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王「ろくな勇者いねえな!」
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1: :2013/5/8(水) 01:33:08 ID:YHEhymVdsU
王「魔王討伐のため、名高き勇者を募ったが、どのような者が集まっておる?」

大臣「現在、笑顔勇者・弱気勇者・知ったか勇者・川柳勇者の四名が集まっています」

王「ろくな勇者いねえな!」


59: :2013/5/11(土) 01:12:45 ID:YHEhymVdsU
王「とりあえずカフェオレごくごく飲んでるこいつが魔王討伐の何に役立つってんだよ?」

大臣「コーヒー勇者ではなくカフェオレ勇者をわざわざ名乗ってるわけですからね」

大臣「ブラックとかそれっぽい雰囲気のカフェの奴じゃなく、安っぽい甘さの庶民的な味が好きだっていうメッセージ性を感じます」

大臣「だからまあ、こだわりとかあるんでしょ。プライド持ってどうにか倒しますよ」

王「史上最高に適当だなあ!?恐ろしいまでに投げやりだったぜ!?」

大臣「正直今回の勇者カタカナで統一したかっただけですからね。どうでもいいんですよ、こいつ」

王「そんなん聞きたくなかったよ!悲しい裏事情を表に持ってこないでぇ!」

王「あいつ凄い涙目になってんじゃん!それでも頑なに雪印コーヒー飲んでっけどぉ!」

カフェオレ勇者「もう俺はカフェオレしか信じられない……」ゴクゴク

王「人間不信になってんよぉ!そりゃ衝撃的な自分の出生の秘密知っちゃったしねえ!」

大臣「カタカナなら何でもよかったらしいですし、そんなだからネタも何も考えてなかったんです」

王「こりゃあもう魔王討伐を果たして一発逆転するしかねえよなあ!……カフェオレ勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
60: :2013/5/11(土) 01:13:29 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「カフェオレ勇者が一面で戦死しました」

王「知ってたぁ!悪いけどそんな予感はしてたぁ!」

大臣「勇ましくカフェオレを飲んだそうですが、その隙をスライムに突かれ……」

王「何かもう扱いが雑だったもん!ぶっちゃけどうでもよかったんだろうなって!」

大臣「ぶっちゃけアルソック勇者やダルビッシュ勇者がやりたかっただけですからね」

大臣「悲しい勇者でしたよ……人の都合で勝手に生み出され、生きる意味も見出せなかった、かわいそうな勇者でした」

大臣「でも、死に際に彼が霧状に噴出したカフェオレは綺麗な虹を生み出しました」

大臣「あの綺麗な虹を見て、誰かが笑顔になれたのであれば、彼の命は勇者として意味があったと言えるんじゃないでしょうか……」

王「全っ然良い話じゃないから!何の意味もない無駄な命だったかんな!」

大臣「せっかくフォローしようとしてるのに、邪魔しないでくださいよ」

王「お前のフォローが下手すぎんだよ!そりゃあ俺も邪魔するねぇ!」
61: :2013/5/11(土) 01:14:35 ID:YHEhymVdsU
大臣「さて、今回の勇者は以上です」

