姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
413: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 22:55:57 ID:tbpDYj2bNQ
宰相「」イラッ
姫「宰相さーん?回想終了してるわよ、戻ってきてー」
宰相「はっ、すみません僕としたことがつい」
姫「構わないけれど……それで、どうするの?」
宰相「はい、そのことなんですがね」
414: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:17:40 ID:aLkl3hdfUg
宰相「実はしているんですよ、増税」
姫「えっ」
宰相「一般庶民の方々はそのまま、貴族層だけですけれど」
姫「そんなこと……いつの間に?」
宰相「王子がお考えになりましてね」
415: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:18:12 ID:aLkl3hdfUg
宰相「それでも、一方的に税率を引き上げてしまえば対立は避けられない」
宰相「ただでさえ我が国は累進課税が激しいですから、大幅に上げることもできない」
姫「問題だらけじゃない」
宰相「ええ、ですから王子が奔走してらしてらして……」
宰相「最近は、有力貴族の皆さんの屋敷にまで、一件ずつ交渉なさってるんです」
416: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:18:41 ID:aLkl3hdfUg
姫「屋敷に?城に呼ぶんじゃなくて?」
宰相「やっぱり姫様もそう思われますよね……」ハァ
姫「だって、いつもそうしてきたじゃない」
宰相「はい、僕も最初はおやめになるよう申し上げたんですが、曰く」
417: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:19:05 ID:aLkl3hdfUg
宰相「こうなってしまったのは俺らの責任だ」
宰相「後始末を手伝わせてしまうのに上から一方的になんてできない、と」
姫「それは、そうだけれど」
宰相「王家の威信に関わります、と申し上げたのですが」
姫「お兄様ってば本当に……」
宰相「でも、頑張ってらっしゃいます」
姫「……うん」
418: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/11(水) 22:46:51 ID:VMnJaffQ7E
姫「それで最近、忙しそうにしてらしたのね」
宰相「はい、毎日お疲れのようです」
姫「……上手く、いってる?」
宰相「思ったよりは」
宰相「本当ですよ、姫様」
姫「でも増税なんて、誰でも嫌だわ」
419: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/11(水) 22:47:27 ID:VMnJaffQ7E
宰相「……そもそも我が国には貴族層の人数が少ないのですが、理由はご存知ですか?」
姫「いいえ、土地柄?」
宰相「税を逃れて、帝国の方に移住してしまったんですよ」
姫「ええっ?」
宰相「まあ、向こうの方が富裕層に優しい政治ですから……」
姫「そんなに厳しかったのかしら……」ズーン
420: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/11(水) 22:47:51 ID:VMnJaffQ7E
姫「待ってそれじゃあ、その上増税なんてしたら」
宰相「あ、そこは大丈夫です!」
宰相「大貴族や財産を重視する方々はすっかり移住してしまったので、国内の貴族はその、何と言うか」
姫「お金を気にしない変わり者ばっかり?」
宰相「ざっくり言ってしまえば」
姫「勇者の家もそうだったわね……」
421: 2日分(´・ω・`) ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:53:48 ID:ogjb0kC5Sw
宰相「反発が少ないだろうとはいえ、小規模な家が点在するのみです」
宰相「収入が増えると言っても、たかが知れています」
姫「まだ足りないのね」
宰相「はい」
422: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:54:27 ID:ogjb0kC5Sw
姫「……宰相さん。教えて、私は何をすればいい?」
宰相「正直に申し上げて、僕にも分かりません」
姫「やっぱりお父様の絵画をこっそり売り払って……」
宰相「それは王様が発狂なさいます!」サアッ
姫「」チッ
423: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:54:53 ID:ogjb0kC5Sw
姫「ともかく、ありがとう。色々教えてくれて」
宰相「いえ、こちらこそご意見ありがとうございました」
姫「従者に話してもいい?」
宰相「構いませんよ、姫様おひとりのお考えを聞きたかっただけですから」
従者「もう聞いてますしね」ヒョコ
姫「あんた何処から……!?」
424: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:55:25 ID:ogjb0kC5Sw
宰相「追い払うような真似をしてしまって申し訳ありませんでした、従者さん」
従者「平気ですよ、普段もっと酷い扱い受けてますから」
姫「私が何をしたって言うのよ」
従者「いや、フォローが入るだけ良いっていうか本当」
姫「無視!?」
425: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:55:47 ID:ogjb0kC5Sw
宰相「では、とにかくよろしくお願いいたします」ペコリ
姫「分かったわ、行くわよ従者」
従者「御意」
姫「じゃあ宰相さんありがとう、失礼するわ」
宰相「はい、お気をつけて」
426: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:56:16 ID:ogjb0kC5Sw
姫「稼ぐ方法……ねえ」
従者「いっそ商売でも始めますか?」
姫「こうなったら金目のものを片っ端から売り払って」
従者「だから生活レベルを落とすのはやめて下さいとあれほど」
姫「ああなんかこのやり取り前にもした気がするわ」クラッ
従者「堂々巡りですね」ハァ
427: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:56:40 ID:ogjb0kC5Sw
姫「一体私たちに何ができるかしら」
従者「何か考え出さないと、動きようがありませんね」
姫「もどかしい……」
従者「下手なことをされて悪化させるよりはマシです」
姫「でもこのままじゃ、期限が迫るばかりよ」
従者「そう、ですが」
428: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:57:03 ID:ogjb0kC5Sw
従者「とにかく今は、策をお考えになるのが先です」
姫「ええ、分かったわ。そのためには……」
従者「もう一度城内でもお探しになってはいかがでしょう」
姫「そうね……散歩でもしてみましょうか」
従者「御意」
429: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 09:08:14 ID:YMPC7wApis
物語もきりの良いところなので、お知らせです。
毎日更新が厳しくなってきました。
更新頻度が下がり気味なのを見ればお分かりかもしれませんが、最近あまり書けていません。
書き溜めは僅かながらありますので、多分完全に停滞することはないと思いますが、それでも数日に一回になりそうです。
忙しい時期が終われば、また毎日更新に戻す予定です。
読んでくださってる方には申し訳ありませんが、どうかお許しください。
430: 名無しさん@読者の声:2012/1/14(土) 21:35:42 ID:i/du9aJa.s
いつまでも待ってます
支援
431: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/16(月) 23:01:32 ID:YMPC7wApis
>>430
とてつもなく嬉しい言葉をありがとうございます……!
ゆっくりですが、きちんと続けてゆけるように努力しますね。支援ありがとうございました(`・ω・´)
今日は投下します。お時間貰った割にちょびっとで申し訳ないです。
432: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/16(月) 23:05:58 ID:RGDdi1MlWM
姫「と言っても、何も思いつかない訳で……」テクテク
姫「大体おかしいわよ、こんな風に歩いててアイデアが降ってくれば苦労しないわ」
姫「城の中じゃあ気分転換にもなりゃしないし……」
姫「て、いうか」ピタッ
姫「……ここは何処?」
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