで……イィ
588: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/16(日) 12:11:00 ID:DJ2yaRdHnQ
小龍「…つあっ!」
ニセ小龍「うらあっ!」
ガッ!!ガガッ!!
小龍「…蹴りには、蹴り。掌底には掌底………そこまで真似ますか」
ニセ小龍「るっせぇよウゼェよとっとと死ねよ。てかなんで火ぃ吐かねぇんだよ龍だろテメェ」
小龍「…この町中で何を。火事になってしまいますよ」
ニセ小龍「はっ!放火魔がなぁに言ってんだ?イイコちゃんぶってんじゃねぇぞ犯罪者ぁ!」
小龍「……………」
ニセ小龍「あんだよその顔。もしかしてキレたか?ヒャハハハハハ!ボクちゃん怒っちゃったか!」
小龍「……私は、こんな下品な笑顔が出来るんですね………」
八戒「金剛と化せぃ九歯馬鍬ぁ!」
ブォンッッッ!!
ニセ八戒「ふえぇっ!?……あ、あぶなかったあ………ぼーりょく反対だよっ!ぷんぷんっ!」
八戒「………虫酸が走る。ワシの姿で気持ちの悪い喋りをするな……」
ニセ八戒「そんな悪いコには、オシオキするんだからねっ!えっと、こんごーとかせっ!きゅーしまぐわーっ!」
ガキィィィンッ!!!
ニセ八戒「むむっ!あたってよもうっ!」
八戒「……と、初めは思うたが………ふむ。ふむふむふむ…」
ニセ八戒「な、なに?なにニコニコしてるの?」
589: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/16(日) 12:12:20 ID:DJ2yaRdHnQ
八戒「………こんなワシは、どんな風に啼き喘ぐのか……今ワシ興味津々じゃ…!」
ニセ八戒「…ひっ!?」
八戒「膂力も速力も互角と見える……………そぉゆぅ箇所も、同じなのかのぉ………ほ、ほほほほ………!」
ニセ八戒「な、なんか怖いよっ!?よ、よらないでぇっ!」
ニセ沙悟浄「きゃっ……!?」
沙悟浄「てあっ!ふっ!そおらっ!」
ギュンッ!!ビュオッ!!ガガガッ!!
ニセ沙悟浄「ふふ、そんな急がなくたって良いじゃない。ちょっとくらいお喋りしましょうよ?」
沙悟浄「降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよ!散撃呪っ!」
キィィンッ!!!
ニセ沙悟浄「あら、実体の攻撃が読めちゃったわ。『沙悟浄』って幻術が効かないのね」
沙悟浄「………ちっ…!」
ニセ沙悟浄「なにイライラしてるのよ、さっきから」
沙悟浄「黙りなっ!アタイの姿で………気に食わない…!」
ニセ沙悟浄「あらあら。まぁ貴女、言葉遣いが荒いものね、女の子なのに。名高い盗賊さんは、女を強調する自分を見たくないモノなのかしら?」
沙悟浄「…………って………んだよ……!」
ニセ沙悟浄「?」
沙悟浄「………そんなことはねぇ……どぉだって良いんだよ……!」
ニセ沙悟浄「そんな怒るほど変かしら、私」
沙悟浄「違うよアタイだけ微妙なんだよ媚びロリ八戒姐さんと極悪シャオみたいにインパクトが無いんだよっ!捻りなよもっとっ!」
ニセ沙悟浄「……はい?」
沙悟浄「お嬢様言葉とか気弱キャラとか色々あったろーがっ!なんだいその普通さは地味かアンタは!うわぁ地味ってゆーな!アタイは地味じゃないっ!」
ニセ沙悟浄「いや何に怒ってるのよ貴女」
590: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 00:33:47 ID:ld1lzIwMT6
八戒「ふむふむ………どうやら動きの型から、潜在妖力までも真似られ………いや、コピーと言うた方が良いか……」
ニセ八戒「ひ、ひううっ!来るな来るな手をワキワキさせるなぁっ!こっ、こんごーとかせっ!きゅーしまぐわーっっ!!」
ブウンッ!!
