姫「いいですよねお父様」
王「姫ちゃん怖いよ」
姫「殴りたくもなりますよ。
――何ですかこの財政は!」
377: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:40:23 ID:SclZQjm4pU
姫「もしかして、私のせい?」
従者「何でそうなるんですか」
姫「だって、私が無茶なお願いをしたから」
従者「乗り気でしたけどね」
姫「確かに、パーティーで話したときは満足そうだったけれど……でも」
従者「姫様」
378: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/1(日) 23:40:49 ID:SclZQjm4pU
従者「落ち着いてください」
従者「姫様が取り乱してどうするんですか」
従者「あくまで噂です、迂闊にお話しした俺も俺ですが」
姫「……そうね。確認を、取らなきゃ」
姫「まずは芸術家さんの部屋に行くわ、話はそれからよ」
従者「御意」
379: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:50:57 ID:c.gYySYfy6
姫「芸術家さん?いるかしら?」コンコン
芸術家「はーい、ただ今……ってへぷっ」ガンッドサバサグシャッ
姫「…………」
従者「……相変わらずですね」
姫「ちょっと安心したわ」
従者「それはそれは」
380: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:51:35 ID:c.gYySYfy6
芸術家「あははは、すみません毎度毎度」ボロッ
姫「いいえ、構わないけれど……どうしたの、この部屋」
姫「あんなに散らかっていたのに、急に荷物なんて纏めて」
従者「一部雪崩を起こしてますがね」
姫「本当に、城を出ていくの?」
芸術家「……、はい。」ニコリ
381: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:52:09 ID:c.gYySYfy6
芸術家「すみません、突然のことで、姫様にご挨拶もできずに」
姫「そんなのはいいのよ、でもどうして?私が何かしてしまった?」
芸術家「いいえ、姫様が心配なさることは何も」
従者「パーティーでの作品に、何かあったんですか?」
芸術家「確かに切っ掛けのひとつではありますけれど、僕が自分で考えて、王様にお許し頂いたことです」
382: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/2(月) 22:52:31 ID:c.gYySYfy6
芸術家「僕ね、環境に恵まれていたでしょう」
従者「まあ、国王直々の保護を受けてましたもんね」
姫「そのことに、何か不満が?」
芸術家「いいえ、滅相もない」
芸術家「ただ少し、試してみたくなったんです」
383: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 18:26:45 ID:tbpDYj2bNQ
毎日更新だけが取り柄なのに昨日更新できなかった1ですすみません(・ω・`)
今日こそ後で必ず……必ず……
384: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:57:30 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「姫様が材料を買わないようおっしゃったとき、最初は苦労しましたよ」
芸術家「作りたいものを作りたいだけ、無心に作ることができない」
芸術家「でもね、それを工夫するのが、途中から楽しく思えてきたんです」
姫「そんなことが……」
芸術家「はい。だから試してみたくなった」
385: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:58:01 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「僕はひとりになっても、果たしてやっていけるのか」
芸術家「王様がいなくても、外で暮らしていけるのか」
芸術家「他の、普通の芸術家と同じように、小さな街の片隅で」
386: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:58:28 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「……折角、僕のことを認めて頂いて、この城に置いて頂いてるのに」
従者「それでも、行かれるんですか」
芸術家「はい」
姫「……そう、なの」
387: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:00 ID:RGDdi1MlWM
姫「お父様は何て?」
芸術家「王様は、応援してくださいました」
従者「良かったじゃないですか」
芸術家「あは、そうですね」
姫「…………」
芸術家「……、姫様」
388: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:27 ID:RGDdi1MlWM
芸術家「姫様どうか、お気を落とさないでください」
芸術家「これは僕の我が儘で、姫様は何も悪くないんです」
芸術家「最後にパーティーで作品を作らせて頂けて、とても幸せでした」
芸術家「これからは外で、頑張ってみたいんです」
芸術家「ただ、それだけなんですよ」
389: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/4(水) 22:59:56 ID:RGDdi1MlWM
姫「でも……」
芸術家「……僕にとっては喜ばしい門出なんですけど、姫様は祝ってくださらないんですか?」
姫「そんなことは、」
芸術家「姫様」
姫「……そうね」
姫「おめでとう、芸術家さん。新しい場所でも、お元気で」
芸術家「ありがとう、ございます」
390: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:27:40 ID:SclZQjm4pU
従者「勇者さんに芸術家さん」
従者「続けて別れがあったからって、なーに落ち込んでるんですか」
姫「だって……」
従者「逆にうざいですよ」
姫「あんた言葉を選びなさいよ」
391: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:28:10 ID:SclZQjm4pU
姫「だって、私が追い出したようなものだわ」
従者「違うって言ってたじゃないですか」
姫「そういうことじゃない」
姫「……私は、やりすぎていたのかもしれないわ」
従者「間接的リストラ、とでも?」
姫「そこまでかは分からないけれど」
392: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:28:41 ID:SclZQjm4pU
姫「私は本当に、今まで通りでいいのかしら」
姫「必死になりすぎて、変えてはいけないことまで変えてはいないかしら」
従者「いつも周りが、諫めてくれるじゃないですか」
姫「だからこそ、それがないときは分からないでしょう」
従者「……つくづく、真面目ですねえ」
393: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/5(木) 22:29:08 ID:SclZQjm4pU
従者「そんな姫様にプレゼントです」スッ
姫「え、何これ手紙?」
従者「勇者さんからですよ」
姫「まじで送ってきやがったわ……」
従者「似た者同士、勇者さんも意外と真面目ですからねえ」
姫「誰が似た者同士よ」
394: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/6(金) 23:43:05 ID:2ho66zkJlw
従者「……では、俺はこれで」
姫「あんた手紙届けに来ただけ?」
従者「いえ、姫様の愚痴を聞きに」
姫「質問に答えただけよ」
従者「……ご自分の発言を振り返ってからおっしゃってください」ハァ
姫「え、何その私が理不尽みたいな」
395: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/6(金) 23:43:36 ID:2ho66zkJlw
姫「全く、私だってどうしたら良いのか……」
姫「ううん、考えても仕方ないわ。気分を切り替えましょう」
姫「勇者からの手紙でも読んで……ええと」ガサゴソ
勇者『姫へ(はぁと』
姫「」イラッ
396: 1 ◆xXC7.dNnEA:2012/1/6(金) 23:44:03 ID:2ho66zkJlw
勇者『まず破らずに読んでください』
姫「何で破り捨てようとしてるのわかったのかしら」
姫「まあいいわ、続き続き……」
勇者『俺は今、王都の外れの街まで来ています』
勇者『旅はわりかし順調です。思ってたよりはね』
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