王「安定の駄作揃いだよ!いや、アルソック勇者は別だけどね!?」

大臣「ダルビッシュ勇者も別にしなくていいんですか?」

王「あいつは偽物だったじゃん!」

大臣「アルソック勇者だって本物ではなかったでしょう」

王「いや、吉田さんはあれ本物だって!違う違う、今その話はいいんですよねぇ!」

王「どうするんだよ!結局今回も勇者全滅だよ!魔王討伐ならなかったんですけど!?」

大臣「しかしそれでも我々は勇者を応募するしかないのです」

大臣「失敗が重なろうと、人に笑われようと、我々は愚直に勇者を探し続けるのです。そうすれば希望の未来へと……」

王「希望の未来が想像できないねぇ!こんなん繰り返してたら永久に笑われるだけとちゃいますぅ!?」

大臣「少しは勇者を信じてあげてくださいよ」

王「信じられるかぁ!今までの惨状を思い返せよ!これで信じる奴が詐欺にひっかかって振り込むんだよ!」

大臣「まあ王様が信じようが信じまいが結局我々は勇者を募るだけなんですけどね」

王「もう嫌だぁ!また無駄な数日間が始まるよぅ!」
62: 名無しさん@読者の声:2013/5/11(土) 02:49:15 ID:eO.xj/yaBA
やだ…面白い……
63: :2013/5/12(日) 01:07:35 ID:YHEhymVdsU
>>62
やだ…嬉しい……
書き溜めもネタも尽きそうで怖いけど、とりあえず出来ることを頑張るとします。
64: :2013/5/12(日) 01:08:53 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「王様。勇者を募ったところ、新たに数名の勇者が集まりました」

王「なあ大臣。俺これいつまで続けりゃ許されるんかなあ?」

大臣「勇者が魔王を倒せば苦悩の日々も終わりますよ」

王「イコール終わらないってことだよな!?もうやだ、俺の一生は糞勇者共に潰されるんだ!」

大臣「大丈夫ですって。今回は良い感じのが揃いましたから」

王「お前がそう言ったところで説得力ねえよ!十年に一人の逸材が毎年見つかる感じだよ!」

大臣「今回はマジで大丈夫ですから」

王「じゃあどんなん来たか言ってみろ!どうせ駄目だから!」

大臣「現在、自転車勇者・貧乏勇者・山本翔太・ぎりぎり勇者の四名が集まっています」

王「全然大丈夫じゃないじゃん!どの口が言ったんだよ、大丈夫って!?」

大臣「これでも駄目なんですか?」

王「これだから駄目なんだよ!つーか一人勇者でも何でもねえ奴いねえ!?」

大臣「それに触れるのは本人と対峙してかれでいいでしょう。では一人目を呼びますね」
65: :2013/5/12(日) 01:10:17 ID:YHEhymVdsU
大臣「あ、勇者を呼ぶ前に、ちょっと仰向けになってください」

王「何でだよ!?何で人と出会うのに横になる必要があんだよ!?」

大臣「いいからお願いします。きっとドラマティックな出会いを果たせますから」

王「ドラマティックとかいいから普通に会いてえんだけどな。こっちは……」アオムケー

大臣「よし。ではお願いします」

自転車勇者「よっしゃああああ!」キコキコキコ

王「えええええ!?何!?轢かれる!轢かれる!!」

自転車勇者「せやあああああ!」ピョーン

王「ああああああ!」ポロポロ

大臣「……たった今、王様に向かって全速力で自転車を走らせ、轢く寸前でジャンプし飛び越えてみせたのが自転車勇者です」

王「何なんだよ!?もう少しで轢かれるとこだったじゃん!」ポロポロ

大臣「自転車勇者は技術ありますから大丈夫ですって。はは、泣いてるじゃないですかwww」

王「泣くだろぉ!こっちは事前に何も聞いてねえんだよ!普通に轢かれる思ったわ!」ポロポロ
66: :2013/5/12(日) 01:11:45 ID:YHEhymVdsU
大臣「さて、今回は王様自ら勇者の凄さを体験しましたよね」

