姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
405: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 01:16:30 ID:aLkl3hdfUg
姫「……宰相さんは、どう思うの」
宰相「僕の考えはどうか、お気になさらず」
姫「必要だと、思っているの?」
宰相「必要か不必要かということでしたら、必要ではあるかと」
姫「そう」
406: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 01:16:58 ID:aLkl3hdfUg
姫「私は、……やっぱり嫌だわ」
宰相「!」
407: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 01:17:35 ID:aLkl3hdfUg
姫「そりゃあ必要だろうし、侵略されるのも嫌だけれど、だからって国民に私たちの始末を押し付けるのも……」
姫「あっ別に国が崩壊する方がマシって言ってる訳じゃないのよ!絶対に嫌よそんなの」
姫「必要ならやらなきゃいけないのは分かってるけれど、国民の生活が大変なのも知ってるしこれ以上はちょっと」
姫「ああでもこれって綺麗事かしら……でも正直な意見って言われたらどうしても」
宰相「」プッ
姫「真面目に聞いてよ!?」
408: 名無しさん@読者の声:2012/1/9(月) 02:20:51 ID:cQXdx1LMH.
おくればせながら、明けましておめでとう(^^)
相変わらず面白い。
お年玉代わりに、支援。
(・∀・)っC
409: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 22:50:45 ID:YMPC7wApis
>>408
あけましておめでとうございます(´ω`*)
嬉しいお言葉とお年玉頂きましたー!ヽ(`Д´*)ノCヤッター
ありがとうございます、今年も何卒よろしくお願いします……m(_ _*)m
410: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 22:54:06 ID:tbpDYj2bNQ
宰相「す、すみません」クスクス
姫「宰相さんにまで笑われるなんて!」
宰相「いえ、本当に申し訳ありません、あまりに同じことをおっしゃるので」
姫「え、お兄様も?」
宰相「はい。以前こんな会話を……」
411: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 22:54:50 ID:tbpDYj2bNQ
王子「それでも俺、増税は嫌だな」
王子「気持ちの問題だからさ、嫌だとか言っちゃいけないのかもしれないけど」
宰相「そう、ですね」
王子「将来国政を担うかもしれない者として、俺に落胆した?」
宰相「……いいえ、ご立派です」
宰相「あなたが王になっても、きっとついて行きますよ」ニコリ
412: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 22:55:30 ID:tbpDYj2bNQ
王子「なんか照れるな」
宰相「辺境に行かれてから、心身共に成長なさったのではありませんか?」
王子「そうかな、なんか宰相は小さくなった?」
宰相「ちちち縮んでません!」ガタンッ
王子「ごめん、地味に気にしてたんだな……」
413: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/9(月) 22:55:57 ID:tbpDYj2bNQ
宰相「」イラッ
姫「宰相さーん?回想終了してるわよ、戻ってきてー」
宰相「はっ、すみません僕としたことがつい」
姫「構わないけれど……それで、どうするの?」
宰相「はい、そのことなんですがね」
414: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:17:40 ID:aLkl3hdfUg
宰相「実はしているんですよ、増税」
姫「えっ」
宰相「一般庶民の方々はそのまま、貴族層だけですけれど」
姫「そんなこと……いつの間に?」
宰相「王子がお考えになりましてね」
415: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:18:12 ID:aLkl3hdfUg
宰相「それでも、一方的に税率を引き上げてしまえば対立は避けられない」
宰相「ただでさえ我が国は累進課税が激しいですから、大幅に上げることもできない」
姫「問題だらけじゃない」
宰相「ええ、ですから王子が奔走してらしてらして……」
宰相「最近は、有力貴族の皆さんの屋敷にまで、一件ずつ交渉なさってるんです」
416: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:18:41 ID:aLkl3hdfUg
姫「屋敷に?城に呼ぶんじゃなくて?」
宰相「やっぱり姫様もそう思われますよね……」ハァ
姫「だって、いつもそうしてきたじゃない」
宰相「はい、僕も最初はおやめになるよう申し上げたんですが、曰く」
417: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/10(火) 23:19:05 ID:aLkl3hdfUg
宰相「こうなってしまったのは俺らの責任だ」
宰相「後始末を手伝わせてしまうのに上から一方的になんてできない、と」
姫「それは、そうだけれど」
宰相「王家の威信に関わります、と申し上げたのですが」
姫「お兄様ってば本当に……」
宰相「でも、頑張ってらっしゃいます」
姫「……うん」
418: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/11(水) 22:46:51 ID:VMnJaffQ7E
姫「それで最近、忙しそうにしてらしたのね」
宰相「はい、毎日お疲れのようです」
姫「……上手く、いってる?」
宰相「思ったよりは」
宰相「本当ですよ、姫様」
姫「でも増税なんて、誰でも嫌だわ」
419: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/11(水) 22:47:27 ID:VMnJaffQ7E
宰相「……そもそも我が国には貴族層の人数が少ないのですが、理由はご存知ですか?」
姫「いいえ、土地柄?」
宰相「税を逃れて、帝国の方に移住してしまったんですよ」
姫「ええっ?」
宰相「まあ、向こうの方が富裕層に優しい政治ですから……」
姫「そんなに厳しかったのかしら……」ズーン
420: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/11(水) 22:47:51 ID:VMnJaffQ7E
姫「待ってそれじゃあ、その上増税なんてしたら」
宰相「あ、そこは大丈夫です!」
宰相「大貴族や財産を重視する方々はすっかり移住してしまったので、国内の貴族はその、何と言うか」
姫「お金を気にしない変わり者ばっかり?」
宰相「ざっくり言ってしまえば」
姫「勇者の家もそうだったわね……」
421: 2日分(´・ω・`) ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:53:48 ID:ogjb0kC5Sw
宰相「反発が少ないだろうとはいえ、小規模な家が点在するのみです」
宰相「収入が増えると言っても、たかが知れています」
姫「まだ足りないのね」
宰相「はい」
422: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:54:27 ID:ogjb0kC5Sw
姫「……宰相さん。教えて、私は何をすればいい?」
宰相「正直に申し上げて、僕にも分かりません」
姫「やっぱりお父様の絵画をこっそり売り払って……」
宰相「それは王様が発狂なさいます!」サアッ
姫「」チッ
423: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:54:53 ID:ogjb0kC5Sw
姫「ともかく、ありがとう。色々教えてくれて」
宰相「いえ、こちらこそご意見ありがとうございました」
姫「従者に話してもいい?」
宰相「構いませんよ、姫様おひとりのお考えを聞きたかっただけですから」
従者「もう聞いてますしね」ヒョコ
姫「あんた何処から……!?」
424: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/13(金) 08:55:25 ID:ogjb0kC5Sw
宰相「追い払うような真似をしてしまって申し訳ありませんでした、従者さん」
従者「平気ですよ、普段もっと酷い扱い受けてますから」
姫「私が何をしたって言うのよ」
従者「いや、フォローが入るだけ良いっていうか本当」
姫「無視!?」
216.14 KBytes
[4]最25 [5]最50 [6]最75
[*]前20 [0]戻る [#]次20
【うpろだ】
【スレ機能】【顔文字】