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三蔵「…岩から尻が生えている」
[8] -25 -50 

1: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/6/28(金) 01:13:20 ID:clfaSnFbdM
尻「…はっ!!誰か居るのですか!?」

三蔵「見たところ20代そこらか。いや、肌の張りからすると、17、8かな」

尻「ああ…こんな人里どころか鳥の声さえ聞こえない不毛の地に、とうとう人が…!しかも声から察するに殿方…!」

三蔵「しかし無駄に毛深いな」

尻「ついに…ついにメチャクチャにされちゃうんですね…!この通りすがりの名も知らぬ殿方に性の捌け口にされちゃうんですね私のお尻…!あと毛深いとかヒドイ」

三蔵「うるさい尻だな…いくら仏の教えとはいえ、こんなのも助けるべきなのか…?」

尻「仏の教え…?僧侶さま…なのですか?」

三蔵「うむ。僧だよ。玄奘三蔵。…それにしても毛深いな…特に尻のあ」

尻「やめて!!…こ、これは失礼をしました…!仏に仕えるお方は、そのような煩悩は無いのですね!」

三蔵「いや俺ロリコンだから。女は10歳以下しか認めない」

尻「おい」

三蔵「下の毛とか意味わかんない」

尻「おいこら」


192: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/19(木) 13:07:52 ID:FYaeDtpdPU
三蔵「やー、小龍の孫悟空も板についてきたな。もう一番弟子あの子でいーんじゃないかと思えてきた」

悟空「もともと悟浄ちゃんより兄弟子なんですけどね。無理ですよお師匠さま、『兄さん』って呼べないよ可愛いもん」

玉面公主「……稽古、サボり?」

三蔵「サボりも何もほとんど台詞ねーんだもん沙悟浄」

悟空「私なんて『てきとーに悪い奴やって倒されて』って、これしか書いてないよ台本!紙切れ1枚!差別だよ!」

玉面公主「……それもそうね。三蔵法師、隣、良いかしら」

三蔵「良いけど君が俺に近付くと舞台の上の三蔵法師がメッチャ睨んでくるんだが」

悟空「悟浄ちゃん大丈夫だから私居るから殺気を止めて!乗ってる白馬が怯えてるかわいそう!」

玉面公主「……………」

三蔵「あの、顔が近いです顔が近いです。どうしよう悟空このままだと本能に負けて抱き締めてしまいそうになる!」

悟空「お師匠さま頑張って耐えて!そんなんしたら舞台の上の三蔵法師が爆発しちゃう!白馬今でさえもう汗だくかわいそう!」

玉面公主「………やはり、魂は濁っている。それなのに………」

三蔵「な、なんだよまたレベル鑑定かよ」

悟空「よく耐えたねお師匠さま!魂濁ってるクセに!」

三蔵「……緊箍児?」

悟空「ノー緊箍児。このくらいでやられてたら私のおでこが持たない」

玉面公主「……玄奘三蔵法師……いえ、陳 紅流。貴方は何者……?」

悟空「ちんこ…うりゅー?」

三蔵「そこで切るな!…なんで俺の本名知ってんだよアンタ。喋ってねーぞ俺」

悟空「本名なんてあったのお師匠さま!?」
193: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/19(木) 13:10:03 ID:FYaeDtpdPU
玉面公主「……父は陳蕚、母は満堂嬌。江州長官と帝国宰相の娘が一子……良いとこのボンボンね……」

三蔵「ぐ、そこまで」

悟空「ストーカー…?」

玉面公主「……摩雲カンパニーの情報収集能力は大陸一………色々あって金山僧侶学園に入学、成績はいつも赤点ギリギリ、しかしムダに解呪の実技だけは得意という典型的なヤル気の無いタイプ……」

三蔵「こわいこわいプライバシーが無い」

悟空「お師匠さま法術とか全く出来ませんもんね」

玉面公主「……当時の担任僧侶、法明和尚のインタビューによると、『修行中も隠れてロリエロ漫画三昧、態度も不遜で何度破門にしようと思ったかわからない。しかし何故かお偉方に気に入られてて手が出せず、もういっそ殺してやろうかと』」

