勇者「あ、あああああなたが魔王ね!!」
魔王「・・・1人でのこのこと殺されに来るとは殊勝な事だ。
ふむ、まさか勇者がこんな歳若い娘とはな・・・ククク」
勇者「う、うるさい!ここで会ったが百年目!世界に平和を取り戻すために
あなたを倒してみせる!」
魔王「いいだろう。倒せるものならしてみるがいい。・・・さぁかかってくるがよい!」
勇者「言われなくとも!てやー!!!」
ズルッ
ドテッ
勇者「ふぎゃっ」
魔王「えっ」
209: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/19(木) 23:58:01 ID:GoOVcwF126
賢者「おい戦士、お前俺の話聞いてたか?」
戦士「聞いてた。ちゃあんと聞いてたぜ。疲れてるからもう寝てるかもしれないって」
賢者「分かってんなら今日の所は引き返して欲しいんだけど。常識的にも考えて」
戦士「オレが簡単に引き返す男に見えるか?」
賢者「・・・いや。見えない」
戦士「起きてたらそれに越したことはないけど、寝てたら起こすまでだ」
賢者「単刀直入に言う。迷惑だ」
戦士「ごめんごめん」
210: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/19(木) 23:58:18 ID:GoOVcwF126
戦士「・・・あのさ」
賢者「何?」
戦士「もしかして賢者も一緒に付いてくるつもりじゃないだろうな?」
賢者「・・・部屋に若い男女2人きりとか危ないだろ。しかもお前」
戦士「うーわ、全く信用されてねー。心配すんなよおにーさん。やましい事はしないから」
賢者「・・・本当か?にわかに信じがたいんだが」
戦士「本当だっつーの!信じろよ!シスコンは帰れ!」
賢者「ここ俺の家」
211: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/19(木) 23:58:33 ID:GoOVcwF126
−−−
コンコン
勇者「・・・?」
勇者「お兄ちゃん?」カチャ
戦士「よっす」
勇者「せ、戦士くん・・・!?」
戦士「悪いな夜遅いのに。しっかし、いつ見ても質素な部屋だなー。もうちっと女の子らしい内装しようぜ」
勇者「え?え?どうして?何で急に?」
戦士「ぬいぐるみを置くとか、カーテンの色をピンクにするとか、もっと色々あるだろうよ」
勇者(無視・・・)
212: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/19(木) 23:58:51 ID:GoOVcwF126
戦士「・・・寝てた?」
勇者「え・・・う、ううん・・・?起きてた・・・」
戦士「やっぱり、そうだと思った」
勇者「うん・・・?」
戦士「どうせ色々難しい事考えて眠れないんだろ?」
勇者「・・・・う」
戦士「・・今日色々あったもんな。オレも話の展開についていけてねえし」
勇者「・・・そう、だね」
213: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/19(木) 23:59:11 ID:GoOVcwF126
戦士「まさか、勇者ちゃんと魔王が修行していたなんて思いもしなかったし」
勇者「うぅ・・・」
戦士「何のための勇者やら魔王だか分かんねえし、仲睦まじく会話してたし、何より本来の目的と違う事してたから脳の処理が追いつかねーよ」
勇者「・・・お、怒ってる、ね」
戦士「当たり前だ、馬鹿」
勇者「ご、ごめん・・・」
戦士「・・・まーあの時はオレも頭に血が昇って色々と酷い事言っちまったな。悪かった。ごめん」
214: 名無しさん@読者の声:2012/1/20(金) 07:21:44 ID:ypGmimbIno
なんかこの戦士は実際にいたら仲間になりたくないレベル
215: 名無しさん@読者の声:2012/1/20(金) 13:00:48 ID:zeZgsGkyLM
仲間にしたら後ろから刺される可能性を考えてしまう
216: 名無しさん@読者の声:2012/1/20(金) 14:56:41 ID:huAFCDdjR.