王「マジで怖かったわ!文字だけじゃ伝わってないと思うけど……こいつ横じゃなくて縦で飛び越えやがったからな!」

大臣「この勇者の自転車スキルは半端ないです。かなりのスピードも出せますし、ウィリーやジャンプも自由自在です」

大臣「そんな自転車で撥ねさえすれば、魔物だって大ダメージを負いますよ」

王「……それじゃあもう自動車でいいじゃん。そっちのが確実だよ」

大臣「自動車だと普通に死にますよ?」

王「だからだよ!俺達は魔物を殺そうとしてんの!何を変なところで良心働かせてんだよ!」

大臣「王様の鬼畜っぷりにドン引きですね」

自転車勇者「人としてどうなんですか?」

王「人のために非情になってんだよ!魔物は人の脅威になるんやぞ!?」

王「魔物は確実に殺せよ!ていうかお前も自転車で撥ねるって発想の時点で糞外道だかんな!?自転車も普通に死ぬぞ!」

大臣「こっちは魔王討伐のために仕方なくやってんですよ」

王「俺もぉ!俺も魔王討伐できるように自動車使え言ってんのぉ!」

自転車勇者「まあまあ。どっちを使おうと、俺が魔王討伐を果たせば同じことですよ!」

王「……頼りになる発言だな。自転車勇者とかいうふざけた存在のくせして」

王「まあいいや。やる気があるのはいいことだしね……自転車勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
67: :2013/5/12(日) 01:13:21 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「自転車勇者の自転車が三面でパンクしました」

王「パンクしちゃったのぉ!?駄目じゃん、それじゃあ!」

大臣「勇ましく自転車を乗りこなしたそうですが、ゴブリンにまきびしをばら撒かれ……」

王「ゴブリン無双だな!さすがゴブリンさんは聡明でいらっしゃる!」

大臣「自転車は自転車勇者の武器です。それを封じられてはもうどうしようもないですね」

王「もうちょい頑張れるでしょ!パンクしても自転車漕げるじゃん!」

大臣「いやあ、何か変な音するでしょうし、無理やり漕いだら状態悪化で修理も難しくなりますよ」

王「でも魔王討伐なんだから頑張ろうよ!何なら修理費くらい出すしさぁ!」

大臣「自転車から降りて押し帰る彼の背中は哀愁漂ってたみたいですよ」

王「あーあ修理出さなきゃなーってね!軽く憂鬱になるよね!」

大臣「勇者をここまで追い込むとは……魔王は恐ろしいですね」

王「これ魔王を悪く言ったらちょっとかわいそうじゃね!?勝手に自転車で来て勝手にパンクしただけだし!」

王「むしろもうゴブリンさんが恐ろしいわ!こいつだけで勇者どんだけやられてんだよ!」

大臣「次の勇者はゴブリンを倒せるんでしょうか?というわけで次いきましょう」
68: :2013/5/12(日) 01:14:28 ID:YHEhymVdsU
貧乏勇者「こんにちは。貧乏勇者です」グゥ

王「子どもじゃん!お腹鳴ってるよ!何も食ってないんとちゃうかぁ!?どんだけ貧乏なんだよ!」

貧乏勇者「食べてないってことはないです。ここ最近、ずーっと水スープですけど……」グゥ

王「とんでもねえの食ってんな!?いや、それ食う物なの!?ただの水じゃないの!?」

大臣「水スープは、パンを小さく切って油で揚げて水で煮た料理です。正式にはパンの水スープって言います」

王「何で詳しいんだよ!?そんな料理なんだ、聞いてて悲しくなるよ!」

貧乏勇者「あの、僕、頑張りますから!頑張って魔王を倒しますから!」グゥ

王「何かもうこの子見てると切ないよぉ!頑張らなくてもいいんだよ!?つらい時は助けを求めてもいいんだよ!?」

貧乏勇者「いえ、僕は頑張らないといけないんです!僕が頑張らないとお母さんもお父さんも妹も食べられなくて苦しみますから!」グゥ

王「もう駄目、俺が耐えられない!俺がお父さんに何か良い仕事見つけてあげるから、君はもう休んでいいよ!?」

大臣「よーしじゃあ魔王討伐に行ってもらおうか」

王「悪魔か貴様ぁ!?今の聞いてた!?聞いた上で過酷な魔王討伐の旅に出させんの!?」

大臣「事情とか知りませんし。勇者なんだから魔王を倒す、当たり前のことでしょう?」

王「魔王より先にお前が討伐されろぉ!お前に人の心はないのかぁ!?」
69: :2013/5/12(日) 01:15:30 ID:YHEhymVdsU
貧乏勇者「大臣さんの言う通りです!僕、頑張って魔王を倒しますから!」

