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姫「殴っていいですか」
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1: ◆xXC7.dNnEA:2011/10/28(金) 22:21:53 ID:SCGnwLC0bk
姫「いいですよねお父様」

王「姫ちゃん怖いよ」

姫「殴りたくもなりますよ。



  ――何ですかこの財政は!」


144: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/12(土) 18:31:44 ID:TKQezqcdlg
勇者「へー、これが城の財政記録」

姫「あんた部外者なのに何で見てるのよ」

勇者「姫が呼んだんだろ?」

宰相「構いませんよ、政治に深く関わる類のものではありませんので」

勇者「だってさ」

姫「……もう」
145: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/12(土) 18:32:15 ID:TKQezqcdlg
姫「客に振る舞う料理代は、この分だと何割か削れそうだわ」

勇者「毎回大量に残ってたよな」

宰相「ええ、かなり」

姫「料理長さんも、もう作りすぎはやめてくれるでしょうね」

宰相「お見事でした」

姫「お世辞はいいのよ」

勇者「鼻の穴膨らんでるけど」
146: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 08:59:35 ID:wPFCMzneoQ
姫「あとは……装飾費って何に使ったのかしら」

勇者「本当だ、何か特別な飾り付けとかしてたっけ?」

宰相「その時々によって、大きな美術品を置いていたようですね」

姫「ああ、そういえば……」
147: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 09:03:45 ID:wPFCMzneoQ
姫「お兄様がいた最後の舞踏会では、大きな氷の彫刻が置いてあったわ」

勇者「その前は確か、色とりどりの炎が灯る燭台が大広間中にあって」

宰相「巨大噴水のときもありましたね」

姫「薔薇園に巨大な迷路を作ろうとした時は、完成が間に合わなかったみたいだけど」

勇者「王様半端ねえな」

姫「お父様らしい……」
148: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 09:11:53 ID:CDn3vnH7O.
姫「やめさせようかしら」

宰相「しかし姫様、それを楽しみに舞踏会へやってくる国民も少なくありません」

勇者「うんうん、確かに綺麗だもんな」

姫「じゃあせめて費用を抑えて……」

勇者「そんなことできんの?」

姫「うーん……」
149: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 09:18:05 ID:CDn3vnH7O.
宰相「こればかりは、直接聞いてみないと分かりませんね」

姫「そうね、でも誰に?」

宰相「王様が保護している芸術家の方に作らせているそうですが」

勇者「お抱えか、やるなあ」

姫「お父様そんなことまで……」
150: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 09:28:45 ID:1Mn.ULmtuc
姫「美術品のことは置いておいて、他に何かできることはないかしら」

勇者「さっきお兄さんが何か言ってなかったか?」

宰相「そうでしたね、王子……」

王子「その耳は飾りか?目上の者に敬意を払えないような者が城に仕えるのが解せないと言ったんだが」

従者「ええ、自らの権威を振りかざし敬意を要求するような者に払う敬意は持ち合わせてございませんので」

勇者「だめだこれ」
151: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 18:23:14 ID:YJIMGSU7Oo
姫「はいはい二人ともそこまでー」

王子「姫、だってこいつ」

従者「大人げないですよ王子」プーッ

王子「お前に言われたくはない」ムカッ

宰相「王子、そろそろ王様がお呼びのお時間ですが……」

王子「ああそうだったな、すぐに行こう」

宰相「すみません、僕達はこれで失礼致しますので」
152: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 18:33:12 ID:QZJczNwe4M
姫「嵐が去ったわ……」

勇者「正確には片方だけどな」

従者「」ムッスー

姫「あんたも大概めんどくさいわよね」

従者「だってあいつ胡散臭い」

勇者「へ、へえ……」
153: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/13(日) 18:38:30 ID:1Mn.ULmtuc
宰相「王様から、帰還記念パーティーについてのお話があるそうです」

