季節は春――
出会いと別れの季節
今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。
後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」
男「だが断る。この男のもっとも――」
後輩「それじゃあ話しますね」
男「あれぇ!?」
※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。
564:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/1(水) 23:37:01 ID:Drdi/RDOBg
アマン「もしもぉし、うざい話し方の解し屋アマンでぇぇす」
友「根に持ってる?」
アマン「少ぉぉしでぇぇすが」
友「いやごめんね!あの時ちょっとカッコつけたかっただけなんだよ!」
アマン「別に、気にしてませぇぇんがぁ?」
友(本当に気にしてないのかが分かりづらい!)
565:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/1(水) 23:38:35 ID:JY6V4dC4Js
アマン「まあ、ビジネスの話にしましょぉぉかぁ」
アマン「解す日時が決まりましたぁ」
アマン「明日の北海道でぇぇす」
友「北海道?何でそんなとこで?」
アマン「どぉぉやら、男という人は北海道に旅行に行っているようでぇぇすねぇ」
アマン「女性の方と一緒に」
友「!?」
566:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/1(水) 23:40:09 ID:adMUXkgFVg
友「だ、誰と一緒なんだ!?」
アマン「それは個人情報保護法に引っ掛かりまぁぁすのでぇ」
友「お前の仕事はもっと違う法律を破ってるけど!」
アマン「とにかく、お教えできませぇぇん」
友「もしも、その人が解す邪魔をしたら?」
アマン「その時はその人も解しまぁぁす」
567:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/1(水) 23:41:40 ID:JlaWwk8fx.
友「一つだけ、お願いがある」
アマン「何でしょぉぉう?」
友「鏡という女の子は、解さないでくれ」
アマン「本来なら解しますが、お客様は私の初めての方でぇぇすので、今回だけはそのワガママ、聞いてあげましょぉぉう」
友「ああ、ありがとう」
568:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/1(水) 23:43:29 ID:Cv0uaM0rFg
アマン「それではぁぁ、結果をお楽しみにぃぃ」
友「……」ツー…ツー…
友「解さないとは言われたが、やっぱり心配だ」
友「所持金は…十二万円か。よし、俺も行こう、北海道に!」カキカキ
1.初めての北海道!超楽しみ!(1)
2.【ついに】同じクラスの女子が男友達の家からでてきたんだが【完結!】(367)
3.【シャンプー持参で】俺の友達がドSなんだが【美容院】(741)
・
・
・
383.娘が犯行期に突入しちゃったみたいなんだが(12)
569:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:29:52 ID:jvh.yzQUbQ
まず始めにこのSSを読んでくださっている方にお詫び申し上げます
すみません!
まさかリアルがこんなに忙しくなるなんて思ってなくて、更新遅くなるっていう連絡できなくてすみません!
とりあえず今から多少更新していきます!
本当にすみませんでした!
570:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:31:10 ID:jXkubC9c3g
男「……あれ、ここは?」
運転手「病院よ。事故が起きてから、約3時間程経っているわね」
男「そうか、俺、あの後気絶して…」
テケテケ「男!大丈夫!?」
男「テケテケ!お前、病院にいたらまずいんじゃ」
運転手「大丈夫よ。ここ、都市伝説を知ってる知り合いが経営している個人病院だから」
571:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:32:24 ID:1.mlIeKsPs
男「あの、リチャードさんは?」
運転手「リチャードは、手術中よ」
男「!」
運転手「どうやら、思ってたより酷かったみたい」
運転手「まあでも、ここの院長の腕は知ってるから、心配はないわよ」
男「そう、ですか…」
572:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:33:39 ID:ktUt9u0AiY
テケテケ「運転手さん、ごめんなさい。私達が北海道に行きたいなんて言わなければ…」
運転手「大丈夫よ。この程度のケガなんて日常茶飯事」
男「それはそれでどうかと思いますけどね」
運転手「むしろ謝るのはこっち。大家の奴にあなた達を無事に送り届けるよう言われたのに、あなた達をケガさせちゃった」
テケテケ「運転手さんやリチャードさんに比べれば、こんなの平気だよ!」
男「それに、俺は過去を少し克服することができましたから」
運転手「…そう」
573:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:34:52 ID:aMwffahcKs
運転手「さて、話はここまでにしましょう」
運転手「別に入院してるってわけじゃないし、あなた達、もう行きなさい」
男「でも、いったいどうやって北海道に行けばいいのか…」
テケテケ「バスとかだと私が目立っちゃうし…」
運転手「あら、言ってなかったわね。ここ、北海道よ」
574:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:36:11 ID:k3w4nXfceM
北海道ホテルにて
男(ホテルの従業員は流石、接客のプロ。テケテケを見ても騒がず、むしろ車椅子を用意してくれた)
男(だが、何で)
男「何で相部屋なんだ!」
テケテケ「仕方ないじゃん。お金あまりないんだし」
575:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:37:52 ID:S2cKUGff36
テケテケ「それじゃあ、男は北海道観光してきなよ」
男「お前は?」
テケテケ「ほら、私はこんな姿だし…」
男「いや、今日はもう疲れたし、外も暗いし、寝よう」
男「んで、明日一緒に見に行こう。大丈夫、車椅子に乗ってりゃなんとかなるって」
テケテケ「男……うん!」
576:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/8(水) 23:39:48 ID:hWvCoopnsE
早朝にて
テケテケ「うーん、寒い……寒い?」
男達の泊まった部屋の窓は割れていて、冷たい風が入ってきている
テケテケ「このホテルボロいね、男」
テケテケはチラッと、隣の男の寝ていたベッドを見る。その布団には、膨らみがなかった
テケテケ「男!?」
勢いよく布団をめくる。そこには、血溜まりがあった
577:🎏 名無しさん@読者の声:2012/2/9(木) 07:23:43 ID:DUhRPK3kfQ
狽ィ、男ー!!!
郵便屋さん 大丈夫
リアル優先していいのよ?
むしろ 忙しいのに更新ありがとうね
578:🎏 名無しさん@読者の声:2012/2/9(木) 09:13:16 ID:AqVAKg4XNI
更新お疲れ様です!
無理せずご自分のペースでやればいいと思いますよw
郵便屋さんと不憫な女父に支援C
579:🎏 名無しさん@読者の声:2012/2/13(月) 00:24:56 ID:jpkDZXm8CE
支援あげ
580:🎏 名無しさん@読者の声:2012/2/13(月) 02:00:12 ID:r517UsUXT6
面白くて一気に読んでしまった…続きが気になりますが、ゆっくり無理なし更新で頑張ってください!
つC
581:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/14(火) 01:06:09 ID:p3vEpZeNwk
>>577男がどんな状態かはすぐに分かりますよ
そしてありがたいお言葉、本当にありがとうございます
>>578支援ありがとー!
女父の分も貰っておきますね
>>579支援ありがとー!
>>580支援ありがとー!
面白いと言ってくださったのはありがたいですが、別にゆっくりまったり読んでも構わないのよ?
そして皆さんのおかげでまたランクインすることができました
ありがとうございます!
ですが、まだ忙しい日々が続きそうなので、皆さんがおっしゃるように無理せずゆっくり自分のペースで更新していきたいと思います
582:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/14(火) 01:06:42 ID:p3vEpZeNwk
自然公園にて
そこには、左腕から血が滴っている男がいた
男「ゼェ…ハァ…」
男「痛っ!」
男(くそ、いきなり何なんだあの野郎!)