貧乏勇者「魔王を倒せたら……きっとお金も貰えて、お母さんを幸せに出来るから……」ポロッ

貧乏勇者「妹にお腹いっぱい食べさせてあげられるから!だから、僕は魔王を倒さなきゃいけないんです!」ポロポロ

王「あかんて!あーもう駄目、我慢できない!」ポロポロ

大臣「何で王様まで泣いてるんですかwww」

王「草を生やすなぁ!今までも普通に軽蔑してきたけど、今日ほどお前を屑だと思った日はねえよ!」ポロポロ

貧乏勇者「僕が、僕が駄目だから……家族が苦しむんです。魔王討伐を以て、僕に償いのチャンスをください!」ポロポロ

王「何でそんな強いんだよ!心が苦しいよ!弱くていいんだよ!もっと誰かに頼ろうよ!自分だけを責めないでよ!」ポロポロ

大臣「貧乏勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

王「それ俺の台詞ぅ!何でお前が仕切ってんだよ!?」ポロポロ

大臣「いや、王様を今回ほっといたら「もう魔王討伐行かなくていいよ!」とか言いそうでしたから」

王「よくわかってんね!俺には無理だよ、この子を過酷な旅に出すの!」ポロポロ

大臣「だから私が送り出すんです。ほら、さっさと行け」

王「もう嫌だよこの世界!普通に悪が蔓延ってるよぉ!」ポロポロ
70: :2013/5/12(日) 01:17:20 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「貧乏勇者が七面で帰りました」

王「帰ったんだ!?いや、今回俺は勇者を責めない!それで貧乏勇者は生きてんの!?」

大臣「生きて家まで帰ったそうですよ」

王「それを聞けて安心したよ!ていうか七面までよく頑張ったね!」

大臣「勇ましく魔物を倒して進んでいたそうですが、サキュバスに出くわして……」

王「サキュバスに出くわして!?」

大臣「まだ幼い貧乏勇者を見て、何か母性本能をくすぐられたみたいで」

大臣「聞けば家族を養う大金がいるから魔王討伐を目指してるって話じゃないですか」

大臣「だからサキュバスは、奴隷と化した縄跳び勇者の貢物を貧乏勇者に仕送ることにしたそうで」

大臣「けっこうな高級品揃いらしいので、それを売れば暮らしが安定するっていう、そういう感じみたいです」

大臣「こうして貧乏勇者的には魔王を倒す理由がなくなったので帰ったみたいですね」

王「俺は今回は全然責めないよ!ていうか縄跳び勇者とかいたね!まだドM勇者やってんだ!?」

王「とにかく暮らしが安定してよかったよ!子どもが命をかけて金を求めるのは何か違うと思うんだ!」

王「これからは子どもらしく遊びや勉強を頑張って楽しめばいいんだよ!お金はドM勇者のアホがどうにかするから!」

大臣「目先の利益につられて魔王討伐の任を放棄するとは、腐った勇者だ」

王「腐ってんのはお前ぇ!もう物理的に腐らせたいよ、お前を!」

大臣「それは勘弁です。次の勇者を呼んで、いざという時は守ってもらいます」
71: :2013/5/12(日) 01:18:29 ID:YHEhymVdsU
山本翔太「どうも、山本翔太です」

