母「いっけなぁーい、遅刻遅刻!」バタバタ
母「きゃっ」ドンッ
母「あたた… !ちょっとアンタどこ見てんのよ!サイテー!」バタバタ
息子「おかえり、母さん。日課の早朝妄想ランニングお疲れ様」
母「いい汗かいたわぁ」
524: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 20:30:25 ID:R/pXqWMDcs
小学校――
幼女「でね、でね!だからね、そんな感じでね、恋のライバルが減ったんだよぉ!」
男の子「そうかよ、すごい興奮ぶりだな」
幼女「えへへ、もう嬉しくって〜!」
男の子「ふーん…」
525: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 20:34:53 ID:1GqT/NEFGM
男の子「でもさ、それってなんかずるくねえ?」
幼女「ずるい?」
男の子「だってそのいとこって人は誤解したまんまなわけじゃん。その分お前が有利ってなんかずるくねえ?」
幼女「え…だ、だって向こうが勝手に誤解してるだけだもん!私が教えるぎむもないよ!」
男の子「そんなもんかな?」
幼女「そうだよ!ずるくないよっ!」
526: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 20:38:17 ID:apl6Sgg8wc
男の子「でも、俺は正々堂々勝負した方がカッコイイと思うぜ」
幼女「う…うるさい男の子くんなんてヘタレなくせに!ヘタレなくせに!!」
男の子「へ、へ、ヘタレ今関係ないだろ!二度も言うな!!」
クラスメイト「男の子ー、サッカーしに行こうぜー」
男の子「あ、うん!じゃな幼女!」バタバタ
幼女「あ、ちょっと待って…」
幼女「…行っちゃった…」
幼女「ずるくなんて、ないもん…」
527: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 20:41:04 ID:dQzi.35icA
母宅――
いとこ母「ただいまあ〜…」ガチャ
母「おかえり…どこ行ってたの?朝いとこちゃん追いかけてってもう昼だけど」
いとこ母「ちょっと警察にご厄介になってた☆」テヘリンチョ
母「身内から犯罪者!?」
528: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 20:49:22 ID:CJ1hs7mb3w
母「何したの!?万引き!?無銭飲食!?轢き逃げ!?」
いとこ母「物騒だなあ。なんかね、いとこの学校行ったんだけど不審者と間違われちゃって…いとこに気付かれないようにマスクしてサングラスかけてコート着てたのがいけなかったのかな…」シュン
母「何その不審者ルック…」
いとこ母「でも下は全裸だったよ?」
母「何がでもなの!?しかもの間違いだよ!?」
529: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 20:52:53 ID:jowajketls
母「ハア…お姉ちゃんは昔から変わらないわね…」
いとこ母「やーねえ、さすがの私も十代の肌を保つのには限界があるわよ」
母「肌の話じゃないよ!ちょっとちゃんと聞いて!」
いとこ母「何よう。あ、ねえ今日1時から映画の再放送が――」
母「お姉ちゃん!!」
いとこ母「…何よう」
530: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 20:57:50 ID:shbbaigoeE
母「ずっと聞きたかったけど…どういうつもりなの?」
いとこ母「何があ?」
母「ふざけないで」
いとこ母「ふざけてないよ?母ちょっと怖いよ〜。カルシウム取ってる?」
母「…はっきり言うよ、いとこちゃんはこの家で私と息子くんと暮らした方がきっと幸せよ」
いとこ母「……」
531: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:04:56 ID:shbbaigoeE
母「…いとこちゃんはね」
母「誰かと料理するのは初めてだって笑ってたの」
母「息子くんといる時はよく怒ってるわ、それでもとっても嬉しそうよ」
母「一番最初にいってらっしゃいって言った時、ちょっとだけ驚いたような顔をしたわ」
母「ただいまって言ったら、嬉しそうにお帰りなさいって言うの」
母「来たての頃はよく外へ遊びに行ってけど、今は家にいる時間の方が長いわ」
母「お姉ちゃんとアメリカに行ったらどうなると思う?」
532: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:09:25 ID:dQzi.35icA
母「仕事で忙しいお姉ちゃんと一緒に料理ができるの?」
母「息子くんとも笑い合えなくなる」
母「朝から会社に行ってるって言ってたわよね、行ってらっしゃいって言えないじゃない」
母「それに、仕事で忙しいくせに寄り道癖が抜けないお姉ちゃんが、ただいまって言って笑顔にさせてあげることができるの?」