三蔵「あのハゲ!」

悟空「お坊さんはみんなハゲですよ」

玉面公主「………どこをどう突っついても、徳も仁も見当たらないわ。………何故……貴方が……」

三蔵「だから近い!」

玉面公主「……いっそ……少し食べれば………」

悟空「あ」

沙悟浄「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!もう我慢ならないっ!!!近付くんじゃないよ女狐ぇぇえっ!!!」

三蔵「バカお前その勢いでへぶらっ!?」

悟空「お師匠さまーっ!?」

沙悟浄「やっぱり離さない離れない!もうこのままくっついて生きるからねアタイ!」

三蔵「ギブ、ぎ、くるし、ご、悟空っ、助けっ…!」

悟空「悟浄ちゃんストップストップ!魂食べられる以前に魂出ちゃう多分口から!玉面さん止め……居ないし!あーもー二人も見てないで手伝って!」

八戒「…やめるでブヒ、兄貴!……違うのう。……やめるでブヒよ、兄貴ぃ!…おお、こうじゃな!」

小龍「……『我こそは天下無双!』のところで一回如意棒を地面に突き立てて……うん、その方が格好良いですね…!」

悟空「二人ともってばーっ!」
194: 名無しさん@読者の声:2013/9/19(木) 13:14:39 ID:WVZHgk7m4w
玉面ちゃんにつまみ食いされたい
支援
195: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/20(金) 20:26:32 ID:dCYYu0Pb2o
沙悟浄(三蔵)「出たな妖魔め。みな、お師様をお守りするのだ」

猪八戒(八戒)「ひ、ひいいっ!あ、あれは牛魔王でブヒ!あんな強いやつ、敵わないでブヒよ!」

三蔵法師(沙悟浄)「なにを弱気になっているのですか。沙和尚、猪八戒、孫行者よ。これも試練、天竺にてありがたいお経を授かるまで、挫けてはならないのです」

孫悟空(小龍)「おう、お師匠さま!我こそは天下無双、斉天大聖孫悟空だ!正義の如意棒、受けてみやがれ!」

牛魔王(悟空)「くっくっく、このおれをぎゅーまおーとしってなお、むかってくるか。さけのさかなにしてやるぜ!」

孫悟空(小龍)「いくぞ牛魔王っ!」

ワーッ ワーッ


 



男児「そんごくー、かっこよかったー!」

女児「さんぞーほーしさま、きれいだった!」

母親「すごい力の入った京劇だったわねぇ」

父親「さすがは摩雲カンパニーの擁する遊園地のショーだな。でも牛魔王役、清々しいまでに棒読みだったなー」

男児「またみたいねー♪」

女児「ねー♪」





沙悟浄「おわったぁぁあ…!」

八戒「物凄い声援だったのう。娯楽の力は強いわい」

小龍「…緊張しましたね」

三蔵「疲れた。おい棒読み、お茶取って」

悟空「その呼び方やめて!反省してます!」
196: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/20(金) 20:28:40 ID:dCYYu0Pb2o
玉面公主「……ブラボー。素晴らしかったわ…」

