男「だって普通逆じゃない?主人が前でメイドとか使用人は後ろにいるもんだろ」
メイド「それ、いつの時代の常識ですか?」
男「いや、最近だけど」
メイド「ご主人様、もう使用人が後ろで控えているという時代は終わったのです」
男「どんな時代だよ」
208: 1:2012/3/11(日) 10:23:41 ID:PldKJRlf8s
蜘蛛男「こんな事もあろうかと、予めワイヤーを仕掛けてあったのさ」
男「ちっ、変な所用意周到だな…」
蜘蛛男「さあ男君!!私と来たまえ!!」
男「断る!!」
蜘蛛男「断る事を断る!!」
男「断る事を断る事を断る!!」
蜘蛛男「断る事を断る事を断る事を断る!!」
メイド「何回繰り返せば気が済むのですか?」
209: 1:2012/3/11(日) 10:30:03 ID:yy8uT.WIIA
蜘蛛男「ならば…これを見ても同じ事が言えるかな?」スッ
男「(まさか…拳銃!?)」
メイド「男さん、下がって!!」
蜘蛛男「ほ〜ら、蜘蛛の巣だよ〜ネバネバするよ〜」
メイド「・・・」
男「・・・」
蜘蛛男「びろ〜ん」
男「おバカー!!」バキッ!!
蜘蛛男「ぬわぁぁぁ!!」
メイド「落としましたね」
男「・・・正当防衛って事にしとこうぜ」
210: 1:2012/3/11(日) 11:44:16 ID:1skTqWjWmM
蜘蛛男「初対面の人にいきなり殴りかかるとはなんだ!!」
男「初対面の人に蜘蛛の巣見せびらかす方もなんだ!!」
蜘蛛男「・・・いい加減にしろよ貴様ら」
男「(っ!?雰囲気が変わった!?)」
蜘蛛男「私はこう見えても優秀な殺し屋(ヒットマン)だ…貴様らが子供だから甘く見ていたが…調子に乗るなよ」
男「くっ!!」
蜘蛛男「大人しくついてくるなら良し…抗うなら…」
蜘蛛男「その女を殺す」
男「!!」
メイド「・・・」
211: 1:2012/3/11(日) 11:48:41 ID:fLoBNRP8hw
蜘蛛男「選べ、捕まるか、死か」
男「・・・メイドには絶対に手を出すなよ」
蜘蛛男「約束は守ろう」
メイド「それはいけません、私は死んでもご主人様をお守りします」
蜘蛛男「死に急ぐか…いいだろう」
メイド「その前に…優秀なヒットマンでいらっしゃるんですよね?」
蜘蛛男「ああ」
メイド「優秀なヒットマンならさぞかし良いナイフをお持ちなんでしょうね」
蜘蛛男「ふん、中々わかってるではないか」
メイド「残念です…死ぬ前に一度でいいから一目見たかったです…」
212: 1:2012/3/11(日) 11:53:36 ID:1skTqWjWmM
蜘蛛男「冥土の土産に見せてやろう」スラリ
メイド「まあ、とってもいいナイフ」
蜘蛛男「鉄をも楽々と切り裂くぞ」
メイド「試してみましょうか」
スパッ
メイド「まるで紙を切るみたいで素晴らしいですね」
蜘蛛男「だろう?・・・って、今、何を切った?」
メイド「何をって…」
メイド「これ(ワイヤー)ですけど?」
蜘蛛男「・・・おまっ!!」
ドン
蜘蛛男「うわぁぁぁ!!」
男「・・・二度ある事は三度あるってか?」
メイド「三度目の正直とも言いますね」
213: 1:2012/3/11(日) 17:31:26 ID:4Xwv3wiqes
男「ところでマジで大丈夫か?」
メイド「ご安心を、下でトランポリンが待機してるのを先程確認いたしました」
メイド「この高さなら骨折程度で済むでしょう」
男「・・・俺達さ、罪にならないよな?」
メイド「少なくともあの方は銃刀法と器物破損の罪がありますね」
男「・・・いや、銃刀法は俺達が誘導し」
メイド「てません」
男「・・・はい」
214: 1:2012/3/11(日) 17:36:41 ID:S.XCOKqifY
男「で、これは一体いつ動きだ…」
ガコン
メイド「電源の復旧が完了したみたいですね」
男「全く…人騒がせな奴だったな」
メイド「・・・ご主人様」
男「んあ?」
メイド「相手を欺く為とはいえ、次からはあのような事は言わないで下さい」