アマン「逃がしませんよぉ」
男「!」
583:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/14(火) 01:08:08 ID:BZHYCrXrlw
解し屋アマンは、持っている自分の武器、チェーンソーの電源を入れる
アマン「解して解して解して解して解してあげまぁぁす」
男(もうダメだぁ。おしまいだぁ)
?「ダメだよ、こんなとこでチェーンソー振り回しちゃ」
男「あ、あんた、何で!?」
大家「何でって、テケちゃんに君を探すよう頼まれてね」
584:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/14(火) 01:11:06 ID:BZHYCrXrlw
北海道ホテルにて
鏡「これは緊急事態だ」
北海道ホテルにはメリーの恩恵により、鏡が来ていた
メリー「女とトリックも連れてきたよ!」
女「男が大変ってどういうこと!?」
テケテケ「じ、実は…」
585:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/14(火) 01:12:46 ID:cY5DZefR8c
女「うそ、そんなことが……!」
トリック「まだ何も言ってませんわ!」
女「てへぺろ」
テケテケ「とりあえず、男が誰かに襲われているみたいだから、皆で探してほしいの!」
メリー「口裂けと大家は?」
鏡「口裂け女と大家は先に探しに向かったよ」
586:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/14(火) 01:14:10 ID:h4F3elAXVw
女「それじゃあ、探しに行こう!」
トリック「お待ちください」
テケテケ「何言ってるの!急がないと!」
トリック「男さんの携帯に電話はしたのですか?」
鏡「電話したが、電源が切れてる」
トリック「忘れたのですか?私の能力」
587:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/19(日) 01:38:09 ID:cPyZimQKa.
自然公園にて
アマン「邪魔をするのですかぁ?邪魔をするのでしたら、仕方ありませんねぇ。あなたも、解しまぁぁす」
大家「…男君、君に言いたいことがある」
男「何ですか?」
大家「ぶっちゃけ僕戦えない」
男「大丈夫です、最初から期待してないんで」
588:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/19(日) 01:39:22 ID:p3vEpZeNwk
大家「てか僕は君を探してほしいってしか言われてないんだけど!」
大家「だから僕が先に見つけて口裂けさんにいいところ見せようと思ったんだけど!」
大家「だから僕はホテルから続いている君の血痕を見つけても黙っておいたんだこど!」
大家「まさかこんな展開になってるなんて信じられないよ!」
男「あんたの考えが信じられねぇわ」
589:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/19(日) 01:40:34 ID:wuqsecO6N.
アマン「茶番は終わりですかぁ?」
アマンはゆっくりと近づいていく
アマン「小便は済ませましたかぁ?神様にお祈りはぁ?公園の隅でガクガク震える準備はOKでぇぇすかぁ?」
大家「あ、まだです」
アマン「早くしてくださいぃ」
男「待つのかよ」
590:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/19(日) 01:42:15 ID:cPyZimQKa.
テケテケ「大丈夫?男!」
男「テケテケ!それにお前らも!」
男の後ろから、テケテケ、鏡、メリーが現れる
アマン「邪魔がぁ、また入りまぁぁしたかぁ」
テケテケ達が男を守るように前に出てきたので、自然とアマンは標的を、テケテケ達へと変える
591:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/19(日) 01:43:38 ID:tkBS9rLKlY
北海道ホテルにて
女「私一人で留守番か」
女(男の寝ていた布団…)キョロキョロ
女「クンカクンカスーハー」
トリック「……女さん」
女「……!えと、あの!み、見なかったことにしてください…」
592:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/19(日) 01:45:40 ID:BLweTTbNbQ
自然公園にて
メリー「そっちがその気なら!」
テケテケ「私達だって戦うよ!」
テケテケとメリーはアマンに向かい走りだす
アマンもその二人に向かい走り、そして――飛び越える
アマン「あなたの方がぁ、簡単に解せそうでぇぇす」
アマンの狙いは、鏡だった
593:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:30:59 ID:ixQO7s5Doc
アマンは跳んでいる状態で、持っているチェーンソーを鏡に向かって降り下ろ――
男「危ない、鏡!」
――さなかった
降り下ろすことなく、着地した
鏡「!?」ハラハラドキドキ
アマン「そうでぇぇすかぁ。あなたが友さんの言っていた鏡さんでぇぇしたかぁ」
594:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:32:11 ID:h4F3elAXVw
男「友?もしかしてお前、友に言われて、俺を殺そうと?」
アマン「あ。……今のはぁ、聞かなかったことにしてくださいぃ」
男「できるかよ!」
男は携帯電話を取りだし、友に電話をかける
595:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:33:28 ID:p/GRFYV3vs
アマン「させませんよぉ」
鏡「こっちだって、邪魔はさせないよ!」
アマン「あぁ、どいてくださいぃ。じゃないとぉ」
アマン「次は、あなたも解さなきゃいけなくなるので」
アマンの雰囲気が変わる
そして、この時鏡は初めて、死への恐怖というものを感じた
596:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:34:49 ID:yHp6xpyjuo
鏡「ハァ……ハァ……!」
鏡は恐怖のため、ガクン、と膝をつく
テケテケ「鏡!」
アマン「あなた達もぉ、邪魔をしないでくださいぃ」
メリー「うぅ……」
テケテケ「…邪魔しないわけ、ないじゃない!男の命がかかってるんだよ!だからあなたには、負けられない!」
597:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:36:24 ID:Cv0uaM0rFg
口裂「そうね、負けてはダメよ、鏡ちゃん」
大家「口裂けさん!」
男や大家のいる後ろから、口裂け女がやって来た
口裂「私やテケテケがいるのよ?」
メリー(あれ、あたしは?)
