姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
654: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:26:05 ID:B5M6CddzKk
勇者(なあこれどういう状況?)ヒソヒソ
魔王(知らないわよ〜アタシに聞かないでほしいわ)ヒソヒソ
宰相(お金が用意できませんでした。併合の危機です)
勇者(宰相さん)
魔王(あら何か不穏ねえ〜)
655: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:26:27 ID:B5M6CddzKk
皇帝「……まあいい。どうせ消滅する国だ」
皇帝「侵略しないだけ有り難く思え」
姫「っ……」
王子「……はい」
皇帝「残念だったな。北の冷害が解決し、君の友人がもっと常識を弁えていさえしたら……」
魔王「あっごめんそれ犯人アタシ」
従者「えっ」
656: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:27:25 ID:2Jn3tSEu0A
従者「ちょ、今何て言いました」
魔王「カレシと喧嘩したときに、怒って北の森まるごと凍らせちゃってねえ〜」
王子「北の穀倉地帯で、異常気象による冷害……まさか」
姫「真夏のダイヤモンドダストはそれか……!」
657: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/17(日) 22:27:47 ID:2Jn3tSEu0A
皇子「冷害が解決しない限り、君たちの国に恩を売る余裕はない」
皇子「これは父上が、先ほどおっしゃった言葉です」
皇帝「……ああ。言ったな」
皇子「では、もし冷害が解決したら?」
姫「…………!」ハッ
658: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:33:45 ID:B5M6CddzKk
姫「魔王さん!そんなこと、できる?」
魔王「え、ええ。できるわよう」
魔王「そもそもあれも、戻すのが面倒でそのままにしていただけだもの」
王子「国の存亡がそんな適当な理由にかかっていたなんて……」フラッ
宰相「王子、お気を確かに」
659: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:34:37 ID:B5M6CddzKk
従者「では、小麦の冷害を解決してくださるんですね?」
魔王「ん〜ど〜しよっかな」
魔王「ねえあなた本当にうち来ない?」
従者「ですから結構です」キパッ
魔王「やん、つれな〜い」キャアッ
660: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:01 ID:B5M6CddzKk
魔王「まあいいわ。アタシのせいだし戻してあげる」
皇帝「待て、何をするつもりだ!」
魔王「何って……森を元に戻してあげるわよ?」
皇子「父上、ご不満ですか?」
皇帝「そういう問題ではない!」
661: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:26 ID:B5M6CddzKk
皇帝「いきなり出てきて魔王だ何だ信用できるか!」
皇帝「それに冷害を治めるなど……怪しいことこの上ないだろう!」
皇帝「君たちの知り合いのようだからと思っていたが、こうも詐欺紛いのことを始めるとあれば話は別だ」
皇帝「衛兵!この者たちを捕らえろ」
魔王「――できると思ってんの?」
662: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:35:48 ID:B5M6CddzKk
衛兵1「っ、体が……」
衛兵2「動かない……陛下!」
魔王「あ〜やだやだテンション下がっちゃうわ。せっかく可愛い子見つけたのに」
従者「……、冷害の件は」
魔王「やるわよ。こいつら抑えながらで充分だわ」
663: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:15 ID:B5M6CddzKk
皇帝「くっ……待てと言っている!」
魔王「なんかアタシあなた嫌い。いくわよ」
魔王「え〜い」
皇帝「やめ……やめろおおおぉぉぉ」
664: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:36:40 ID:B5M6CddzKk
魔王「…………」
宰相「………………」
皇子「……………………」
姫「……何も起こらないわね」
魔王「あなた何期待したの?」
665: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:08 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「だってアタシが戻したのは北の森よ〜」
魔王「こんな離れた場所で何かが起こる訳ないじゃない」
従者「それにしたってこう、眩い閃光ですとか」
魔王「お望みならいくらでも出すわよ〜」キャピキャピ
兵士「陛下!北の森から大量の水蒸気が……!」バーン
王子「本当だったのか……」
666: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:38:35 ID:2Jn3tSEu0A
魔王「これで多分元通りよ」
魔王「小麦だったかしら?来年にはたわわに実るはずね」
皇子「では、併合の件は……」
皇帝「…………」
皇帝「……いや、まだだ」
667: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:01 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「仮に今ので冷害が解決したとしても、すぐに我が国の経済が復活する訳ではない」
皇子「ですが、約束は」
皇帝「冷害が解決したら支払いを帳消しにする等と言った覚えはない」
皇帝「彼等が勝手に勘違いをしただけだ」
皇子「詭弁です!」
668: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:26 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「お前は事の深刻さを分かっていない!」
皇帝「これほどの帝国と言えど政情は不安定、少しの経済不安で民衆の不満は爆発する」
皇帝「金のない弱小国であれ、少しでも搾取して国を立て直さなければ」
皇子「これ以上小国を痛め付けて何の国利になると言うのです!」
皇帝「お前に口出しする権利はない!」
669: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:39:49 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「そんなことを言って私に逆らうつもりか……?」ピクリ
皇帝「反逆者とあらば私は、息子であろうと処刑するぞ」
皇子「そんなつもりで言ったのではありません……」
皇子「違います、自分は、」
皇子「俺はただ、父上のお力になりたくて……!」
670: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:13 ID:2Jn3tSEu0A
皇帝「…………」
皇帝「そんなことは、何とでも言える」
皇子「父上!」
皇帝「向こうの王と仲良くしていたそうじゃないか。情でも湧いて庇ったか」
皇帝「……誰が父親だと思っている」
皇子「え……?」
671: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:40:37 ID:2Jn3tSEu0A
姫(……つまり、)
姫(嫉妬、していたのかしら、お父様に)
姫(こんな立派な皇帝さんが)
皇帝「……お前とは、一度よく話し合う必要がありそうだ」
皇子「ええ。そう、思います」
皇帝「君たち」
672: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:23 ID:Ton..bW6Ps
皇帝「遠路はるばる来たところ申し訳ないが、今回は保留にしてくれ」
皇帝「今後のことは後日、君たちの父上と直接話し合って決める」
王子「了解しました」
皇帝「皇子、お送りしろ」
皇子「はい」
673: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/18(月) 21:43:44 ID:Ton..bW6Ps
宰相「……構わなかったのですか」
皇子「ええ」ニコリ
皇子「父上との意見の衝突は、前々からのことでした」
皇子「むしろ感謝しているくらいです」
宰相「大変、ですね」
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