男「あのような?」
メイド「自分がどうなってもいいから私には手を出すな、です」
男「いいじゃねーか、結局なんも無かったんだし」
メイド「よくありません、何かあったらどうするつもりだったんですか?」
男「そんときは…そんときだ」
215: 1:2012/3/11(日) 17:48:24 ID:S.XCOKqifY
メイド「・・・」
男「んな怖い顔をすんなよ…」
メイド「いいえ、ご主人様が考えを改めになるまでし続けます」
男「だから、止めろって…」
メイド「止めません」
男「ぐぬぬ…」
男「わかった…わかったよ」
男「今度から気を付ける、これでいいだろ?」
メイド「まあ…いいです」
男「でも、お前も蔑ろにはしないからな」
メイド「・・・」
男「その顔止めぃ!!」
216: 1:2012/3/11(日) 17:51:18 ID:S.XCOKqifY
男「着いたみたいだな」
メイド「ええ」
男「降りるか、っと」
係員「ご無事ですか?お怪我はありませんか?」
男「あ、はい大丈夫です」
係員「今回は私共の注意不足でご迷惑をお掛けしてしまい本当に申し訳ありませんでした」
男「いや…そんな」
父「男君!!」
男「父さん」
217: 1:2012/3/11(日) 18:17:26 ID:S.XCOKqifY
父「心配したんだよ!!観覧車が止まったって聞いて」
男「悪い、心配かけたな…って」
男「なんで俺達が観覧車に乗ってるって知ってるんだ?」
父「え!?あ!!いや!!とにかく!!無事でよかったよ!!」
男「なんか露骨に怪しいな…」
メイド長「男様、ご無事でいらっしゃいましたか」
男「メイド長さん」
メイド長「男様達が観覧車の方へ歩いていかれるのを見たものですから」
父「そ、そう!!それなんだ!!」
男「なんか信じられないな…」
218: 1:2012/3/11(日) 19:36:13 ID:16KxvmO2Jc
メイド「男さ…ご主人様」
男「メイド、どこに行ってたんだ?」
メイド「申し訳ありません、先程落とし…墜落した男が気になりまして」
男「ああ、大丈夫だったか?」
メイド「ええ、それなんですが…」
菅野「その男なら現在事情聴取中だよ、男君」
男「菅野さん!!」
219: 1:2012/3/11(日) 19:45:12 ID:16KxvmO2Jc
男「なんでここに?」
菅野「ここは私が経営している遊園地だからね…」
菅野「それより…すまなかった、侵入者を許して君に危険な目に会わせてしまったね」
男「いや…大丈夫ですよ」
菅野「あの男は恐らく私と敵対している川越グループの差し金だろう」
男「なんで…川越グループが俺を?」
菅野「恐らく…私と父さんの関係を危険視したんだろう」
220: 1:2012/3/11(日) 20:26:48 ID:i9.wsGCu4M
父「菅野君」
菅野「父さん、お久しぶりです」
父「経営は順調みたいだね」
菅野「これも全部父さんのご投資のおかげですよ」
父「僕は大したことはしてないよ」
菅野「またまた、ご謙遜を」
男「あの…関係って?」
菅野「すまない、簡単に言うと父さんはどこの企業にも投資をしている、いわばフリーの投資家なんだよ」
菅野「でも、皆知ってる通り父さんは莫大な資金を持っている」
菅野「そんな人が一つの企業に優先的に投資をしたらどうなると思う?」
男「その企業は…成長する」
221: 1:2012/3/11(日) 20:39:32 ID:i9.wsGCu4M
菅野「そう、でも単なる中小企業じゃ金をドブに捨てるようなもの」
菅野「自分で言うのもあれだけど、私の会社みたいな大企業にこそ、投資の真の価値が出てくる」
菅野「光栄にも、我が菅野グループは父さんが投資を優先するであろうリストに入っているわけだ」
菅野「だが、やはり敵対企業は面白くないからね…あの手この手で投資を止めさせようとするだろうね」