三蔵「まあ俺達にかかればこれくらい」

八戒「ほっとんど台詞の無い奴が何を威張っとるか。やはりワシの役どころを捉えた演技が……いや、ノリノリの小龍が決め手じゃったの、ほほ」

小龍「…ご、悟能様…!」

玉面公主「……約一名、ひっっっっどい棒読みだったけど……」

悟空「悟浄ちゃあん、みんながいじめるぅ」

沙悟浄「よしよし姐さん。頑張ったのにねぇ。ただ倒れるシーンで『ばたーん』って口で言った時にゃ、この人マジですか、って思ったけど」

悟空「みんながいじめる!」

八戒「そんなことより玉面公主よ。約定は違えぬであろうの?」

玉面公主「……もちろん。予想以上の出来だったし、文句無いわ。………よいしょ。……はい、これ…」

沙悟浄「これは……」

小龍「…なんというか……」

悟空「……赤ちゃん?」

三蔵「赤ちゃんだな」

八戒「いやいやいや玉面公主。ワシは赤子をくれとは言うとらんぞ。人喰いの趣味は……てか誰の子じゃこれ」

玉面公主「……だから、それが人参果」

八戒「いや、これどう見ても人間の赤子…」

玉面公主「……そーゆー形なの」

八戒「あ、頭とかうっすら髪とか生えとるし」

玉面公主「……柿のヘタみたいなものよ。あ……全部食べないと効果、無いからね…?」

八戒「こ、これを……?全部……?って、おいお主ら。なぜワシから離れる」

悟空「た、食べるトコ、見たくないなぁ……と」

三蔵「右に同じ」

小龍「…………」

沙悟浄「姐さん、ファイト!」

八戒「こぉの薄情者どもめぇっ!!」
197: 名無しさん@読者の声:2013/9/20(金) 21:07:39 ID:P5ppY8CIwY
地面に落としたらあかんやつか。
埋まっても掘り出したら食えるのかなあれ
198: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 00:24:37 ID:4Qd8sJLF2c
ズルッ……ビチャッ……シャリッ……


悟空「うううう、音が、音がなんかスプラッタな想像を掻き立てるよぅ!」

小龍「…先生、ちょっと今どんな感じか振り向いて見てください」

三蔵「はっはっは断る!」

沙悟浄「赤ん坊を貪る幼女……ホラー以外の何物でもないねぇ…」

グチュ……ピチャ……

八戒「……食べ、終わった、ぞい…!」

沙悟浄「姐さんよく頑張ったね!……って、うわ」

悟空「て、手とか口許とか、真っ赤…!」

小龍「…す、すぐに拭くものを…」

三蔵「なにこれ血?」

玉面公主「……果汁よ。しかしよく食べたわね、あんなもん……キモッ……」

八戒「……ほ、ほほ。言い返す気力も残っとらんわい……」

三蔵「八戒、そーゆーの大丈夫だと思ってたんだが」

八戒「ほほ……内蔵から脊髄まで精巧に模してある果肉や芯を口にした感想、事細かに語ってやろうか。ん?」

三蔵「うわあそれはキツイ。いいから涙と血でぐちゃぐちゃな顔を拭け」

八戒「血では無いと言うとろうが!」

小龍「…悟能様、タオルを。……それで、御力の方は…?」

沙悟浄「そうだよ!妖力は戻ったかい?」

悟空「これで戻って無かったら余りにも八戒ちゃんか不憫」

八戒「……お、おお………うむ。なんとも形容し難い感覚じゃの。身体が、軽い……いや、膂力が増したか……?」

玉面公主「……戻ったどころか、恐らく数段パワーアップしてる筈よ………試してみる?」

小龍「…っ!」
199: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 00:26:22 ID:4Qd8sJLF2c
八戒「…ほ。やはり素直には解放せぬか」

沙悟浄「良いねぇ。アンタの清ました頬っ面、打ち叩いてみたいと思ってたトコさね」

悟空「……4対1とか、私ですら無謀だってわかるよ?玉面さん」

玉面公主「……違う違う……玉じゃない……そろそろ来ると思うわ……」

三蔵「…来る?」

悟空「……あ、窓の外」



虎力大仙「ここよ!ここに憎きあの豚が…!」

羊力大仙「玉面第二夫人様によれば、奴は今妖力を失っているとの事。好機である!」

鹿力大仙「ケンカに卑怯も糞も無ぇ。俺ら三大仙をコケにし続けた報い、受けて貰うぜ!」

虎力大仙「出てこいクソ豚小娘!今日こそローストポークにして喰ってやる!」



三蔵「……あれが噂の」 

小龍「…三大仙……通称3馬鹿トリオですか…」

悟空「八戒ちゃん、ご指名三番テーブル〜♪」

八戒「ほほほほ♪こりゃあ丁度良い力試しじゃ。では、いただきま……行ってくるぞい♪」

沙悟浄「玉面の……アンタ鬼かい……」

玉面公主「……くすくす」
200: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 23:22:24 ID:QCeojctKq.
三蔵「おー、すげえすげえ。あ、鹿角の兄ちゃんが吹っ飛んだ」

