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姫「殴っていいですか」
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1: ◆xXC7.dNnEA:2011/10/28(金) 22:21:53 ID:SCGnwLC0bk
姫「いいですよねお父様」

王「姫ちゃん怖いよ」

姫「殴りたくもなりますよ。



  ――何ですかこの財政は!」


657: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:27:47 ID:2Jn3tSEu0A
皇子「冷害が解決しない限り、君たちの国に恩を売る余裕はない」

皇子「これは父上が、先ほどおっしゃった言葉です」

皇帝「……ああ。言ったな」

皇子「では、もし冷害が解決したら?」

姫「…………!」ハッ
658: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:33:45 ID:B5M6CddzKk
姫「魔王さん!そんなこと、できる?」

魔王「え、ええ。できるわよう」

魔王「そもそもあれも、戻すのが面倒でそのままにしていただけだもの」

王子「国の存亡がそんな適当な理由にかかっていたなんて……」フラッ

宰相「王子、お気を確かに」
659: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:34:37 ID:B5M6CddzKk
従者「では、小麦の冷害を解決してくださるんですね?」

魔王「ん〜ど〜しよっかな」

魔王「ねえあなた本当にうち来ない?」

従者「ですから結構です」キパッ

魔王「やん、つれな〜い」キャアッ
660: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:01 ID:B5M6CddzKk
魔王「まあいいわ。アタシのせいだし戻してあげる」

皇帝「待て、何をするつもりだ!」

魔王「何って……森を元に戻してあげるわよ?」

皇子「父上、ご不満ですか?」

皇帝「そういう問題ではない!」
661: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:26 ID:B5M6CddzKk
皇帝「いきなり出てきて魔王だ何だ信用できるか!」

皇帝「それに冷害を治めるなど……怪しいことこの上ないだろう!」

皇帝「君たちの知り合いのようだからと思っていたが、こうも詐欺紛いのことを始めるとあれば話は別だ」

皇帝「衛兵!この者たちを捕らえろ」

魔王「――できると思ってんの?」
662: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:48 ID:B5M6CddzKk
衛兵1「っ、体が……」

衛兵2「動かない……陛下!」

魔王「あ〜やだやだテンション下がっちゃうわ。せっかく可愛い子見つけたのに」

従者「……、冷害の件は」

魔王「やるわよ。こいつら抑えながらで充分だわ」
663: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:15 ID:B5M6CddzKk
皇帝「くっ……待てと言っている!」

魔王「なんかアタシあなた嫌い。いくわよ」

魔王「え〜い」

皇帝「やめ……やめろおおおぉぉぉ」
664: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:40 ID:B5M6CddzKk
魔王「…………」

宰相「………………」

皇子「……………………」

姫「……何も起こらないわね」

魔王「あなた何期待したの?」
665: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:08 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「だってアタシが戻したのは北の森よ〜」

魔王「こんな離れた場所で何かが起こる訳ないじゃない」

従者「それにしたってこう、眩い閃光ですとか」

魔王「お望みならいくらでも出すわよ〜」キャピキャピ

兵士「陛下!北の森から大量の水蒸気が……!」バーン

王子「本当だったのか……」
666: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:35 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「これで多分元通りよ」

魔王「小麦だったかしら?来年にはたわわに実るはずね」

皇子「では、併合の件は……」

皇帝「…………」

皇帝「……いや、まだだ」
667: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:01 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「仮に今ので冷害が解決したとしても、すぐに我が国の経済が復活する訳ではない」

皇子「ですが、約束は」

皇帝「冷害が解決したら支払いを帳消しにする等と言った覚えはない」

皇帝「彼等が勝手に勘違いをしただけだ」

皇子「詭弁です!」
668: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:26 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「お前は事の深刻さを分かっていない!」

皇帝「これほどの帝国と言えど政情は不安定、少しの経済不安で民衆の不満は爆発する」

皇帝「金のない弱小国であれ、少しでも搾取して国を立て直さなければ」

皇子「これ以上小国を痛め付けて何の国利になると言うのです!」

皇帝「お前に口出しする権利はない!」
669: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:49 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「そんなことを言って私に逆らうつもりか……?」ピクリ

皇帝「反逆者とあらば私は、息子であろうと処刑するぞ」

皇子「そんなつもりで言ったのではありません……」

皇子「違います、自分は、」

皇子「俺はただ、父上のお力になりたくて……!」
670: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:13 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「…………」

皇帝「そんなことは、何とでも言える」

皇子「父上!」

皇帝「向こうの王と仲良くしていたそうじゃないか。情でも湧いて庇ったか」

皇帝「……誰が父親だと思っている」

皇子「え……?」
671: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:37 ID:2Jn3tSEu0A
姫(……つまり、)

姫(嫉妬、していたのかしら、お父様に)

姫(こんな立派な皇帝さんが)

皇帝「……お前とは、一度よく話し合う必要がありそうだ」

皇子「ええ。そう、思います」

皇帝「君たち」
672: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:23 ID:Ton..bW6Ps
皇帝「遠路はるばる来たところ申し訳ないが、今回は保留にしてくれ」

皇帝「今後のことは後日、君たちの父上と直接話し合って決める」

王子「了解しました」

皇帝「皇子、お送りしろ」

皇子「はい」
673: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:44 ID:Ton..bW6Ps
宰相「……構わなかったのですか」

皇子「ええ」ニコリ

皇子「父上との意見の衝突は、前々からのことでした」

皇子「むしろ感謝しているくらいです」

宰相「大変、ですね」
674: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:07 ID:Ton..bW6Ps
王子「国は、どうなるんだろうな」

皇子「大丈夫です、意地でも説得しますから」

皇子「代わりの政策は考えています。先程は言いそびれましたが」

王子「代わりですか」

皇子「勉強した甲斐がありました」ニコリ
675: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:31 ID:Ton..bW6Ps
姫「本当に、何とお礼を言ったらいいのか……」

皇子「いいんです。あなた方の父上にはお世話になりました」

皇子「どうかよろしくお伝えください」

姫「ええ、必ず」
676: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:44:53 ID:Ton..bW6Ps
勇者「……ねえ俺たちのこと忘れてない?」

姫「あっ」

魔王「酷いわあ。せっかく皆のピンチを救ってあげたのに〜」

従者「すみませんありがとうございました」

魔王「という訳でアタシと一緒に帰りましょ〜」

従者「結構です」

魔王「あなた結構不敵よね」
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