母「そんな人と慣れない土地で暮らして、いとこちゃんは幸せになれるの?」
いとこ母「……」
533: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:12:17 ID:jowajketls
いとこ母「あなたの言う通りだわ」
いとこ母「私は日本であの子と暮らしてた時も、傷つけてばかりだった」
いとこ母「今も自分勝手にアメリカに連れて行こうとしてる」
いとこ母「母親として最低ね」
母「自覚があるならどうして――」
いとこ母「理屈じゃないのよ」
母「え?」
534: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:20:55 ID:R/pXqWMDcs
いとこ母「いくら最低でも、私はあの子と一緒に暮らしたいと思うの」
いとこ母「だから迎えに来たの。それだけ」
母「…一度放っておいて、勝手だと思わないの?」
いとこ母「勝手よ。でもいいじゃない」
いとこ母「だって私、娘が大好きな一人の母だもの」
母「……」
535: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:26:27 ID:jowajketls
いとこ母「さ、この話は終わりよ!私ショッピングに出かけちゃおっと!」ルンルン
母「あっ、ちょっとまだ話は」
いとこ母「バイバーイ」ピューッ
母「ちょっとお姉ちゃん!」
母「全然理由になってないし、意味わからないわ…」ハァア…
母「けど…」
(いとこ母「だって私、娘が大好きな一人の母だもの」)
母「……」
母「……まあ結局、いとこちゃん次第よねえ」
536: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:33:49 ID:apl6Sgg8wc
いとこ「呼びましたか?」ヒョコ
母「きゃーっ!?え、いとこちゃんなんでいるの!?学校は!?」
いとこ「身内が警察に呼ばれたせいで早退させられました」
母「…姉がご迷惑をおかけしました…って、じゃあ今の話全部」
いとこ「聞いてました」
母「あ、あらー…」
いとこ「私、アメリカに行こうと思います」
母「え!?」
537: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:38:39 ID:0m2kiAr3nk
いとこ「私、正直お母さんに大事にされてないんだって思ってたんです」
いとこ「昔から自分勝手だし、約束したのに酔って帰ってきたこともあったし…」
母「……」
いとこ「でもお母さんの本音があれなら」
いとこ「ちゃんとやり直せると思うんです」
いとこ「だから私、行きます。お世話になりました」
母「いとこちゃん…」
538: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:41:15 ID:dQzi.35icA
母「ほ、ほんとにそれだけ?やけにアッサリすぎるんじゃ…」
いとこ「…」
(親友「遂に息子にも春が来たか」)
いとこ「…それだけですよ!」ニコリ
母「いとこちゃん…」
いとこ「じゃあ私、荷物整理してきます!」パタパタ
母「……」
539: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:46:20 ID:1GqT/NEFGM
いとこの部屋――
いとこ「うん、それだけそれだけ」テキパキテキパキ
いとこ「私がお母さんと向き合ったら、きっとうまくいく」テキパキ
いとこ「それにこのまま残ったら迷惑だし」テキパキ
いとこ「…離れた方が、きっとすぐ忘れられるし」
いとこ「あ…これ」
540: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:52:32 ID:dQzi.35icA
いとこ「(息子からもらったぬいぐるみ…)」
いとこ「…やっぱりブサイクじゃない、全然可愛くない」ビヨーン
いとこ「(…誰かに本気で学校行けなんて言われたの、初めてだったなあ)」
いとこ「…これくらい持って行っても、罰当たらないよね」ギュ
いとこ「……ケーキ」
いとこ「作らない、ままだったなあ」
541: ◆dR7WV1bjfM:2012/1/12(木) 21:53:24 ID:1GqT/NEFGM
更新終了します
…これはギャグSSです
もう一度言います、これはギャグSSです!
ではまた!
542: 名無しさん@読者の声:2012/1/13(金) 00:11:14 ID:X67jMh/RMg
ギャグというカテゴリでは収まらない何かを感じました、ふふふ
更新楽しみにしてますっ!
つCCCCCC
543: 名無しさん@読者の声:2012/1/13(金) 20:40:26 ID:tH0Qe2a6Uk
支援っ!支援っ!しえっ…
しえん → すぃえん → すぁいえん → さいえん → さいれん → SIREN
よくも…俺のトラウマゲームを思い出させてくれたな…
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