王「勇者じゃない!こいつ勇者じゃないんだって!!」

大臣「そうなんですか?偽勇者の時みたいな感じですか?」

王「それとはまた違うんだなぁ!何て言うかもう一切勇者と関わりがないんです、この人!」

王「ていうか山本翔太て誰だよ!?けっこういそうな名前だよ!下手したら画面の前に今いるんじゃないか!?」

王「検索してみたら、いろんな山本翔太さんが出てきたよ!いろんな方面で活躍してるよ!」

大臣「そうなんです。山本翔太という名前の方はけっこういまして、多方面で活躍されてます」

大臣「……その山本翔太達の全ての能力を司るのが、この男だとしたら?」

王「……何だと?」

山本翔太「そう、俺はこの世に存在する全ての山本翔太の長所を取得する男」

山本翔太「言うなれば俺は超山本翔太!全ての山本翔太の頂点に立つ俺に、倒せない者など存在しない……」

大臣「これは頼りになりますね。いよいよ魔王が死ぬ時が来たんじゃないですか?」

王「……」
72: :2013/5/12(日) 01:20:06 ID:YHEhymVdsU
王「……お前さ、ちょっと俺と腕相撲してみ?」

山本翔太「え?」

王「検索したらさ、何か野球やってる山本翔太くんいるみたいだしさ。ちゃんと能力受け継いでたら腕力あると思うし」

大臣「信じてないんですか?」

王「そりゃあね。悪を滅する力があるとか言って、実はただ笑ってるだけの勇者とかもいたわけだし」

山本翔太「……勝負したいが、実は体調を崩していてな。また今度でいいか?」

王「よくないよ!体調悪いって、それ今からの魔王討伐にも影響すんだろ!」

王「何で逃げんだよ!?さてはお前普通の人だろ!?笑顔勇者と一緒で嘘ついてんべ!?」

大臣「山本翔太よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」

王「だからそれ俺の台詞だってぇ!今回お前盗み癖すごいな!?」

大臣「だってこのままだと王様が山本翔太を追い詰めそうなので……」

王「そりゃ追い詰めるよ!てか、ぶっちゃけ嘘だろ!ただの一人の山本翔太だろ!」

王「お前ちょっと全国の山本翔太さんに謝れ!お前がこんなだと全国の山本翔太さんの風評被害半端ねえぞ!」

大臣「大丈夫です。過疎掲示板の過疎スレに全国規模でどうこうする影響力なんかないですよ」

王「お前の発言が大丈夫かよ!?怒られても知らねえかんな!」
73: :2013/5/12(日) 01:21:15 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「山本翔太が三面で諦めました」

王「諦めちゃったよ!どうしてそこでやめるんだ、そこで!」

大臣「勇ましく進んでいたそうですが、ゴブリンの実力を見て心が折れ……」

王「ゴブリンさん毎度お疲れ様です!いや、それはいいんだよ!」

王「何か今回死因適当じゃね!?いや、死んではいないけどさ!」

大臣「ぶっちゃけ「もういっそ勇者じゃない一般人来たら面白くない?」って思って書きましたからね」

大臣「この辺のくだりを考えてなかったし、メタで乗り切ろうという結論になったんです」

王「そういうの堂々言うのやめない!?俺もちょっとリアクションに困るしさ!」

王「全国の山本翔太さんのためにも頑張ろうよ!ネタとしてポーンと出して、後処理は適当って最悪だろ!」

大臣「思い付きだけで行動すると後悔するっていう教訓ですね。さて、次の勇者いってみましょう」

王「山本翔太さん、大変なとばっちりだよ!全国の山本翔太さん、本当にすみませんでした!」
74: :2013/5/12(日) 01:22:27 ID:YHEhymVdsU
ぎりぎり勇者「ぎりぎり勇者です」

王「何で辛うじてのラインに甘んじてんだよ!完全に勇者になれよ!」

大臣「勇者になるのも大変なんですよ。ぎりぎりでも一応勇者なんですからいいじゃないですか」

王「そんなのがよくもまあ魔王討伐の大任に立ちあがったな!」

ぎりぎり勇者「400点で合格のところ、402点でどうにか勇者になれました」

王「ぎりぎりだね!一問か二問間違えてたら勇者になれなかったよ!てか勇者ってそういう制度なの!?」

ぎりぎり勇者「手にテーピングして胴着を着て、腰を落として正拳突きを一発二発。ぎりぎり勇者です」

王「勇者じゃねえよ!ぎりぎりどころか圧倒的に武闘家じゃねえか!」

ぎりぎり勇者「道行く人のすれ違いざまに金属バットで頭部をバコン!ぎりぎり許してもらえます」

王「許されないよ!殺傷事件で裁判待った無しだよ!」

大臣「さすがぎりぎり勇者はぎりぎりのラインを突くのがうまいですね」

王「正気かぁ!?全然ぎりぎりじゃねえよ!いかれた方向に振り切っちゃってるだろぉ!」
75: :2013/5/12(日) 01:24:05 ID:YHEhymVdsU
大臣「なんだかんだぎりぎりで上手くいく勇者なので、魔王討伐もぎりぎり果たすことでしょう」