口裂「鏡ちゃんは恐怖に負けてないで、安心してそこのチェーンソー持ってる奴が無様に倒れるとこを見ていなさい」
598:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/20(月) 23:37:51 ID:gdsRLqBUn.
アマン「また邪魔ですかぁ」
口裂「残念ね。ここでの邪魔者はあなた一人だけよ。ま、本来は無視するんだけど今回は特別に」
口裂け女は、コートに仕込んでいるナイフを取り出す
口裂「この都市伝説最強である私が、殺して解して並べて揃えて晒してあげるわ」
アマン「解すのはぁ、私の仕事ですけどねぇ!」
599:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:12:54 ID:1.mlIeKsPs
Prrr……
男(何故出てこないんだ?友!)
大家「まだ午前4時だからね。寝てるんじゃないかな?」
男(今、さらっと心を読まれた気がするが、なるほど、普通ならこの時間帯は寝てるな)
男(だが、早く友に話をつけないと、いくら都市伝説最強とはいえ、ナイフとチェーンソーじゃあ戦力に差がありすぎる)
大家「そんなこともないみたいだよ」
600:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:14:02 ID:JlaWwk8fx.
男(何故そんな当然のように心を読めるんだ!?)
男「って、え?そんなこともない?」
男が見たのは、チェーンソーを持っていながらも、口裂け女に推されて涙目になっているアマンの姿だった
大家「やっぱ口裂けさんは強いねー」
男「どういうことだってばよ」
601:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:15:26 ID:6G.p9Oyn4E
アマン「何で、何で私の攻撃が当たらないんでぇぇすかぁ!?」
口裂(恩恵状態でもない私に負けそうになるなんて、何この子超弱い!)
アマンはチェーンソーを振り回し、口裂け女に突進する
しかし、口裂け女はそれを軽々と避け
口裂「足元がお留守ですよ」
逆に足を引っかけてアマンを転ばせる
602:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:16:50 ID:s5bmV8mIXM
チェーンソーは転んだ際に手から離れた
口裂「あら、惜しかったわね。そのまま持ってればあなたの体のどこかが切断されたのに」
アマン「ハァ……ハァ……あ、あぁ……!」
アマンの心境は、先程の鏡と同じだった
男「圧倒的だな」
603:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:18:46 ID:AY51fdUhxg
説明しよう!
解し屋アマンは、今回が初めての仕事なのだ!
だから、いろいろと慣れていないのだ!
慣れていないから男を一撃で解しそこねたのだ!
そもそももっと解しやすい時があったはずなのに、慣れていないから安直に夜寝込みを襲ったのだ!
そして慣れていないから、自分の仕事を邪魔する者も解そうとしてしまうのだ!
別に男だけを狙えばいいにも関わらず
さらに邪魔者を解すにしてもさっさと解してしまえばいいのに、邪魔者とのおしゃべりを楽しんでしまっているのだ!
まあ、これは慣れとは関係ないけどね!
604:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:20:18 ID:zaTV1AxVlc
男「出たな、源十郎」
メリー「そう!皆ご存知源十郎の機能の一つ!ウィキテディベアだよ!」
大家「僕は知らなかったけどね」
テケテケ「あの人の名前、アマンっていうんだ」
鏡「今思えば名前知らなかったよな。ってか何で源十郎は知ってんだい?」
メリー「……え?さあ?」
今ここに、新たな都市伝説が生まれた
605:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:22:23 ID:Kkh511QEhI
ブチョウ、オクサマカラオデンワデース
男「電話、友から!」
大家「今の着信音!?恥ずっ!」
友「何だよー、こんな朝っぱらから」
男「おい友、解し屋アマンって何だ?」
606:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/21(火) 22:25:44 ID:h4F3elAXVw
友「な、何で!?」
男「そいつがお前に頼まれた的なことをバラしたぞ」
友「解し屋だけにってか?やかましいわ!」
男(何をこいつは一人で騒いでるんだろう。騒がしい)
友「解し屋アマンのことを話すから、騒がしいとか思うなよ」
男「え、何?俺の心が読まれるのって大家が異常なんじゃなくて俺が読まれやすいだけなの?……電話越しで!?」
607:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:10:57 ID:HPGj8KGTJE
〜解し屋アマン〜
とある電話番号に電話をかけると、あるところに繋がります
そこは解し屋アマン
彼女に頼めば、誰でも一人だけならバラバラにしてくれるそうです
ただしそれには条件が
それは自分と最も親しい人の死です
じゃあ、もし最も親しい人を解すようにお願いしたら、どうなるんでしょうね?
608:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:12:15 ID:yan9zBwNCM
〜解し屋アマン part2〜
さて、頼んだ後に勝手ですが、やっぱ死なないで!と思うことがあるかもしれません
そういう時は、
609:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:13:31 ID:5t2.GNY3vw
男「おい、続きは?」
友「…ごめん、忘れた」
男「肝心なところを」
友「まあ、後は頑張れよ」
男「お前のせいで鏡は解されそうだったんだぜ?」
友「男、場所を教えてくれ!」
男「自然公園」ツー…ツー…
610:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:14:45 ID:wuqsecO6N.
男「切りやがった」
男「あいつ、今から北海道来るつもりか?いや、そもそも自然公園だけじゃ北海道かどうかすら分からんか」
男(…そういえば、何であいつは俺を解すように依頼を……?)
男(流石に利子が多すぎたかな?少し減らしてやるか)
メリー「お金だけとは限らないんじゃない?」
男(まさかメリーにまで読まれるとは思わなかった)
611:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:16:13 ID:kl8E2gL2EM
男(しかし、もしも金じゃないとして)
男(他に何がある?)
男(そういえば、何故鏡だけは解さないよう頼んだんだ?)
源十郎「暇だからツイッターでもしてるかな」
男(何か今、機能とか関係なしにしゃべった、っていうか呟いてるのを見た気がするが、非常に気になるがそれは置いといて……ツイッター?)
男は、あの春のことを思い出した
612:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:17:44 ID:pfIgd/X5YY
『後輩「おや、男先輩じゃないですか。今日は紫乃先輩と一緒に帰らないんですか?」
男「あいつと一緒に帰ったことないんだけど」
後輩「ああ、そういえば登校でしたね。一緒に行ってるのは」
男「貴様、見ているな!?」
後輩「いえ、友先輩のツイッターです」』
613:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 00:20:02 ID:0VQbs4Y8tE
男(ああ、なんとなく分かっちまった)
男(たぶんおそらく友は鏡に惚れていたとして)
男(それで俺と鏡が一緒に登校したりしてるのを見て)
男(付き合っていると勘違いして、嫉妬した!)
男(あくまでこれは仮定だが、もし本当にそうだったら)
男(五万円ぐらい、追加だな)
614:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:18:53 ID:1a9ezyriWs
〜解し屋アマン part2〜
さて、頼んだ後に勝手ですが、やっぱ死なないで!と思うことがあるかもしれません
そういう時は、彼女の秘密をバラしましょう
彼女の秘密、それは彼女の名前にあります
アマンとは英語で愛人
そう、彼女は愛人との間に生まれた娘だったのです
だからこう言うのです
愛人の娘のくせに、と
さて、この話を聞いて□□□である友さんは、誰かを解そうと思いましたか?
