勇者「あ、あああああなたが魔王ね!!」
魔王「・・・1人でのこのこと殺されに来るとは殊勝な事だ。
ふむ、まさか勇者がこんな歳若い娘とはな・・・ククク」
勇者「う、うるさい!ここで会ったが百年目!世界に平和を取り戻すために
あなたを倒してみせる!」
魔王「いいだろう。倒せるものならしてみるがいい。・・・さぁかかってくるがよい!」
勇者「言われなくとも!てやー!!!」
ズルッ
ドテッ
勇者「ふぎゃっ」
魔王「えっ」
464: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/18(土) 23:18:44 ID:g.AV2R2.bU
−−−
ザザザザッ
魔王「…?」
魔王「何か今駆けて行ったような…」
魔王「まぁいいか…」
魔王「…っ!」
魔王「この魔力…」
魔王「まさか…」タッ
465: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/18(土) 23:19:03 ID:g.AV2R2.bU
・
・
・
側近「ぐっ…殺されなかったのは運が良かったけど」
側近「…去り際に腹を切られるなんて」
側近「あー…あんな鋭い爪で抉られたら流石に痛い…」
側近「僕が人間だったら死んでたな…」
側近「くっそ…いてぇ…」ドクドク…
466: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/18(土) 23:20:02 ID:g.AV2R2.bU
ガサッ
ガササッ
側近「…」
スタスタスタスタ…
魔王「…」ピタッ
側近「…?」
側近「あれ、夢でも見てるのかな。走馬灯?」
側近「魔王様が居る」
魔王「夢でも走馬灯でもねぇよ。現実だ」
魔王「そんな所で何へばってるんだよ、馬鹿か?」
467: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 01:24:01 ID:g.AV2R2.bU
側近「ははは、どうしたんです?そんなフードなんて被って…まさか人間の街にでも行ってたんですか?」
魔王「そのまさかだよ。キングスライムの奴に追い出されてな。側近と一緒に遊んでこいって」
側近「へぇ…生憎、僕は今超絶忙しいので御一緒に遊ぶ事は出来ません」
魔王「見りゃ分かるさ」スッ
側近「手なんて翳して何をする気ですか。言っときますけど、満身創痍ですから今更手を加えたって変わりませんよ」
魔王「ばぁか。何勘違いしてるんだよ。回復してやろうっつの」パアァ…
側近「お人好しめ」
魔王「うるせ」
468: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 01:24:20 ID:g.AV2R2.bU
魔王「一応、腹の傷は塞いどいた。回復したとは言え、直ぐには動くなよ?暫くは大人しくしてろ」
側近「そうは烏賊の金玉ですよ」
魔王「何この場面でボケかましてるんだよ」
側近「冗談です。…魔王様は見ませんでしたか?駆け抜けていった魔物を」
魔王「…見てはいないな。何かが通り過ぎた気はしたけど」
側近「それでも本当に魔王ですか」
魔王「…振りだよ」
469: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 01:24:38 ID:g.AV2R2.bU
側近「魔物がですね、2体の馬鹿でかい体躯の魔物が…勇者さんの村に向かって駆けていったんです」
魔王「…あぁ」
側近「早く行かないと、大変です」
魔王「心配なのか…?」
側近「死ぬのはどうでもいいですけど、死なれちゃ困ります。用事が終わっていないんだから」
魔王「は?」
側近「こちらの話です」
470: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 01:25:44 ID:g.AV2R2.bU
側近「とにかく、計画をあんな魔物に邪魔されちゃ困ります」スクッ
魔王「おい、まさか」
側近「魔物のせいで勇者さんが死んだら元も子もないです。僕は、助けに行きます」
魔王「…お前、今魔力無いじゃんかよ」
側近「…ありますよ」
魔王「それは気配の方だろ。何にどれだけ使ったのか大体は予想付くけど、自分で自分の傷も満足に治せない奴が人を助けるなんて馬鹿な事はするな」
側近「…じゃあ、どうしろって言うんですか」
魔王「俺が行く」
側近「…言うと思ったよ」
471: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 01:26:03 ID:g.AV2R2.bU
魔王「今、アイツの村に危機が迫っているんだろう?獰猛な魔物のせいで」
側近「…それで、勇者さんが魔物に殺されるかもしれない」
魔王「アイツだけじゃない。罪も無い人間も殺られるかもしれない」
魔王「何でこんな事で死ななきゃならないんだ」
側近「…ははっ、相変わらず甘いなぁ…。アンタ、本当に魔王ですか?」
魔王「魔王だよ。でも」
魔王「勇者でもある」
472: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 01:32:16 ID:g.AV2R2.bU
側近「馬鹿な行為もこれだけにしてくださいよ。情けない」
魔王「何が情けないものか。人助けは良いぞ」
側近「そう思ってるのはアンタだけかもよ。"魔物"の中では」
魔王「それはどうだろうな」
側近「…足手纏いと言われようと、馬鹿と言われようと僕も付いて行きますからね」
魔王「…そうか」
側近「僕にもやらなければならない事がありますから」
魔王「俺が馬鹿なら、お前は阿呆だな」
側近「何とでも」
473: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 01:32:48 ID:g.AV2R2.bU
そろそろ終わりが見えてきましたね。
最後まで頑張ります。
474: 名無しさん@読者の声:2012/2/19(日) 02:08:43 ID:gcXINPOFyo
壁]ω・)つC
475: 名無しさん@読者の声:2012/2/19(日) 03:58:43 ID:KZsUceHXj.