>>215
仲間にして1ヶ月でこっちが後ろから刺したくなるレベル
217: 名無しさん@読者の声:2012/1/20(金) 15:18:09 ID:xea6T4XEgE
でも戦士普通の人間の反応だよな
218: 名無しさん@読者の声:2012/1/20(金) 15:47:41 ID:AsNljgCVCw
>>217
普通のDQNだと思う。
相手や周りの話を聞かなくて、自分の感情や意見を人に押し付けて勝手に物事を決めつける辺りが特にそう感じた。
219: 名無しさん@読者の声:2012/1/20(金) 18:17:37 ID:dw4OcSXloU
>>218
禿同
典型的な自己中野郎だぜ
220: 名無しさん@読者の声:2012/1/20(金) 20:35:05 ID:CO20nL.cqw
だがしかし、これが今の日本人の実態なのです
戦士日本人ちゃうけど
おもろいねーこれ
支援
221: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:49:32 ID:GoOVcwF126
戦士「でも、魔物もいつかは殲滅しなくちゃいけないんだ。気持ちは分かるけど、いつまでも落ち込んでられない。弁えなくちゃいけないんだ」
勇者「・・・そうだけど、でもやっぱり、あそこまで良くしてくれた方達を倒すのって・・・」
戦士「そうして倒すべき相手を倒さず世界が朽ち果てていくのを放って置くのは、みんなを裏切った事にはならないのか?」
勇者「う・・・」
戦士「お前は甘すぎるよ。そして誰よりも優しすぎる。・・・何で勇者に選ばれたんだろうな」
勇者「分かんない・・分かんないよそんなの私だって聞きたいよ・・・。私だって、勇者になんかなりたくなかったよ」
戦士「・・・」
222: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:49:47 ID:GoOVcwF126
勇者「だって私、戦士くんの言う通り凄く弱いし気も小さいし臆病だし、直ぐに人に甘えちゃうし、自分のするべき事もしなくちゃいけない事もよく分かんなくなってきた。才能もないよ何もないよ。どうして私なの・・・何で私なの」
戦士「・・・」
勇者「魔王さんも世界の人達も守りたい。救いたいよ・・・。これって我儘なのかな。無理なのかなあ・・・」
戦士「・・・どうしてそこまで魔王に執着出来るんだ?良くしてくれただけじゃないよな?」
勇者「あっ・・・・!・・そ、それは・・・」
戦士「確かに変な魔王だけど。・・・よくよく考えたら話しの通じる奴だし魔物っぽくないし、何より邪気が感じられないんだよな・・・」
戦士「一々人間っぽいんだよ。話聞く限りでも」
勇者「・・・!」
223: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:50:00 ID:GoOVcwF126
勇者「だって、魔王さんは・・・!!」
戦士「?」
勇者「本当は・・・!・・・・あ」
勇者(つい、言いそうになったけど、コレ、言っていいのかな・・・
勇者(本当は、魔王さんは元人間で、先代の魔王に呪いをかけられた、私と同じ勇者だって・・・・)
勇者(でも、戦士くん魔物嫌いだし。こんな事簡単には信じてくれなさそう・・・)
勇者(それに、あまりペラペラ喋っても良い内容じゃないかもしれない・・・)
勇者(言わないほうがいいのかな・・・)
戦士「何?」
224: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:50:15 ID:GoOVcwF126
勇者「う、ううん・・・なんでもない・・・」
戦士「・・何でもない事ないだろ。魔王が、本当は何だって?」
勇者「なんでもないの・・」
戦士「オレには言えないことなのか?」
勇者「・・・だって、魔物嫌いだよね」
戦士「ああ、嫌いだね。オレが勇者だったら真っ先に魔王なんかぶっ潰して魔物なんて殲滅してたね」
勇者「・・・酷い人」ボソッ
戦士「おい、聞こえてるぞ」
225: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:50:30 ID:GoOVcwF126
戦士「だって、そうしないと世界が平和にならないんだろ?魔物が居なくなったからって完璧に平和になるとは限らないけど、それでも大分マシになるだろ?それに、魔物は基本的に害を及ぼす存在だ。殲滅するべきだろ」
勇者「それは、そうなんだけど」
戦士「・・・オレの魔物に対しての考えは別にいいだろ。そんな事より、ソレ、どうしても言えないのか?」
勇者「ソレ?」
戦士「この流れで分かんないのかよ・・・。魔王の事だよ、まおう」
勇者「・・・・あ」
226: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:51:03 ID:GoOVcwF126
勇者「まだ、ちょっと言っていいのか分からなくって・・・」
戦士「・・・そっか。まぁ概ね、魔王が魔王らしくない理由且つ、お前が執着する理由だと思うけど」
勇者「うん・・・」
戦士「気になるけど、言いたくなったら言えばいいし無理して言わなくてもいいぜ。オレなんかに話すより、賢者や魔法使いに話す方がいいかもしれないし。まあ好きにしなよ。・・・好きにしていい内容かは知らないけどさ」
勇者「・・・・う、うん」
227: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:51:20 ID:GoOVcwF126
勇者「・・・そういえば、普通に流してたけど、どうして戦士くんこんな夜遅く此処に来たの?」
戦士「あ、すっかり忘れてた。何かまた要らない事言ってしまったな。ごめん」
勇者「別に、いいけど・・・」
戦士「とりあえず、今日の所はこうやって村に帰ってきてるわけだけど。また、魔王城まで行かなきゃならないだろ?今度こそ、魔王を倒しにさ」
勇者「うん、でも、今度は強くなって行かないと・・・」
戦士「だから、さ。修行も兼ねてオレと一緒に旅に出ないか?」
勇者「えっ!?」
228: ◆Gw31v9ceXw:2012/1/20(金) 23:52:23 ID:GoOVcwF126
戦士「自分で言うのも何だけど、オレ結構強い方だし。旅しながらだと簡単に修行出来ると思う。そのまま魔王城に行けばいい」
戦士「元々、勇者って旅して強くなるもんだろ?」
戦士「・・・まぁ、勇者が良かったらの話だけど。嫌なら嫌でいいさ」
勇者「・・・お兄ちゃんと、魔法使いちゃんとは一緒に旅に出ないの?」
戦士「あぁ・・・まぁそう言われればそうなんだけど・・・えっと、まぁそれは」
勇者「だって、戦士くんも私も回復魔法満足に使えないし、危ないんじゃないかな・・・」
戦士「それは、そうだけ、どさ・・」
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