それとも、解されそうな誰かを守ろうと思いましたか?
615:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:20:10 ID:p/GRFYV3vs
自然公園までの道にて
友(本当は分かっていた。きっとこんなことをしても、鏡は俺の所には来ないのだろうと)
友(だって転校してきた時、まるで俺と初対面のように話したから)
友(なのに、本当に初対面のあいつの家に住んだ)
友(それを見て数日後に、俺は鏡に選ばれなかったのだと諦めた)
友(だけど、誰でも一人殺してくれると聞いて、もしそれであいつが死んで鏡が戻ってくると考えたら)
友(そんな希望があったら、無理だと分かっていても試さずにはいられなかった)
616:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:21:26 ID:tkBS9rLKlY
自然公園にて
大家「まずいね」
男「何がですか?口裂けさんが勝ってるし、別に問題はない気がしますけど」
大家「いや、時間だよ。このままアマンが消えずにいたら、いずれ人が来る」
大家「アマンの見た目は、一応普通の女の子だ。もしもこんなシーンを見られでもしたら」
大家「僕ら、捕まってもおかしくはないね」
友「どこの誰かは知らないけどよ。そんな心配はいらないぜ」
617:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:23:12 ID:p3vEpZeNwk
男「友!お前どうやってここに?ってかいつの間に北海道に?」
友「北海道には昨日から!ここには愛の力で!」
男「きめぇ!」
友「うるせーよ!あ、おいアマン!お前鏡を解そうとしたらしいな!しかも依頼主の名前まで言いやがって!」
友「さらにその女の子も傷つけて!」
男「違う違う。そっちがアマン」
友「負けてんのかよ!」
友「そんな奴には、お仕置きだべぇ!」
618:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:24:41 ID:mnXuUV.EGc
友「愛人n」
アマン「ああああぁぁぁぁ!」
友「!?」ビクッ!
アマン「そこから先を、言うなぁ!」
アマンは口裂け女を無視し、チェーンソーを友に向かって投げつける
友「え、あ、あ…」
619:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:26:12 ID:wfet.hi7A.
次の瞬間、友の目に映ったのは、赤色
鮮血の、赤い色
だが、その赤色は友のものではなく
友「あ、ああ…」
友の近くにいて、とっさに友を庇った
友「鏡…鏡ィィィー!」
鏡のものだった
620:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:27:45 ID:jvh.yzQUbQ
テケテケ「鏡!」
口裂「鏡、ちゃん…」
メリー「うそ…うそだよね……?」
鏡「そう、騒がないでおくれよ……傷に、響く」
友「鏡、鏡!」
鏡「あたいは、大丈夫だから」
男(くっ…大丈夫な、わけがねー。電源は止まってるが、あいつにはまだチェーンソーが刺さってるのに!)
621:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:29:19 ID:.DgffcOXqc
大家「もしもし、医者!急患だ!…は?眠い?ふざけてんじゃねーぞ!一分以内に来い!じゃないとお前の病院、潰すぞ!」
男(あの大家が、焦って……!)
友「鏡…ごめん、俺のせいで…」
鏡「友のせいじゃ、ないさ。あたいのことはいいから、早く言うんだ」
アマン「言わせるかぁぁぁ!」
友「お前は」
アマン「あああぁぁぁぁ!」
友「愛人の娘のくせに!」
622:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/2/23(木) 23:31:40 ID:p3vEpZeNwk
アマン「あ、あああぁぁぁぁ!ああああぁぁぁぁ!!」
アマンは動きを止め、膝から崩れ落ちる
アマン「止めて、殴らないで、お父さん」
アマン「痛いよ、お義母さん」
アマン「痛い、痛いよ、私の体を、切らないで、お義姉ちゃん」
鏡に、いや、鏡に刺さったチェーンソーに手を伸ばし
アマン「助けて、お母さん――」
解し屋アマンは、消えた
救急車が到着したのは、それから約十秒後のことだった
623:🎏 名無しさん@読者の声:2012/2/29(水) 22:35:36 ID:AY/cxQo99Q
楽しみに待ってるよー
つC
624:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 06:55:39 ID:uXoiEP5.4c
病院にて
医者「無事手術は成功じゃ。あと数時間で目を覚ますじゃろ」
大家「ありがとう。君にはずいぶんと無理を言ってしまった、すまないな」
医者「別にいいんじゃよ。JKの生パイを触れたしの」
大家(あ、僕が潰すまでもなく潰れるわ、この病院)
625:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 06:56:54 ID:ilecF7ct8.
