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姫「殴っていいですか」
[8] -25 -50 

1:🎏 ◆xXC7.dNnEA:2011/10/28(金) 22:21:53 ID:SCGnwLC0bk
姫「いいですよねお父様」

王「姫ちゃん怖いよ」

姫「殴りたくもなりますよ。



  ――何ですかこの財政は!」


550:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:06:48 ID:DSgCxQqiRY
王子「普段は騎馬兵の訓練に使ってる場所で、緑の丘が広がる良い場所だよ」

王子「何もないけど、訓練は見物だと思う。結構派手に走らせたり、隊列を組んだりしているから」

姫「それ、見られる?」

王子「馬小屋の番は調教師がしているんだが、いつも暇だって言ってるから実演してくれるかもしれない」
551:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:07:16 ID:DSgCxQqiRY
従者「だいたい良いですね」

姫「そうね、参考になったわ。ありがとう、ふたり共!」

従者「距離と時間の関係で、採用になるかは分かりませんが」

王子「何だ、なら早く言ってくれよ」

従者「まさかお気付きでなかった」

姫「はいストップー、次行きましょうさようなら!」

宰相「お気をつけて」
552:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:08:40 ID:c7b/jBefIw
姫「……と、いう訳なのだけれど」

姫「この城の見所はどこだと思う?」

舞踏家「その前に姫様、自分からも質問が」

舞踏家「私って捨てキャラじゃなかったんですか」

姫「作者に聞いて」
553:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:09:01 ID:c7b/jBefIw
従者「ともかく、色々な人に聞いて回っているんです。何かありませんか」

舞踏家「そうですね……自分は特に。城に来ることも多くはありませんから」

舞踏家「ああ、でも強いて言うなら、中庭はすごく好きです。いつも綺麗に手入れされてますよね」

姫「ああ、あそこ」
554:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:09:28 ID:c7b/jBefIw
姫「そういえば、舞踏家さん知ってる?中庭の薔薇の花壇はお父様が自ら手入れしているのよ」

舞踏家「え、そうなんですか!」

従者「流石に全部は無理ですからね、そこで妥協してるみたいです」

姫「本当は中庭に巨大迷路を作りたかったみたい」

舞踏家「へえ……」
555:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:09:49 ID:c7b/jBefIw
舞踏家「でも意外です。王様が直接城内のことをしてらしたなんて」

従者「結構多いですよ。ねえ姫様」

姫「そうね、皆知らないだけで割とたくさん……」ハッ

姫「もしかして、こういう裏情報を紹介する感じで説明したら良いのかしら」

従者「裏情報、ですか」

姫「ええ」
556:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:10:15 ID:c7b/jBefIw
姫「例えばお母様は乗馬がお上手とか」

姫「お兄様はピーマンが嫌いとか」

舞踏家「姫様は踊りが苦手でらっしゃる、とか?」

姫「そう!……って、え?」ヒヤッ
557:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:10:41 ID:c7b/jBefIw
舞踏家「せっかく少しだけ上達なさったのに、パーティー以来練習に来てくださいませんよね」ジリッ

姫「それはその、色々忙しくて」ジリッ

舞踏家「少し期間を空けるだけで、定着していない体はすぐに鈍ってしまうんですよ」

姫「あのっ舞踏家さん!私、他の人にも聞かなきゃいけないから!」

従者「逃げるんですか姫様」

姫「いいから行くわよ!舞踏家さんありがとう!じゃあさよならっ」ピュッ
558:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:12:05 ID:c7b/jBefIw
姫「危なかったわ……」

従者「素直に練習しておけば良かったものを」

姫「そうもいかないのよ。全く……」

姫「あら?向こうにいるのは、もしかして」

仕立屋「あ、姫様お久しぶりです!」パアッ
559:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:12:30 ID:c7b/jBefIw
姫「仕立屋さん!来てたのね」