沙悟浄「八戒姐さん、武術が基本だとばかり思ってたけど……本来は妖術寄りのスタイルだったんだねぇ」

小龍「…生き生きとされてますね」

悟空「私も混ざりたい……おおっ、水術からの雷撃!」

玉面公主「……沙悟浄。これ」

沙悟浄「ん?…金じゃないか。うえ!?ゆうに4、50万銭はあるじゃないのさ!」

玉面公主「……約束の路銀よ。三蔵法師に近付くと、また貴女が煩そうだから………それじゃ。……あ、アレ……殺さない程度で止めてあげてね……」

小龍「…結局、敵に塩を贈っただけですよ。良いのですか」

玉面公主「………パパが……牛魔王が殺せと言うならば、玉は従うわ………それは玉龍、あなた達も同じでしょう……?」

小龍「…従いませんよ無視しますよ」

三蔵「即答だ!」

沙悟浄「従わないね。うん」

悟空「うんうん」

三蔵「お前らこのやろう悟浄までっ。八戒ならきっと……うん断るな」

玉面公主「……あら。思ったより慕われてないのかしら………玉の思い違い……?」

悟空「お師匠さまは、『殺せ』なんて言いませんよ!お、お、お、お兄ちゃんとは違うもん!」

小龍「…低俗で下劣ですが、悪人ではありませんから先生は」

沙悟浄「けど旦那様が優しいからって勘違いするんじゃあないよ?舐めたマネしてくるなら、アタイの独断で殺してやる」

玉面公主「……そう。………その路銀、遣いきれる事を祈っているわ………またね………」
201: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/22(日) 23:26:16 ID:L72rFc9g22



悟空「…消えちゃった。良いなー、これ私も出来ない術だ」

小龍「…なんとも掴めない方ですね」

沙悟浄「やっぱりこの場で消しとくべきだったかねぇ…」

悟空「いやー、さすがにお金まで貰ったのにそれは私でも躊躇いがあるよ!」

小龍「…何れにせよ、先生のレベルとやらが奴等の考える値に達した時には、当たらねばならない相手ですから」

三蔵「…………」

悟空「お師匠さま、どしたの外ばっかり見て……あ、八戒ちゃん終わったの?」

三蔵「いや、あれ」

悟空「羊マントさんが…うわぁ、黒焦げ。可哀想に…」

小龍「…鹿角の人も、地面にめり込んでますね。大丈夫でしょうか」

沙悟浄「奴等、かなりタフだからね、その心配は…」

三蔵「いや、それよりさ」

悟空「虎ビキニちゃん、なんか喚いてるね」

小龍「…悟能様が悪い顔をしています」

沙悟浄「お、逃げようとしてるね虎女」

悟空「あー、回り込まれちゃった」

小龍「…捕まえて、そして」

沙悟浄「ムリヤリ茂みに連れ込む、と」

三蔵「アカンアカン止めろ!ここ遊園地!夢の国でなんばしよっとですかあの幼女は!」
202: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:26:55 ID:8x9GO0HEAA
悟空「あー、もっと遊んで行きたかったなぁ」

