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男「て、テケテケ……!?」
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1: 郵便屋:2011/10/29(土) 01:31:32 ID:wnLpg.lGXw
季節は春――

出会いと別れの季節

今年、高校2年生になった男にも、出会いがあった。

後輩「ねぇ、男先輩、僕の話を聞いてくれません?」

男「だが断る。この男のもっとも――」

後輩「それじゃあ話しますね」

男「あれぇ!?」


※このSSはフィクションです
登場する人物、団体、地名、一部の都市伝説などの名称はたぶんすべて架空のものです
また、物語の進行上、現実に存在する都市伝説の設定を一部変えているので、そこら辺ご了承くださいまし。
あと、文章や内容変でも大目に見てやってください(切実)。


390: 郵便屋 ◆jWU.FEbXOc:2011/12/29(木) 04:11:47 ID:WhexdUVxt6
男「いや、だから真犯人が」

女「違うの!私は殺してないって信じたかった。でも、犯人は私だったのよ!」

男(ダメだ、今の女は精神的に不安定。何を言っても通じねーだろうな)

男(とりあえず、近づいてみて様子を見るか)

そう、男が一歩近づいた瞬間だった

男「え?」

男の背には、一本のナイフが突き刺さっていた
391: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/29(木) 04:13:34 ID:NxWCm.gNZc
男「イッテぇぇぇ!!」

女「だから、私に近づくなって通常人格が言ったろ?」

男「お、女?」

女「おいおい、この超絶クールな女ちゃんを呼び捨てたぁ、困るぜ、ホント」

女「せめて、さんを付けろよデコ助野郎」

男「お前、本当に女なのか?」

女「だから、さんを付けろって言ってんだろうが」
392: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/29(木) 04:16:59 ID:tY8D9ZB9XA
男「……」キッ

女「おいおい、そう睨むなよ。いいぜ、教えてやるよ」

女「私は女だが女じゃない。ま、アレだ、別人格ってヤツかな」

女「都市伝説、ラブホテル殺人事件のナンパ集団。そいつらのせいで自殺した人間達の魂が混ざりできたのが私だ」

女「私は二度とそういう者を出さないために生まれたんだ」

女「つまり、ラブホテル殺人事件は私の都市伝説という事だ」

男「そうか、じゃあもうお前の仕事は終わっただろ。さっさとその体から離れろ」

女「んっんー、それが無理なのさ」
393: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/29(木) 04:18:51 ID:1eRjVZpXZM
女「私は取り憑いた人間が死ぬまで、離れることができない」

女「だから、今まではすぐに自殺したりして死んでたんだが」

女「この体の持ち主、強くてね。未だに私に対抗してきやがる」

男「おい、それじゃあ意味ないだろ。ナンパ野郎から守るために生まれたのに、その後自殺しちゃ意味ないだろ!」

女「おいおい、勘違いは止めてくれよ。私がいつ守るために生まれたって言ったよ?」

女「私は、ナンパ野郎を殺すために生まれたんだぜ」
394: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/29(木) 04:20:41 ID:GgRZcDWIwo
男「クソッ!」

男(女が死んでないのは、強いからだと言っていた)

男(それはまだ女が生きていたいからなんだ。そりゃそうだ、こんなくだらないことで死にたくねーもんな)

男(だったら、俺がなんとしてでも奴をお前の体から追っ払ってやる)

男(だから、ちょっと待ってろよ、女。今度は)

男「今度は、俺がお前を救う番だ!」
395: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/29(木) 04:23:20 ID:cu1/Ay.CjM
今回はここまで!

何か展開が少年漫画っぽいって思ったけど、俺少年漫画好きだから別にいーや!
396: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/30(金) 01:59:12 ID:sQHyMImaDA
警察署内にて

鏡「さて、あんたにはどういうことか説明してもらおうかい?」

トリック「ワタクシの話が終わってから女さんを探すものだと思ってましたの…それなら、女さんはずっと遠くの方へ逃げられると…でも、まさか同時進行だなんて思いませんでしたわ」

テケテケ「そんなのどうでもいいよ!何で男が死ぬのか言ってよ!」

トリック「…ワタクシ、本当は間に合いませんでしたの。ワタクシが来たときにはもう、三人は殺された後でしたわ」
397: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/30(金) 02:00:52 ID:AXHvj7glAs
トリック「そしてワタクシ、正確にはワタクシの取り憑いていた人間もズタズタに切り刻まれましたわ」

トリック「と言っても、ダメージは共有なのでワタクシ、しばらくその場を動けませんでしたわ」

鏡「そのズタズタに切り刻んだ奴ってのは」

トリック「もちろん、女さんですわ」

女父「…………」
398: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/30(金) 02:02:26 ID:AXHvj7glAs
『待った!』

