母「いっけなぁーい、遅刻遅刻!」バタバタ
母「きゃっ」ドンッ
母「あたた… !ちょっとアンタどこ見てんのよ!サイテー!」バタバタ
息子「おかえり、母さん。日課の早朝妄想ランニングお疲れ様」
母「いい汗かいたわぁ」
620: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:00:50 ID:rCtZusBXzI
幼女「…ねえ」
いとこ「え、あ、はい」
幼女「好きなの」
いとこ「どうしよう三回目だわ」
幼女「……息子お兄ちゃんが、好きなの」
いとこ「え…?」
621: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:05:01 ID:rCtZusBXzI
幼女「あなたなんかよりずっと前から好きなの」
いとこ「……」
幼女「あなたみたいな馬鹿女よりずっと前から好きなの」
いとこ「……」
幼女「あなたみたいなウジ虫よりずっとずっと前から好きなの!」
いとこ「ねえなんでどんどん暴言のレベル上がってくの!?」
幼女「このメス豚ぁ!!」
いとこ「小学生が使っていい言葉じゃないわよ!あとメス豚じゃないし!」
622: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:07:38 ID:rCtZusBXzI
幼女「好きなのにっ…」ジワ
いとこ「っ…」ビク
幼女「ずるいっ…」ポカッ
いとこ「……」
幼女「ずるい、ずるいずるい、ずるいよ、ずるいよぉっ…!」ポカポカポカッ
いとこ「……幼女、ちゃん…」
623: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:10:31 ID:rCtZusBXzI
幼女「ちょっと年が近いだけのくせに」ズッ
幼女「私の方が全然可愛いのに」ポロッ
幼女「逃げて外国なんかに行こうとしてるくせに」ボロボロ
幼女「好きになったのだって、気持ち伝えたのだって、私が先なのにぃ…!」ボロボロビロ
いとこ「……」
624: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:12:33 ID:rCtZusBXzI
いとこ「よ、幼女ちゃん」
いとこ「何か勘違いしてるわ、だって」
いとこ「だって息子には、もう彼女がいるんだし…」
幼女「」ピタッ
いとこ「?」
625: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:16:30 ID:rCtZusBXzI
男の子「親友に任せてきたけど…」タタタ
男の子「あいつ大丈夫かなー…」
男の子「いや、それより幼女は――あ、いたいた!ん?何やってんだ…?」
幼女「…いとこお姉ちゃん」ニコ
いとこ「な、なあに…?」ニ、ニコ
幼女「ちょっとしゃがんで耳貸してぇ」ニコニコ
いとこ「え、こ、こう?」ヨイショ
幼女「うん、動かないでね」
いとこ「え――」
―――パアンッツ―――
男の子「!?」
626: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:19:33 ID:rCtZusBXzI
いとこ「え……?」ヒリヒリ
男の子「何やってんだ、幼女っ!」ガシッ
幼女「……」
男の子「手上げることないだろ、やりすぎだっ!……おい、幼女…?」
幼女「…彼女がいるから諦めますって、何それだよ。くだらないよ!」
いとこ「!」
627: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:23:51 ID:rCtZusBXzI
幼女「私なら相手に好きな人がいても、彼女がいても好きだって言うもん!言っちゃうもん!」
幼女「たとえその人に妻と子どもがいても言っちゃうもん!!」
男の子「いやそれは言うなよ」
幼女「なのにいとこお姉ちゃんは、綺麗な別れ方して、一人だけ満足して、逃げてばっかりっ!」
いとこ「逃げて…なんか、ない。逃げてなんかないわよっ!何よ、黙って聞いてれば、子どものくせに」
幼女「子どもだよ!子どもだけど、いとこお姉ちゃんなんかよりよっぽど本気だよっっ!!」
いとこ「!!」
628: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:27:45 ID:rCtZusBXzI
幼女「好きなら好きって言えばいいのに!正々堂々戦えばいいのに!」
いとこ「(あたし、何やってるんだろ)」
幼女「戦いもしないで逃げてる人のこと、私絶対認めない!」
いとこ「(こんな小さい子だって、こんなに頑張って、一生懸命で…)」
幼女「なんとか言いなよ!」
いとこ「(気持ちを伝えもしないで…そうよ、逃げてばっかりだったじゃない…!)」ギュッ
629: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:32:07 ID:rCtZusBXzI
いとこ母「ちょっと離して、んもう、いとこっ!」ズルズル
親友「いや、もうちょっと。もうちょっとだけ待ってやってくれ。そうだ、では僕があーたんへ綴った歌でも一つ」ガシ
いとこ母「思い出語りもポエムも聞き飽きたよ!」ダッ
親友「あーたん、君の瞳は太陽よりもきらめいて――あ、待ちたまえ!」ダッ
幼女「ねえ、聞いてるの!?」
男の子「…幼女、もうやめ」
いとこ「……幼女ちゃん、あたし――」
