姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
453: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/26(木) 19:10:58 ID:V5t1TG2Qic
王「いいんじゃない?」
姫「ほらあ」
従者「話にならない」
454: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/26(木) 19:11:26 ID:V5t1TG2Qic
従者「不審者が紛れ込んだらどうするんですか」
王「いないよ、そんな人」
姫「こんな平和ぼけした国だものねえ」
従者「それは認めますが、何かあってからじゃ遅いですよ」
王「うんうん、従者くんはしっかりしてるねえ」
従者「他人事みたいに!」
455: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/26(木) 19:11:55 ID:V5t1TG2Qic
王「まあまあ、試しに一回やってみたら?」
王「国民のみんなも、喜ぶんじゃないかなあ」
姫「じゃあ決定ね!」
従者「仕方ない……」
王「応援してるよー、ところで姫ちゃん」
王「それ、父さんも食べに行けるの?」
従者「それが目当てですか」
456: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/30(月) 22:08:31 ID:ogjb0kC5Sw
従者「という訳で実際にやってみることになりました」
姫「お客さんを入れるなら南棟がいいわね、厨房も近いし」
従者「離れはどうですか、城の方は立ち入り禁止にして」
姫「あー見栄え的に?」
従者「防犯的に」
姫「まあどっちでも構わないわ」
従者「なんか姫様最近適当になりましたね」
457: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/30(月) 22:09:02 ID:ogjb0kC5Sw
姫「適当……かしらねえ」
従者「王様に似てきたんじゃないですか」
姫「え、待ってそれ年頃の乙女に言う?」
従者「風格出てますよ、王家の」
姫「お父様には威厳がないって言ってなかったかしら」
従者「忘れました」
姫「あんたは前から適当だったわね」
458: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/30(月) 22:09:23 ID:ogjb0kC5Sw
従者「料理長さんの要望で、完全予約制のコース料理」
姫「なるほど、私たちが食べてるのと同じものを出すのね」
従者「負担が増えて、本業がおろそかになっては困るということですので」
姫「プレミア感も出るかしら」
従者「出るっちゃ出るんじゃないですか」
459: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/30(月) 22:11:04 ID:tbpDYj2bNQ
従者「さて、肝心の価格設定ですが」
姫「できるだけ安くしましょうよ」
従者「……収入を増やすための策じゃなかったんですか?」
姫「でも、高かったら来られない人もいるわ」
従者「そうですけど……」
460: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/30(月) 22:11:26 ID:tbpDYj2bNQ
姫「ええと、メニューは全部城の食事と一緒でしょ」
姫「おなじ品目を増やすだけならあんまりコストも掛からないようだし」パラパラ
従者「何ですかその本」
姫「厨房の収支明細表。資料室の帳簿より詳しいからって、料理長さんが」
従者「それはそれは」
461: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/30(月) 22:11:47 ID:tbpDYj2bNQ
姫「見る?」ヒョイ
従者「どうも。確かにそれなら結構いけますね」
従者「どのくらい値段下げます?」
姫「うーん……街の人が、娘の誕生日に奮発して家族で食事できるくらい」
従者「まあ常識的な回答で良かったです……となると」カリカリ
従者「このくらいでどうでしょう」ペラッ
462: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/30(月) 22:12:09 ID:tbpDYj2bNQ
姫「ちょっと高くない?」
従者「これ以上値切ったら収入大して変わりませんよ」
姫「世知辛い世の中ねえ」
従者「あなたがそれを言いますか」
姫「よし決定!大体これで纏めて、料理長さんに相談に行きましょう!」
従者「御意」
463: 名無しさん@読者の声:2012/2/1(水) 19:23:40 ID:PVr34oZfRs
初めから読んできた
読みやすい文だや
CCCC
464: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/2/4(土) 23:21:09 ID:wPFCMzneoQ
>>463
初めからとはお疲れ様です……w
すごく嬉しいです。支援ありがとうございます!(´∀`*)
465: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/2/4(土) 23:22:42 ID:YEY72tQYGM
王子「姫」
姫「あら、お兄様」
王子「なんだか最近、面白そうなことをやってるじゃないか」
姫「ふふふ、やりがいあるわよ。ただ経費削減するより」
王子「楽しそうで何よりだよ……」
466: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/2/4(土) 23:23:05 ID:YEY72tQYGM
宰相「上手く行くといいですね」
姫「ええ、本当に」
王子「その、水を差したい訳じゃないんだが、姫」
王子「小麦の供給は、きちんと安定しているのかい?」
467: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/2/4(土) 23:23:30 ID:YEY72tQYGM
姫「ええ、城のものを使うから、大丈夫だと思うのだけれど……」
宰相「……今は、ですね。もし不作が続いたら、そんなことも言ってはいられなくなります」
王子「やっぱりか……下手をすれば大赤字だ」
姫「え、待って。原因は冷害だったわよね、まさか続くの?」
宰相「自然現象ですから、はっきりとしたことは言えませんけれど、気温は例年より低いままです」
468: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/2/4(土) 23:23:53 ID:YEY72tQYGM
姫「そもそも、どうして不作があったのに供給が割と安定しているのかしら」
王子「価格は上がり気味だけどな」
宰相「備蓄がありましたし、人口も少ない国ですから、今年の分は西の島国からの輸入で賄えました」
姫「親交があって良かったわね……」
王子「それでも小麦に頼っていた輸出がなくなって、財政難と」
宰相「ええ」
469: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/2/4(土) 23:24:13 ID:YEY72tQYGM
姫「それじゃあ、備蓄ってことは」
宰相「ええ、不作が続けば対処しきれません」
王子「正直賭けだな」
姫「そんな……」
宰相「もっと他に、特産品があればよかったんですが」
470: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/2/4(土) 23:24:31 ID:YEY72tQYGM
姫「じゃあ、王立レストランの計画は?」
王子「何もやめなくてもいいんじゃないか」
宰相「はい、僕もそう思います」
宰相「せっかく姫様がお考えになったんですから、しっかり運営して頂いて」
宰相「ただ、駄目になったときのため、他にも何か策が必要かと思われます」
姫「策……」
471: 名無しさん@読者の声:2012/2/9(木) 07:28:09 ID:DSUxCDcptU
やっと追いついた!!!
支援です!!!!!!
472: 名無しさん@読者の声:2012/2/12(日) 17:28:46 ID:bIrhtTKJA6
三位おめです!
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