警察「ちょっと待ってください。検死結果には被害者三人の死んだ時間がズレてると確かに書いてあります」

警察「遅れてやって来た一人が女さんを連れてきたんですから、あなたの話だと最後の一人だけ時間がズレるのはおかしいんですよ!」

『異義あり!』

トリック「それはワタクシが取り憑いて、一部変えさせてもらいましたの。本当は三人が死んだ時間は一緒。つまりそれには、嘘しか書かれてませんわ!」

警察「な、なんですってー!?」

警察「さ、裁判長、今すぐに本物の検死結果を」

女父「誰が裁判長だ、誰が」
399: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/30(金) 02:05:25 ID:tY8D9ZB9XA
メリー「でも、何でそれが男が死ぬってなるの?」

トリック「女さんは、いつもと雰囲気が違いましたわ」

鏡「雰囲気?」

トリック「ええ、あれは、女さんじゃない。もっと狂暴な何かでしたわ」

テケテケ「でも、もしかしたらもう大丈夫かも」

トリック「念には念を入れて、ですわ。これ以上、女さんには人を殺さないでほしいですもの」
400: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/30(金) 02:11:19 ID:dQdSMz.X2A
鏡「しかし、あんたは何で自分が犯人になってまで女を庇おうとしたんだ?」

トリック「ワタクシ、女さんには恩がありますの」

鏡「恩?」

トリック「ええ、女さんには命を救われましたの」

トリック「ワタクシがある女の子の人形に取り憑いていたときのことでした」

トリック「その子が男子のイタズラのターゲットにされた時、ワタクシが取り憑いていた人形を男子がどぶ沼に投げ捨てましたの」
401: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/30(金) 02:13:20 ID:aduN8GDWuU
トリック「周りに他に取り憑く物もない。ワタクシは、ああ、もう消えてしまうんだ、と思いましたわ」

トリック「そんな中、ワタクシに手を指し伸ばしてくれたのが、女さんでしたの」

トリック「泥だらけになりながらも必死に、自分の物でもない人形を必死に助けようとしていましたわ」

トリック「そしてワタクシ、決めたのです。この人についていこうと。この人のためなら自分を犠牲にできると」

女父「あったな、そういえば、娘が泥だらけで帰ってきたことが……小学生の時だったかな…」
402: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/30(金) 02:15:48 ID:cjWAihIEcc
トリック「ですが、だからこそ信じられないのです。女さんがこんなことをするなんて」

テケテケ「それは、きっと女さんにしか分からないよ」

テケテケ「メリーちゃん、男に電話して!」

メリー「了解!」

テケテケ「トリックさん、一緒に行こう?女さんのところに。そして、どうしてこんなことをしたのか聞こう!」

トリック「……はい!」
403: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/31(土) 15:24:10 ID:pcXaBLhQCM
展望台にて

女「何の力もない人間風情が、私と闘り合おうってかい?」

男(まともに戦って勝てるわけがない)

男(まず、戦ってあいつが消えるとは限らない)

男(というか、これバトル系のSSじゃないからなるべく戦いとかしたくない!)
404: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/31(土) 15:25:29 ID:E2h2zW9H3w
男(都市伝説には消える条件がある)

男(テケテケなら地獄に帰れと言う。口裂け女ならポマードやベッコウ飴)

男(きっと、こいつにだって何か)

女「私の消える条件を考えてるな?」

男「何故バレたし」
405: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/31(土) 15:26:43 ID:n2UWPiPnOM
女「さっきも言ったように、私は取り憑いた人間が死なないと消えないんだ」

女「それ以外に方法はない」

女「そして、あんたが来てからこの体の通常人格がもっと強くなりはじめてね」

女「あんたを殺して、私も死のう」

男と女の周りには、軽く百本を超えるナイフが宙を舞っていた
406: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/31(土) 15:28:11 ID:O.M8pmHLw6
女「都市伝説、ラブホテル殺人事件には私の存在は詳しく書かれてない」

女「詳しく書かれてないってことはだ、殺害方法は私が割と自由に決めちゃっていいってことなんだぜ」

女「私は百本以上のナイフを自由に出し、そして自由に操作できる」

女「手で触れずにな!」
407: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/31(土) 15:29:45 ID:ZfWPauMvYQ
男「何の力もない人間の俺相手には、ちょっとチートすぎるんじゃない?」

女「文句は、私を創った奴に言いな。死ねば会えるぜ」

男「そりゃ、だいぶ遠い未来になるぜ」

女「私はだいぶ近い未来だと思うがな」

ナイフが一斉に動きだし、男を刺す
408: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/31(土) 15:31:24 ID:UgNlKRPWhA
男「ぐっ…!」

女「おいおい、まだ生きてたのか。しぶといね」

女(おかしい、ナイフには刺した後切り刻むとインプットしといたはず)

女(何で発動しない?奴はまごうことなきただの人間)

女「……」ハッ!

女「お前か、通常人格!」
409: 郵便屋
◆jWU.FEbXOc:2011/12/31(土) 15:32:56 ID:AXHvj7glAs
男(何か知らんが、あっちはもめている。今がチャンス)

男(だが、まずい。全身に刺さったナイフのせいで、こっちは立っているのがやっと)

男(せっかくのチャンスだが、何もできない)

女「まあいい、この男はもうこのままでも死ぬ。だが」

女「もっとすぐに殺してやる」
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