仕立屋「はい、定期採寸の日ですから」

仕立屋「お城の使用人さん達の制服も、うちでお作りしているんですよ」フフン

従者「俺もお世話になってます」

姫「そういえばこいつ使用人だったわね」

従者「忘れてたんですか」
560:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:13:04 ID:c7b/jBefIw
姫「ちょうど良いわ。仕立屋さん、この城に何か見所ってないかしら」

仕立屋「見所、ですか?」

姫「ええ。実はかくかくしかじかという訳で」

仕立屋「かくかくしかじかじゃ分かりませんわ」

従者「使いたかっただけですよね」
561:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:13:25 ID:c7b/jBefIw
仕立屋「私がお勧めするなら、やっぱり何と言っても衣装部屋ですね!」

姫「え?でもあそこ、簡単に言うとクローゼットよ?」

仕立屋「クローゼットで良いんです。広さと中身と種類が凄いですから」

仕立屋「初めてお城にお呼ばれして衣装部屋に入ったとき、私、感動しましたわ」

仕立屋「あんなに色とりどりのお洋服に囲まれたの、生まれて初めてでしたもの……」ポワーン

従者「戻ってきてください」
562:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:13:51 ID:c7b/jBefIw
仕立屋「と、ともかく」コホン

仕立屋「男性は分かりませんけれど、女性には喜ばれるのではないでしょうか」

姫「なるほどね……考える価値はあるかしら」

従者「候補には入れて構いませんね」

姫「ありがとう、仕立屋さん。参考になったわ」

仕立屋「いいえ、また何かありましたら何なりと」
563:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:15:16 ID:yHuRSWudJ.
従者「……と、いう感じで色々話を聞いて回った後、姫様と相談して大体のルートを決めました」

従者「そうなると挿絵や案内図、地図が必要になってくるんですね」

従者「しかし、生憎と俺には絵心と言うものがありませんので」

芸術家「それで、僕のところに来てくださったんですね」ニコリ
564:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:15:41 ID:yHuRSWudJ.
芸術家「あ、すみませんお茶も出さず。今お持ちしますね」ガタッ

従者「いえお気になさらず」

芸術家「いえいえ、少々お待ちを」ズルッ

芸術家「」ベシャッ

芸術家「…………」ガツッ バサバサ

従者「……お気になさらず」
565:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:16:03 ID:yHuRSWudJ.
芸術家「あはは、引っ越してもあまり変わりませんね、お恥ずかしい」ボロッ

従者「逆に安心しましたよ」

芸術家「あ、そうですか?それは良かったです」

芸術家「僕も、意外と普通にやれてるみたいですから」

従者「はあ」
566:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:16:34 ID:yHuRSWudJ.
芸術家「僕が城を出てから、色々なことが変わりました」

芸術家「収入は僅かで、そのお金も生活費に消えてしまう」

芸術家「高額な画材は中々使えなくて、その分技術を磨き工夫を凝らしました」

芸術家「でもね、楽しいんですよ」

芸術家「僕は僕自身の力で生きられている」
567:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:16:55 ID:yHuRSWudJ.
芸術家「ようやく実力を、試すことができました」

従者「……本当に、そうでしょうか」

従者「実力なんて試すまでもなく、証明されていた」

従者「貴方が王様の保護を受けていたのも、貴方の実力で勝ち取った結果です」

従者「城を出る必要なんて、なかったんですよ」
568:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:17:21 ID:yHuRSWudJ.
芸術家「嬉しいことを、言ってくださるんですね」

従者「真実です」

芸術家「……僕はね、運が良かったんです」

芸術家「まだ目立った苦労もしないうちに王様に見初められて、助けて頂けた」

芸術家「僕よりも上手くて苦労している人なんて、まだたくさん」
569:🎏 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/6/15(金) 00:17:48 ID:yHuRSWudJ.
従者「……そうですか」

芸術家「ああ、すみません。少しおかしな話になってしまいましたね、あはは」

芸術家「案内図の件、承りました。いつ頃までに仕上げれば良いでしょうか?」

従者「できるだけ早く。数日以内にできますか」

芸術家「ええ、勿論です。ご都合の良いときに取りにいらしてくださいね」

従者「分かりました」
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