三蔵「遊園地はともかく、宿の飯も美味かったしな、気持ちはわかる」

沙悟浄「次は子供が出来たら来たいねぇ♪家族サービスは夫の務めだよぅ旦那様ぁ♪」

三蔵「君の将来設計はどこまで勝手に進んでるんですかね。あと毎度毎度歩きにくい離れろ!マジで歩きにくいんだぞコレ!」

悟空「もう慣れなよお師匠さま……およ、立て札だ。なになに、この先……これなんて読むの八戒ちゃん」

八戒「……知らん。どーでもええわい」

小龍「…悟能様、そろそろ機嫌を直されては……」

八戒「……ふんじゃ。ワシまだなーんもしとらんかったのに。欲求不満じゃ欲求不満!」

沙悟浄「いや結構ギリギリアウトだったよ姐さん」

悟空「うんうん。『白昼の凌辱!引き千切られたビキニ!』みたいな絵面だったよ」

三蔵「反省どころか不貞腐れるとは。おい小龍、このダメ主人なんとかしろよ」

小龍「…暴れないだけ、丸くなっていますので…」

沙悟浄「これで暴れたら悟空姐さんよりタチ悪いねぇ」

悟空「おっと最近は悟浄ちゃんまでだよ!姉弟子ってなんだろう!」

三蔵「で、立て札だっけか。なになに、このさき比丘(びく)国……比丘…なに、坊さんの国がなんか?」

小龍「…遊園地で聞き込みをした際、近くの国の話なども聞きました。仏信仰の厚い国があるとかなんとか…」

三蔵「ふむ。つまんなそうな国だな。よし避けて通ろう」

悟空「さっすがお師匠さま!それで良いのか僧として!」

沙悟浄「まあ確かに面白味のある国とは思えないしねぇ」

八戒「……女が居らなそうじゃ。避けい避けい」

小龍「…では、多数決なので別のルートを」

観音『……御待ちなさい……玄奘三蔵法師、そして弟子たちよ……』

三蔵「おっと幻聴が疲れてんのかなー俺」
203: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:29:06 ID:8x9GO0HEAA
悟空「嫌がるのを通り越してますねお師匠さま。リアルだよリアル」

沙悟浄「菩薩様かい。何の用だい?」

観音『……その国……比丘国では、王の悪政によって罪も無き民が苦しんでおります……悪を誅して正道を為す……これは仏が御心……』

三蔵「よし観世音様、ちょい待ってくださいタイム」

観音『……え?はあ……』

三蔵(どうしようメチャクチャ面倒臭い。なにこれ行かなきゃダメな感じ?)ヒソヒソ

悟空(でも拒否ると毎晩枕元に立たれますよ?良いんですか?)ヒソヒソ

沙悟浄(面倒臭いってのには同意だねぇ。なんせ相手は王様だろう?)ヒソヒソ

小龍(…あの、このヒソヒソ話、観世音菩薩の前で意味あるんですか?)ヒソヒソ

三蔵(むー……仕方ない。おい、おい八戒!)ヒソヒソ

八戒「……なんじゃ耳元で気色悪い」

三蔵(お前の話術で観世音を説得してくれ!八戒なら出来るだろ?)ヒソヒソ

八戒「嫌じゃそれこそ面倒臭い。暴れて国王をぶっ潰せばええんじゃろ?その方がストレス解消にもなるわい」

三蔵(……次。一回に限り、ナニしても目を瞑るから)

八戒「乗った」
204: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/23(月) 20:31:23 ID:8x9GO0HEAA
観音『……あの……丸聞こえですけど……説得とかされても……』

八戒「ほほほほ、観世音菩薩ともあろうお方が、随分と筋違いな事を仰る」

観音『……筋違い……?猪八戒、貴女は罪を購う気が……』

八戒「そも王の悪政を打ち破り民を救えと言うは、王の首を獲れということに他ならぬ。そうして国の長をすげ替えたところで、それは根本的な解決となるのか否や!」

観音『……そ、それは………しかし現に民が苦しんで…』

八戒「苦しみの無い政など幻想じゃ!王という者は敬愛されてはならぬ考えもある!民に過度の情を生んでは、それ即ち国の滅びる元となる!」

観音『……あの、そーゆー政治の話をしてる訳じゃ……』

八戒「そして愚王と言えどその国の王じゃ!その国の歴史じゃ!真にその政が国の為にならぬとあらば、立ち上がるべきはワシら余所者ではない!民じゃ!観世音よ、そなたは民の力を、否、人の力を信じぬのか!?」

観音『……う、ぐっ……』

八戒「血と汗と涙を流し、そうして人も国も成長してゆくのじゃ!それをワシらが人知を超えた力を以て無理矢理の平和を与えたとて、それでは人が腐る!国が腐る!これだけ言うてもわからんのなら、菩薩など名乗るで無いわっっ!!!」

観音『………ふぐぅぅぅぅ……!』

悟空「八戒ちゃん、なんかよくわかんないけどカッコ良い…!」

沙悟浄「おぉぉ……菩薩様が何も言えなくなってるよ…」

三蔵「予想以上だな。小龍、あの幼女かなり詐欺紛いの悪事を働いて来たろ」

小龍「…ノーコメントです」
205: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 01:03:12 ID:LGBzHj3e.c
観音『……あ、あなたたち……それでも仏の遣いですか……!ええいっ!』