???「――いとこちゃんッッ!!」
全員「!!?」
630: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:36:43 ID:rCtZusBXzI
いとこ「嘘、この声…」
息子「間に合っ、た…?ああもう、あのチャラ教師、ガソリンくらい満タンに入れとけっ…!」ハアハア
いとこ「息子…!」
幼女「……」クルッ
男の子「おい、幼女!?」
幼女「帰る」
男の子「…いいのかよ」
幼女「…。…いとこお姉ちゃん、最後にいいこと教えてあげる」クル
いとこ「いいこと?」
幼女「お兄ちゃん、彼女なんかいないよーっだ」アッカンベッ
いとこ「」
幼女「」クルッ スタスタ
いとこ「え、ちょっと…ええー!?」
631: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:42:33 ID:rCtZusBXzI
親友「む、妹が帰るようなので僕は失礼する。詩はまた今度」
いとこ母「…」
親友「…息子の母上の姉上、一つよろしいか」
いとこ母「ややこしいね!?…いいよー、何かな!」
親友「娘と一緒に暮らしたいと思うのは、母心として当然のことだと思う。だが」
親友「彼女ももう、守られているだけの子どもではないということだ」ニヤリ
いとこ母「! …あーたんは?」
親友「僕が一生守っていく」
いとこ母「ずるくない?」
親友「生憎、僕はあーたんの母親ではないのでな」
いとこ母「そっか。…うん、そっかあ。そーだよねえー」
親友「ではな」タッ
いとこ母「……」
632: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:47:05 ID:rCtZusBXzI
いとこ母「…子離れ、か」
・
・
・
親友「幼女、帰るか…む、幼女?どこだ?」
親友「はっ、男の子くんもいない…?」
親友「よ、幼女!君はまだ守られるべき子どもなんだぞー!」
幼女「お兄ちゃん声大きいよぉ」
親友「いつの間に」
幼女「ずっといたよ、帰ろ!」
親友「うむ。…む、男の子くん?」
男の子「……」
親友「何故そんなに顔が赤いんだ…?」
幼女「ふふー、帰ろ!」グイグイ
親友「お、押すんじゃない」
633: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:49:23 ID:rCtZusBXzI
男の子「はーあ…」
幼女『』スタスタ
男の子『お、おい、幼女…』
幼女『なあに?』ニコッ
男の子『あ…いや、なんでもねえ…』
幼女『泣いてるかと思ったー?』
男の子『! お、思ってねえよ!ただちょっと、落ち込んでんじゃないかって…』
634: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:51:36 ID:rCtZusBXzI
幼女『落ち込んでるっていうか、お兄ちゃんは見る目ないなって思って』
幼女『だってこんなに可愛い子が好きって言ってるんだよ?』
幼女『見る目ないよぉ、ほんと!』
男の子『……幼女、無理しないでも』
幼女『だからねー、もう私さっさと次の恋見つけるの!』
男の子『切り替え早っ!』
635: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:54:50 ID:rCtZusBXzI
幼女『次はね、もっと私のこと見てくれてー』スタスタ
幼女『うん、かっこいい人がいいなあ』
男の子『はいはい…』
幼女『』クルッ
男の子『?』
幼女『』チュッ
男の子『はっ!?え!?おま、今ほっぺにっ…!?』
幼女『次の相手、男の子くんでもいーよ!』ニコッ
男の子『〜〜〜!!?///』カアアアアッ
636: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 20:59:20 ID:rCtZusBXzI
・
・
・
男の子「…女って皆ああなのか…?きよきよ以外…」
幼女「男の子くーん!何ぼーっとしてるの?帰るよー」
男の子「悪魔が呼んでる」
幼女「お兄ちゃん、男の子くんこのままアメリカ行くって」バタン
男の子「わかったよ、今行く!ドア閉めんな!」
男の子「(あーくそ)」
男の子「(俺がなりたいのはラノベの主人公じゃなくて、正義のヒーローなのにあいつのせいで台無しだ。ムカつく)」
幼女「もう、ほら、帰ろ!」ガチャ
男の子「…おう」
男の子「(ムカつくから、ちょっと可愛いと思ったとか絶対言わねえ!)」
637: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/19(木) 21:00:48 ID:rCtZusBXzI
>>615
このSSでは十八番ですww
レス返すの遅れてすいません!
今日の更新は以上です
もうすぐ終わりますよ!終わり終わり詐欺じゃないですよ!
続編とか諸々はまだ考えてないです
ではまた
638: 名無しさん@読者の声:2012/1/19(木) 21:10:52 ID:X6zMWzLjX6
主人公が空気過ぎる件についてw
639: 名無しさん@読者の声:2012/1/19(木) 21:14:18 ID:huAFCDdjR.
>>623のしれっとした罠のせいでシリアス感が行方不明にw
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