王「俺にはそう思えないねぇ!こいつのぎりぎりのライン、おかしいんだもん!」

ぎりぎり勇者「コーヒーを1、牛乳を99の割合で入れます。ぎりぎりコーヒー牛乳です」

王「ほぼ牛乳だろ!百人に聞いても全員がただの牛乳って言うわ!」

大臣「しかし、千人に聞いてみたら、あるいは……」

王「変わらねえよ!一緒だよ!例外なくオール牛乳判定だよ!」

王「ほら、こいつのぎりぎりのラインっておかしいんだよ!本当に402点とったのかも怪しいよ!」

大臣「まあまあ。感性が少しずれてても要は魔王を倒せればいいんですから。期待しましょう」

王「どこにどう期待すればいいんだ!?こんな明らかな負け戦に希望なんか抱けねえよ!」

ぎりぎり勇者「ゲーセンの腕相撲のやつで一番強い奴にぎりぎり負けます。ぎりぎり期待できますね」

王「できねえよ!勇者なら余裕で勝ってよ!あれでしょ、一番強い奴がロボコップみたいなやつでしょ!?」

大臣「あれってアームチャンプス2っていうみたいですよ」

王「そうなんだ!?知らんかったわ!いや、それは今はどうでもいい!」

王「正直期待はできんが仕方ない……ぎりぎり勇者よ、魔王を討伐してくるのじゃ!」
76: :2013/5/12(日) 01:25:39 ID:YHEhymVdsU
翌日

大臣「ぎりぎり勇者が三面でやられました」

王「何でだよ!?ぎりぎり勇者なんだから九面でやられろよ!」

大臣「勇ましく進んでいたそうですが、ゴブリンにやられて……」

王「困った時のゴブリン頼りだな!なんかもう死因とかうまく浮かばなかったらゴブリン出せばいいって思ってない!?」

大臣「それだけゴブリンが鬼門なんでしょうね」

王「ていうかさっきも言ったけど、ぎりぎり勇者が三面でやられちゃ駄目だろ!」

王「九面まで行って「名前の通りぎりぎり駄目だったな!」とか言って、ようやく完成するネタだろ!何でそんなとこでやられてんだよ!」

大臣「あ、でもぎりぎり生き残ったみたいですよ」

王「知らないよ!もうちょっとわかりやすいぎりぎり要素を出してよ!」

大臣「ぎりぎり勇者でも駄目だなんて……魔王討伐はやはり厳しいですね」

王「何でお前の中でそんな好評価なんだ!?腕相撲のやつでぎりぎり負ける程度の奴だぞ!?妥当な結果だよ!」

大臣「でもあれかなり強いですよ」

王「店によって強さ違うから何とも言えないよ!仮に凄く強くても、勇者なんだから倒せよ!」
77: :2013/5/12(日) 01:26:40 ID:YHEhymVdsU
大臣「ぎりぎり勇者も失敗ということで、今回も駄目でしたね」

王「ああもう!勇者全滅に慣れてきてる自分が憎いわ!」

大臣「じゃあいつも通り勇者募集しておきますので、また明日ということで」

王「もう完全にパターン化してるよぉ!どうせ明日も屑共が集まるんだろ!?」

大臣「そんなの明日にならないとわかりませんよ。何を弱気になってるんです?」

王「明日にならんでもわかるわ!ここで急にシリアスパート突入したらびびるわ!」

大臣「見てる方も飽きてるだろうし、変化があるのはいいことでは?」

王「悲しいこと言うなよ!今までの流れで急にマジな勇者来て、急にシリアス突入すんのは無理あるだろ!」

大臣「じゃあ今まで通りで納得するしかないですね」

王「ちくしょう!俺はどうすれば救われるんだよぉ!?」
78: 名無しさん@読者の声:2013/5/12(日) 01:33:42 ID:eXyTaz3oj2
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