ペカーッ

三蔵「うわ実体化しやがった」

悟空「あ、観音様久しぶりに見た」

沙悟浄「天帝様の宴で見かけて以来だねぇ、アタイも」

八戒「ワシも最後に会うたのは……軍事演習じゃったかの」

小龍「…皆さん、観世音菩薩が『姿まで見せたのに反応が地味…!』みたいな顔してますので、もう少し形だけでも平伏す感じにしてあげても」

観音「そんな哀しい気遣いは要りません玉龍!」

三蔵「何気に小龍は天界全般に辛辣」

観音「…おほん。孫行者?例えば、道中に足を挫いて動けず、空腹で苦しんでいる人が居たらどうします?」

悟空「とどめをさす!」

観音「違います!いっそ楽にしてやらないで!…お、おほん。沙和尚よ。賊に捕らわれ泣いている乙女が居れば、助けるのが正義でしょう?」

沙悟浄「旦那様に女を近付けたくないんで、賊もろとも消し去るのがアタイの正義さね」

観音「そんなハードな正義は菩薩認めません!貴女いちばんマトモに見えるのに!…げほ、おほん。猪八戒……は、少し口が立ちすぎるので……玉龍。貴方は傘を持っています。そして雨に濡れて泣いている子供を見つけます。さあ、どうします?」

小龍「…………」ボソボソ

八戒「空模様を読まずに傘を用意しなかったその子供の自業自得ですね、知りません。…と、言うておる」

観音「会話すらしたくないほど嫌われてる!?玄奘三蔵!あなた一体この者達にどんな教えを施しているのですか!徳の『と』の字も無いじゃないですか!」

三蔵「いや、俺の教えってゆーか、単に観世音様がナメられてるだけじゃないっスかね」

観音「なぜ私を軽んじるのです!?旅立ちの時は皆厳かに私の声を聞いていたではありませぬか!」

三蔵「いやー、なんつーかさっきから生の姿と声を聞いてると、なあ?」

悟空「弄り甲斐があってかわいい!」

沙悟浄「観音様、思ったより面白いねぇ」

小龍「…………」ボソボソ

八戒「簡単に転がせそうなお方じゃの。小龍は『頭が悪そうです』と言っておる」

三蔵「ほら」

観音「ひどい!特に玉龍!」
206: 名無しさん@読者の声:2013/9/25(水) 02:03:59 ID:gH0PTh6W8A
玉龍はシャオくんの本名?
207: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 02:20:12 ID:DA4.g7BxpI
>>206
うん。他にも白竜、白龍馬、意馬、龍馬三太子とかの別名があるよん。
208: 名無しさん@読者の声:2013/9/25(水) 12:17:10 ID:gH0PTh6W8A
ヨシュアさん
ありがとう!
209: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 21:47:18 ID:RZuf16Jx5U
観音「……えと、あの……本当に比丘国を救う気は……ないのですか?」