八戒「おっ……と。コレじゃ。コレは実に驚きじゃ。ワシら本体のみではなく、手持ちの得物すら具現化するとは。……しかし此方が使うた技しか出さぬ………つまりそれを一度『視ぬ』ことには模せぬ、という事かのう」
ニセ八戒「ぐっ……!そ、そんなことないもんっ!」
八戒「図星か。それならば貴様らなぞ、ワシらの敵では無いわ。天下の玄奘三蔵が弟子に喧嘩を吹っ掛けた事、骨の髄まで後悔するがよい……!」
ニセ八戒「ふぁぁあん怖いよおおっ!!セリフよりその濁った目とちょっと赤い顔が怖いっ!!手の動きが怖い中指の動きが速い怖いいいいっっ!!!」
ニセ小龍「待ちやがれガキぃ!逃げられると思ってんのかバァァカ死ね!」
小龍「…脚力が変わらないと言うことは、追い付かれもしませんけどね」
ニセ小龍「ははぁ、町から出ようって魂胆か!ヒャハハ!そしたら気にせず炎を吐けるもんなぁ?優しい優しい放火魔さんよぉ!」
小龍「……違いますよ。……此処で良いです」
ニセ小龍「……あぁ?何がしてぇんだテメェ」
小龍「…私のブレスがお望みでしたね。見せてあげますよ、真っ赤な炎を」
ニセ小龍「ヒャ、ヒャハハハハ!!そぉかどうでも良くなったか!この俺殺したさに、町なんか燃えても構わなくなったワケだ!良いぜお前、それでこそ犯罪者だぁ!」
小龍「…………」
ニセ沙悟浄「……ねぇ、どこまで行くの?怒ったり走ったり、忙しない人ね、貴女」
沙悟浄「鬼ごっこが嫌なら、さっさと踵を返しな!その瞬間、首を跳ばしてやるけどねっ!」
ニセ沙悟浄「…何が狙いかしら。スタミナ切れを狙ってるなら無意味よ?体力だって貴女と……っと」
沙悟浄「…ん、此処かね」
591: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 00:38:53 ID:QWZu1jwT1Q
ニセ沙悟浄「………ずいぶん狭い路地ね。禅杖を振り回すには向いてないんじゃない?お互い」
沙悟浄「降魔杖よ!沙僧が名において力を見せよっ!」
ニセ沙悟浄「…ここでまた幻術?懲りないわね………それは効かないって、貴女が一番解ってる筈なのに」
小龍「……火龍咆哮っ!!!」
ゴオオオオオオオオオオオッッ!!!
ニセ小龍「来た来た来たぁぁあっ!!おんなじ威力で相殺してやんぜぁ!!……すぅ……火龍咆哮ぁぁあ!!!」
オオオオオオオオ……!!!
ニセ小龍「……………あ?あ…?え、あれ?か、火龍咆哮っ!かりゅ、火龍咆哮おおっ!!?な、なんで出ねえんだよっ!!?視たじゃねぇか俺っ!!これ、これを……う、うわぁぁあっ!!!火っ、火がぁぁっ!!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオオオッッ!!!