王子「父上か。あまり派手なことを企まないで貰いたいんだけどな」

宰相「それにしても珍しいですね、王子が誰かと口論なさるなんて」

王子「だってあいつ胡散臭い」ムスッ

宰相「は、はあ……」
154: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/14(月) 23:21:04 ID:YJIMGSU7Oo
王子「父上、母上」

王「ああ王子くん!早く話したかったんだよー」

王妃「わざわざ呼びつけてごめんなさいね」

王子「構いませんよ。それで、ご用件は」

王「そうそう、王子くんのお帰りパーティーなんだけどね」

王「今度こそ白タイツを履い」

王子「お断りします」キパッ
155: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/14(月) 23:23:07 ID:cdu7xIBYa.
王「なーんーでー!?王子くんずーっと嫌がってるよね!?」

王子「いーやーでーすー!何で俺がそんな歴史の遺物を履かなきゃいけないんですか!」

王「黒歴史を共有するためだよ!」

王子「父上も嫌なんじゃないですか!」

王妃「懐かしいわねえ、若かりし日のことが」

王子「母上も懐かしんでないで何とか言ってください!」
156: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/14(月) 23:24:26 ID:cdu7xIBYa.
王妃「正直私も履いてほしいわ」

王子「まさかの」

王妃「だって面白そうですもの」

王「ほら!」ドヤッ

王子「囲まれた……!」
157: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/14(月) 23:26:18 ID:cdu7xIBYa.
王子「ええとですね、真面目な話」

王「うん?」

王子「舞踏会や催し事の度に衣装を新調するのは、無駄なことかと思われます」

王子「費用削減のためにも、一度着たものでも着られるものは再び利用するべきです」

王妃「そうね、それで?」

王子「だから俺は普通に長ズボンを」

王「結局そこじゃん!」バーン
158: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/14(月) 23:28:16 ID:cdu7xIBYa.
王妃「でもねえ王子くん、仕立屋さんにもうお願いしちゃったのよ?」

王子「そんな、勝手に」

王「先手必勝だもんねー」ニヤニヤ

王妃「仕立屋さんは、それはもう大変乗り気だったわ」

王子「味方はいないのか」
159: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/14(月) 23:29:14 ID:cdu7xIBYa.
王妃「仕立屋さんは明日、城までみんなの計測に来るわ」

王「止めるんだったら直接止めることだねー」

王子「止められなかった場合……」

王「白タイツとかぼちゃパンツが届きます!」

王妃「着ないことも出来るかもしれないけれど、お洋服のお金は払うことになるわね」

王子「頭痛い」
160: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/15(火) 23:45:18 ID:RXwsYJSRA.
姫「それにしても、お兄様が言いかけていたのは何だったのかしら」

従者「何でも良いですよそんなん」

姫「あんたも協力しなさいよ」

従者「はーい」

王子「姫?少しいいかい」コンコン

姫「あら噂をすれば」
161: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/15(火) 23:48:14 ID:YJIMGSU7Oo
王子「なんだ、お前もいたのか」

従者「姫様付きの従者ですからー」

姫「ちょっと、喧嘩するなら余所でやってよね?」

王子「しないよ、姫に話があって来たから」

姫「話……?」
162: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/15(火) 23:49:02 ID:YJIMGSU7Oo
王子「さっき、舞踏会の収支表を見てたろう」

姫「お兄様が調べてらしたあの冊子ね」

従者「それが何か?」

王子「いやね、衣装代をなくせるんじゃないかと思ったんだよ」
163: 1
◆xXC7.dNnEA:2011/11/15(火) 23:49:58 ID:YJIMGSU7Oo
王子「城内のことは姫に任せるって言っていたけれど、自分のための会でお金を使わせてしまうのが心苦しくてね」

姫「それで舞踏会の帳簿を?」

王子「ああ」

王子「そもそも、催し事の度に洋服を新調するのはおかしいだろう」

王子「以前に着たもので事足りるんじゃないか」
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