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さよならいおん「…ありがとうさぎ」
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1: :2011/10/12(水) 18:10:39 ID:DjGow5sBJA
ぼくの名前は
さよならいおん

「さよならいおん」


ぼくはそれしか呟けない




36: :2011/10/12(水) 21:28:50 ID:QIyxlkKpbI
うなぎ「手品を見せましょう」


いきなりの事にビックリした。唐突すぎて手品ってなんだっけと思ってしまうほどだ。ぼくは顔を縦にふる。うなぎさんはにっこりと笑ってシルクハットからステッキを取り出した。


うなぎ「ワン、ツー、スリー!」ポンッ


ステッキから花束が出てきてぼくは思わず拍手をする。うなぎさんは花束をプレゼントしてくれた。



37: :2011/10/12(水) 21:29:21 ID:QIyxlkKpbI
うなぎ「朝の散歩は楽しいです」


ベンチから降りて歩いていくうなぎさんの背中に向けてお礼を言おうと思った。でもお礼の言葉が出てこない。思い出せない。ぼくは精一杯大きい声で「さよならいおん!」と言ってみた。うなぎさんはステッキを大きく左右にふってくれた。

38: :2011/10/12(水) 21:29:48 ID:jxhZHLJ7ek
少しでも誰かと一緒に居れたこと、誰かの声が聞けたこと、それが今のぼくにはとても嬉しいことだった。
朝はいろんな人がいる。きっと何かの偶然でこんにちわん君と会えるかもしれない。そんなことを考えていたら昨日の疲れがまだ残っているのかだんだん瞼が落ちてくる。
夜に目が覚めるのは孤独を味わって嫌なのに、ぼくの意識はゆっくりと遠ざかって行った。
39: はりお ◆kd.jynLh5M:2011/10/12(水) 21:43:12 ID:jxhZHLJ7ek
1です。コテと酉をつけてみました。区切りがいいので続きは明日書きます。初スレなのでよくわからんw
支援とカキコと読んでくれてありがとうさぎ!
40: 名無しさん@読者の声:2011/10/12(水) 21:51:11 ID:WM.6ZBGSjg
悔しいがこれは良スレ
持っていってくれ
っC
41: 名無しさん@読者の声:2011/10/12(水) 21:51:37 ID:kmV.oNxA/.
支援だフォイ
42: 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 00:41:59 ID:8ZziAPt4WU
なんでべらべら喋ってるの?
頭の中では思えても口には出せないとか?
43: 名無しさん@読者の声:2011/10/13(木) 05:25:09 ID:ymzI0KJTGY
さよならいおん
ウチに来いヾ(・ω・`)
44: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:24:32 ID:I94awiT9bk
おはようなぎ 1です
支援ありがとうさぎ!朝のうちにちょっと投下。

>>42
そうです。考えられるけど声にはできないさよならいおん
45: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:25:24 ID:S0L2PoK8to
ぼくが目を覚ましたのは夜だった。月に雲がかかっていて、ぼやけた光しかぼくの所に届かない。夜の公園がこんなにも寂しいものだとは知らなかった。
ぼくはなんとなくベンチからブランコへ移動した。

46: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:26:12 ID:S0L2PoK8to
キーキーと小さくブランコを揺らす。ひとりじゃつまらない。


ねずみ「ねえ、何してるの?」


ぼくの後ろから声がした。びっくりしてブランコをとめて顔だけ振り返る。耳がお茶碗で出来たねずみさんがいた。お茶碗の中は空っぽだった。
47: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:26:49 ID:I94awiT9bk
ねずみさんはトコトコ歩いてぼくのひざにちょこんと乗ってぼくを見上げる。


ねずみ「こいでよ」

らいおん「!」コクコク


誰かを乗せてブランコをこぐなんて初めてだから加減がわからない。はやくはやくと急かすものだからぼくは一生懸命ブランコをこいだ。

48: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:27:26 ID:I94awiT9bk
ねずみ「はやいはやい!わっ!たかい!」

ねずみ「ねえ、もっと高くしてよ!」

らいおん「…」コクコク


1回転するんじゃないかと思うくらいスピードがでてる。ぼくは目が回りそうになる。しばらくするとねずみさんは「とめてとめて」と騒ぎだした。

49: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:28:02 ID:S0L2PoK8to
ねずみ「あー楽しかった!僕ひとりじゃあんな速さだせないからね!」

ねずみ「実は僕ね、家出してきたんだ!すごいでしょ!」


ねずみさんが誇らしげに言った。それから家出の理由を語りだす。
50: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:29:21 ID:S0L2PoK8to
ねずみ「ママがね、僕を怒ったんだ。『いただきます』を言い忘れただけで。」

ねずみ「今までずぅーっと言ってたんだけど今日だけ忘れちゃったのさ。」

ねずみ「今日だけ!今日だけだよ?それも1回忘れただけ!」

ねずみ「それぐらいで怒る? 頭にきたから、僕、一口も食べずに家を出てきちゃったんだ!お腹ペコペコ!」

51: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:29:55 ID:I94awiT9bk
どうやらねずみさんのお母さんは教育ママらしい。
お腹へった、ペコペコだよ、と繰り返すねずみさん。ぼくはリュックからチーズかまぼこを取り出してスッと差し出した。


ねずみ「えっ、くれるの?」

らいおん「…」コクコク

ねずみ「半分こしようよ!…えへへ、いただきます!」ムシャムシャ

らいおん「…」モグモグ
52: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:30:40 ID:S0L2PoK8to
ぼくにとっては半分こするような大きさではないけど、ねずみさんにはこのチーズかまぼこは大きいのかな? なんだかちょっと楽しい。


ねずみ「ごちそうさまうす!」

らいおん「!」ペコリ


ごちそうさまの代わりにぼくは小さくお辞儀をした。

53: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:31:19 ID:S0L2PoK8to
ねずみ「僕今日は君と一緒にいようかな」

らいおん「!?」

ねずみ「だって家出してきたし!ママだってきっと心配なんかしてないし!」

らいおん「!」ブンブン


ぼくは顔を横にふってから、ねずみさんをひざの上から降ろした。
54: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:31:50 ID:I94awiT9bk
ねずみ「心配してると思う?まだ怒ってるかなあ」

らいおん「…」コクコクブンブン


縦にふったり横にふったり忙しい。ねずみさんはわかってくれたのか、ハァとため息をついてから「帰ってあげようかなあ、ママのために。」と笑った。

55: はりお
◆kd.jynLh5M:2011/10/13(木) 08:33:10 ID:I94awiT9bk
ねずみ「怒られるの嫌だから、一緒に僕んち行こうよ!」


ねずみさんがぼくの尻尾を見つけてグイッと引っ張る。

ねずみ「ね!一緒に行こうって!」

らいおん「…」コク


公園に居てもつまらないから、ぼくはついていく事にした。誰かと歩くのは久しぶりな気がした。
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