ニセ小龍「あがっ………!!?」
沙悟浄「……ニセモノの炎にビビってんじゃないよ、ニセモノさん。んったく、そんな喋りでシャオのイメージ壊すんじゃないってんだ。シャオはねぇ……」
ニセ小龍「……て、めぇ……!」
ズシャッ……
沙悟浄「……シャオは、もっと口が悪いよ」
小龍「…どういう意味ですか、悟浄さん」
沙悟浄「おっと、聞かれてたかい。そっちは?」
小龍「…問題なく」
ニセ沙悟浄「………幻術……じゃ………なか…………った………ぁ………!!!」
592: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 00:41:05 ID:QWZu1jwT1Q
沙悟浄「うわ……黒焦げの自分、ってのも気味が良いモンじゃないねぇ………」
ニセ沙悟浄「………幻術に……見せかけ………て…………だから………狭く……入り組んだ…………!!!」
ニセ小龍「………きっ……たねぇ………!!」
沙悟浄「喧嘩に汚いもクソもないさね。入れ替わったのに気付かない方がマヌケってもんさ」
小龍「…逆鱗に触れさせるまでも無かったですね。紛い物のド三流が、なに調子に乗ってるんですか不愉快な」
沙悟浄「……ほら、口が悪い」
シュウウウウウウ………
沙悟浄「……!」
小龍「……これは…」
悟空「八戒ちゃん見つけたっ!」
八戒「ん?おお、どうした姉者、師匠殿。まさかワシを心配して来たのか?それは心外じゃぞ、ニセモノ如きに負けるワケ無かろう」
悟空「いや、そこじゃなくて、お師匠さまが」
三蔵「お前自分のニセモノすら手籠めにしそうだから止めに来た。ムリヤリ、ダメ、ゼッタイ」
悟空「いくら八戒ちゃんでもそこまで変態さんじゃないよ、って言ったんだけど」
八戒「む、無理矢理では無いわい。………たとえ無理矢理じゃったとしても、結果気持ちよくしてやれば良いのじゃろ?」
三蔵「いやどんな理屈だよ」
悟空「そこまで変態さんだったよ……」
593: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/18(火) 12:10:07 ID:BvessgMNn2
八戒「ま、師匠殿の心配は大当りじゃったが………未遂じゃから見逃せい。ほれ」
ドサッ
悟空「………なにこれ」
八戒「狒狒じゃな」
三蔵「なんで猿が倒れてんだよ」
八戒「先のニセモノじゃ。叫んで気絶した途端、この姿になりおった。見たところ妖では無いのう、只の獣じゃ」
沙悟浄「未遂で良かったねぇ八戒姐さん。サルを相手にするところだったワケだ」
八戒「おお、悟浄に小龍。お主らも終わったか。……ふむ、建物の焼ける臭いはせんの。相手に炎を使わせず、上手くやったのじゃな小龍」
小龍「…いえ、悟浄さんのお蔭です。流石に私のブレスを乱発されては、周囲の被害は防げませんからね」
悟空「そっちもおサルさんが化けてたの?」
沙悟浄「うん、どうみても普通のサルだったね。頭がお粗末だったから、大した奴が化けては無いと踏んではいたけどさ……なんでこんなのが襲ってきたのかねぇ」
三蔵「悟空友達だろ、起こして聞いてみろよ」
悟空「いやお師匠さま、いくらおサルさんだからって違いますよ知りませんよ」
三蔵「えー、だってお前いつも『毛深い奴は大体友達』って」
悟空「言ってませんよ!なんですかその『悪い奴は大体友達』みたいな言い方やめて!」
594: 名無しさん@読者の声:2014/2/18(火) 20:39:05 ID:0HDyW1Q4Mg
支援支援
好き過ぎて困るう
595: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:08:15 ID:W43xDnLuTo
悟空「だいたい私そこまで毛深くないですよ!お師匠さまみたいにスネ毛とか無いじゃないですか!」
三蔵「いやお前さすがにそこに生えてたら色々大問題だろーが」
八戒「でも腕毛はそこそこ」
悟空「これはうぶ毛!みんな生えてるやつ!う、ぶ、毛っっ!!」
沙悟浄「どうどう姐さん。さて、宿に戻るかい?アタイそろそろ……ふわぁ………」
八戒「むう、不完全燃焼じゃ………のう、寝る前にもう一杯やらんか?」
小龍「…開いてる店があれば良いですが」
悟空「あっ、だったらさっき、美味しそーな屋台がっ」
三蔵「おー、あったな。ラーメン屋だったけど酒も出してるっぽいし」
「残念ながら、ソレは諦めてモラおう」
悟空「………ですよねー」
八戒「ま、日を跨ぐのも間抜けな話じゃしのう。さっさとその屋根から降りてこい。ワシははよ飲みに行きたいんじゃ」
沙悟浄「朝までとかは勘弁だよ、八戒姐さん……」
偽悟空「…………キキキ……!」
三蔵「……これまたソックリだな」
悟空「私あんなに目付き悪くないもん」
596: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:09:11 ID:W43xDnLuTo
小龍「…今回の件の張本人ですか。この悟空さんも猿が化けてるんですかね」
八戒「ほほ。只の狒狒が天下の斉天大聖に化けるか、なんとも烏滸がましい話じゃ。大仰なマントなんぞで格好付けよってからに」
偽悟空「……あんな駒とイッショにされてはコマるな………!……コレを見ても、そう軽口をタタけるか……?」
ブンッ……ドサッ!!