菅野「今回の一件も、男君を誘拐して脅迫し、私の企業に投資をするなという血判状と自分の企業に投資しろという約束を無理矢理させるつもりだったんだろうね」
菅野「まあ、優秀なメイドさんがいるから男君は大丈夫そうだけどね」
メイド「・・・」
222: 1:2012/3/11(日) 20:41:52 ID:i9.wsGCu4M
菅野「とにかく、今後いつ男君が狙われるかわかりません。微力ながら私達も男君の護衛に回らせていただきます」
父「菅野君にまもってもらえるなら、心強いよ」
菅野「恐れいります。お屋敷までは?」
父「あ、車を待たせてるから大丈夫だよ」
菅野「わかりました」
菅野「じゃあね、男君」
男「あ、はい…」
223: 1:2012/3/12(月) 00:28:33 ID:Bfj0tx5aEw
父「いや〜今日は色々あったね〜」
メイド長「旦那様、お車の方に」
父「あ、それなんだけどさ…まだお土産屋さんに行ってないじゃない?今から行こうよ」
メイド「かしこまりました」
男「そうだな…行った記念とか欲しいし」
父「決定じゃ、ついてきて!!」
メイド長「目の前にありますけどね」
父「メイド長さん…それは言わないで…」
224: 1:2012/3/12(月) 00:34:54 ID:Bfj0tx5aEw
男「・・・」
メイド「男さん、いかがなさいましたか?」
男「いや…部屋に飾る人形を選んでるんだけど…」
メイド「(この人は相変わらず乙女思考だな…)」
男「これさ、どうやら対になってるみたいなんだよね」
メイド「そうみたいですわね…2つとも買えばよろしいのでは?」
男「部屋に飾るのは一つで十分なんだよ…でも出来ればこの二人を二人っきりにさせたいっていうか…」
メイド「(ここまで感情移入する人も凄いな)」
男「どうっすかな〜」
メイド「・・・」
225: 1:2012/3/12(月) 00:39:01 ID:qnnn8qAUyY
メイド「わかりました、ではこうしましょう」
メイド「こちらは男さんがお買い上げになられて下さい、私はこっちを購入いたします」
メイド「そちらを男さんのお部屋に飾り、こっちを私の部屋に飾る」
メイド「部屋自体の距離は近いので問題ないと思われます」
男「そういう問題か…でも、そうだな」
男「じゃあ、そうするか」
メイド「かしこまりました」
父「お〜い、そろそろ会計済ませるよ〜」
男「わかってるよ!!ていうか、どんだけ買ってんだよ!?」
父「いや〜、つい」
男「ついで買い占めるなよ!!」
226: 1(投下終了):2012/3/12(月) 00:44:56 ID:Bfj0tx5aEw
男「メイド、これ」
メイド「?」
男「さっき見つけた、お前に似合いそうだなって」
メイド「ブローチですか?」
男「うん」
メイド「これは男さんからの贈り物と受け取っていいんでしょうか?」
男「そう思ってくれるなら嬉しい」
メイド「・・・」
メイド「ありがとうございます」ニコ
男「お、おお…」
男「い、行こうぜ」
メイド「はい…あ」
男「どうした?」
メイド「園を出るまで…手を繋いでもいいですか?」
男「え?」
男「まあ…父さん達にばれない程度なら、いいぜ」
メイド「はい」
227: 1:2012/3/12(月) 18:33:48 ID:0mns1JLGBw
〜〜〜翌日〜〜〜
男「zzz」
メイド「・・・」
男「zzz」
メイド「ご主人様、朝でございます」
男「あと…30分」
メイド「あと30分お眠りになってしまわれると約12分の遅刻となってしまいますが、よろしいでしょうか?」
男「・・・起きる」
メイド「賢明な判断ありがとうございます」
男「・・・うん」
メイド「ご主人様?」
男「・・・起きる」
メイド「まだお眠りになられていますか?」
男「起きてる…うん、起きてる」
メイド「(完璧に寝ておられますね…)」
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