三蔵「そんな瞳を潤ませられましても。しかし実際八戒の意見も賛成だしなぁ。当の本人達から助けを求められたワケでもなし」

沙悟浄「こ、媚びた上目遣い…!菩薩様のクセに『女』を出してんじゃあないよっ!」

八戒「これ悟浄。流石に菩薩相手に殺気は止めとけい」

小龍「…その国王とやらが人間ならば、私達が手を下すのは確かに…」

悟空「……私も実際、反対」

三蔵「お。食いもんと牛魔王関連以外で真面目な顔とか、珍しいな悟空」

悟空「……あんまり良いコトばっかりしてると、お師匠さまのレベル?…よくわかんないけど、それが上がって食べられちゃう気がする」

沙悟浄「……!」

八戒「…ほ。粗忽粗忽と思うて居たが、やはり一番弟子は姉者じゃの」

小龍「…はい。悟空さん、素晴らしい慧眼です」

三蔵「単に牛魔王が来るのが怖いだけだろ」

悟空「可愛い弟子が心配してるのにコレ、照れて悪態をついてるとかじゃなくて素だからねウチのお師匠さまは!」

八戒「聞いての通りじゃ、観世音菩薩よ。眼前の悪を野放すほど薄情ではないが、善行を押し売るつもりもない。なにより、考えれば考える程に主らを信用できぬ」

沙悟浄「旦那様を付け狙う妖怪共はまだ解りやすいってもんさ。天界のキナ臭さのが、アタイは気に食わないね!」

小龍「………」コクッ

三蔵「なになに、なんか険悪な雰囲気に」

悟空「私も難しい話になるとちょっと」

観音「…ううっ…!わ、私だってその、上の……ゴニョゴニョ……」

八戒「上の?」

観音「はうわ!いや、あの、そのっ!」

青年「はいはい、そこらで堪忍したってや」

観音「も、木叉(もくさ)っ!いるなら早く出てきて助けなさいっ!」
210: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 21:53:08 ID:7C3S5N4Kv6
木叉「あーもー泣かんといて下さいよ師匠。しゃーないやんタバコ切れとって店探してたんやから。ボクの銘柄マイナーやさかい、なかなか売ってへんねんもん。ほんで最後に入った店にも無ぅて、イヤやわー、ムッカつくわー思てたら、店の娘ぉがオトンの吸っとるヤツと同じやわー言うて家から持ってきてくれはって!やー、人間も捨てたモンちゃいますわホンマ!それかアレやね、あの娘ボクにホの字やね。モテる男はハッピーですわ〜!」

三蔵「誰だよこの無限に喋る兄ちゃんは」

悟空「イケメンさんですねぇ」

八戒「なんとも軽薄に過ぎるのう。菩薩の関係者とはとても思えん」

沙悟浄「アタイこーゆーチャラついた男は嫌いだよ」

小龍「…関わりたくないタイプです」

木叉「おー、これはこれは自己紹介が遅れまして、えろうスンマヘン。ボク恵岸行者言いまして、観世音様の弟子やらせてもろてます。呼びにくいで、木叉て呼んでください。やーもー今日はウチの師匠が迷惑かけてもて堪忍してやってや?これでも足りへん頭で頑張ってますんで、そこんとこあんじょう…」

観音「木叉っ!あなたはどっちの味方なのですかっ!」

木叉「なんやのん普段そんな怒鳴らんクセに人前やからって師匠。せやせや三蔵はん、個人的にはボクも無理繰りエエことするってのには反対や。でもな、なんでもガキを引っ捕まえて酷いコト考えとるらしいねん、そこの王様。しかもなんやその国、妖魔の臭いがプンプンや。それなら話は別やろ?アレや、牛魔王のオッサンに似た臭いや。おおかた娘さん辺りが一枚噛んでるっぽいで。行ったって下さいよ、三蔵一行は子供たちの憧れのヒーローや。夢壊さんといてぇな」

三蔵「ホントによく喋る口だなオイ……」

悟空「うえ、こーちゃんまたなんかしてんの…?」

沙悟浄「……どうする?八戒姐さん」

八戒「このまま首を縦に振らんかったら、この男延々喋りそうじゃしのう……それに紅孩児が居るなら、虎娘も……ほほ……いや紅孩児だけでも」

小龍「…悟能様……先生が無責任な約束をするから全く…」

三蔵「えー俺は悪くな痛っ!うん俺のせいだからフトモモをつねるの止めようか君は地味なダメージ与えるの好きだね」
211: ヨシュア ◆.frSdr10QQ:2013/9/25(水) 21:58:15 ID:MzjGJVNmFY
木叉「わかってくれましたかー!さっすがは天下の三蔵法師と仲間達や!ほなボクらはこの辺で。さー帰りますよ師匠、エエ歳して泣いたり怒鳴ったりもう若く無いんやから無理せんで、肩貸しましょか?」

観音「い、いりません!玄奘三蔵!とにかく全ては仏の導きなのです!いいですね!頑張りなさい!」

木叉「適当やなぁ師匠。そんなアバウトな助言されても三蔵はんかて困るやん、も少し具体的に」

観音「うわぁん!黙りなさい!」

木叉「おー怖っ。ほな、さいなら〜♪」





悟空「……なんだったんだろう今のは」

三蔵「嵐が去った、ってのはこのコトだな」

悟空「早口過ぎて何言ってんのかほとんどわかんなかったよぅ…」

沙悟浄「…じゃあ、とりあえず行くかい?そのなんちゃら国」

八戒「納得も何も出来んが、仕方ないじゃろ」

三蔵「まあ幼女…子供が捕らわれてるんなら行かないとな!幼女…子供は国の宝だし!」

小龍「………」

沙悟浄「………」

三蔵「左右からやめろフトモモ千切れる!」

八戒「……レベルの心配、要らなそうじゃの」

悟空「……だねぇ」
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うpろだ
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