紅孩児「……くっ…!!」
悟空「……こーちゃんっ!?」
八戒「なんと…!」
偽悟空「……キキキ……!実力的にはキサマ等と遜色無いであろう達人、コウガイジ…!ソレもこのトオリよ……!」
悟空「こーちゃん大丈夫!?うわボロボロ……!」
紅孩児「……カッコ…悪い所を……見せちゃったね……悟空……」
沙悟浄「アンタがやられるなんて…!」
紅孩児「………一瞬の……隙………突かれ……良いのを貰っちゃって……ね………!虎力さん達……逃がすのが、精一杯……だっ……」
小龍「……気を失いました。どうやら骨が内蔵に刺さっているようですね……重症です」
三蔵「…ん、小龍、看てやって。よし悟空、お前も運動してこい!ラーメンの前にっ!」
悟空「おっけーお師匠さまっ!」
偽悟空「……ソン……ゴクウ………!!!今こそ……積年のウラミ……!!!」
ガキィィィィィン!!!ガキィィィィィン!!!
沙悟浄「……やるね、あのニセモノ。単なるコピーじゃないよ」
八戒「うむ。姉者の動きでは無いな。似てはおるが 」
紅孩児「………う……うん…………はっ!」
三蔵「およ、起きた?」
小龍「……応急処置は、仕方なくしましたが。呼吸も苦しいハズですよ。まだ気絶してたらどうですか」
紅孩児「……痛っ…!」
597: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:13:28 ID:ld1lzIwMT6
沙悟浄「安心して寝てな。だけどアンタもヤキが回ったね、腕が落ちたんじゃないかい?ねぇ姐さん」
八戒「ほ、まあ勝敗は兵家の常じゃ。負けることもあるわい。……時に紅孩児、今日お主セクシーじゃのう?いつもの鎧を着ておらんからか、やはり胸を出すと色香が増すのう、ほほほ…!」
紅孩児「……相変わらず、だね、八戒さん………これはアイツに壊されて………悟空っ!悟空はっ!?」
三蔵「そのニセモノさんと、ほらあそこで」
紅孩児「いっ、今すぐ八戒さんでも龍神君でも……ゲホッ……悟浄さんでも良い!代わって……!」
小龍「……?」
紅孩児「……だ、駄目だ、悟空……!奴の憎悪は……怨念は!………君では……!」
八戒「……怨念、とな…?」
悟空「てああっ!」
偽悟空「…………」
悟空「とぉぉおりゃっ!!」
偽悟空「……………」
悟空「伸びてっ!如意棒っ!」
偽悟空「………………」
悟空「……むー。なにさ弾いたり避けたりばっかりで。ヤル気あるんですかニセ私っ!」
偽悟空「ヤハリ強い…………だが天の裁きを期待できぬなら仕方無し……コノ手で潰してやる……!!」
悟空「うわあやっぱり私が恨まれてるんだ……なんだろうどれだろう……?」
偽悟空「………ル………ルと……!………ゆん………ゆんと…………!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!
悟空「…む。これは……凄いや。こーちゃんやっつけたって、ホントかも」
偽悟空「……潰す…!キサマだけはぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっっ!!!」
598: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/19(水) 12:15:40 ID:ld1lzIwMT6
バサッッ!!!