鏡「……」パチクリ
テケテケ「鏡!鏡が目を開けたよ!」
メリー「これも源十郎の機能の一つ、手当てディベアのおかげだね!」
口裂「落ち着きなさい。大丈夫?鏡ちゃん」
鏡「あ、ああ、あたいは大丈夫だよ」
626:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 06:58:05 ID:9tYPEGlSJY
女「いやー、鏡にチェーンソーが刺さったって聞いたときはパニクったけど、大丈夫そうでよかったよ」
鏡「すまないね」
トリック「別に、鏡さんが謝ることではありませんわ」
女「そうだよ!いやー、生きててよかった!」
男「……友、そろそろ、俺達に言ったことを、鏡にも伝えてやれよ」
友「ああ、そうだな」
627:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 06:59:47 ID:Qql3TNKUgY
友「…鏡」
鏡「何だい?」
友「まさかお前が四年前のことを忘れているなんて知らなくて、その、すまなかった」
鏡「謝るなら、男に対して謝っとくれ」
男「俺はさっき充分謝られたよ。ってか友、ちゃんと伝えろよ」
友「分かってるよ。…鏡、お前はもう忘れたかもしれないが、俺は……人間同盟の提案者だ」
628:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 07:01:13 ID:OV6VKvhVKQ
――鏡さんは、その事で悩んでるんだね
――だったら鏡さんに必要なのは、僕と違って友達じゃなくて仲間だよ
――さっき教えてもらった都市伝説のこと
――それが本当なら、チームを作れば、チームメイトが鏡さんの恩恵を止めてくれるはずだよ
鏡「ああそうだ。少し思い出した。あたいはその後、友みたいな人間を守るため、という理由も付け足して、人間同盟を作ったんだ」
629:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 07:02:57 ID:MigpRrBMTw
――まだメンバーは少ないけど、友、あんたのおかげであたいは救われそうだ
――僕も、鏡さんのおかげで少し友達ができたよ
――そりゃよかった。そうだ、あんたに渡しときたいものがある
――何?
――あたいとあんたの作ったチーム、人間同盟の印さ。これを持ってれば、同じ人間同盟の都市伝説の恩恵を止める、もしくは弱らせることができる
――これ、もっとたくさんない?
――どうしてだい?
――僕の友達に、お守りとして渡したいんだ
630:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 07:04:51 ID:hy9iyTUKhM
男「お守り……もしかして!」
友「そう、俺がお前と女に渡したお守りには、人間同盟の印が入っている」
男がテケテケと出会った時、テケテケの恩恵が止められたのは、それが理由だった
男がラブホテル殺人事件の怨念と対面して切り刻まれなかったのは、それが理由だった
631:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 07:07:02 ID:9tYPEGlSJY
鏡「あたいは友と出会い、そのおかげでチームを作れた」
鏡「それからも、友はあたいのために尽くしてくれた」
鏡「それは、記憶をなくした今でも」
鏡「ねぇ、友」
鏡は手招きをし、近づいた友に、耳元で小さな声で何かを話し、唇付けをした
鏡「…ありがとう」
そして、鏡は幸せそうに笑い、消えたのだった
632:🎏 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2012/3/5(月) 07:08:47 ID:2csgTXzvVI
友「鏡…今、約束したからな」
――友、今からあたいが消えても
――悲しそうにさよならなんて言わないでくれよ
――むしろ笑って見送っておくれ
友「さよならなんて、言わねぇよ」
――あたいは来世で、必ずあんたに会いに行くよ
友「今度は、あの時と違い絶対に会えるって確信があるんだからよ」
第三部 友編 END
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