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さよならいおん「…ありがとうさぎ」
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1: :2011/10/12(水) 18:10:39 ID:DjGow5sBJA
ぼくの名前は
さよならいおん

「さよならいおん」


ぼくはそれしか呟けない




66: はりお ◆kd.jynLh5M:2011/10/14(金) 18:56:17 ID:qtzPYBHBoM
なんでぼくはひとりなの?
お母さん、お父さん、ぼくは今すごくあなた達に会いたいです。


らいおん「さよならいおん…!さよならいおん…!」


お母さんに教えて貰った「さよなら」をいっぱい言ってみる。切ない。寂しい。苦しい。

67: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/14(金) 18:56:45 ID:qtzPYBHBoM
ぼくはいっぱい泣いた。雲がまったくないはずの空。月がぼやけて見えるのはぼくの涙のせいだ。
ぼくは泣きながら走る。帰る場所もないからデタラメにただただ走った。

行き着いた場所は月明かりしかない真っ暗な池だった。

68: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/14(金) 18:57:12 ID:qtzPYBHBoM
池の前に柵がある。ぼくはそれを乗り越える。池の真ん中に浮かぶ月に触りたかったから。
こんばんわん君のお父さんがくれた大切なリュックを地面に置いて、ちゃぷんと両足を池にいれる。冷たくて浅い。ちゃぷん、ちゃぷんと歩き続ける。どんどん池が深くなっていく。ぼくが歩くたび、月が揺れていた。

69: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/14(金) 18:57:59 ID:9OzucEzTfM
わくわくした。でもちょっとだけ怖かった。ぼくの体がどんどん水に浸かっていく。月まであと少しだ。
揺れる月にむかって手を伸ばす。届かない。もう肩の辺りまで水につかっているからとっても寒い。
きっと、もっと水の中を進まなきゃ月には届かないんだ。

70: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/14(金) 19:00:38 ID:9OzucEzTfM

支援ありがとうさぎです!今日はここまででさよならいおん(・∞・)
71: 名無しさん@読者の声:2011/10/14(金) 22:06:35 ID:cPmNuQJNtE
こんばんわん君って誰さww
支援!
72: 名無しさん@読者の声:2011/10/15(土) 00:00:51 ID:BhTm2YyXGU
暖かくて切ない…
良スレ(´;ω;`)つC
73: 名無しさん@読者の声:2011/10/16(日) 12:26:50 ID:UNNMTvFSy.
支援! 支援!
74: 名無しさん@読者の声:2011/10/17(月) 00:01:54 ID:lyASBkUlbw
はりま☆はりおさん頑張って!
75: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/17(月) 17:07:52 ID:8CvlVX4ZxU
>>71
>>68 こんばんわん君に気づいて吹いたwwwこんにちわん君ですねw

支援、応援ありがとうさぎ!全レスしたいくらい嬉しい///
ちなみに「はりお」のはりはハリネズミのはりです(・Å・)フシュッ


76: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/17(月) 17:09:31 ID:8CvlVX4ZxU
ゆっくりゆっくり進んでいく。口に水が入ってきて少し苦しい。

ドンッ

急にぼくの体に鈍い痛みが走った。何かがぼくの体をぐいぐいと押している。どんどん月から離れて陸に近づいていってしまう。もう少しで月に触れたのに。陸に打ち上げられると、ぼくを押していたものがぼくの目の前に立ち上がった。

77: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/17(月) 17:10:22 ID:pZldxr8Itg
わに「なにをしているんですか!もう少し深かったら溺れ死ぬところですよ!」

らいおん「…?」


意味がわからない。ぼくは月に触ろうと水に入っただけだ。死のうとなんかしていない。口に入ってしまった水をゲホゲホと吐き出した。
78: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/17(月) 17:11:17 ID:8CvlVX4ZxU
死のうとなんかしていないです。月に触りたかっただけなんです。伝えようがない思いを抱えながらぼくは黙りこむ。どうにか伝えようと月を指差してから水面を指差してみた。

79: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/17(月) 17:13:49 ID:pZldxr8Itg
わに「月?」

らいおん「…」コクコク

わに「…………」


わにさんに伝わったかはわからないけど、わにさんの瞳が優しくなりぼくの頭を。なぜか涙が出そうになる。ぼくはぐっと堪えた。


80: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/17(月) 17:14:24 ID:pZldxr8Itg
わに「何かあったんでしょうけど、らいおんは陸にいるべきですよ」

わに「月が好きなら星も好きですか?」

らいおん「…」コクコク


べつに月が好きなわけでも星が好きなわけでもないけどなんとなく頷いてみる。ぼくが頷いたのを見てわにさんがにこやかに口を開いた。
81: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/17(月) 17:15:39 ID:pZldxr8Itg
わに「しばらくここに泊まりませんか?」


ぼくはびっくりした。それと同時に嬉しさがこみあげてくる。『しばらく』はわにさんと一緒にいられるんだ。ひとりじゃないんだ。すっごくすっごく嬉しいな。
ぼくはわにさんにむかってペコリとおじぎをした。
82: 名無しさん@読者の声:2011/10/18(火) 05:19:38 ID:UDHBDcGQ6A
これは…やべぇ。もう朝方だけど(´;ω;`)つCあげ
83: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/18(火) 08:26:34 ID:kQZsiAi4Og
支援ありがとうさぎ!
今日も夕方か夜ごろに更新する予定です


>>79
『ぼくの頭を』のあと『撫でた』が抜けてましたw
84: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/18(火) 21:47:47 ID:qdMevyRfro
ぼくはわにさんのお家に入る。たくさんの本があった。『月』とか『星』とかがタイトルになっている本ばっかりだ。


わに「家は好きに使ってください。布団は僕の隣にひくようでいいですか?」

らいおん「!」コクコク

わに「ここに泊まるにあたって約束があります」

85: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/18(火) 21:48:21 ID:qdMevyRfro
わに「ごはんは僕と一緒にとること。夕食後は僕と天体観測をすること。いいですか?」

らいおん「!」コクコク


ぼくは嬉しかった。誰かとごはんが食べられるだけで、誰かと何かする約束があるだけで、ぼくはひとりじゃないんだと実感できる気がしたから。


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