悟空「わぷっ!?なにこれマント?脱いだモノを人に投げつけないで下さい……よ………」
紅孩児「駄目だ悟空!そのマントの下には、君では振り払えない虚無が……!!」
偽悟空「……はぁーっ……はぁーっ………!!!」
悟空「………えっと」
偽悟空「…………」ペターン
悟空「……男の人?」
偽悟空「違うわぁぁぁあっ!!!胸が無きゃオトコか!?乳が膨らんでなきゃオンナじゃないってか!?プルンプルンたゆんたゆんとサッキから当て付けがましいんだよデカ乳の何がエライってんだーっ!!!」
悟空「いやあのその、え?なに?なんなの?」
八戒「……まあ、虚無、と言うか………無い、のう……」
三蔵「見事な貧乳、いや無乳だな。……待て待て小龍、そんな目は要らないぞ。俺はロリコンであって貧乳好きとは似て非なるから」
小龍「…いやなんの説明ですか訊いてません。と言うか何故悟空さんに変化しているのに、その……胸が」
紅孩児「……奴は、変化なんてしていない……元から悟空に瓜二つなのさ…!奴の名は六耳獼猴(ろくびじこう)……霊山、花果山が産み出した、もうひとりの美猴王……!」
沙悟浄「……で、要は何かい?胸のサイズで姐さんを恨んでんのかいアイツ。なんか一気に馬鹿馬鹿しく………ん?」
紅孩児「奴の怨念を甘く見ちゃいけない……!実際その怒りの攻撃は、胸の大きな女性……僕や虎力さんに対しては数倍の威力をぐえっ!?ちょ、悟浄さん、なんで締めるの、苦しっ!!」
沙悟浄「さっきアンタ悟空姐さんを退かせて、アタイら三人に戦え的なコト言ってたねぇ?つまりなんだい?男のシャオとナリが幼女の八戒姐さんは良いとして、アタイも問題無いと?小さいと?」
紅孩児「あ、あの、僕ケガして……ごめんごめん許して……コレ死ぬ、死ぬって……!!」
八戒「……まあ、女にとっては一大事なんじゃろの、こーゆーのは。ワシはどっちも好きじゃが」
三蔵「節操無しめ」
小龍「…悟浄さん、そろそろ死んじゃいますよそれ」
沙悟浄「ちょおおおっと自分がデカイからって、調子くれてんじゃないよあぁぁん……?」
紅孩児「ギブ、ギブギブ…!!」
599: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2014/2/20(木) 19:47:08 ID:KMtMRLKlQk
悟空「貫いて、如意棒っ!」
六耳獼猴「迎撃セヨ、如意棍っ!」
パキィィィィン!!
悟空「むむっ、なら……!ふーっ!毛分身っ!動けなくしちゃって!」
六耳獼猴「……十五体か。猿ドモ出ろ!アノ腹立つ分身を、自分に近付けるな!」
猿「「「キキィィィィッッ!!!」」」
悟空「うわぁっ、おサルさんがいっぱい!?」
六耳獼猴「キキキ……!目眩ましの分身程度ナラば、獣でジュウブン……!しかも花果山の猿だ。狂暴さは知ってイルだろう?」
悟空「……やりますね。でもそれはあんまり覚えてないよ、もう山には五百年帰ってないから」
六耳獼猴「……ヤリあえる……やはり互角にタタカえる……!!殺せる……!!ソンゴクウを、殺せる……!!!ソノ乳、捻り千切ってヤル…!!」
悟空「怖い怖いおっぱい千切るとかやめよう!?ねぇ、そんなコトくらいで怒るのやめましょうよ……」
六耳獼猴「ソンナコトだと!!?」
悟空「ひうっ!?いやほら、でもその、おっきい人なんていっぱい居るんだし、なんで私にだけっ?」
六耳獼猴「……他のデカ乳もムカつくが……キサマは別格だ………!同じ霊山より生まれ……顔も背丈も、そしてコノとおり術とて負けぬ、変ワラヌと言うのに………何故……ナゼ私とキサマ、ココだけこうも違うのだ…!!」
悟空「い、良いじゃないですか、個性ですよ個性」
六耳獼猴「……ならばキサマ、ユルせるか?」
悟空「へ?」
六耳獼猴「私とキサマが、店でラーメンを頼んだとしよう………ソシタら店主が、私にダケこう言うんだ……」
悟空「ふんふん?」
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