CCCCCCC
476: 名無しさん@読者の声:2012/2/19(日) 09:03:45 ID:h4F3elAXVw
そろそろ終わりが見えてきましたね。だって?
………もっと見たいなー
477: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 15:22:43 ID:g.AV2R2.bU
>>476
ところがぎっちょん、終わるのです
今日の夜にまたあげに来ます
478: 名無しさん@読者の声:2012/2/19(日) 16:54:32 ID:Kt/HpIz9p2
一瞬「超弱」が「超熟」に見えておいしそうだと思ってしまった
もう少しで終わってしまうのか…
479: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 21:21:12 ID:g.AV2R2.bU
−−−
ドカンッ
バババババッ
バチッ
魔法使い「うぁっ!」ドカッ
賢者「魔法使い!大丈夫か!?」
魔法使い「え、えぇ…なんとか…」
戦士「くそっ…!魔法使いの魔法が効かないだなんて、どういう身体してるんだよ…!」
カサッ…
魔物A「…無駄な事だと分かっているのに」
魔物B「人間は愚かね」
戦士「…!?」
賢者「喋っ、た…っ?」
480: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 21:21:29 ID:g.AV2R2.bU
魔物A「何をそんなに驚く」
魔物B「物言う魔物なんて珍しくもなんともないでしょう」
魔物A「魔王城に居る魔物も、魔王も話す」
魔物B「我々が喋っていても何も可笑しくない」
魔物A「視野が狭いのだな」
魔物B「それがどうしたと言うの」
戦士「…っ、あぁ、喋ったからってそれがどうしたって話だよな」
481: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 21:21:47 ID:g.AV2R2.bU
戦士「てめぇらはオレ達が倒す。これ以上、無駄な損害は被りたくない」チャキッ
魔物A「無駄な損害では無い」
魔物B「無駄では無いわ。我々がこの世界を支配するのだから。先ずは災いを潰すべき」
賢者「…災い?」
魔物A「災いは勇者。人間にとっての希望だが、我々魔物にとっては災いで他ならない」
魔物B「聞けば魔王と勇者が仲良しこよしをしているのだとか」
魔物A「あの魔王はいけ好かない」
魔物B「だが、実力は本物。我々が魔物を倒すことなど、不可能に近かった」
魔法使い「どういう事よ…」
482: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 21:22:03 ID:g.AV2R2.bU
魔物A「魔王は人間を滅ぼすなどという考えを持ち合わせていなかった。その膨大な魔力も持ちながら、あの魔王はそんな事は一切して来なかった。私はそれが気に食わない」
魔物B「宝の持ち腐れという奴ね。あんな腑抜けた輩に王は務まらない。いくら人間だったとは言え、平和呆けをしすぎている。何時まで経っても人の思想のまま」
戦士「えっ?」
賢者「人間…」
魔法使い「だった、…?」
魔物A「知らなかったのか」
魔物B「魔王は元は人間。それも、人間達が崇拝し、幻想を抱いている勇者だったの」
483: ◆Gw31v9ceXw:2012/2/19(日) 21:22:21 ID:g.AV2R2.bU
魔法使い「えっ…?魔王が、人間で…それも、勇者だった…?」
賢者「どういうことだ…人間って…え?…そんな事って」
戦士「…ハッ、どうせ、嘘なんだろ?そうやってオレたちを騙して、戦意喪失でもさせるのか?隙を作らせる気か?」
魔物A「嘘等つかない」
魔物B「嘘吐いてどうなるの」
戦士「そんな事信じられるかよ…ハッタリだ」
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